カテゴリ:Music & English_2( 23 )

今日は 詞の中身をじっくりみていきます。
今まで知られていなかった Fields of Gold の中身にぐっと迫りますよ。(^^)

初めて読む方はこちらから読んでくださいね
⇒ 訳詞の世界~Fields of Gold – Sting(和訳)

ところで今回、Fields of Gold を訳しながら思ったことは、英文を読むにはやはり背景知識が必要だということです。西洋の文化や地理についてのリサーチが今回は特に多かったです。

まず
Fields of gold (黄金の草原)= Fields of barley (大麦の畑)
ということになりますが、そもそも「何ゆえに大麦畑なの?」というところから。。。

実は Sting のお家の近くに大麦畑があり、そこからインスパイアされて書いた曲だということを、今回調べて知りました。それで、大麦ってイギリスではどうなんかな~と思ってWikiを調べてみました。

そしたら、2009年の生産高はイギリスは世界8位の680万トンで、9位のアメリカの490万トンを大きく上回る生産量ということを知りました。国土面積から見て、いかに大麦栽培がイギリスでは盛んかということがわかります。ちなみに日本はたったの19万トンです。

蛇足ながらイギリスと日本の国土面積は、イギリス 244.820k㎡に対し日本 377.914k㎡ということです。(私は同じくらいの大きさかと思ってました。。。σ(゚・゚*)ンート・・・)

つまり、イギリスは日本の国土の3分の2しかないのに、大麦の生産は36倍!

ということは、イギリス人には大麦畑ってかなり馴染みがあるということなんでしょうね。
ちょっと歩けば大麦畑?みたいな。だからきっとこの曲は、イギリスの人々にとっては、私たち日本人が感じるよりも、より日常の風景としてすうっと心に入りやすいということが言えるのでは?

では最初の部分からみていきましょう。

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You'll remember me when the west wind moves
Upon the fields of barley
You'll forget the sun in his jealous sky
As we walk in fields of gold

大麦畑を西の風がそよぐとき
君は僕を思い出すだろう
二人で黄金色に輝く世界にいる間は
僕らに嫉妬する空とそれを支配する太陽のことなど
君は忘れてしまうだろう
*************************************

★You'll remember me when the west wind moves upon the fields of barley

この文でまず注目したいのは、wind moves のところです。
普通は「風が吹く」というときは wind blows ですよね。
しかし、あえて wind moves を使い、「風が動く・移動する」という言い方になっています。
west wind は文字通り西風のことですが、秋風としてもよさそうですね。
私は気取って「西の風」な~んて表現してみました。

そしてその後ろに upon the fields of barley が続くのですが、ここで使われている upon にも注目しましょう。普通、upon は on と同義で文語体で多く使われると考えられています。しかし、違う意味もあります。

ランダムハウスで upon を引いてみると、1番目に次の意味がありました。

Upon
(動作の方向)・・・の上に(up and on)
He climbed upon his horse and rode off. 馬に乗って去った。


when the west wind moves upon the fields of barley
「大麦畑を西の風がそよぐとき」
ここで、on でも above でもなく upon がなぜ使われているのかという理由が、ランダムハウスの記載からわかりますよね。

この upon を説明したくて、Sting の言葉を引用したのです。
そ、前回説明しましたよね。風は男性で、大麦は女性。。。
ここの説明はこれでOKですね。" "(/*^^*)/ハズカシ

★You'll forget the sun in his jealous sky as we walk in fields of gold

さあ、ここの in his jealous sky の his は何なの?っていうところです。この his とても唐突に出てきましたね。

調べてみたところ、his は太陽のことのようです。

ギリシャ神話やエジプト神話では、太陽は、先史時代における神、すなわち太陽神として空を支配していたそうです。そして太陽神は男性の神です。だから、ここで男性をあらわす代名詞、he の所有格の his が使われているのだと思います。

普通だったら the sun in the jealous sky になり、素直に「嫉妬深い空の太陽」と短く訳出できます。
しかし、Sting はあえて the ではなく his にしたのです。
だから、ここはどうしても訳で表現したいところ。

ただ、難しい。とってもとっても難しい。(TwT。)
the sun in his jealous sky を直訳すると、「太陽が所有する嫉妬した空にある太陽」となり、ああ、まどろっこしいってことになるんですね。

ここはうまくおさめるために「僕らに嫉妬する空とそれを支配する太陽のことなど君は忘れてしまうだろう」と訳してみました。太陽が空を支配しているのであれば、太陽と空は一体化しているという解釈でいいだろうと思いました。これ以上、短くするのは無理みたいです。(;^_^A

★本日の締めは、Fields of Gold を語る上でどうしても外せないと私が思う
「定冠詞つきの the fields と 定冠詞なしの fields」についてです。

上の最初の文は the fields of barley とあり、下の文は fields of gold とあります。

なぜなのか?

それは、定冠詞付きと定冠詞なしでは、同じ fields でも内容が全く違うものを指しているからです。

field はそもそも可算名詞です。これを、田畑を表すために集合的に用いて the fields のように the を付けてよく使います。→ ランダムハウスの例 go out into the fields 畑へ出る

ここで、定冠詞が使われる根本的な状況を押さえておきましょう。。
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「英語の名詞部は、同定可能であると判断されるとき、the がつけられる。「同定可能」は、すでに述べられたものを前方照応的に指す場合だけでなく、文化的脈絡において聞き手/書き手は、a/anを用いるときは名詞部の情報が完結を表すことを一方的に述べるのに対し、the を用いるときは聞き手/読み手との共同作業を前提とするのである。」 ―「現代英語冠詞辞典(大修館書店)」より抜粋
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難しく書かれているけどこんな感じです。つまり。。。
Sting は the fields を「僕たちが過ごしたあの大麦畑」と明確に言っているのです。これから先も何回も the fields が出てきますが、終始一貫して「同じ大麦畑」を指しています。そして、私たち聴き手は「はいわかってます。あなた方が一緒に過ごした畑のことなんですよね。」って同定しています。これを共同作業と上の文献では言っているのです。

さらにこの the fields における the は、ここからここまでという「空間的な限定」を示唆します。

それに対し、無冠詞の fields は、聴き手が知るよしもない fields なんです。

fields を辞書で引いてみると、「界・場」という意味があります。おそらく、Sting がここで定冠詞なしで言っている fields とは「二人の世界」のことではないかと思います。そこで何をしていたのか、何をしているのか私達はわかりませんが、gold ですから素晴らしい世界だと彼は言っています。定冠詞がないのは、書き手からの一方的な情報だからです。

さらに、あとに出てくるのですが、「中で」という意味を表す前置詞も明確に区別して使われています。
among in のことです。

① among the fields of gold
② in fields of gold

① のamong は物理的位置を指すとき「(ある集合体に囲まれて)中に」という状況において使います。この場合の集合体とは、大麦のことです。大麦が生い茂っていてその中にいるから、the fields に対し among が適切に使われています。

② の in は「ある空間の中」を意味し、そこに何かの集合体があることを示唆しません。大麦畑であれば、among を使うでしょうが、使われていない。だからこの点から見ても定冠詞なしの fields は別の場所になると考えられるのです。

そんなわけで、私の訳はこうなりました。
As we walk in fields of gold = 二人で黄金色に輝く世界にいる間は

最初のところで長くなりましたが、ここが一番大切なところだったので力説してしまいました。
今回に限りませんが。~(=^‥^A

これ以降はスムーズにいくはずです。

しかし、冠詞の使い方は本当に難しいですね。
皆様、次回も来てくださいね。

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Sungha Jung 君の Fields of Gold です。

Fields of Gold の考察の続きはあと2回あります。
以下をクリックして読んでくださいね。
→ Fields of Gold – Sting 訳詞考察(2回目)
→ Fields of Gold – Sting 訳詞考察(3回目)

全訳はこちらです。
⇒ 訳詞の世界~Fields of Gold – Sting(和訳)
by ladysatin | 2013-11-08 21:24 | Music & English_2 | Comments(6)

★定冠詞つきの the fields と 定冠詞なしの fields の存在の謎を解明します。

本日の訳詞の世界は Sting の Fields of Gold です。いい曲ですね~^^。

この記事はあと3回あります。
この曲の内容を英文法と語法の観点から、以下深く考察していますので、是非読んでいただければと思います。
→ Fields of Gold – Sting 訳詞考察(1回目)
→ Fields of Gold – Sting 訳詞考察(2回目)
→ Fields of Gold – Sting 訳詞考察(3回目)


さて、この曲はズバリ難解です。大麦畑をベースにした Love Song だということはわかるのですが、細部にわかりにくい箇所があり、解読はとても難しかったというのが実感です。( p_q)

039.gif だって疑問点が出てくる出てくる。。。たとえば。。。
*登場人物の I, You, She, He は誰をさしているの?
*You'll forget the sun in his jealous sky の his は何?なぜ普通に the にしなかったの?
*So she took her love for to gaze awhile の for は何?for to なんて不定詞の使い方知りません。

*一番の極めつけは、タイトルにもある fields。。。
定冠詞つきの the fields 冠詞なしの fields が混在するのです。o(@.@)o !!
これは何故なんだろうと思うと眠れませんでした。ほんとに。

これらをクリアしないとこの曲を理解することはできません。
やっと上記の疑問が解決できたので、今日、訳詞をアップすることにしました。

さて訳詞に行く前に、Sting がどんな思いで Fields of Gold を書いたのかが載っている文献を見つけたのでご紹介します。

こんな感じです。

This is what Sting had to say in his lyrics book:
"In England our house is surrounded by barley fields, and in the summer it's fascinating to watch the wind moving over the shimmering surface, like waves on an ocean of gold. There's something inherently sexy about this sight, something primal, as if the wind were making love to the barley. Lovers have made promises here, I'm sure, their bonds strengthened by the comforting cycle of the seasons."


Sting がご自身の詞の本に書いている内容です。訳してみましょう。
「僕達のイギリスにある家は、大麦畑に囲まれているんだ。夏になるとね、黄金の海の波のように揺らめいてきらめく表面を、風がそよいで渡るんだ。それを見るとうっとりする。この景色はまるで、風が大麦に愛の行為を行っているように見えて、元からある何か性的なもの、何か原始的なものだ。恋人達は、ここで約束を交わしてきたんだよ。きっと、心地よい四季の移り変わりが彼らの絆をより強くしたんだろうね。」


これを読んで、私の中の???マークはかなり消えました。

そうここに書いてあることからわかるように、風は男性で、大麦は女性を象徴しているのです。
この詞の中には風と大麦が出てきます。
そして二人は恋人同士だったというわけ。

次回は、 Fields of Gold の詞を詳細に考察していきます。
疑問点を解明していきますので、また、遊びにきてください。




このコンサートのバージョンはとても素敵ですよ。
よかったら。

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Fields of Gold

You'll remember me when the west wind moves
Upon the fields of barley
You'll forget the sun in his jealous sky
As we walk in fields of gold

大麦畑を西の風がそよぐとき
君は僕を思い出すだろう
二人で黄金色に輝く世界にいる間は
僕らに嫉妬する空とそれを支配する太陽のことなど
君は忘れてしまうだろう

So she took her love for to gaze awhile
Upon the fields of barley
In his arms she fell as her hair came down
Among the fields of gold

そこで彼女は大麦畑をちょっと眺めたくなって
恋人を連れていったんだ
髪をほどきながら彼女は彼の腕の中に身をゆだねた
黄金色の草原に囲まれて

Will you stay with me, will you be my love
Among the fields of barley
We'll forget the sun in his jealous sky
As we lie in fields of gold

一緒にいてくれるかい
恋人になってくれるかい
大麦畑に囲まれて
二人で黄金色に輝く世界にいる間は
僕らに嫉妬する空とそれを支配する太陽のことなど
忘れてしまおう

See the west wind move like a lover so
Upon the fields of barley
Feel her body rise when you kiss her mouth
Among the fields of gold

大麦畑の上を撫でる西の風を見てごらん
まるで恋人がそうしているかのようだね
君が彼女に口づけをするとき
彼女の身体が浮き上がるのを感じてね
黄金色の草原に囲まれて

I never made promises lightly
And there have been some that I've broken
But I swear in the days still left
We'll walk in fields of gold

僕は軽々しい約束など決してしなかった
なのに何度か約束を破ったことがあった
だけどまだ残された日々の中で僕は誓う
二人で黄金色に輝く世界を生きていくことを

Many years have passed since those summer days
Among the fields of barley
See the children run as the sun goes down
Among the fields of gold

大麦畑で過ごしたあの夏の日々から何年もたった
ごらん子供たちが走っているね
夕日が沈む黄金色の草原に囲まれて

You'll remember me when the west wind moves
Upon the fields of barley
You can tell the sun in his jealous sky
When we walked in fields of gold

大麦畑を西の風がそよぐとき
君は僕を思い出すだろう
嫉妬する空とそれを支配する太陽に言ってあげるといい
僕たちは黄金色に輝く世界を生きたのだと

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by ladysatin | 2013-11-07 20:17 | Music & English_2 | Comments(20)

本日の訳詞は Paul McCartney さんの曲を選んでみました。

私が一番好きな Paul の曲をご紹介しますね。
大学生のときに仲良しのお友達から教えてもらって、とても癒された曲なんです。

それは... My Love

1973年、奥さんの Linda のために書いた曲です。
奥さんは1998年に亡くなられました。
バラードの名曲はたくさんあるけれど、Paul の My Love は別格の美しさです。
とても心が落ち着く曲なので、寝る前におすすめです。

下の方に文法解説していますので、読んでいただければ幸いです。


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My Love

And when I go away
遠く離れていても

I know my heart can stay with my love
僕の心はあの人のもと

It's understood
わかっているさ

It's in the hands of my love
あの人の手の中にある

And my love does it good
そしてあの人は大切にしてくれる

My love does it good
大切にしてくれるんだ

And when the cupboards bare
戸棚が空っぽになっても

I'll still find something there with my love
あの人の面影を見つけてしまう

It's understood
そうだね

It's everywhere with my love
どこにでもあの人はいるんだ

And my love does it good
そしてあの人は大切にしてくれる

My love does it good
大切にしてくれるんだ

I love…my love
あの人を愛している

Only my love holds the other key to me
あの人だけが持っているもう一つの鍵

My love...my love
僕の大切な人

Only my love does it good to me...
あの人だけが大切にしてくれる。。。

Don't ever ask me why
理由はどうか聞かないで

I never say goodbye to my love
決してあの人にさよならは言わない

It's understood
そうさ

It's everywhere with my love
あの人はどこにでもいるもの

And my love does it good
そして僕の心を大切にしてくれる

Only my love does it good to me
あの人だけなんだ。。。

=^-^=

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ではでは My Love の訳詞の解説です。

1)My love does it good. の構文は何?

実は it と good は二重目的語になっています。従って、SVOOの第4文型になります。
この場合の good は形容詞じゃなくて名詞になり、「良いこと、善行」の意味です。

My love = S
does = V
it = O
good = O

ほら、これと同じ。→ He gave me a book. (SVOO)
これは次のように書き換えられます。→ He gave a book to me. (SVO)

だから同じように考えて
My love does it good. = My love does good to it.
となります。

★ランダムハウス大英和辞典の do のところに書いてある例文も引用します。
(利益・害・信用などを)生じさせる、もたらす
Change of air will do you good.
転地なさると体によいでしょう。
Too much excersize will do you harm.
あまり運動しすぎると害になる。


これ結構大切な構文です。

2)my love は何で人になっちゃうの?

これは辞書を引くと答えがあります。
loveには「愛」という名詞だけでなく、「恋人」すなわち sweetheart の意味があるんですね。
私はちょっと気取って「あの人」と訳しました。

3)「あの人は大切にしてくれる」って it は何を指しているの?

これは以下の流れになっています。
I know my heart can stay with my love

It's in the hands of my love

My love does it good

it は my heart を指しているんです。
だから「僕の心を大切にしてくれる」という意味。

4)It's everywhere with my love 「どこにでもあの人はいるんだ」になるのはなぜ?
主語は It なのに。。。


この主語の It も my heart のことです。
直訳すると「僕の心はどこにいるときもあの人(my love)と一緒さ。」となります。
これを視点を変えて「どこにでもあの人は(僕の心と一緒に)いるんだ」と訳してみました。

以上、ちょっと大切かなと思ったところだけ解説しました。

これからも訳詞をアップしていきますので、皆様のご訪問お待ちしています。

Thank you so much.
by ladysatin | 2013-10-26 13:15 | Music & English_2 | Comments(4)