misleading

今回のトピックは misleading の使い方についてです。

先日 TOEIC の勉強をしている知人のAさんから質問を受けたのですが、なかなか面白い質問だったので書きたいと思います。

★問題集にあった穴埋め問題です。------- に何を入れましょうか?
The publisher will not purposely disclose any information that is inaccurate or misleading ------- its readers.

選択肢は with, at, to, on です。

Aさんは、消去法で to を選んだら当たっていたとのこと。

私も「それでいいと思いますよ」と言いました。

to を入れると英文はこうなります。
The publisher will not purposely disclose any information that is inaccurate or misleading to its readers.
意味は「その出版社は、不正確で読者に誤解を招きやすい情報を、意図的に表ざたにはしないだろう。」

ここまではOK。

さて Aさんはここで面白いことをおっしゃいました。
「今回の英文で to を入れるのは、misleading を形容詞として扱っているからだと思いますが、mislead を他動詞として考えると its readers は目的語となるので to は不要ですよね」

つまり、to を入れない以下の英文も成立するとおっしゃるのです。
The publisher will not purposely disclose any information that is inaccurate or misleading its readers.
意味は「その出版社は、不正確で読者に誤解を招く情報を、意図的に表ざたにはしないだろう。」という意味になりませんか?と質問してこられました。

え~っと...(汗)。この質問、私はしばらく考えこみました。
どうでしょう。to を入れなくても成立するでしょうか。

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結論からいえば成立しないようです。
その根拠として2点上げたいと思います。

もう一度最初の英文を見てみたいと思います。
The publisher will not purposely disclose any information that is inaccurate or misleading to its readers.

まず inaccurate or misleading の形ですが、or は等位接続詞で結ばれています。inaccurate は形容詞以外の品詞はありえないので、or でつなげる場合は misleading も形容詞とした方が自然に思えます。やや弱いですが、これが1つ目の根拠です。

次に、仮に mislead を他動詞だと考えて misleading its readers とするとしたら、この misleading は「現在進行形」かまたは「近接未来」だと考えることができます。

問題の箇所を簡略化してフレーズ書いてみます。
★information that is misleading its readers

この箇所で、misleading が現在進行形だとすると、意味は「読者を誤解させている情報」となります。ここだけみれば問題がないようにみえますが、主節が will not disclose であるため、情報は今のところ未公開です。未公開の情報なのに、読者を誤解させているという状況は発生しえないため、現在進行形はありえないということになります。

では misleading が近接未来と考えれば will not disclose と両立するのではないかと考えてみました。すると意味は「(近いうちに)読者を誤解させる情報」となり、未公開の情報であることと矛盾が生じませんよね。

これについても調べてみたのですが、近接未来という考え方も無理があるようです。いつもお世話になっている現代英文法講義のP120には「未来指示の進行形は計画可能な行動についてしか使用できない」とあります。

計画可能な行動を未来指示の進行形で表している例をあげると…
Yes, I’m going to Paris tomorrow. ええ、ぼくは明日パリに行きます。
The Browns are dining with us this evening. ブラウン夫妻は、今晩私たちと夕食を共にします。

次のような文は計画可能ではないので、容認できません。
× Tomorrow it is snowing.
× She is falling ill next week.

※上記例文はすべて現代英文法講義から拝借しました。

このように見てくると information that is misleading its readers が「計画可能な行動」だと考えるには無理があります。だからやっぱりこの場合は misleading を形容詞にして misleading to とするしかないのです。Aさんもそれで納得されました。

では、どうしても他動詞で使いたい場合、どうにか表現できないでしょうか?

少し変えるとできますね。may とか will を使えばいいんです。以下の英文だったら問題ありません。
The publisher will not purposely disclose any information that is inaccurate or may mislead its readers.
意味は「「その出版社は、不正確な、または読者に誤解を招く可能性のある情報を、意図的に表ざたにはしないだろう。」

以上です。
One Down でござ~る。

ではまた。(^^)/~

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今日は仕事がないのでセンター試験解いてみました。
→ 全問正解ならず。1問間違えました。しかも1ページ目の発音問題。
stone, story, total, vote の下線部の発音がほかの三つと異なるものを選ぶ設問で、自信満々で選んだものが大外れでした。高校レベルの単語なのに、ちょっと恥ずかしいです...。161.png

Commented by akaboshi_tamiko at 2019-01-26 16:07
こんにちは、赤星です。
発音問題で、story以外は二重母音だなと思ったのですが、ladysatinさんが間違えたくらいだからきっと落とし穴があるに違いないと、単語をコピペしてグーグル翻訳で発音を聞いてみました。

最初パッと聞いた時はストーン、ストーリー、トータル、ヴォートと聞こえて、
ん???? と迷いました。

でも、辞書で発音記号を確かめて、確信をもってグーグル翻訳の音声を聞いたらようやく二重母音が聞こえました!これはいい勉強になりました。

英語の堪能な友人が、辞書を引くより耳で覚えたほうがいいよ、とよく言うのですが、私の場合は耳と目(発音記号を見て)の両方を使ってようやく覚える、という感じです。

還暦過ぎて新しい単語を正しい発音で覚えるのは、目も耳も手も(書き取りする)全部使わないとなかなか覚えられないですね…。
Commented by ladysatin at 2019-01-26 23:29
赤星さん
こんにちは。(^_^)

story が正しかったですね。私は vote を選んでしまいました。発音ってとても大事なのに、今まで結構適当にやってきたんだなと思い、反省しています。私が今一つリスニングが弱いのは、発音の勉強が足らなかったからかもしれません。今は、ネットで発音を確認できるようになったので便利ですね。

辞書を引くより耳で覚えた方がいいというのは同感です。習得も断然早いです。私も以前は外国人と一緒に働いていたので、かなり発音には注意していたつもりですが、今はそういう環境ではないので、ますます発音には自信がなくなってきています。

小さなことからコツコツと頑張っていきたいですね。
Commented by 昭和ギター小僧 at 2019-04-05 14:43 x
Satinさん 昭和ギター小僧です。

英文法の記事へのコメントは初めてです、まったくの素人なのでドキドキしてます。

この記事読ませて頂いてもやもやしてしまいました。英語は感覚だけで使っていたので、英文法って用語も含めて判ってないです。恥ずかしいですが拙く判りにくい質問お許し下さい。

この記事にある、もともとの穴埋め問題って、単純化すると
「XはYをZに開示する(Zは人物)」という意味を discloseを使って英作文するのであれば、Zの前置詞として with at to on のどれを使うのが適切か?
っていう問題と等値のように感じます。
そう考えると、この穴埋め問題の例文に to をいれて読み下すと「その出版社は、不正確なもしくは紛らわしい情報を、その読者達に意図的に開示はしないだろう」と訳せると思うのですが、間違ってますか? 
私が何かを見落として勘違いしてるようにも思うのですが・・・

Commented by ladysatin at 2019-04-07 02:55
昭和ギター小僧さん
お返事が遅くなってすみません。仕事がひと段落ついたので回答します。

その考え方はありですね。するどいご指摘です。昭和ギター小僧さんは、おそらく以下のカッコ内をひとくくりにされたのだと思います。
The publisher will not purposely disclose (any information that is inaccurate or misleading) to its readers.

この解釈は文法構造から考えて紛れもなく成立します。ただし、一般的にネィティブがそのように解釈するのかどうか、その点については私には疑問です。というのは「misleading to 人」の形は結びつきが強いので、misleading のあとに to がきたら、この to は misleading にくっついている to だと考えるのが普通ではないかと思うのです。

あと、この英文が会話で話された場合、上のカッコがひとくくりだとするのであれば、misleading のあとに1秒程度の間を入れないと、misleading についている to だと誤解されるかもしれません。

もし私が上の意味で書く(または話す)としたら、順序を入れ替えて以下のように書くと思います。
The publisher will not purposely disclose any information to its readers that is inaccurate or misleading.

こうするとまさに、昭和ギター小僧さんがおっしゃる意味にしかとれなくなります。

今回の英文は TOEIC の問題集からの抜粋ということだったので、出題者の意図を考えるに misleading to の語法を問うものだと直感的に思いました。disclose … to の形を問うものだとすると、目的語が長すぎるため英文としてどうかなという気がします。しかし、そのように考えて to を選択する人もいるかもしれないので、良問とは言えないかもしれないですね。

以上、私見です。ご参考までに。
Commented by 昭和ギター小僧 at 2019-04-08 15:38 x
Satinさん、昭和ギター小僧です。
お忙しい中、ご丁寧に質問者にレベルを合わせたお答えありがとうございました。
はい、私の質問の意図はSatinさんに確認して頂いた通りです。回答も良く判りました。
この or は「もしくは」よりも「言い換えると」に意味が近そうだということも、辞書で or を引いてて気が付きました。そう考えると、ますますこの to はmisleading にくっついた to になりそうです。
単純な(よく使われる)単語ほどいろんな意味を含むのできちんと調べないとならないんですね。通り一遍の逐語訳では意味が取りにくくなりやすい、ってSatinさんのブログ読んでてたびたび気づかされてます。

懐かしい洋楽の話題とあわせて英語、特に英文法に触れてるブログってユニークで大変ありがたい存在です。素人ですが時々はこちらの分野にもお邪魔したいので、これに懲りずよろしくお願いします。
Commented by ladysatin at 2019-04-08 17:45
こちらこそよろしくお願いいたします。
お役に立ててよかったです。
Commented by じゅんこ at 2019-08-14 13:09 x
こんにちは。
はじめてコメントさせていただきます。
契約書等、法務関連の翻訳をさせていただいております。

The publisher will not purposely disclose any information that is inaccurate or misleading to its readers.

このセンテンスの意味はまず間違いなく「パブリッシャーはその読者に対し、不正確なまたは誤解を生じるどのような情報も意図的に開示しません」だと思います。
discloseは「表沙汰にする」ではなく情報等を「開示する、公表する」という意味です。誰に? この場合は「読者に」です。
ご指摘の通り、disclose と to が距離的に離れているのでちょっと戸惑ってしまうんですが、多分、これで間違いないと思うんだけどなー。
いかがでしょうか。

ちょっと外れますが、読者のコメントにとても丁寧に、真摯にお答えになられているのでとても感激しました。普通、他人様のブログにコメントなどしないのですが、してみようかなーと思ってしまいました。

応援しています!
じゅんこ

Commented by ladysatin at 2019-08-15 04:37
じゅんこさん
初めまして。コメントをありがとうございます。
契約書関連の翻訳をされているのですね。特殊な言い回しが多いのでとても難しいお仕事だと思います。尊敬します。

解釈を拝見しました。まず、<discloseは「表沙汰にする」ではなく情報等を「開示する、公表する」という意味>とのこと、私もそのご意見に同意いたします。「表ざたにする」という訳をつけた理由ですが、disclose を reveal の意味に解釈しました。Longman では "to make something publicly known, especially after it has been kept secret" とあったので、日本語を工夫してみたのですが飛躍しすぎたようです。じゅんこさんの訳が自然ですね。

次に英文の解釈について、「パブリッシャーはその読者に対し、不正確なまたは誤解を生じるどのような情報も意図的に開示しません」と解釈されたとのこと。これについても、先にコメントをくださった方からも指摘があり、かなり考えました。おそらくその考え方を支持する方もいらっしゃると思います。

私がどうしても気になってしまうのは、disclose と to の距離です。もし、じゅんこさんの解釈を付けるとするならば、disclose any information to its readers that…とするか、disclose to its readers any information that…とするのが自然に思えてなりません。目的語が長すぎる気がするのです。もちろん、じゅんこさんの解釈を否定するものではありません。もう少し考えてみたいと思います。

この記事以外にも色々書いているのですが、気になった点がありましたら、忌憚のないご意見を賜れば幸いです。温かな応援メッセージもありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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by ladysatin | 2019-01-22 22:09 | 語法_English Usage | Comments(8)