2014年 01月 04日
使役だけじゃない「have + 目的語 + 過去分詞」
今日のタイトルにもありますが「have + 目的語 + 過去分詞」と言ったら皆さんは何を思い出しますか?
一番最初に思いつくのは「使役」でしょうか?。使役 - つまり「させる、してもらう」という意味で使うことが多いですね。この場合の have は、使役動詞と言いますよね。
例文をあげてみましょう。
①I had my watch repaired.
「私は時計を修理してもらった(修理させた)。」
さてA君ですが、使役の用法はよくわかっているようです。そこでたまたま以下の文に出くわしました。形は使役そのものだけどけど、使役では解釈できずに困っているといって質問してきたのです。
②I have a table reserved for four in the name of Tanaka.
「田中の名前で4人用のテーブルを予約したものですが。」
ほう。この文は何かの参考書に載っていたらしいのですが、レストランに家族4人で行った田中さんが、受付で言った言葉です。A君の疑問は2つです。
疑問1)
②の文はテーブルを予約したのは過去のことだから have ではなく、had になるべきでは?というものです。使役うんぬんの前に、この文はそもそもおかしいんじゃないの?という疑問が一つ目。
疑問2)
使役の文では、過去分詞の動作の主は、主語ではなく他人になります。①の使役では、私の時計を修理(repaired)したのは私ではない他の人ですね。一方、②では予約(reserved)したのは主語のI、つまり田中さんです。使役の文じゃないよね?という疑問が二つ目です。
A君は「先生、これは変ですよね?」と書いてきました。それを読んで「そうね。わからんでもないわ。」と思った私でしたが、ここはおそらく英語を学習する人の盲点なのかなと思いました。
「have + 目的語 + 過去分詞」は「使役」と思ってしまう人が多いのですが、実はもう一つ大切な用法があります。
それは「完了」を表すというもの。
実は、②の文は「使役」ではなくて「完了」の意味です。
②の日本語訳を見てみると「テーブルを予約したものですが。」となっていて、まさに完了の意味です。
この文は already を補うとわかりやすいです。
→ I have a table already reserved for four in the name of Tanaka.
さらに書き換えてみると以下の現在完了形の文になります。
→ I have already reserved a table for four in the name of Tanaka.
実質的な意味は全部同じなのね。
A君には「これは完了の意味だよ」って説明して納得してもらいました。
「have + 目的語 + 過去分詞」に完了の意味があることに「ほんと?」と半信半疑の方がいらっしゃったら、お手持ちの参考書があれば、ご覧になってみてくださいね。必ず書いてあると思います。
★使役だけじゃない「have + 目的語 + 過去分詞」
なかなかいいタイトルだったでしょ?
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※2018年10月24日の追記
この完了の用法については、ロイヤル英文法のP516に書かれていますので抜粋します。
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<have+目的語+過去分詞>が完了を表す場合がある。《米》に多い表現であるが、《英》でも見られる。この場合、強勢は過去分詞に置かれる。使役や受動の場合と違って、過去分詞が表す行為をするのは文の主語になっている人(物)である。また、ふつうの完了形に比べると、動作の完了として結果の状態に重点が置かれる場合が多い。
I have a title already chosen. (表題はもう選んでおいた)
*I have already chosen a title. (表題はもう選んでしまった)と実質的に同じと考えてよい。
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以上です。
>まさに完了の意味です。
違う。
「テーブルを(店に)予約してもらっている」と意味であるから
完了ではなく「させる、してもらう」という「使役」の意味」のである。
予約は「店に依頼して席を取ってもらう」行為ですよね、使役じゃないですか。
>予約は「店に依頼して席を取ってもらう」行為ですよね、使役じゃないですか。
そのことを言いたいのであれば、過去の話ですから、have ではなくて had にしなくてはなりません。
上の本文の追記をお読みください。
この文に引っかかって調べていました。
このサイトで、ふに落ちてスッキリしました。
ありがとうございました😊
コメントをありがとうございます。
> We got all of Alex's stuff bought for kindergarten.
この英文ですが、前後の文脈がないのでどのような状況で発せられたものかわからないのですが、完了の意味であれば、「私たちは、アレックスの物をすべて幼稚園のために買っておいた」となります。文脈に合っていれば問題ありません。お役に立ててよかったです。
あなたのコメントはここには公開しません。
私はこれまで文法、語法関係の記事に対し、異なる意見の方々のコメントはすべて公開し、それに対してお返事を書いてきました。そして私が間違っていると思った場合は、「間違っていました」と書いてきました。間違いを認めることは私にとっては恥でもなんでもないことなのです。その中には言葉の使い方を知らない無礼な人も多くいましたが、それらに対しても丁寧に返事を書いてきました。このコメント欄の一番上の「ああああああ」という人も大変失礼な書き方をしていたわけですが、その人に対しても返事をしました。
しかし、昨年くらいから私は考え方を変えました。人としてのマナーを知らない人のコメントには、今後一切返事を書かないことにしました。あなたは社会人ですか?それとも学生さん?どちらでもかまわないですが、初めてここを訪れてコメントを書くわけですから、最低限の礼儀があると思いますよ。まずそこから考えみていただきたいですね。
あと「ロイヤル英文法テキストを作った人も人間で、日本人なので、全てがあっているとは限らないです」とのことですが、ロイヤル英文法は、マーク・ピーターセン先生も執筆されています。私は文法の専門家でもなんでもないので、錚々たる先生方が執筆された書物を否定するほどの器量もありません。そんな感じです。
ロイヤル英文法の件は、間違いがあるかどうかは私は知る由もありませんので、それについては言及致しません。しかし、今回の上記のブログの内容に関していうと、間違いがあるかなと思い送らせていただいた次第です。
ブログは多くの英語学習者が見るものなので、責任があると思い、私も英語を教える身として訂正していただきたく思い、送らせていただきました。
私のコメントは公開なくても構いませんが、内容の修正はしていただけたら嬉しく思います。もちろん、貴方様が納得されたらになりますが。
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>予約は「店に依頼して席を取ってもらう」行為ですよね、使役じゃないですか。
>>そのことを言いたいのであれば、過去の話ですから、have ではなくて had にしなくてはなりません。
最初の人のコメントがあっていると思いますよ〜。
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社会人としてのマナーがなっていないと思いませんか?貴殿は私のブログの常連の読者でもなく初めてコメントを書くのですよ。土足で上がり込んで、いきなり自分の意見を押し付けるなどすべきではありません。意見を主張したいのであれば、順序があるのです。特に反論を書く場合は、その相手への配慮が必要です。人に教える立場であるならばなおさらです。
私が貴殿の立場だったらこう書きます。
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こんにちは。初めてコメントを書かせていただきます。貴殿の記事を読ませていただきましたが、内容に誤りがあるのではないかと思い、意見を書かせていただきたく存じます。
(このあとに意見を書く)
以上、私見になりますがいかが思われますか?
お考えをお聞かせください。
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この程度の丁寧さは必要です。社会人としてのマナーです。
貴殿の主張に対する返事は後日書きますが、結論から言えば貴殿の意見には賛同できません。
仕事が立て込んでいるので、本日はここまでとさせていただきます。
>予約は「店に依頼して席を取ってもらう」行為ですよね、使役じゃないですか。
>>そのことを言いたいのであれば、過去の話ですから、have ではなくて had にしなくてはなりません。
最初の人のコメントがあっていると思いますよ〜。
「席を予約してもらっている」という使役になります。
今回の "have 目的語 過去分詞" は「目的語を過去分詞の状態にしてもらう」という意味で、「席を取ってもらっている状態にしてもらっている」が今回の直訳になります(「田中の名前で4人用のテーブルを予席してもらっているものですが」)。
I have reserved a table と I have a table reserved は結局、今回の場面では言わんとしていることは同じですが、視点が全く異なります。
I have reserved a table の方は「私」がテーブルを予約した。「私がした」行為に焦点が当たっている。この場合は完了の意味。
I have a table reserved の方は、予約してあるテーブルがあるが、「誰が予約した」かは全く述べてなく、「テーブルが予約されている」ということに焦点が当たっている。
テキストからの引用《使役や受動の場合と違って、過去分詞が表す行為をするのは文の主語になっている人(物)である。》とありますが、今回の場合は必ずしもこの話している人本人が予約したとは限らず、4人の中の誰か別の人がした可能性も包含されますし、本人が予約したかもしれませんし、結局知る由もないです。
つづきです。
もう一つテキストの引用で《ふつうの完了形に比べると、動作の完了として結果の状態に重点が置かれる場合が多い》とありますが、つまり「予約した結果の状態=予約されている状態」になるということです。
よって、「テーブルが予約『されている』状態」になっていることに焦点を当てて話しているので、使役として捉えるのが普通です。
なので私の考えでは、他の完了の意味とされている文章も全く同じ考えで、この【have 目的語 過去分詞】で使われている場合は使役として捉えるのが普通。もし完了としてニュアンスを出したい場合は、そのまま使役を使わないで言うのが普通でしょう。
ロイヤル英文法テキストを作った人も人間で、日本人なので、全てがあっているとは限らないです。私のこの説明も間違っている可能性はありますが、今のところは自信を持ってあっていると言えます。ご参考までに。
貴殿の主張によれば、I have a table reserved も I have a title already chosen も使役であるということなので、ロイヤルの I have a title already chosen. の文についても、主語がタイトルを選んだとは限らないわけですね。「私はタイトルをすでに誰かによって選んでもらっている」という解釈をされたわけですね。
貴殿は「ブログは多くの英語学習者が見るものなので、責任があると思い、私も英語を教える身として訂正していただきたく思い、送らせていただきました。」と書かれています。しかし、私は、ロイヤルの記載を裏付けとして、この記事をインターネット上にアップロードしてそのままにしています。
であるならば、訂正を要求しなければならないのはロイヤル英文法を出版している旺文社に対してだと思いますがいかが思われますか?素朴に疑問に思っています。私のこの記事はせいぜい数人~数十人しか一日に読まれませんが、ロイヤル英文法は300万部突破の大ベストセラーです。私はロイヤルの記載がすっと腑に落ちるのでこの記事をあげたままにしています。
一度に書くと混乱しますのでまずここまで。ご意見があればお願いします。
マナーに関して、一般常識も人によって違うというのが私の意見で、なので私もキツイことを言われたとしても、そのような考え方があるのだと理解し学ぶ姿勢でおります。なので腹を立てるとかそのようなことは決してないです。
少し貴方様の書き方から(想像ですが)、私の指摘で少し腹を立てさせてしまったのかと逆に思っており、反省しています。
またおっしゃる通りで、このブログだけではなくロイヤルの著者さんに向けていうべき内容ではあると思います。その点で、私もその人方にコンタクトをとるべきだと思います。
上記の内容などに関しては全てその通りだと思いますが、私が意見を求めたい点は文法のみに限ります。もちろん大切な点を教えていただいておりますが、もしよろしければ文法に関する貴方様のご意見を頂戴したく思います。よろしくお願いいたします。
<have + 目的語 + 過去分詞>については、一般に3つの用法があります。
①使役・受動(主語の意思で~させる、してもらう)
②被害の受動(主語の意思でなく~される)
③完了・結果(過去分詞が表す行為をするのは文の主語)
今回の記事は、上記の③に焦点を当てたものですが、貴殿は③の用法は存在しないと考えておられます。
I have a table reserved は「目的語を過去分詞の状態にしてもらう」という意味で、「席を取ってもらっている状態にしてもらっている」が直訳とのことですが、この解釈を可能にするには、関係代名詞の省略という考え方をしなければならないと思います。
つまり、I have a table (that is) reserved であれば「(誰かによって)予約されたテーブルがある」になります。貴殿の解釈は、使役ふうに訳されていますが、この文から that is を省略した形と同じだと思います。そうであれば、この have は使役ではなく「所有する、もつ」の意味の have になります。
私が I have a table reserved を使役として訳すならば、「テーブルを(誰かに)予約してもらう」になります。まだ予約はされておらず、これから予約してもらうのか、それともいつも予約してもらっているよと言っているのか、それはわかりませんが、この時点では、テーブルは予約されていないことは明確です。
同様に I have my hair cut. は「私の髪を切ってもらう(髪はまだ切られていない)」という意味にはなりえても、「切ってもらっている状態にしてもらっている(髪はすでに切られている)」になることはありえません。
以上について、ご意見をお願いできればと思います。
ご自身の見解を「自信を持ってあっていると言えます」とおっしゃっていたので、もうここには来られないかもしれません。ただ私がいつも思うのは、間違いを認めることは恥ではないということです。根拠のないプライドは捨てて、謙虚に他人から学ぶ姿勢をもつことが必要です。
aaaa さんの場合、なぜそう結論付けるのかについての裏付けが何もなかったのが残念でしたね。自分の意見だけでは、裏付けにならないです。他人を納得させるには、裏付けが必要です。所詮、私たちは名もなき英語学習者です。故に、先人から学ぶのです。
本件については、もう少し書く予定です。
★ロイヤル英文法 P516 より引用
<have+目的語+過去分詞>が完了を表す場合がある。《米》に多い表現であるが、《英》でも見られる。この場合、強勢は過去分詞に置かれる。使役や受動の場合と違って、過去分詞が表す行為をするのは文の主語になっている人(物)である。また、ふつうの完了形に比べると、動作の完了として結果の状態に重点が置かれる場合が多い。
I have a title already chosen. (表題はもう選んでおいた)
*I have already chosen a title. (表題はもう選んでしまった)と実質的に同じと考えてよい。
完了を表す<get+目的語+過去分詞>
《米》のくだけた言い方では、have の代わりに get が用いられることもある。
I’m proud to shake the hand that got that job done.
(あの仕事をやってのけた手と握手できるとは光栄だ)
<have+目的語+過去分詞>が完了を表す場合がある。ある行動の完了による「結果の状態」に重点を置く言い方。
I have my password written down, so it won't matter if I forget it.
(パスワードを書き留めてあるので、忘れてもかまわない)
[B] 過去分詞の例 (have NP -en): 三つの意味がある。
①「NP を ... させる」(使役)
例文省略
②「NP を ... される」(「被害の」受け身)
例文省略
③「NP を ... してしまっている」(結果)
I had [two sketches finished].(スケッチを2枚仕上げていた)
have / get + O + 過去分詞
例文 (3) Have your essay finished by tomorrow!
作文を明日までに書き上げてしまいなさい!
また、(3) のように「O を~し終える」という意味を表すこともできる。この場合は、自分で何かをやり遂げることを表す。
冷やかしやふざけた内容のコメントはお断りします。
先ほどコメントを頂いた方の分は削除させていただきます。
そうですよね。I have a table reserved for four... これは完全に完了です。使役にしたいのだったら、I had a table reserved for four... ですよね。でもこれだとSituational Contextと合致しないんですよ。だって、予約されていると思って店に来て言ってる言葉ですから。つまり、そのテールブルを「今持っている」と発言者は思っているわけですから。
やっぱりhaveはhaveで「持っている」がどんな用法で使われようと生きていて、現在形のhaveは目的語を今持っているのが基本なんですよね。
ちなみに予約したんですが、ならI have reserved a table... I made a reservation for a tbale..., I booked a tableが普通ですよね。
「ですよね」ばっかり続いちゃいました(笑)
コメントをありがとうございます。
「やっぱり have は have で「持っている」がどんな用法で使われようと生きていて」というのは、おっしゃる通りだと思います。完了形の have の起源を調べるとそのことがわかります。
はじめてコメントさせていただきます
私はこの文をはじめてみたとき、haveは一般動詞の「持っている」で、a tableにreserved for fourという過去分詞の形容詞的用法が後置修飾されていると考えました。
この解釈はおかしいでしょうか。自分でも無理があるような気がなんとなくしますが、はっきりとこの解釈が間違っているともいえないと思うのです。
恐れ入りますが、ご教示いただけましたら幸いです。
さきほどコメントしましたが、すでに話題に上がっていましたね。見落としていました。
大変失礼いたしました。
よって、さきほどの私のコメントは無視してくださって結構です。
お役に立ててうれしいです。
>完了形の have の起源を調べるとそのことがわかります
私は学部~博士課程までずっと古ゲルマン語が専門だったので、その辺の事情には自信があります(笑)。だたこの10年、こんなこと知ってても実際の英語ができないとダメだよなーという考えが強くなったのと、やっぱり実際のコミュニケーションのほうが面白いので、歴史言語学的な研究とはおさらばしてしまいました。
この前ネイティブ(一般人)とこの「完了」の話をしているときに面白いことを言われました。その人が言うには、
It's true that "have" means causative, but the motion displayed by the past participle is done not only by others. You can cut your hair by yourself.
これ聞いたときに、あっ!と思いました。他人がするから使役であって、自分がやったら使役ではない。でもこれは大したことではないんです。だれがやったかは文脈から理解するんであって、あくまでもテーブルが予約されてるんだ、ということを使役・完了に関係なく理解しろということなんです。
歴史的なことはいいとして、現在のネイティブの感覚がこうなのかもしれないです(まだ3人にしか確かめていませんが)
お菓子が食べられた、お菓子を食べられた、これらはどちらにしても「お菓子が自分以外の他人の胃袋に収まってしまった」ということを日本語ネイティブならわかるはずです。動作受け身だろうが被害受け身だろうがそんな色分けはどうでもよく、事実動作や状況を理解していれば、細かい分類はいいだろうというのが一般的な感覚なんでしょうね。
また面白いテーマがあったらお邪魔させてください。