2020年 10月 21日
訳詞の世界~Dreams - Fleetwood Mac(和訳&考察)
その人の名は... Stevie Nicks
Stevie は Fleetwood Mac のメンバーとして活躍し、その後ソロになりました。
Stevie の話を始めるとどこから話せばいいのかわかりません。
あまりにも大好きすぎて考えがまとまらないのです...
今回の Dreams という曲は76年の Fleetwood Mac のアルバム Rumours の中に入っていた曲です。私のブログを読んでくださっている方は生まれていないかもしれないわ。好きになってもらえるとめちゃうれしいけど。
一時期、朝から晩までラジオから流れていました。ジャケットの裏の写真の Stevie はほぼ素顔だったのですが、あまりにも美しかったので、ずうぅっっと見とれていました。(*^.^*)
それとこの曲が入っているアルバム「Rumours 噂」の売れ方は当時すごかったのです。Wiki に載ってますのでリンク貼っときます。
→ Fleetwood Mac - 噂 Rumours
私は女性ボーカリストが大好きなので、色んな人を聴いてきましたが、Stevie はやっぱりずば抜けていると思ってます。
まず Stevie の顔が大好きです。どこがどうと言えませんがとにかくかわいくて好みです。声も大好きです。歌がうまいかどうかということより、あの独特の節回しは Stevie だけのものだし、声質も誰にも似ていないの。
とどめはソングライターとしての才能です。曲作りのセンスがずば抜けていて、こればかりは感性の問題ですから、天性のものだと思っています。Stevie のアルバムはたくさんプラチナディスクになってます。
曲作りの才能、比類なき声と美貌 - 3拍子そろった人は、なかなかいないぞ。
ほんまにどんだけ好きやねんって感じです。
Fleetwood Mac は77年に来日しましたが地方の子はもちろん行けませんでした。なので、NHKのヤングミュージックショーの放送が楽しみで楽しみで、当日はドキドキしながらテレビにへばりついて見てました。ビデオなき時代ですから一発勝負です。涙... (TwT。)
Dreams は Fleetwood Mac に一緒に加入した当時の恋人 Lindsey Buckingham との別れのことを歌った曲です。Stevie を捨てて、彼は別の女に走ったのですが、同じバンドにいるので、Lindsey が当然バックではギターを弾き、コーラスも歌ってます。どんな気持ちやったんやろ。
詞の内容ですが、Stevie 結構きついこと言ってます...
Lindsey に「雨にでも打たれて目え覚まさんかい」って言ってるみたい。
Stevie の曲は難しいのが多いのですが、この曲はとってもストレートでわかりやすい。
表現もそんなに難解ではありません。
ちょっと覚えておくとよさそうな英語の表現がちらほら。
下の方に文法と語法の解説やってますので、見てくださいネ。
Stevie と Lindsey 並んでます。σ(^_^;)
77年か78年のライブで音はいまいちですが、Stevie がかわいいのであとはどうでもいいです。
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Dreams
Now here you go again
You say you want your freedom
Well who am I to keep you down
また始まったわね
あなたは自由がほしいって言うけど
私があなたを縛りつけるなんてこと
あるわけないでしょ
It's only right that you should
Play the way you feel it
But listen carefully to the sound
Of your loneliness
あなたが感じるままに演奏するのは当然
だと思ってるわ
でもじっくり聴いてみることね
あなたの寂しさが音にでているでしょ
Like a heartbeat... drives you mad
In the stillness of remembering what you had
And what you lost...
And what you had...
And what you lost
心の高まりがあなたを変にしているみたい
かつてあなたが持っていたもの...
そして失ったもの...もっていたもの...失ったもの
それらの記憶の静寂の中で
Chorus:
Thunder only happens when it's raining
Players only love you when they're playing
Say...Women... they will come and they will go
When the rain washes you clean...you'll know
雷は雨が降っているときに鳴るものなの
バンドのみんなはね
一緒に演奏しているときのあなたが
好きっていうだけの話
女の子はやって来ては去るものだって
雨に打たれてきれいになれば、
あなただってわかるでしょうよ
Now here I go again, I see the crystal visions
I keep my visions to myself
さあ私だってまた頑張るわ
水晶の中にビジョンが見えるから
私は私の夢のことは誰にも言わない
It's only me
Who wants to wrap around your dreams and...
Have you any dreams you'd like to sell
Dreams of Loneliness...
あなたの夢を大切に包んであげたいと
思っているのは私だけなのよ
なのにあなたは売りたい夢でもあるというの?
寂しさという名の夢...
Like a heartbeat... drives you mad
In the stillness of remembering what you had...
And what you lost
What you had...
And what you lost
心の高まりがあなたを変にしているみたい
かつてあなたが持っていたもの...
そして失ったもの...もっていたもの...失ったもの
それらの記憶の静寂の中で
Thunder only happens when it's raining
Players only love you when they're playing
Women... they will come and they will go
When the rain washes you clean... you'll know
You'll know
You will know
You'll know
雷は雨が降っているときに鳴るものなの
バンドのみんなはね
一緒に演奏しているときのあなたが
好きって言うだけの話
女の子はやって来ては去るものだって
雨に打たれてきれいになれば、
あなただってわかるでしょうよ
そうきっとわかるわ...
では Dreams の考察いきます。
この詞の中には、ネィティブがよく使いそうという表現がいくつかありました。
その中から4つピックアップしてみます。
まずは冒頭のところで Stevie が語る場面
★Now here you go again
「また始まったわね」
これとっても使えそうです。
英辞郎にそのものが載っていました。
Here you go again 「ほらまた始まった。/またかよ。」
日常ではこんな場面に使えそう。
いつもダイエットに失敗している友達が「I’ll start a diet tomorrow. 明日からダイエットするわ」と言った後で、Oh, here you go again! なんてドンぴしゃりのせりふですよね。
次です。
★Well who am I to keep you down
「私があなたを縛りつけるなんてこと、あるわけないでしょ」
この表現は訳が難しかったです。
まず keep down は「押さえつけておく、自由を制限する(英辞郎より)」という意味です。
この文の前に You say you want your freedom とあるので、「自由を制限する」がそのものズバリの意味でしょう。
Who am I to keep you down
これは直訳すると「あなたの自由を制限する私とは誰か?」となりますが、意味をなしませんね。
実はこの言い回しは英語圏の人はよく使います。
例えばこんな風に。。。
Who am I to judge?
「私に人を裁く資格があろうか?人を裁こうとする私は、いったい何者なのか?」
つまり考え方はこうなります。
「to 以下の行為を私がすることができようか?(いやできない)」と解釈すればいい。
そう考えて「私があなたを縛りつけるなんてこと、あるわけないでしょ」という訳にしてみました。
ほかにも言い方はありそうですね。
★It's only right that you should play the way you feel it
「あなたが感じるままに演奏するのは当然だと思ってるわ」
これも英辞郎より
It's only right that....
「that以下のことは至極当然だ」
★I keep my visions to myself 「私は私の夢のことは誰にも言わない」
大切なイディオムです。これも英辞郎君より
keep ... to oneself
~を口外しない、~を胸に秘めておく◆【類】keep ~ under one's hat
He always keeps his good ideas to himself. : 彼はいつもよいアイデアを自分だけの秘密にしている。
今回の考察はこれで終わりです。
いつもシリーズなのに短いですね。
さらりと終わるのもまた良きかな。。。
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さて最後は My Stevie Nicks collections ^^
一部ですけどCD のコレクションです。
わかります…。
>Players only love you when they're playing
ここにはちょっと屈折した心境が現れたのかも、と思っています。Stevie 以外のメンバーは皆ステージで楽器を演奏します。様々な曲の映像を見ると、間奏のときに Stevie はタンバリンなど手にしていますがどことなく寂しそう。「どうせ私には楽器がないわよ」という心の声が聞こえるというとうがち過ぎでしょうか。
Lindsey と共同生活していたとき、ギター小僧たちが雑魚寝しているところを踏まないように歩いて食べ物を用意したとインタビューで語っていましたっけ。
Edge of Seventeen の 動画を見るとコカインか精神安定剤の影響でしょうか、目が座っています。尋常ではないですね。私が親だったら Stevie に電話して
「おまえ、もう(show biz は)いいから、帰っておいで」
って言ってしまいそうです。
深いですね。そういえば Stevie はタンバリンでしたね。
そんな思いももしかしたらあったかもしれません。
彼女ピアノは弾くようです。一度自宅でのインタビューで弾いているところを見ました。
Stevie は一時、大変だったみたいですね。
今では何事もなかったかのように、生き生きとしてきれいですよね。
先日、つい最近出た DVD を買いました。
まだみていないのですが、ジャケットの Stevie きれいです。
Edge of Seventeen と言えば、タイトルにまつわるエピソードがあります。
またそのうちに書きますね。
こんにちは。50代男性です。10代の頃からFLEETWOOD MACの大ファンで、全曲保有しています。
何気にStevie Nicksの検索をしていて偶然こちらのブログを拝見させていただきました。
とても凝った深い内容に感銘を受けました。
私は一番好きな曲はlandslideです。
詩の意味は判らなかったけど、何で「地滑り」がラブソングになるのか?くらいに感じてました。
でも最近Youtubeで、この曲を解説している番組があって、実は若いころのリンジーとの貧乏生活の含みがあったのかとびっくりした次第です。
https://youtu.be/9QAldn59NWQ
またFleetwoodMacの訳詞の投稿を是非読ませていただきたいと思います。ありがとうございました。
初めまして。コメントをありがとうございます。
Fleetwood Mac のファンの方からのコメント、とてもうれしいです。Landslide は私も大好きです。リンクしていただいた YouTube を拝見しました。Lindsey との生活がきつかった頃に書いた曲だったのですね。Stevie が書く詞は Dreams は別として、具体的に何のことなのか読み取るのが難しいものが多いと感じますが、ご本人からの言葉を聞くと、詞のフレーズがぐっと身近に感じられますね。
Landslide の一節に
Well, I’ve been afraid of changing
‘Cause I’ve built my life around you
とあります。
「今の生活が変わっていくことがこわい。何故なら私の生活は、あなたを中心に築き上げたものだから。」
Stevie はビデオの中で、ウエイトレスをしながら曲を作ることにうんざりし、そして貧しさにもうんざりし、1年間学校に戻ろうかと考えたと言っていました。でも2人でいることを選んだのですね。その思いが上のフレーズに反映されているのかなと思いました。
Stevie の曲はソロになってからの曲も好きですが、Fleetwood Mac の頃で好きなのは Rhiannon とか、地味なところでは Beautiful Child、Sister of the Moon なども好きです。
こちらこそ温かなコメントをありがとうございました。
"Rumours"が再び売れているというニュースは目にしましたが、スペシャル・エディションの類が出たのもかなり以前ですし、なにゆえ?と不思議に思っておりました。
オッサンがスケボーに乗って口パクする動画が元になって、40年以上の歳月を経てトップ10に復帰って、凄すぎですね。
"Rumours"からのシングルはどれも魅力的で大好きな曲ばかりですが、正直"Go Your Own Way"や"Don't Stop"よりダルい印象の"Dreams"が唯一の全米No.1というのも不思議な感じがします。やはり、スティーヴィーの魔性のなせるワザでしょうか。
もうご覧いただいたかもしれませんが、今ツイッターとブログで、私の好きな女性ミュージシャン(音楽性云々というより、ただ「好き」というだけの理由)を「女神」としてご紹介しています。
スティーヴィーももちろん入っています。
Rumours はレコードが擦り切れるほど聴きました。Dreams は Stevie から Lindsey へのメッセージなんですけど、Go Your Own Way は Lindsey から Stevie ですね。「お前はお前の道を行け」って、お前がいうなって言いたくなります。(*_*)
私は10代の頃からずっと Stevie が好きで、憧れの存在でした。彼女のあとを追いかけて大人になっていった気がします。会ったこともないのに、とても身近に感じられるのが不思議です。 Stevie にはこれからも健康で長生きしてほしいです。
『噂』はほぼリアルタイムで、第二次成長期と洋楽の聴き始めが重なったせいか、体の一部に取り込まれているような気さえします。わたしもそれぐらいよく聴きました。あれからン十年、 Time flies like an arrow 光陰矢の如し、です。
ご存知かもしれませんが、わたしがお気に入りの Stevie Nicks In Concert という83年頃出たレーザーディスク媒体のライブがあります。『麗しのベラドンナ』のツアーライブだったと思います。ここでは Out Side The Rain に続いてメドレーで Dreams が演奏されており、「おおっ!この展開は!」と勝手に盛り上がったものです。今は入手困難ですが多分 Youtube にこっそり上がっていると思われます(いい時代、と言っていいものやら・・・)。にしても、ワディ・ワクテルちょっと近すぎじゃね?と思っていましたが後にやっぱり、という事がわかって、、、なんて言ったらいいんでしょう?笑
ちなみに、これも後々気がついた事ですが、このライブ映像で幕前に "Please welcome, my daughter, STEVIE NICKS!" と紹介する男性の映像が入っています。そこから入れるのはちょっと珍しいかなと思っていましたがこの方ただの親しい司会者じゃなくて本当の父親だったようでそれで合点が行きました。
初めまして。コメントをありがとうございます。
Stevie Nicks In Concert は見たことがありません。残念。YouTube にあれば是非見てみたいです。探してみますね。Stevie はお父さんのことが大好きだったみたいで、Landslide は父親に向けて書かれた曲のようです。ワディ・ワクテルはそうだったんですね。2008年の Live In Chicago の DVD を今でもよく見るのですが、彼は昔とまったく外見が変わらないですね。
Stevie と言えばつい最近 Show Them the Way という新曲を発表しました。政治的な曲を書く人ではないと思っていたので Music Video はちょっと新鮮でした。メッセージ性が強い曲ですが、メロディがいかにも Stevie だなと思いうれしくなりました。もう70代になった Stevie ですが、ずっと現役でいてほしいです。
どうも情報が昔で止まっているものでして(汗) Stevie Nick In Concert の模様は『麗しのベラドンナ』のデラックスエディションのボーナスCDで聴けるようですね。わたしは Spotify を利用しているのですがそちらでも聴けるようです。
今日は(も?) Instagram に #Show them the way のハッシュタグ付きで投票を呼び掛ける投稿がありましたっけ。
昨日から大統領選挙の結果をずっと追いかけていたんですが、激戦州はまだ先にならないとわからないみたいですね。
Rumoursの裏ジャケットのスティーヴィーに心を奪われなかった男子は,当時いなかったと思います.
私は高校一年のときに,彼らのコンサートを武道館で観ました.
最初はスティービーが目当てだったのですが,実際に始まると,クリスティンが歌う"Say you love me"やリンジーの"Go your own way"のリズムで武道館全体が一体となって揺れる様を体験し,かれらのバンドとしての実力を感じました.
クリスティンは本当にかっこよかったです.
スティーヴィーの曲では,Rumoursに未収録になった Silver Springsという曲が,彼女の音楽的な魅力が出ていて一番好きです.
Dreamsの歌詞も,当時はあんまり気にしなかったですし,高校男子にはよく意味が分からなかったと思いますが,大人になって聴いてみると,女性の意地が素直に歌われていて,よくこんな歌を作ったなと変に感心した次第です.
コメントをありがとうございます。
裏ジャケットの Stevie はナチュラルな美しさでした。70歳過ぎた今もきれいですよね。
Silver Springs は私も好きです。Stevie は曲作りの才能がありすぎて、どれをアルバムに入れるかきっと悩んだのでしょうね。ソロアルバムを出すようになったのも、Fleetwood Mac だけではとても満足できなかったからだと言っていました。
コンサートに行かれたとはうらやましい限りです。私は田舎の少女だったので、都会の人はいいなあといつも思っていました。Christine の曲もいいですね。Rumours の中では You Make Loving Fun がお気に入りでした。Fleetwood Mac のヤングミュージックショーは、テレビの前で正座して見た記憶があります。あれから40年以上もたってしまいました。(*_*)
そうなんですね.ヤングミュージックショーという番組は,見たことはあると思いますが,ほとんど記憶にありません.Fleetwood Macが放送されたとは知りませんでした.私は,ラジオのアメリカントップ40を,FENの原盤と湯川れい子さんのと,毎週両方聴いていました.当時,Fleetwood Macを聴いていた若者の多くは,トップ40のリスナーだったように記憶しています.同じ頃に同じ音楽を聴いていた方のお話は興味深いです.
私は幸運にもコンサートもよく行きました.Fleetwood Macの前の年だったと思いますが,高校受験の少し前に,Hotel Californiaを発表する前のEaglesも武道館で観ました.レコードばかり聴いていたあの頃が懐かしいです.
好きな曲の訳詞を書かれるのは,素晴らしいことだと思います.
子供の頃には分からなかった歌詞の意味に,ある日突然気が付くことがあります.
また良い音楽の紹介をよろしくお願いします.
また良い曲を選曲して訳したいと思います。
ありがとうございます。