現在完了形(継続)と現在完了進行形

現在完了形の継続用法と現在完了進行形の違いって難しいですね。

高校生の問題集にこんな問題があったそうです。

★以下の2組の文を同じ意味になるように1文にするため(  )内を適切な形に変えなさい。
 He started to learn French three years ago.
 He is learning French now.

 → He (learn) French for three years.


問題集の答は 。。。has been learning - 現在完了進行形でした。

私も直感的に has been learning だと思いました。「He is learning French now. - 今も学んでいる」ということは、これからもそれが継続することが無理なく予測されるからです。現在完了進行形は、その動作が未来にまで及ぶことを示唆する場合が多いですね。

ただ疑問な点もあります。

現在完了形の継続用法を使って has learned にしても同じ意味になるのではないかという点です。

現在完了形の継続は、これまでずっとし続けてきたことを表します。続けてきてストップするのかもしれないし、これからも続けるかもしれません。続ける可能性はあるわけですから、簡単に has learned を間違いとすることはできないのではないかと思いませんか。

実際、 learn や study などは、現在完了進行形にしなくても現在完了の継続用法で代用することができると書かれてある文法書が多いです。

もしかして、この問題自体に欠陥があるの?なんて考えたりもするわけです。

①He has been learning French for three years.
②He has learned French for three years.


この2つの文の違いは何なの?

いくつか文法書を見てみたんですが、現代英文法講義(安藤貞雄著)に興味深い記載がありました。

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P155 より引用
現在完了進行形(present perfect progressive form)は、過去の不定時に始まった動作が基準時である発話時まで<継続>していることを表す。さらに、将来も継続するだろうという含意がある。<継続を>を表す以上、共起する副詞語句は、for two hours, all day, since morning のように [+ durative] というアスペクト特徴をもっていなければならない。

P156引用
see, hear, feel, know, believe, think, mean, love, know のような「状態的」動詞や、expect, learn, lie, live, sit, snow などの「非完結的・非瞬間的」動詞は、進行相にしなくても動作の<継続>を表すことができる。
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以上は、現在完了進行形を理解する上で、基本的な事柄だと思われます。次に、意味の違いについて以下の記載がありました。

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P156より引用
「非完結的・非瞬間的」動詞の完了形は、進行形であってもなくても<継続>を表す。しかし、その場合、意味の差異が生じるのが普通である。すなわち、完了進行形の場合は、以下の(a)文で見るように、特に「一時的」な状況に用いられ、「恒常的」な状況を述べる場合は、非進行の完了形が好まれる。

a. I haven’t been working very well recently.
b. He hasn’t worked for years.

a. I’ve been living in Sue’s flat for the last month.
b. My parents have lived in Bristol all their lives.
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なるほど。ということは、短期的な場合が完了進行形、長期的な場合が非進行の完了形と言いかえてもよさそうな気もします。ただし「好まれる」と書かれてある通り、絶対ではないということだと思います。ただ、傾向をつかむという点では大いに参考になりますね。

元に戻って、①と②を再度見てみます。
①He has been learning French for three years.
②He has learned French for three years.


期間を表す副詞句、for three years が「一時的」なのか「恒常的」部類に入るのか、これって微妙なところですね。上記の現代英文法講義を直に当てはめて考えるのはやや難しいかも。

一旦これはさておき、また違う点から考えてみました。

learn という単語についてです。learn には「学ぶ」という意味がありますが、もうひとつ押さえておきたいのが、「身につける」という意味です。

study との比較は興味深いです。

●ジーニアスより
study English には「身につける」という含みはない。単に「勉強[研究]する」ことをいう

同じ「学ぶ」でも、study と learn は意味合いが大きく異なるということなんですね。この点を鑑みると、②の現在完了の文は、「3年かかってフランス語を身につけた」という意味が感じられても不思議ではありません。もうこれでフランス語を習得し終わったという完了の意味にもとれますね。

learn って奥深い単語なんだと思いました。注意した方がいいです。

あれこれ調べて考えた結果、今回の問題は He is learning French now. がやはり決め手になるように思います。まだ「身につけていない」ということが明らかですよね。ここから素直に導きだせるのはどちらかと言われたら、①の現在完了進行形となるのではないでしょうか。

皆さんはどう思われますか。

ではまた。001.gif
Commented by KENKEN at 2014-10-01 14:52 x
たまたまヒットし、とても興味深く読ませていただきました。私は日常会話や仕事のやり取りレベルでの英語なので、目からうろこでした。最後のフランス語を学んでいるパターン。
①は、「ここ3年間はフランス語をやっているが、それ以前やこれ以降は別の言葉を学ぶかもしれない」という含みを持たせることもできそうですね。②は確かに「もう学び終わっている」という印象が無いわけではないとも思います。でも、私としては He is learning French for three years. がもっともシンプルではないかと感じた次第でした。
Commented by ladysatin at 2014-10-01 21:38
KENKENさん
コメントをありがとうございます。

He is learning French for three years. が最もシンプルではないかというご意見、とても新鮮でした。進行相にするという考えは最初からなかったのですが、確かに読んでみて違和感がないのが不思議です。普通の考え方ですと、現在進行形は「今」に焦点を当てるので for three years との共起は考えられないのですが、直近の3年間という考え方も出来ますよね。広い意味での「今」という考え方であるならば、口語表現ではもしかしたらありかもしれません。

He is learning French で、今学んでいることがわかります。このあとに for three years と続けるのは正規の文法からはずれますが、付けたしの情報として「実はこれまで3年間学んでたんだよね」って言ってるんですね。

まさに言葉は生きていますね。
ありがとうございます。(^^)
Commented by KENKEN at 2014-10-02 08:31 x
日本語も同じですが、言葉って文脈や、会話の流れを無視しては成り立たないものですよね。1センテンスにそこまでの意味を含めることができる言語は無いんでしょうね(これを言っては元も子もない気がしますが)。でも、こういう掘り下げ、大好きです。
Commented by ladysatin at 2014-10-02 21:50
KENKEN さん
本当におっしゃるとおりです。
これからもいろいろ掘り下げて書きますので、また読みにきてくださいね。
Commented by 奮闘中の名無しさん at 2016-09-03 03:42 x
英会話のレッスンで躓いて、探してここにたどり着きました。古い記事へのコメントご容赦を。
ネイティブからすると、I've studied ~ for ? year(s).と言う表現は、文法的に正しくない、とのこと。shouldn't useではなくcan'tと言われました。
for (many, a few) yearsであれば、その終点に現在を示す意味を含むので使えるが、数が入ると表現できなくなるため、だそうで。
すでに終わった、経験的な意味で言いたければ過去形で良いし、継続的な意味で言いたければ現在完了進行形にしなければ情報がクリアにならない、とのこと。
口語的にgo等の動詞では使うこともあるが、studyでは聞いたこともないと強く否定されてしまいました。
日本では現在完了形には経験と継続と〜と説明しますが、講師にそれのどれに属するか尋ねたところ何それ状態だったので、あまりロジカルに完了形に拘らず、過去形、進行形をフレキシブルに使うことが大切なのだと思いました。
Commented by ladysatin at 2016-09-03 20:46
奮闘中の名無しさん
コメントをありがとうございます。

読ませていただいたのですが、これは一人のネィティブの方からそう言われたのでしょうか。書かれているネィティブの方の主張には、残念ながら全面的に賛成できません。

>ネイティブからすると、I've studied ~ for ? year(s).と言う表現は、文法的に正しくない

文法的に何の問題もありません。これを誤りだとすると、すべての権威ある文法書の記載は誤りだということになってしまいます。ネィティブの方が study は使えないというのであれば、以下にあげた「英文法解説」にある expect から work までのすべての動詞が使えないということになります。

>for (many, a few) yearsであれば、その終点に現在を示す意味を含むので使えるが、数が入ると表現できなくなる

「数が入ると表現できなくなる」という理屈も理解できません。
Commented by ladysatin at 2016-09-03 21:18
以下ご参考までに。
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★英文法解説(江川泰一郎 著)P241より引用
次の動詞は現在完了でも継続を表せる。
expect, hope, keep, learn, lie, live, rain, sit, sleep, snow, stand, stay, study, teach, wait, want, work

★現代英文法講義(安藤貞雄 著)P134より引用
<継続> (continuative) 「…してきた」:動詞が「状態的」、もしくは「非完結的」な特徴をもつ場合は、発話までの状態、出来事の<継続>の読みが与えられ、 for a week, since 1990 のような「期間」の副詞語句と共起することができる。

I’ve taught in this school for ten years.

★総合英語 Forest P93には、以下二つの例文があげられています。
We have studied English for five years.
We have been studying English for five years.

さらに「一般に、長期にわたって安定した状態を表す場合には、現在完了形が好まれる。」とあります。
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日本人の英語学習者は、周りにいるネィティブに意見を聞くことが多いことは承知しています。ただ、ネィティブは自分の感覚で答えるケースが多いので当てにならないことも多々あります。用例としてどの程度あるのかはネット検索することをお勧めします。I've studied XXX for X years. の用例を探してみてください。

教育関係のサイトがより信頼性が高いでしょう。.ukドメインで以下を google で検索してみてはどうでしょうか。I've studied XXX for X years. が、一般的に使われていることがわかると思います。

"i have studied * for * years" site:ac.uk
Commented by 奮闘中の名無しさん at 2016-09-04 01:48 x
ご丁寧にご返信いただきありがとうございます。
結局このお話は、下に長文を仕込んでしまいましたが、さくりといえば「そういう理解の人もいるらしい」程度のものです。

まずご意見いただいた内容についての補足です。
・一人のネイティブの意見かどうか:まさにソレです
・数が入ると表現できなくなるって何さ:私も理解できませんでした(´・ω・`)
 無理矢理こう、manyとかなら不定形のままごまかしが効くからとかそんなイメージなのかと…いや、やっぱり無理がある……

そもそもこの討論に関して主に次の二点の問題がありました。
①私自身にこれを反論し説明するに足る能力がなかった
②日本語の教科書じゃ参考にならないと切り捨てられてしまった
討論以前に前提の時点で無理ゲーだったんですよね。英語による英語の教科書とはなんぞや。哲学か。

私自身ネイティブの講師の問題というのは認識しており、その講師からも「そんなに気になるなら来週の別の講師に質問してはどうか」ということで、それを予定に追加し、時間の限りもあるので平行線のまま議論を終了しました。
実際貴重な2時間くらいがふっとんでカリキュラムの進みがががが…

学術的な意見で可否如何の裁定があるにしろ、ひとまず横においてしまって、コミュニケーションが取れれば良いという目的の私としての話ですが。
・英語はDid you?にはI didで、Have you?にはI have返答するので、あえて選んで使うタイミングも少ない
・質問された場合は少なからず相手が自分の情報を持っているはずであり誤解しにくい
・過去形、現在完了進行形を使った方が明確な場合がある
・誤解を恐れるならば「経過」か「現在」の情報を必要に応じて足せば良い
あたりでこの内容に関してはさほど重要度が高くなく、加えて
・講師のような感性を持つ人も(正否はどうあれ)存在するので、ダメなこともあると覚えておいた方が無難
というあたりで、小骨のようなものは残りますがなんとか飲み込んだ次第です。

私自身、全てにおいて正しい日本語のルールを知っている・説明できると言えば完全にピノキオの鼻が伸びるアレなので。
というか逆にこんな文法が弾けた言語をなぜ使えているのか、という気持ちが日に日に増してくる不思議。
ほぉんじゃおんめぇ、まぁだますなとちぎべんなんら、めちげぇねんべ?(早口)
Commented by ladysatin at 2016-09-04 13:02
こちらこそ詳しいご説明をありがとうございました。

確かに会話においては様々なケースがあり、フレキシブルな言葉選びが必要かと思います。ただ、前提として正しい知識をもった上で会話にバリエーションを付けるのと、伝達できさえすればいいからとブロークンで話すのとは違いますよね。

今回のネィティブの件は、「そういう考え方の人もいる」ということでよろしいのではと思います。
Commented at 2017-12-14 18:21 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ladysatin at 2017-12-14 20:16
コメントをありがとうございます。
learned は主に米語で使われ、イギリス英語では learnt がよく使われるようです。両方とも正しいと認識しております。
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by ladysatin | 2014-09-23 17:36 | 英文法_English Grammar | Comments(11)