Greens and Blues の本当の意味はこれでした ~To Be With You - Mr. Big

greens and blues は mood ring の色のことでした。
ボーカルの Eric Martin がインタビューで答えていたのです。

さっ、はりきって解説します。 (^O^)/

ロックが大好きな私ですが、Mr. Big のことはほとんど知りません。
なぜかあまり興味がわかず、スルーしていました。
しかし、To Be with You だけは知っていました。
大ヒット曲ですものね~。

詞もシンプルなラブソングでわかりやすいです。

ただし、一文のみ難解な箇所があるんですね。

その一文とは、サビの部分のあのフレーズです。

I'm the one who wants to be with you
Deep inside I hope you feel it too
Waited on a line of greens and blues
Just to be the next to be with you


この赤文字の部分はいろんな説があるようです。

ネットで調べてみたら以下3つの説がありました。
①青二才や陰気な奴らの列で待っていた
②地平線の上で待っていた
③ジェラシーと憂鬱な気持ちで待っていた


いろいろな解釈があるなあと思いました。
それぞれにふむふむと言ってしまいそうです。
「これはもう書いた本人にしかわからないよね。」の世界。

調べたところ、この中に正解がありました。
①②③のうちのどれでしょう?

はい、それを解明するためにたどりついたのが、Mr. Big のボーカルの Eric Martin 先生のインタビュー。
なんと、Eric ご本人がこのフレーズのことを言及していました。

みなさま、必見!
ここだよ^^ 

Eric Martin Interview!

****************************
★少し下にくだっていくと、こういう説明があります。
It was a true story. Totally simple love lament. There was this girl I was in love with, beautiful goth chick from the late seventies, dark black hair -- everything was black -- and pale white vampire skin. She would read poetry to me in her father's car, parked in the back of the house, with no wheels, and weeds growing up in between it. How can you not fall in love with that? This girl had a lot of boyfriends who treated her like shit. I wanted to be the knight in shining armor, wanted to be with her. She wasn't having it. It never came to play. True story, though, a simple little love song. 'Waiting on a line of greens and blues...' I had a mood ring when I was a kid. I threw that in to be quirky.

★さて私が訳してみるわよ~
「実話だったんだ。全く無邪気で嘆かわしい恋物語さ。僕が恋に落ちた女の子のことだよ。美人で、垢ぬけていて、70年代後半に流行ったゴシックスタイルできめていた娘。ダークな黒髪で、身につける物は全部黒、それでいて青白いヴァンパイアのような肌をしていた。彼女の父親の車が家の裏に止めてあったんだけどタイヤはなくて、あたりは雑草が生い茂っていたよ。その車の中でね、彼女はよく僕に詩を読んで聞かせてくれた。彼女と恋に落ちないなんてありえないよね。彼女にはたくさん男友達がいたけど、皆、彼女をひどく扱っていた。僕の望みは輝く甲冑を身にまとった騎士になることだった。彼女と一緒にいたかった。彼女にはそういう存在がいなかったからさ。結局、騎士の役回りはめぐってくることはなかったけどね。単純でかわいいラブソングだけど実話なんだ。」
*******************************

なるほどぉ、Ericの少年時代の実話だったとは知りませんでした。

それで問題の箇所は青文字のところで説明されています。
ここを今から解読しましょう。

'Waiting on a line of greens and blues...' I had a mood ring when I was a kid.
I threw that in to be quirky.

「'Waiting on a line of greens and blues...'についてだけど、僕は子供の頃 mood ring を持っていたんだ。だから、そのフレーズを詞に入れたら面白いかなと思ったんだ。」

ふうん。mood ringって何だろう?と思って調べたら、こんな説明を見つけました。

★Mood rings have a stone that changes color depending on your emotions.

なんと「人の気分によって色を変える石がついた指輪」のことだったんです。
みなさんご存じでした?
私は知らなかった~。

mood ring は Google で検索すると画像がたくさん出てきます。こんな感じ。

Greens and Blues の本当の意味はこれでした ~To Be With You - Mr. Big_f0307478_21252482.jpgリンク先はこちら
→ mood ring

ここまでくればほぼ完璧に理解できます。
greens and blues は Eric の気持ちに合わせて変わる指輪の色のことだったんだとわかりますね。

西洋ではgreen は envyすなわち「妬みや嫉妬」の象徴です。一方のblue は depression 「憂うつや意気消沈」などを表すと言われています。

ですから意味はこんな感じになるでしょう。
Waited on a line of greens and blues
「嫉妬したり落ち込んだりしながら待っていたんだ」


on a line はグリーンとブルーの石が指輪を線状にぐるりと囲んでいて、その気持ちの上に彼がいるという比喩なのかなと思いました。

結局、彼女には男友達がたくさんいたから、彼が knight (騎士)になりたいと思っても、 It never came to play (その役は回ってこなかった)...だったんでしょうね。

ということで、正解は③でした。(^^)



これは 2009年の武道館のコンサートだそうです。
やっぱり素敵な歌ですね。

**********************************
ここからはおまけですが。。。

実は、Ericの最後の言葉 I threw that in to be quirky.の解読がとっても難しかった。

that はその前の mood ring のことだとばかり思っていたから、意味がつかめなかったのですが、throw in は「投入する」という意味だから、that はそのフレーズ "Waiting on a line of greens and blues" のことだと考え、「それを詞の中に入れ込んだ」と考えるとピシャリとおさまりました。

ただ、この文は口語では容認できても、文法上は誤りがあると思うの。
to be quirky の意味上の主語が I になってしまってるんですね。
本来はI threw that in to make it (= the lyrics) quirky. とするべきだと思う。

quirky ... 「風変わりな」という意味です。

だけど、別の解釈もできるとお友達に指摘されたのです。そのお友達は、「それを詞に入れ込むことで自分自身、すなわち I が quirky」と考えていいんじゃない?とおっしゃったの。

なるほど。そういう考え方もあるかと思いました。そっちのほうが説得力あるかな。
やっぱり。

ということで、今回も色々勉強した私だったのだ。045.gif
Commented by まろ at 2014-05-21 20:45 x
はじめまして。
まさに「greens and blues」の意味を調べていたらこちらにたどり着き、とても詳しく解説されていて感激しました!
ほんの1行ですが、深い意味が込められていたんですね…長年の疑問が解決しました。

歌詞の意味を調べて、ああでもないこうでもないと考えるのが好きなので、今後もちょくちょくおじゃまします!
文法や解釈のお話も大変ためになり、これから一記事ずつさかのぼって読ませていただきたいと思います☆
Commented by ladysatin at 2014-05-21 22:05
まろさん

はじめまして。コメントをありがとうございます。
感激してくださったとはとてもうれしいです。(*^-^*)
greens and blues の意味にについては疑問に思っておられる方が多いようです。
実は私のお友達も同じ疑問をもっていて、私にどんな意味だろうと聞いてきたのが調べるきっかけでした。

エリックのインタビューが見つかってよかったです。
探せばあるものなのなんだなあと思いました。

過去の記事も読んでいただけると大変うれしく存じます。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。
Commented by L.A.メタ子 at 2015-07-17 01:13 x
お久です。

13日(月)に Eric Martin さんの札幌公演(CubeGarden)に行ってきました。

とっても良かったです♡

Satinさんは、Mr.Big プレイリストに入れてないですよね、たぶn。
私もあまり知らなくて、 Bandsintown のメールで来るのを知ったんです。

今回の Over Japan は、Acousticで、Eric、ギターの John、Mr.Big のドラマー・Pat の3人だけの演奏です。
小さい会場で、しかも二人のギターと Pat のよくわからない打楽器のみで、シンプルだけど、迫力がありました。

Mr.Big のハード系の曲もすべて、Acoustic で、スリムなカッコよさがありました。

Eric は昔のPVでは女の子みたいで、ユニセックスな雰囲気を持っていましたが、今も面影はあります。
Pat のパーキンソン病は確実に進行しているみたいで、見ていて切なかった(x_;)彼が声援に応えて明るい笑顔で手を振っていたので少しホッとしたけど。

以来、Eric の歌を聴くと”しみている”(演歌かよ)私です。

この曲、To be with You はみんなで大合唱しました。解説のおかげで予習ばっちり!

ではまた。。。
Commented by ladysatin at 2015-07-17 22:02
L.A.メタ子さん
ご無沙汰しています。Eric Martin さんのコンサートに行かれたんですね。

私は Mr. Big が売れていた頃は、しばらくロックを聴いていない時期でした。
なので Mr. Big を知ったのはずいぶん後になってからでした。
Eric の声は素敵ですね。私も一度は生で聴きたいボーカリストです。

Acoustic Live でしたか。小さな会場ってすごくいいと思います。
あったかい感じがしますよね。うらやましいな。

ドラマーの方のご病気のことは何かできいたことがありました。
まだお若いのに本当にお気の毒です。
でもこうやって日本に来てくださるのはうれしいですね。

To be with you は本当に名曲♪
予習までしてくださって、涙うるうるです。

いつもメタ子さんには元気を注入していただいています。
Thank you so much. (*^_^*)
Commented by L.A.メタ子 at 2015-07-19 10:33 x
ロックを聴いていない時期があったとは、私と同じですね。しかも、私の場合は結構、長かった。

なので、Mr.Bigが何回も来日していたにもかかわらず、初めて見に行きました。

ブラックどころか、真っ黒けっけのところで働いてましたからね。JRの中で爆睡して、お掃除の人に起こされたこともありました。も少しで、車庫から「出してくれ~」と叫ぶとこでしたよ。

今は、いろんなバンド、気に入ったものをグウォーと猛烈にキャッチアップしてます。楽しいですよ!

まあ、すっかりオジンになった彼らを見ると、バンドが旬の時期に収穫したかったなーとか、ルックスがいい場合は、ピッカピカのときに会いたかったなーと思いますけどね。
偽物の髪フサフサで頑張ってても、自然体の人も、どっちも好き♡

メタ子が cyber slave のときに徹夜続きで納めたシステムが5年ぐらいでぽいっと捨てられてったんですよね。昔、主流だったCOBOL、FORTRANという言語はヒエログリフみたいなもんですよ。 ー 完全に無くなったわけじゃないから、ラテン語ぐらいの位置かな。
コンピュータの言語は次々と新しいのが出てくる。常に最新の技術に対応して(勉強して)いるのが面白い人(Geek, Nerd)は別にいいんでしょうけど。
現役で働いてる人間より、言語のほうが先にリタイヤしていく。フツー言葉ってのは、少数民族とか、話者が一人もいなくなったときに消滅するのにね。
その点、英語は、世界一のお金持ちからBOPの人まで母語にしている。

やっぱ、勉強するなら、英語ですよ。

ではまた。
Commented by ladysatin at 2015-07-19 21:28
メタ子さんも聴いていない時期があったんですね。
私が一番ロックを聴いていたのは中学・高校・大学の頃です。
たぶん皆そうですよね。一番多感な時期だから。
社会人になったらあまり聴かなくなって、もうロックとは卒業かなと思っていました。
そしたら、またある時聴きたくなって、やっぱり私にはこれなんだと思いました。

COBOL って懐かしい響きです。
私、随分前になりますが、BASIC を少し勉強したことがあります。
自分で勉強して、ほぼ遊びでプログラムを組んだことがあったなと今、思い出しました。
メタ子さんはプログラミングとかそっちの方とても詳しそう。
お仕事柄よくご存じなんだろうなあと想像しています。

やっぱり勉強するなら英語...ですよね。(^^)
Commented by ともみ at 2018-02-12 00:56 x
若い頃、お付き合いはしてなかったけど この曲を車で聞かされていました。最近歌詞の意味を知り、大事に思ってくれてたんだと気づかされました。彼はもう、亡くなってしまったけど…
Commented by ladysatin at 2018-02-12 04:00
ともみさん
コメントをありがとうございます。

お辛い記憶ですね。英語の歌はなかなか詞の内容にまで踏み込んで聴くことはしませんので、長い年月がたって、こういう意味だったんだとわかるときがあります。お亡くなりになった方は、ともみさんにこの歌を聴いてほしかったのでしょう。大切な人だから聴いてほしかったのだと思います。そんな歌です。
Commented by kuma at 2020-04-17 00:54 x
まさにgreens and bluesの意味がわからなくて調べたらすぐこの記事が見つかって助かりました。
「嫉妬したり落ち込んだり」……とてもいい訳だと思います。


細かいことですが、"She wasn't having it." というところ、

▸ I won't [can't] have it.≒⦅英⦆I'm not having it.
それは許せない

という例文が辞書にあったので、「彼女はそれ(Ericが彼女のknightになること)を許さなかった」というような意味かなと思います。


おまけで触れられている I threw that in to be quirky. について、気になってネットで用例を探してみたら料理についてのブログ記事で

There was a little ham left over from breakfast, so I diced that as well and threw that in to be sautéed with the onions and celery.

という文章が見つかりました。
この場合だとさすがに「私がソテーされる」はありえないと思うのでthatが主語なのでしょう。
Ericもladysatinさんが解釈した通り that が be quirky の主語のつもりで使っているのかなと思いました。文法的にはよくわかりませんが。
Commented by ladysatin at 2020-04-18 19:03
kuma さん

コメントをありがとうございます。
この記事はブログを開始した年に書いたものです。6年以上も前だったんだなあと久しぶりに読み返しています。

She wasn’t having it. の意味は、おっしゃるとおりかもしれません。「それは許せない」という意味があるのですね。have の奥深さを感じます。またお料理の例文もありがとうございます。ほぼ同じ言い回しです。ごく普通に使われているのでしょうね。

※上の動画のリンクが切れていました。貼りなおしました。(^_^)
Commented by 通りすがりのロックおじさん at 2023-07-26 11:00 x
当然失礼いたします。実は今日がMr.Bigのfarewelltourの日本での最終日@日本武道館(2日目)で、私も参戦予定です。当然この曲ToBeWithYouは皆で大合唱になるので歌詞をおさらいしている中でこちらのサイトに辿り着きました。本当に最期の最後の日にこの意味が分かってスッキリすると共に感激いたしました。有り難うございました。
Commented by ladysatin at 2023-07-26 14:33
コメントをありがとうございます。
Mr. Big が来日していたこと知りませんでした。
今日コンサートに行かれるのですね。うらやましいです。

To Be With You は色あせない名曲ですね。
今日はきっと大合唱になることでしょう。
お役に立ててよかったです。
こちらこそありがとうございました。
Commented by Google先生のお導き at 2023-10-13 09:37 x
長年の疑問が解消されました。
ありがとうありがとう。
Commented by ladysatin at 2023-10-13 15:23
Google先生のお導きさん

お役に立ててよかったです。
コメントありがとうございます。
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by ladysatin | 2013-12-05 21:26 | Music & English_1 | Comments(14)