訳詞の世界~Chuck E.'s In Love - Rickie Lee Jones(和訳)

この曲はとても難解でした。P.L.P.って一体何なんだろう~ってずっと思っていて、やっと解明しました。
それとチャックが手にもっていたものまで発見しちゃったのだ。

楽しい謎解きの始まりです。

ということで、今日は、1979年のヒット曲 Chuck E’s in Love にトライします。

この曲の邦題は「恋するチャック」
Rickie Lee Jones のデビューアルバムの1曲目に入っています。

当時ラジオから毎日流れていてすぐ好きになり、またこのアルバムのジャケットが何とも言えず素敵なものだから、LP を購入して毎日聞きまくっていた記憶があります。

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リッキーの曲の訳詞はとても難しいと思っていたので、今までチャレンジしたことはありませんでした。スラングが多くて難解なんです。(T_T)








この曲の冒頭の P.L.P. は何なのか当時はさっぱりわからなかったのですが、今回インターネットで調べて、やっとわかりました。アメリカ人でも知らないような古いスラングだったのです。
さらに2行目の meter も何を指すのやらでしたが、見事に解明しました。その他のスラングもおっきな辞書にはきちんと書いてあって、意味不明の箇所がすべてクリアになりました。

青でマーキングしているところはこの曲を知る上で重要なポイントなので、以下の記事で解説しています。

是非読んでくださいね。
→ Chuck E.'s in Love - Rickie Lee Jones 訳詞考察(1回目)
→ Chuck E.'s in Love - Rickie Lee Jones 訳詞考察(2回目) 

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「恋するチャック」はとっても楽しい恋の物語 

友だちのチャックの様子がすっかり変わってしまったのはなぜなんだろう。
あれこれ考えてやっとわかったこと
チャックは実は恋をしていたの
さてその相手とは。。。

YouTube と一緒によかったらどうぞ。
ベレー帽のリッキーの表情がとにかくかわいいんです。



Chuck E’s in Love
恋するチャック


How come he don't come and P.L.P. with me
Down at the meter no more?

何で彼来ないのかな?
私と一緒にパーキングメーターにもたれかかって
行き交う人達をながめるのが好きだったのにさ
そこのちょっと行ったところにあるんだけど
もう来ないのかな?

And how come he turn off the TV
And he hang that sign on the door?
Well we call and we call,
"How come?" we say
Hey, what could make a boy behave this-a way?

それに何で彼テレビ消してるんだろ
ドアに「邪魔しないで」ってサインなんかぶらさげてるの
それで、私たち彼に電話したのよ
で「何でなのよ~(-_-メ;)」って皆で言ったんだけど
ねえ、何が男の子をこんなふうにしちゃうのかな?

He learn all of the lines now
And every time, he don’t stutter when he talks
And it's true! It's true!
He sure has acquired this kinda cool and inspired sort of jazz when he walks
Where's his jacket and his old blue jeans?
Hey, if this ain't healthy it is some kinda clean?

今じゃ話し方もすごく上手になっちゃって
しゃべるときはいつも、どもらなくなったし
それと、これはホントに本当!
歩くときなんか何だかクールで何かの啓示でも受けたかのように生き生きとしているし
彼のジャケットとよれよれのジーンズはどこ?
ねえ、これって健康的っていうんじゃなければ、なんか小ぎれいって感じよね?

That means
Chuck E's in love (ha, ha)
Chuck E's in love (no, no, no)
Chuck E's in love (ha, ha)

つまり
チャックは恋してるってこと (はは~ん)
チャックは恋してるってこと (まさか)
チャックは恋してるってこと (どうだか)

I don't believe what you're saying to me
This is something I gotta see.

あなた達が何を言っても、私は信じないわ
自分の目で確かめないとね

Is he here?
I look in the poolhall
Is he here?
I look in the drugstore.
Is he here?
No, he don't come here no more

彼はここ?
ビリヤードの店をのぞいてみた
彼はここ?
ドラッグストアものぞいた
それともここ?
いいえ、彼はもうここには来ないみたい

I'll tell you what, I saw him
He was sittin' behind us down at the Pantages
And whatever it is that he's got up his sleeve
I hope it isn't contagious

実はね、私、彼を見たの
パンテージのお店で私たちの後ろに座っていたわ
何だか知らないけど、手元に何か用意していたわ
誰かのまねじゃないといいけど

What's her name?
Is that her there?
Oh, Christ, I think he's even combed his hair!
Is that her?
And what's her name?
Oh, it's never gonna be the same.

彼女の名前は?
そこにいる彼女がそうなの?
ああ、何てこと!彼ったら髪までとかしていたと思うの
あれが彼女?
んで、名前は何なのよ?
ああ、もう以前と同じじゃないわ

That's not her!
I know what's wrong!
‘Cause Chuck E's in love
With the little girl singin’ this song, and

Don't you know

あれは彼女じゃないの!
彼に何が起きたのかわかったわ!
なんでって。。。チャックは恋してるのよ。
この歌をうたってるかわいい女の子にね

まだわからない?

Chuck E's in love (yeah, yeah)
Chuck E's in love (no, no, no)
Chuck E's in love (ha, ha)

チャックは恋してるってこと (そうそう)
チャックは恋してるってこと (まさか)
チャックは恋してるってこと (かもね)

Chuck E's in love
チャックは恋してるのよ

with me ♪
わ ● た ● し ● にね 

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Commented by Shira at 2015-06-11 21:23 x
びっくりです。

Stevie Nicks の記事を探していたら RLJ も登場。

RLJ にはすっかり参ってしまって、新作が出るたびに聞いてきました。

米国の評論家が
It's not easy being a RLJ fan.
と言っていますが、そうだなあと思うこともありました…。

有名演奏者てんこ盛りの第2作が結構好きです。
"boxes and thighs" を軽快に叩く Steve Gadd がなんともすてきな Woody And Dutch On The Slow Train To Peking なんかたまりません…。

あと、Company を聞けばいつでも涙ぐむ自信(?)があります。
Commented by ladysatin at 2015-06-12 20:38
Shira さんも Rickie のファンだったとは感激です♪
音楽の趣味が合う人って周りにはいないのでとてもうれしいです。

あのジャケットにひかれて Rickie のレコードを買いました。
Company...いいですよね。
実は私、この歌で company に「仲間」という意味があることを初めて知りました。
Rickie のアルバムを聴くと、自分が大人になった気がしました。

私も第2作を買いました。Pirates というタイトルでしたっけ。
ファーストほど聴いていないので、曲はあんまり覚えていないんです。
今度、実家に帰った時に出して聴いてみます。
Commented by Southern Man at 2016-10-26 21:37 x
お久しぶりです。霜降を過ぎ、これから山々は錦繍を身に纏っていきます。そんな時季を一足早く吸い込むように、ブログの粧いを新たにされましたね。コメントは少し間遠になりましたが、2ヶ月余りの期間に6つもの記事をアップしていただき、いつにも増して楽しんでいます。お仕事も充実しているようで、八面六臂のご活躍に頭が下がります。

今回は、ブログへの私の想いを表した曲を紹介することになっていましたので、このページしか考えられませんでした。金髪に真紅のバスクベレー。いまにも灰が落ちそうな細めの葉巻タバコ。世の中を厭うように俯いた所在なげな表情。このアルバムの写真が醸し出すアンニュイな雰囲気は、若かりし頃の憧憬の女性の佇まいそのものでした。ladysatinさんもこのジャケットが大好きだったんですね。

二年ほど前に「サークルゲーム」の和訳で初めて拝見して以来、今ではこのブログに目を通すことが生活の一部になりました。私は英語力が貧困なので、コメントを寄せられる方々に比べると、書かれていることへの理解力は乏しいのですが、英語を生業とする者が持つ着眼点で、時事や英詞を詳らかにする過程に興趣が尽きません。とりわけ1970年代の洋楽は私を郷愁へと誘い、訳を読みながら曲を聴くと、一日の終わりに人心地を取り戻してくれます。

開けば、いつでも見られるladysatinさんのブログ。この当たり前の様なことが、とても大切だということを心に留めて、これからも感謝しながら訪問させていただきます。お薦め曲には、そんな想いを込めました。Rickie Lee Jonesとも縁があるTom Waitsの『San Diego Serenade』です。私の大好きな曲で、三十年来聴き続けているスローバラードです。メロディも泣けますが、歌詞にはことさら胸をうたれます。ライナーノーツの和訳ではなく、ladysatinさんの解釈で全文を読んでみたいものです。

追記
毎回のことながら、冗長なコメントになってしまいました。苦笑いしながら「I know 」と呟いてくれることを願っています。
Commented by ladysatin at 2016-10-27 22:13
Southern Man さん
お久しぶりです。いつもありがとうございます。
ゆっくり読ませていただいて、週末にお返事いたします。
San Diego Serenade も聴かせていただきますね。
少しお待ちください。(^_^)
Commented by ladysatin at 2016-10-29 16:50
Southern Man さん
秋が深まってきましたがいかがお過ごしでしょうか。

Rickie Lee Jones のファーストアルバムは、私にとってはちょっと背伸びした買い物でした。ハードロックばかり聴いていましたが、大人の女性への憧れもあって、Rickie のジャケットを見た瞬間、これは絶対買う♪と決意して買いました。Chuck E's in Love 以外の曲も全部好きです。今聴いても全く古さを感じさせません。

Southern Man さんからは、いつも素晴らしいコメントをいただき、本当にありがたく思っています。以前も書きましたが、私は日本語のボキャブラリーが貧困なので、Southern Man さんが書かれる日本語がとても勉強になっています。言葉を大切にされる方だということが文面からにじみ出ていて、私ももっと母語を大切にする必要があると痛感しています。

さて Tom Waits の San Diego Serenade を聴かせていただきました。Tom Waits のことは名前は知っていましたが、一度も聴いたことがありませんでした。乙女の頃は見た目から入っていたので、興味の対象ではなかったのです。σ(^_^;)

San Diego Serenade は、Southern Man さんが三十年来聴き続けてらっしゃる曲なのですね。メロディがとてもきれいですね。歌詞を読ませていただきました。"I never~until~"の英文だけで構成されている曲は珍しいと思います。
Commented by ladysatin at 2016-10-29 17:03
この形を訳すときは、直訳で「…するまで…しなかった」とすることもできますが、作者の意図が明確に感じられないかもしれません。私だったら「…して初めて…した」あるいは「…したから…した」とするかもしれません。

I never saw the morning 'til I stayed up all night
「夜通し寝ずに起きていたから、朝を見ることができたんだ」

I never saw my hometown 'til I stayed away too long
「はるか遠く離れたところに暮らして初めて、故郷のことを考えたんだ」

I never saw your heart 'til someone tried to steal, tried to steal it away.
「誰かがお前の心を盗み去ろうとして初めて、お前の心を知ったんだ」

私はこの詞から、「何かのきっかけがあって初めて、大切なことに気付いた」という作者の思いを感じました。
Southern Man さんはどのように思われましたか?またお時間あるときにお聞かせくださいね。

Oh, I forgot to say "I know".^^
Commented by Southern Man at 2016-10-30 15:48 x
繁閑も分からず一方的に送ったコメントに、お返事の事情を知らせて下さるお心遣い痛み入ります。そのお人柄がブログに投影されていて、私を生まれてはじめてのコメントへと導いたのだと思います。今でも投稿はladysatinさんのブログだけです。

『浪漫』は、私もジャケ買いでした。この衝撃的な出会いの記憶が、三十年近く経った今でも残像となっているのか、女性シンガーのジャケ買いをよくします。最近では、といってもアルバム自体は古いのですが、Mary Chapin Carpenterの『The Calling』やEliza Gilkysonの『Paradise Hotel』がそうでした。ワン・ショットにドラマがありますから、是非チェックしてみて下さい。

おっしゃる通りです。彼の風体では、若い女性がアルバムを手に取ることは少ないでしょうね。にもかかわらず、まるでセールスを無視するかのように、殆どの作品に彼が写っています。不思議です? でも、良い曲がたくさんあり、カバーするミュージシャンも多いようです。テレビ番組『不毛地帯』では、エンディング・テーマに「Tom Traubert's Blues」が使用されています。ドラマでは場違いな印象でしたが、名曲ですから一度聴いてみてください。

そうですね。「……するまで……しなかった」では、高位的で独りよがりな感じがして、Tom Waitsのイメージに似合いません。十代半ばから陋巷で生活の糧を得ていた彼は、文字ではなく経験で人生の多くを学んだ気がします。だとすると、「……するまで……しなかつた」では文学的ではありますが、リアルさに欠けます。「……して初めて……した」「……したから……した」の方が、彼から発せられる言葉に相応しい訳だと思います。

私も同様な視点です。失ったから必要なものが分かったのではなく、“大切なものはごく普通に周りにあるんだ。澄んだ眼で見回したり、少し勇気を出したから、それに気付いたんだ”と、Tom Waitsは歌っているのだと思います。「ladysatinさんのブログにコメントを送ったから、ネットの繋がりでも人の温もりに触れることが出来たんだ」ですね。

追記
すみません。今度も長くなりました。反省します。
秋晴れの昼下がり。部屋に籠もってパソコンに向かっている私は、チャックそのものかもしれませんね。

Commented by ladysatin at 2016-10-31 13:41
Southern Man さん
いつもありがとうございます。私は皆様からコメントをいただくと、できるだけ早くお返事をしようと思い、遅くとも次の日にはお返事を書くようにしています。でも、忙しいときにはそれが出来ないこともあり、そのときは、いつまでにお返事しますとお知らせするようにしています。そうしないと気になって仕方がないのです。(;^_^A

Mary Chapin Carpenter という歌手は知りませんでした。またチェックしますね。Tom Waits の San Diego Serenade は、今回初めて聴きましたが、ネットで検索してみると、多くの方がこの歌についてブログなどで取り上げておられて驚きました。この歌をお好きな方が多いのですね。Tom Waits の他の曲もまた聴いてみたいと思いました。

ブログを始めて以来、多くの方からコメントをいただきました。このブログを通じて、私自身も人との温もりに触れることができたことを、本当にうれしく思っております。これからも Southern Man さんのコメントを、楽しみにお待ちしています。
Commented by Southern Man at 2016-11-14 22:24 x
アーリー・アメリカン・ハウスの内装に貼られた壁紙のような可愛いデザインになりましたね。早めの化粧直しに、どんな心境の変化があったのかは窺い知ることは出来ませんが、温もりのある画面に誘われて普段より早めのコメントになりました。
前回は〈ジャケ買い〉した女性シンガーのアルバムを紹介したので、今回は〈タイトル買い〉した2枚のアルバムを紹介します。

『Enlightened Rogues』
再結成したサザン・ロックの雄、The Allman Brothers Bandが1979年にリリースしたアルバムです。日本題名は『いま、再び』でしたが、原題の方がバンドのイメージと、その紆余曲折に相応しいと思っています。それにタイトル自体も格好良すぎて痺れます。こんなネーミングを閃きたいものです。因みに単数形にしたものは、ladysatinさんのブログにコメントする際の名前候補のひとつでもありました。これぞサザン・ロックのバラードだ! といわんばかりのラスト・ナンバー「Sail Away」がお薦めです。

『It Ain't Exactly Entertainment』
Carole Kingの元夫Gerry Goffinが1973年に発表した2枚組のアルバムです。別れてもヒット・ソングを連発する元奥さんへの皮肉でしょうか、それとも離婚後はパッとしない自分への諧謔でしょうか。デビュー・アルバムにしては何とも大胆なタイトルです。実際、地味で無骨な曲ばかりで、思惑通り? 全く売れませんでした。しかし、スワンプ・ロックやルーツ・ロック好きには名盤の誉れ高い一枚です。お薦め曲は、Rod Stewartが『Atrantic Crossing』でとりあげた「It's Not the Spotlight」です。

自分の中の子供を大切にしていきたい……。子供とは、広義で青春時代も入っているのだと思っています。そういう意味で、ladysatinさんのブログは洋楽を通して、私の童心を揺り起こしてくれます。「訳詞の世界」のページを捲っていなければ、こんな四方山話を思い出すこともなかったでしょう。あらためて感謝いたします。
Commented by ladysatin at 2016-11-15 21:53
Southern Man さん
こんにちは。寒くなってきたので、温かみのある背景にしてみました。

The Allman Brothers Band の曲はほとんど聴いたことがありません。早速、Enlightened Rogues を YouTube で聴いてみました。あらっ。知ってる曲がありました。1曲目の Crazy Love。たぶん、シングルカットされましたよね。当時よくラジオで流れていたと思います。Enlightened Rogues は何と訳しましょう。「悟りを開いたならず者」あたりでいいかなあ。Sail Away いいですね~♪とても気に入りました。

ところで Gregg Allman の兄の Duane Allman は、24歳の時に亡くなられていますね。私には年の離れた兄がいるのですが、その兄が Duane Allman を好きで、実家に彼の Anthology というアルバムがありました。その中に Eric Clapton の Layla が入っていて、良い歌だなあと思って、何度も繰り返して Layla だけを聴いていた記憶があります。なぜ Duane Allman のアルバムに Layla が入っていたのか当時は何とも思っていませんでしたが、今調べて Duane がギターで参加していたということを知りました。

Gerry Goffin はほとんど知りませんが、It’s Not the Spotlight はやはり Rod Stewart のバージョンで知っていました。良い曲ですね。It Ain't Exactly Entertainment も訳すとなると難しいです。「エンターテインメントなんてとんでもないぜ」みたいな感じなんでしょうか。exactly のとらえ方で色んな訳ができそうです。これも今ふと思い出したのですが、Gerry Goffin と Carole King の娘がデビューしましたが、彼女は全く売れませんでした。親が偉大だからといって子供にも才能があるとはいかないようです。

私も Southern Man さんのお話しがきっかけで、子供の頃のことを思い出しています。音楽って人生を飾ってくれるかけがえのないものだと思います。

本当に No Music, No Life ですね。
こちらこそいつも楽しいお話をありがとうございます。
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by ladysatin | 2013-12-15 20:27 | Music & English_3 | Comments(10)