so that が使えないとき

今日は、英文を書く上で登場回数が多い so that に関するトピックです。

まずはおさらいから。

ロイヤル英文法では、「目的を表す副詞節を導く接続詞」の項目に so that の記載があります。

例文を「ロイヤル英文法」P618より引用します。
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① I’ll give him a key so that he can get in any time.
彼がいつでも入れるように彼に鍵を渡しておこう

② Speak clearly so that the audience will understand you.
聴衆があなたの話を理解するように明瞭に話しなさい
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※so that の代わりに in order that も可。

このように「…するように…する」という日本語を表現するときに so that を使いますね。

その so that について、今日は私が過去にした失敗経験をご紹介します。
というのも、おそらく多くの人にとって間違いやすい箇所と思うからなのです。

ある取説を訳していたとき、こんな日本語に出くわしました。(少し中身は変えています。)

★電源プラグに簡単に手が届くように製品を設置してください。

この日本語を見た私は「これは so that の定番だ」と思いました。
「…するように…する」に当てはめて書けばよいだけの話。

そこで、私は以下の訳文を作りました。

★Install the product so that the hand can reach the power plug easily.

分解すると…
電源プラグに簡単に手が届くように - so that the hand can reach the power plug easily
製品を設置してください - Install the product


別に問題はなさそうに思います。
しかし、私は自分で書いておきながら、この英文にとても違和感をもったのです。
なんかおかしい。でも何故なのか説明できない。

納期が迫っていました。不本意ながら、私はこの英文を納品しました。
しかし、ネィティブのチェッカーからは何の指摘もありませんでした。
OKだったのかな。

いや、OKではないはず。この英文はおかしい。
それにしても何故、この英文が腑に落ちないのだろうとずっと考えていました。

そして、最終的に「この英文で so that を使うことはできない」という結論に至りました。

実はよく考えたらわかることでした。
「…するように…する」という日本語しか見ていなかったのです。

再度、ロイヤル英文法の①の例文を見てみます。
① I’ll give him a key so that he can get in any time.
彼がいつでも入れるように彼に鍵を渡しておこう

so that 節は主節の目的を表します。
「彼がいつでも入れるように」が目的で、そうなるように「彼に鍵を渡しておこう」ということです。

見方を変えると、so that 節は結果も表しています。
「彼に鍵を渡しておく」と、その結果「彼はいつでも入れるようになる」ということ。

つまり、so that 節は目的であり、結果を表さねばならない。
しかし、私が作った英文はそのようになっていませんでした。

★電源プラグに簡単に手が届くように製品を設置してください。
★Install the product so that the hand can reach the power plug easily.

この英文では、so that 節は主節の目的になっていません。
製品の設置をする目的が、「電源プラグに簡単に手が届くようにするため」でないことは明らか。
製品は「使う」という目的のために設置をするのですね。

また、この英文での so that 節は、結果も表していません。
「製品を設置した」結果、「電源プラグに簡単に手が届く」という理屈にはなりませんよね。

ではどうすれば正しい英文になるのか。

so that の代わりに別のフレーズを入れればよかったのです。
Install the product XXX the hand can reach the power plug easily.

XXXにいくつかの単語を入れると、ロジックが明瞭な英文になります。

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追記 2018/07/04

答えは in such a way that です。

Install the product in such a way that the hand can reach the power plug easily.

in such a way that は「that 以下になるように」でよいのですが、ここでの「ように」は「目的」ではなく「方法」を表しています。「that 以下が成立するようなやり方で」という感じです。

「…するように…する」と聞くと、すぐに so that を思い浮かべがちですが、短絡的に考えると失敗します。that 以下が「目的・結果」なのか、「方法」なのか考える必要があるということですね。

しかしながら、「一億人の英文法」には、「目的を表す、その他の表現(P633)」の項目に、in such a way that が記載されています。「such that よりも自然なやわらかい言い方です。way は「やり方・方法」」とあります。「やり方・方法」なら「目的」に入れたらだめだと思うのですが。さらに同書には、「such that は「やり方」が色濃く感じられます。単に「~するため」でなく「~となるようなやり方で」ということ。」とあります。

この本を読んだ限りでは、in such a way that と such that は同義で、アカデミックな論文では such that を使うことが多いということのようです。

一億人の英文法の例文
They presented the project in such a way that only the positive aspects were seen.
彼らは、よい面だけが見えるように企画のプレゼンを行った

上の例文も同じように考えてよいですね。「よい面だけが見えるように」は「よい面だけが見えるようなやり方で」の意味です。

もうひとつ「技術英語の冠詞活用入門」から引用します。
Factories were built in such a way that different activities were performed in different areas.
工場は異なった活動が別々の場所で実行できるように建設された。

★結論★
日本語が「…するように…する」だとしても、いつでも so that で表現できるとは限らない。

Commented by れんげ畑 at 2018-07-03 10:17 x
おはようございます!お元気そうで何よりです!久しぶりの英語クイズ?に大興奮して、昨夜は眠れませんでした。というより、夕食後ごろごろしながらso that妄想しているうちに寝落ち。朝6時に目覚めて「ひいい~っつ!」と慌てまくった私です。(汗)
昨日の「つづくpart1」時点では、「so thatの前の部分を、『マシンを設置するときは、ちょめちょめしなさい。』に変えたらいいんじゃないかしらん!ちょめちょめ、ちょめちょめ?いったいどんなマシンなのよ~っ」と、妄想に行き詰った(ところで寝てしまった)わけですが、今朝、つづきの記事を読んで、「すごすぎっ!」と感動&再興奮しました。so thatを使わずに表現するのですね!
で、朝から、東大王クイズに出場している気分で妄想してみました!
いくつかの語というのは、「in the way」!?
つづきを楽しみにまっていますっ!(←鼻息)



Commented by KeisEcho at 2018-07-03 20:26 x
こんな風に、ロジカルに英語を教えてくれる先生が増えれば日本の英語教育も進歩するでしょうに。to do と doing の違いがこの頃やっと分かってきた老人にはあなたのような素晴らしい指導者の憂くないことが悔やまれます。で、xxxには・・・なんだろう?as でしょうか?
Commented by れんげ畑 at 2018-07-04 08:48 x
昨日は、「in the way」と鼻息荒く声を上げたものの、冠詞が気になってモヤモヤしていました。
今朝、ピカ~ッとすっきりしたところで、再度、チャレンジさせていただきます!
「in a way」!いかがでしょう!?
(ユーザーフレンドリーでありながら、手取り足取りではない、何て知的な取説なのかしらんと感動しています。)
Commented by ladysatin at 2018-07-04 14:21
れんげ畑さん
こんにちは♪チャレンジしてくださってありがとうございます。

in a way 惜しかったですね。節なので that が必要でした。so that は高校で学ぶので知っている人は多いのですが、主節と that 節の関係がどうなっているのかを考える必要があります。この失敗をして以来、英文を書くときにすごく気を付けるようになりました。

また英語クイズにチャレンジしてくださいね。
Commented by ladysatin at 2018-07-04 14:36
KeisEcho さん
こんにちは。as ではありませんでした。残念…。

ロジカルと言ってくださりありがとうございます。私は少しだけ大学受験英語を指導していたことがあり、どうすれば生徒が理解できるだろうと考えながら教材を作ったものでした。このブログでも、目に見えない読者の皆様に、何かお役に立つことがあればと思いつつ書いていますが、日本語の文章力は改善の余地が多くあります。今後も精進していきたいです。
Commented by れんげ畑 at 2018-07-05 09:42 x
今回もワクワクしながら勉強できました、ありがとうございました!
次回も楽しみにしています。(私も精進するぞっ!←鼻息)
Commented by ladysatin at 2018-07-05 15:12
こちらこそありがとうございました。
れんげ畑さんのおかげでコメント欄がにぎやかになってうれしかったです。
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by ladysatin | 2018-07-02 15:46 | 英文法_English Grammar | Comments(7)