関係副詞 where の盲点

関係副詞といえば、when, where, why, how がすぐに思いつきますね。
あと that も前述の関係副詞の代わりに用いられることがあります。

今日は関係副詞の where について書きたいと思います。

早速ですが、以下の文をちょっと見てください。
①Sometimes I have a moment where I feel happier than I used to.

意味は「時々、私は以前より幸せだと感じる時がある」となるでしょう。moment は「時」ですよね。

さて、この英文を見て皆さんはどう思いますか?
先行詞 a moment に対し関係副詞 の where が使われています。

ということで、またある人から質問をいただきました。
072.gifa moment は「時」を表していますが、なぜ関係副詞の when ではないのでしょうか。

ええ、確かに when でよさそうです。では、when を入れてみます。
②Sometimes I have a moment when I feel happier than I used to.

これも意味は「時々、私は以前より幸せだと感じる時がある」でいいでしょうね。
全くおかしなところはありません。

では、moment where は間違いなんでしょうか?

ちなみに moment when でググると 33,900,000件、moment where だと 3,570,000件という結果でした。moment when の方が圧倒的に多いです。しかし、Google の件数の差からどちらが正しいなどと、短絡的に結論づけることはできないです。意味に違いがあるときに件数で比較しても何の意味もありませんから。moment を「一点の時」と考えたら moment when しかありえません。ここで調べたのは、moment where がごく普通に使われている表現だということを知るためです。moment where の3,570,000件という数字はそれを物語っています。

ということは、①と②の英文はどちらも正しいといえると思います。ただ意味が違う。
その違いを探りたいと思います。

まず、when を使った場合は、まさに「時」を表します。
moment なので「瞬間」でもかまいません。「幸せと感じる瞬間」でも意味は通じます。

では where はどうでしょう。辞書を見てみます。
すると、関係副詞の where は「場所」以外を先行詞とすることができることがわかります。

ジーニアスより引用します。
●where
[制限用法;場所・場合、時に局面・時代などを表す語句を先行詞にして] ...するところの
《◆ in [at, to] which で置き換え可能》

例1)There are cases where no treatment can be of any avail.
どんな治療もまったくききめのない症例もある。

例2)We live in an age where traveler's checks and credit cards are the norms for most international travelers.
今やトラベラーズチェックやクレジットカードがたいていの国際旅行者の規範となっているご時世である。

moment についても調べてみました。こちらもジーニアスから。
●moment
[通例 a/the ~](特定の)時、次期;好機、大切な時期;(...する/...の)時、場合(to do/for)

このように、where で「場合」を表す語句を先行詞とするとあり、moment にはまさに「場合」の意味があることから、moment where は正しい用法であることがわかります。

moment を「場合」の意味で使っている例文がありました。
例3)There’s not a [one] moment to lose.
ぐずぐずしているひまはない。(=ぐずぐずしている場合ではない)

ではもう一度①を見てみましょう。
①Sometimes I have a moment where I feel happier than I used to.

初めに「時々、私は以前より幸せだと感じる時がある」と訳しましたが、上記の考察から、この英文は「時々、私は以前より幸せだと感じる場合がある」とした方がより適切だと思われます。

「より適切」としたのは、「幸せと感じる時」でも意味がとれると思うからです。つまり、この moment を「時間的な空間」と考えると、「時」という訳語を付けることに不都合はありません。かつ「空間」なので where を使ったというロジックも成立します。

<まとめ>
このように見てくると、moment に対し when を使うのは、「時」といっても「瞬時から比較的短い時間」に言及するときという考え方ができると思われます。一方の where は時間の概念は根底にはあるものの「さまざまな場面や場合(occasion)」に言及する際に使うというニュアンスの違いがあるように思います。

ついでながら、The Phantom of the Opera の中の The Point of No Return という歌の中に、こんなくだりがあります。
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You have brought me to that moment where words run dry,
to that moment where speech disappears into silence, silence...

あなたは、言葉が尽きてしまうその時へと私をいざなった
話された言葉が静寂の中へと消えていくその時へと...
-----------------------------------------

ここでも「時」という訳語をつけましたが、真意は「時間的な空間」なのだろうと思っています。

いずれにせよ、moment where はごく普通に使われる表現だということを知っておくとよいと思います。

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2015-09-26 15:23 | 英文法_English Grammar | Comments(4)

今日は中学生から受けた質問を取り上げたいと思います。

これは父が私に買ってくれた時計です。

この日本語を「関係代名詞 which を使って英語にしなさい」という問題があります。
皆さんだったらどう書きますか?

英語が得意なマリコさんはこう書きました。
A) This is the watch which my father bought me.

しかし、解答を見てみるとちょっと違っていました。その英文がこれです。
B) This is the watch which my father bought for me.

ほぉ...解答では for が入っていますね。
この問題集には特に解説がなく、この解答だけ載せてありました。

これを見たマリコ子さんは、for が入っている問題集の解答が正しいのはわかったとのこと。しかし、自分の答えも正しいはずだと思ったそうです。というのは A と B は元になっている英文が違うだけで、表している意味は同じだというのが彼女の考えなのです。

つまりこういうことです。

関係代名詞は2つの文をつなぐ役割を果たしますよね。
A と B を関係代名詞を使わず、2文にしてみましよう。
するとこうなります。

A) This is the watch. + My father bought me the watch.
B) This is the watch. + My father bought the watch for me.


どうでしょう。どちらも正しい英文ですね。
ということはマリコさんの英文も正しいということでいいんでしょうか?

さて、皆さんはどう思いますか?早速、検討してみましょう。

A では後半が SVOO の二重目的語構文になっています。
B の後半は A を書き替えた形です。

学校英語では
My father bought me the watch. = My father bought the watch for me.
と習います。

ということは、関係代名詞でつないでも意味は同じになるように思われます。

しかし...

これはやはり問題集にあった B が正しく、A は間違い(もしくは非文法的)になるでしょう。

もう一度A を見てみます。
A) This is the watch which my father bought me.

この英文には二つの問題があります。

まず、関係代名詞節というのは、元の英文の一部が先行詞として前に出ているため、不完全文になりますよね。例えば This is the book which I bought yesterday. という文は I bought the book yesterday. の the book を先行詞として前に出した文です。よって、関係代名詞節の I bought yesterday は目的語が欠落しています。この欠落感というものが関係代名詞節にはあるんですね。

しかし、A の文の関係代名詞節は my father bought me となっていて、あたかも文が完結しているかのように見えます。実際に「私の父が私を買った」と解釈する人はいないでしょうが、見た目は SVO の形になっており、関係代名詞節に特有の欠落感がないということです。これが一つ問題だと思います。

もう一つの問題は、関係代名詞節における my father bought me の me は、二重目的語構文における間接目的語であるにもかかわらず、文が SVO で完結しているように見えるため、間接目的語であることが認知されにくいということです。言い換えると、与格が認知されにくくなっているということになります。

二重目的語構文においては、間接目的語と直接目的語が2つ並ぶことで、与格(~に)と対格(~を)という格付与がなされます。My father bought me the book. という文においては、me(私に)が与格、the book(本を)が対格です。しかし、This is the watch which my father bought me. においては、与格と対格の位置が分断されているため、この両者が見えにくいのです。その結果、my father bought me のところだけ見ると me は SVO におけるただの目的格のように見えてしまうのですね。これはちょっと問題かなと思います。

また、文の意味からいうならば、二重目的語構文では「間接目的語が直接目的語を所有する」という含意がありますが、A の文ではこの意図が伝わりにくくなってしまっています。

一方のBの文はどうでしょう。
B) This is the watch which my father bought for me

関係代名詞節には目的語が欠落しており、先行詞の位置に移動していることが明確です。
また、for を入れることで、me が受益者であることも明確です。

このように見た結果、A の文は不適切となり、B が正しいと判断せざるをえないと思います。

記事のタイトルにも書きましたが、言葉は方程式ではないということなんですね。
そのほんの一例を今回は取り上げてみました。

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さて、せっかくなのでもう少し考察を深めたいと思います。
二重目的語構文の書き替えについてです。

John gave Mary the pen という SVOO の二重目的語構文は、John gave the pen to Mary. というSVO の to 与格構文に書き替えることができると、学校英語で学びますね。しかし、この2つの文は本当に同じ意味なんでしょうか?

実はこの2文は言いたいことが少し違うようなんです。
疑問文にしてみるとその違いが見えてきます。
C) Did John give Mary the pen?
D) Did John give the pen to Mary?


普通はこれらの疑問文では文末が上がって発音されます。言い換えると、文末が強調されるということです。ということは、C においては the pen が、D においては Mary が疑問の対象となっていると考えることが可能です。

つまり、C の意味は「John が Mary にあげたのはペンなのか?」となり、D は「John がペンをあげたのは Mary になのか?」という違いがあることが明確になります。

このように考えると、単純に「二重目的語構文を to 与格構文に書き替える(またはその逆)」と安易に言えなくなるのではと私は思うのです。

皆さんはいかが思われるでしょうか?

あと、二重目的語構文でも与格構文にできない場合も多々あります。
これについてはまた別の機会に書きたいと思います。

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2015-09-12 15:35 | 英文法_English Grammar | Comments(0)

本日の訳詞の世界は Boy George & Culture ClubMiss Me Blind です。

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英語学習の記事を期待していた皆さま、ごめりんこ。m(_ _)m

実はこのところ、いきなり80年代にタイムスリップしちゃって Culture Club の過去のアルバムに浸りまくっています。というのも先日、Culture Club がアメリカ NBC の Today Show に出演しているのを YouTube で見ちゃったからなのです。

久しぶりに見た Boy George の素敵だったこと。(*´∇`*)
うっとりしちゃったのです~。

聞けば1999年の5枚目のアルバム以来、16年ぶりの再結成だとか。でも私の中では Culture Club は、86年の4枚目からほとんど活動していないイメージがあるんですよね。今回のは本当の再結成らしく、大規模なツアーを組んでの Reunion♪ なんです。7月から8月にかけて北米ツアーを1か月間やっていたみたいで、どの会場も満員御礼だった模様。アメリカでもこんなに人気があるとは知りませんでした。

★ でっ^^ Satin の思い出タ~イム ★
80年代も色んな音楽を聴きました。その中でとりわけ好きだったのが Culture Club でした。82年がデビューの年だと思います。Do You Really Want to Hurt Me は朝から晩までラジオから流れていたわ。サントリーの CM の Mystery Boy も忘れられません。

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やっぱり何といっても Boy George の美貌にウットリだったのです。

この写真はデビューアルバム当時の22歳頃かな。

George は美しいだけじゃなくて性格もものすごくよい♪ ので、どの音楽雑誌でも大絶賛でした。







セカンドアルバムからは Karma Chameleon が大ヒットして人気を不動のものにします。しかし、3枚目と4枚目がふるわずそこからバンドは休止状態になるんです。George に色々あったからなんですけど、それ以降 George は太りだし、美青年の面影から遠ざかることになります(。>0<。)。でも彼はとても頭の良い人で、話がとっても上手なんですね。だからイギリスのテレビ番組でコメンテーターをやったり、DJ としても成功して、近年は順風満帆だった様子。

そんな中でオリジナルメンバーで再結成したというわけですから、気合の入れ方が違うのです。

今回選んだ Miss Me Blind は Karma Chameleon が入っているセカンドアルバムの中の曲です。
私の大のお気に入り。



これはつい最近のコンサートの模様です。

30年前の美貌の George とはまた違った魅力があって、すごいオーラに吸い込まれてしまいそう。
こんな摩訶不思議なおじさんていないですよね。いや George はもう性を超越しちゃってると思った。
もとから美形ですけど、年をとって髭を生やしてもキレイと思うわ~。
それとあのきれいな声が年齢とともに太く低くなって、さらに声量もまして Amazing Voice

はあ~。George への愛をたくさん語りました。
満足です。(ただの自己満足のミーハー記事でごめんなさいね、皆さん。Sorry...)

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Miss Me Blind

Miss me
I know you'll miss me
I know you'll miss me blind

僕が恋しいんだろう?
わかってるさ
僕がいなくなったら
君は僕が恋しくてたまらなくなるよ

I know you'll miss me
I know you'll miss me
I know you'll miss me blind

そうさ
僕のことが恋しくて
君は何も見えなくなってしまうだろうね

Bet you got a good gun
Bet you know how
To have some fun and then
You turn it around on me
Because I'm better than the rest of the men

君の銃は素敵さ
君は楽しみ方も知ってるもんね
そしてその銃で僕に狙いを定めるんだ
だって僕以上の男なんていないもん

I say you'll miss me
And you always do
I say you'll miss me
Now would I lie to you

だからさ
僕が恋しくてたまらなくなるって言ってるの
いつだってそうだろ?
僕のことが恋しくなるんだって
僕が嘘をつくとでも?

Now there's no need to demand
Grab my golden hand
I'll teach you and you'll never be sure
If the way that you need
Is too much like greed
Decide if you are rich or you're poor

ねえ求める必要はないんだ
僕の黄金の手をつかんでごらん
そしたら教えてあげるよ
だって君には絶対わかりっこないもん
君に必要なのは言わば貪欲さなんだってこと
豊かな方がいい?それとも貧しい方がいい?
決めたらどうなの?

I know you'll miss me
I know you'll miss me
I know you'll miss me blind

僕が恋しくなるに決まってる
知ってるさ
僕がいなくなったら
君は僕が恋しくてたまらなくなるよ

Bet you make the fool run
Bet you know how
To make it last forever
But you know
I'm never really sure
If you're just kissing to be clever

その愚かな奴を暴走させるんだよね
どうすれば永遠に続けさせられるかわかってるんだろ?
だけど僕には本当にわからないんだよね
君がキスするのは利口になりたいからってだけなの?

I say you'll miss me
And you always do
I say you'll miss me
Now would I lie to you

だからさ
僕が恋しくてたまらなくなるって言ってるの
いつだってそうだろ?
僕のことが恋しくなるんだって
僕が嘘をつくとでも?

Now there's no need to demand
Grab my golden hand
I'll teach you and you'll never be sure
If the way that you need
Is too much like greed
Decide if you are rich or you're poor

ねえ求める必要はないんだ
僕の黄金の手をつかんでごらん
そしたら教えてあげるよ
だって君には絶対わかりっこないもん
君に必要なのは言わば貪欲さなんだってこと
豊かな方がいい?それとも貧しい方がいい?
決めたらどうなの?

Because the love
That I have to give
Must be better than that kind
It can make you rich
It can make you poor
But I know that you'll miss me blind

だって僕が与える愛はそんなのよりずっといいに決まってる
君を豊かにもできるし、貧しくもできるんだ
だけど僕がいなくなったら
君がどんなに僕を恋しく思っても
お先真っ暗ってわけさ

********************************
訳詞は以上です。

Culture Club の曲のほとんどは、メンバー全員で書いているようです。この曲もそう。でも詞は George が書いているんです。あとから知った話なのですが、当時、George とドラムスの Jon Moss は付き合っていたんですって。George の書いた曲の多くは Jon とのことを書いているそうよ。この Miss Me Blind にも George が Jon を思う切ない気持ちがいっぱい詰まっているんです。

さて、この曲はセカンドアルバム Colour By Numbers に入っています。アルバムジャケットが上の方にありますが、Culture Club はイギリスのバンドなので colour のスペルがイギリス英語の綴りになっていますね。アメリカ英語だと color(u がない) になります。

Colour By Numbers は塗り絵のことです。英辞郎から引用します。
●color by number
 -〔子ども用などの〕(知育)塗り絵◆絵の各部に数字が書いてあり、それに従って着色すると絵が完成する。

★I know you’ll miss me blind - 僕のことが恋しくて君は何も見えなくなってしまうだろうね

miss me blind という表現が詞の中に何度も出てきます。
わかりにくいのは blind の用法です。これはちょっと悩みました。

miss me は難しくないですよね。I miss you. は「あなたがいなくて私は淋しい。あなたを恋しく思う。」ですね。
blind はというと miss me の後ろにあるから副詞のように見えます。

英和を見てみると、blind の副詞の用法が載っています。ジーニアスから引用します。
●blind - (略式)意識を失うほど、完全に、すっかり 
     用例)be blind drunk へべれけに酔っている

これを miss me blind に当てはめると「意識を失うほどものすごく僕のことを恋しく思う」となり、何となくおさまるようですが、英英辞典を見ると blind drunk は決まりきった表現のようでした。これ以外に blind を extremely の意味で使う用法は見つかりませんでした。なので副詞ではないと思います。

他に選択肢があるとしたら、blind はただ、miss me に補足情報として付いてるんじゃないかということです。文法用語で言えば 結果を表す分詞構文 になります。being blind の being を省略した形と考えるとよいのではないでしょうか。となると blind は形容詞になります。

つまり...
you’ll miss me blind = you’ll miss me, being blind
私はこの考え方が一番しっくりきました。
意味するところは、「僕のことを恋しく思うあまり、その結果、君は何も見えなくなってしまう」です。

★the way that you need is too much like greed - 君に必要なのは言わば貪欲さなんだってこと

この箇所はやや意訳ぎみです。直訳は「君に必要なやり方は限りなく貪欲に似ているものだ」という感じです。

●too much like  《be ~》~にあまりにも似ている (英辞郎より)

あと他にも書きたい事あるんですけど、この歌は多分に sexual な意味が入っているんだろうなと思う表現があって、ここに書くのはヤバイかもってことでこのへんにしておきます。σ(^_^;)

ということで Miss Me Blind はこれにて一件落着。
One down でござ~る。001.gif

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ついでながら Miss Me Blind の当時の PV がこちらです。


これ、日本語がたくさん出てきてかなり笑えます。
着物の日本人女性は George のお友達なんだとか。
最後に金閣寺(?)が燃えているんですが、そこで「メラメラと燃えている~」という声が入っています。

意味不明のビデオですが、George はやっぱりかわいいです。(o^-^o)

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これからしばらくサテンは George の動向を追いかけることにいたします。

日本にも来てほしいなあ。マダ?o(^o^)oマダ?









★2016年6月17日の追記★
George が来るのよ来るのよ~♪
サテンは6月24日のフェスティバルホールに行くよ~♪
SS席とったどー。
楽しんできます~058.gif
by ladysatin | 2015-09-05 21:21 | Music & English_2 | Comments(11)