Shape of My Heart – Sting 訳詞考察(2回目)

Shape of My Heart に出てくる I (私)は、カードプレーヤーの彼自身の言葉でした。

2回目の訳詞考察です。最後まで一気に行きます。

このシリーズはここからスタートです。
私の全訳はこちらにありますので、よかったら読んでくださいネ。
→ 訳詞の世界~Shape of My Heart – Sting(和訳)

******************************
I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that's not the shape of my heart

わかっているさ
スペードは兵士の剣
クラブは戦場の武器
ダイヤはこの術で得る報酬のことだということをね
だけどそれは僕のハートの形とは違う
******************************

ここなのですが、あるサイトで何人かのネィティブの方が「タロットカード」に関係しているだろうと書かかれていました。

スペード ・・・剣  → 王侯・騎士
クラブ  ・・・棍棒 → 農業
ダイヤ  ・・・貨幣 → 商業
ハート  ・・・聖杯 → 聖職者


ということで、ヨーロッパの一般的な社会身分を表しているらしいです。
またしても Sting って深いことを書く人なんだなあと思いました。

I know that diamonds mean money for this art
ここの art は芸術かしら。
もうひとひねりほしい。。。ということでジーニアスを調べてみました。
すると「技術、こつ、要領、わざ、技巧」などの意味がありました。

なるほど、「彼のカードを配る技術」と解釈すると良さそうですね。
そして「この技術 (art) への対価 (money) =ダイヤ(貨幣)」というつながりになるでしょう。

072.gifところで But that's not the shape of my heartthat は何を指しているのでしょうか?

じつはこれについて、Sting がちゃんと答えていたんです。
おそらくインタビューだったと思うのですが、私が読んで覚えていることを書きますね。

こんな感じです。

タロットカードでは、ダイヤはお金、クラブは武器、スペードは剣を象徴していますね。
あと残っているのは何?
そうハートです。ハートは LOVE のこと。
そして、描かれているハートはの形は ♥ です。

♥ はきれいな shape ですよね。しかし、ポーカープレーヤーの彼は、自分のハートを表に出すのが苦手です。カードのハートは ♥ だけれども、自分のハートは、その形をしていません。ファンタジーの中のハートの形と、現実の自分のハートの形は違う。そこには葛藤があります。Sting は、このフレーズで、彼の心の葛藤を表現したのだそうです。

ここからは私の推測です。
カードプレーヤーの彼は、自分のハートは整った ♥ ではなくて、いびつな形をしているのを感じていて、苦しんでいるのかもしれません。素直に愛を表現できない自分へのはがゆさが、ここで表現されているのではないでしょうか。愛する人に、素直にハートを表現できるといいのに、それができないという心の葛藤のことなのだと思いました。

"that" means "the shape of the heart (on the card)".

やっぱり Sting の歌って深いですね。

*******************************
He may play the jack of diamonds
He may lay the queen of spades
He may conceal a king in his hand
While the memory of it fades

彼が切るのはダイヤのジャックなのか
スペードのクイーンを置くだろうか
手にはキングを隠し持っているかもしれない
そのことをしだいに忘れながらも
*********************************

この While the memory of it fades it なのですが、過去の記憶のことだと考える人が多いようなのですが、私にはそのとらえ方には無理があるように思えます。

もちろん、it が過去の記憶を指していないとは断言できませんが、もしそうだとすれば、この文は非常に唐突な文になります。過去の記憶であれば、普通はここにいきつくまでに、何らかの伏線が張られているだろうと思うのです。ところが何もない。Sting はわざと謎めいた書き方をしたのでしょうか。

私はただ素直に読んでいいのではと思っています。

最初の2行では、ダイヤのジャックかスペードのクイーンを置くのかが言及されています。そのあと「キングを隠すかも」と言っています。キングの箇所は前の2行とは分離した書き方なのです。そして while は主節と従属節が同時進行しているのを示しています。

★He may conceal a king in his hand while the memory of it fades

このように一文にしてみるととてもわかりやすい。
it という代名詞は、その前に出てきた情報を普通は受けますね。
この場合は it = conceal a king in his hand と考えるときれいにおさまると思います。

つまり、彼はキングをいつか出そうと思って手に隠しもっているわけですが、それを出すタイミングを見計らっています。その一方でプレイが進行するにつれ、キングを持っていたということを忘れるということを言っているのだろうと思いました。

皆さんはどう思われるでしょうか。

*******************************
And if I told you that I loved you
You'd maybe think there's something wrong
I'm not a man of too many faces
The mask I wear is one

そして君に愛していると言ったら
何かあったのって君は思うかもしれないね
僕は余計な顔をもつ男じゃない
被っているのはひとつの仮面
*******************************

★And if I told you that I loved you, you'd maybe think there's something wrong

この箇所は仮定法過去が使われていますね。洋楽ではとにかく頻出の仮定法過去です。
以前、Extreme の More Than Words の訳をしましたが、そこでもたくさん使われていました。
よかった上のカテゴリから読んでみてくださいね。^^

★I'm not a man of too many faces

ここのポイントは too many faces です。
so many faces なら「とてもたくさんの顔」でいいですね。

so ではなく too になるとニュアンスが大きく異なり主観がぐっと入り込んできます。
「あまりにも多くの顔」というのは、100個とか200個とかいう数の問題ではなく、本人が必要としている顔以上の数です。だから5個かもしれないし3個かもしれません。ここは unnecessary faces と同じような意味だと思います。

だって The mask I wear is one ですものね。

*******************************
Those who speak know nothing
And find out to their cost
Like those who curse their luck in too many places
And those who fear are lost

言葉にするやつは何もわかっていない
痛い目にあってわかるものさ
いたる所で自分のツキを呪うものや
恐れる者が自分を見失うようにね
*******************************

★Those who speak know nothing, and (they) find out to their cost

Those who... (...する)人たち

to one’s cost は成句です。
「<人>が損害を受けて、ひどい経験をして」という意味。(ジーニアスより)

英辞郎の例文
I know to my cost, that I should not believe strangers easily.
「自分の苦い経験から学んだのは、知らない人をたやすく信じてはいけないということだ」

★Like those who curse their luck in too many places and those who fear are lost

ここも those who が出てきましたから、同じように訳すとよいです。
冒頭の Like は前置詞で「(たとえば)...のような」という意味でよく口語で使われますね。
such as と言い換え可能です。

以上で Shape of My Heart の考察は終わりです。

*************************

最初の回で Sting のインタビューを載せていますが、あの背景知識があったので、今回はかなり助かりました。

ここに出てくる I (私)が誰のことなのかが長いこと謎でした。
カードプレーヤーの彼自身の言葉だったのですね。

Sting の曲は本当に深いと思いました。

いつも読んでくださる皆さんありがとうございます。
また次回もご期待ください。
Commented by かたな at 2015-06-09 18:23 x
こんにちは、

最後のare lostが気になります。これがloseなら負ける、ですが、are lostには別の意味があるんじゃないかと思います。

単にポーカーに負けるというよりも、自分を見失う、ポーカーフェイスではなく、呪いや恐れが顔に出てしまう、みたいな意味が僕には伝わります。

ladyさんはどう思われますか?
Commented by ladysatin at 2015-06-09 22:24
かたなさん

おっしゃる通りです... ( ̄▽ ̄;)!!ガーン
この場合の lost は形容詞ですから「負ける」などという意味になろうはずがありません。
完全なポカミスです。(恥)

全く自分で気付くこともなくここまで来ました。
かたなさんが書かれている「自分を見失う」がしっくりくるように思います。
早速訂正しました。

本当に恥ずかしいミスをしてしまいました。
教えてくださってありがとうございます。
Commented by かたな at 2015-06-10 00:35 x
実は僕、カードをたまにやります。ポーカーではなく、カジノによくあるBJですが。先日もシンガポールのマリーナベイサンズでちょっとだけ遊びました。

ミニマムベットの低いテーブルには空きがなく、私にとっては少し敷居が高いかな?と思うレートのテーブルに座りましたが、I found out to my cost that I might well be lost when the minimum bet was set at Sin.$100.

シンガポールは全体的にレートが高めです。釜山あたりのミニマムベット10,000ウォンでちまちまやっているのが自分の身の丈に合っていることがわかりました。今年の夏休み、運という名の神聖なる配列を求めて、釜山への航空券を予約しました。

that's not the shape of my heart のthat とは、何を指しているのでしょうか? money?or art? それとも、ポーカープレーヤーの心の中にある何か。

教えて下さい。
Commented by ladysatin at 2015-06-10 22:48
かたなさん
本日は残業でさっき帰りました。
that's not the shape of my heart のthat についてですが、これ明日か週末にお返事します。
少しお待ちくださいネ。^^
Commented by ladysatin at 2015-06-11 22:27
かたなさん
that’s not the shape of my heart の that についてのお返事を書きます♪

一般的には、that は前の記述に言及するので、私は最初 money か art だろうと思いました。しかし、そう考えるとどうもしっくりこず、ずっと考えていました。そこで、この記事を書いた当時、色々調べたところ、Sting ご本人が、このことについて述べている文章がありました。たぶんインタビューか何か。

その記事を昨日探していたんですが、見つかりませんでした。
(昨日お返事できなかったのはそれもあります。)

ただ、書かれていた内容はしっかり覚えています。
以下のような感じです。

タロットカードでは、ダイヤはお金、クラブは武器、スペードは剣を象徴しています。
あと残っているのはハートです。ハートは LOVE のこと。
そして、絵に書かれたハートはの形は ♥ です。

♥ はきれいな shape ですよね。しかし、ポーカープレーヤーの彼は、自分のハートを表に出すのが苦手です。カードのハートは ♥ だけれども、自分のハートは、その形をしていないんだと。ファンタジーの中のハートの形と、現実の自分のハートの形は違う。そこに葛藤があることを表現したのだそうです。

ここからは私の推測ですが、彼は、自分のハートは整った ♥ ではなくて、いびつな形をしていることで苦しんでいるのかもしれません。素直に愛を表現できない自分へのはがゆさがここで表現されているのかもしれませんね。愛する人に、素直にハートを表現できるといいのに、それができないという心の葛藤のことなのだと思いました。

"that" means "the shape of the heart (on the card)".

私の訳は、言葉の上っ面しか表現できていないので、もっと言葉を足す必要がありますね。σ(^_^;)
Commented by かたな at 2015-06-12 09:23 x
ladyさん、ありがとうございます。

♥だったんですね。彼は具体的な何かを見て、あるいは意識して、あれは私の~ではない、と言っていると思いました。でも、その"何か"が?でした。すっきりしました。

このthat'sについての解説は本文に書かないともったいないと思います。

Fragileにもわからないところがあります。出回っている訳はありますが、そうではないだろうと思う箇所があります。

次のSting訳詞考察があるなら、Fragileについて書いて下さい。よろしくお願いします。
Commented by ladysatin at 2015-06-12 21:03
かたなさん
すっきりしていただいてよかったです。

そうですね。本文に書くべきでした。
早速、上に追加で書きました。
なぜ、この大切なポイントを抜かしたのか自分でも不思議です。
もっと早く気付くべきでした。

Fragile ですね。いつになるかわかりませんが、次の Sting の曲は Fragile にします。
Sting の曲はホントに難しいですが、とってもやりがいがあります。
Commented by 無知 at 2016-02-08 04:28 x
最近レオンにはまりこの曲までもはまりました。
何度も聞いて歌えるようにこの記事の歌詞を読みながら嗜んでいましたが気になったところがひとつ
運という名の神聖なる配列のことをthis artといっているのではないでしょうか?
Commented by ladysatin at 2016-02-08 21:39
無知さん
コメントをありがとうございます。

「運という名の神聖なる配列」を this art と言っているというご意見ですね。
となると、「ダイヤは運という名の神聖な配列を得るための報酬」ということになろうかと思います。この発想は私にはなかったので、とても新鮮です。

もう一度読み直して、this art の this が何を指しているのかを考えてみました。普通は、this が指すのはかなり近い位置にあるものになると思うのですが、「運という名の神聖なる配列」はやや遠い位置にあるように思いました。なので、私はそのように考えなかったのです。

私見になりますが、この this が指しているのは、この詞全体のテーマである「カードを配る男」に直結しているのではないかと思いました。より具体的には「カードを配るという行為」です。私の訳はそのようにとらえた訳になっています。

しかし、読み手によって多様なとらえ方ができると思います。無知さんのコメントを読んで、なるほどそういう考え方もあるかもしれないと思いました。指示語が何を指すのかは簡単に特定できないので、色んな方のご意見を伺うととても勉強になります。このように意見交換ができてうれしいです。ありがとうございました。
Commented by 無知 at 2016-02-08 23:56 x
ありがとうございます。
英語訳についてはあんまり知らない身ですからそれが正しいと思います。
ただ術というのに含まれているのか、あるいは違うのか気になりお聞きいたしました。
カードを配る男が知りたかったのは芸術のように感じるのではないかと思いthis artは最初に出てきた神聖なる配列を指していると考えました。
Commented by ladysatin at 2016-02-09 17:13
ご返信ありがとうございます。
説明していただきよくわかりました。この箇所の私の解釈につきましては、個人の見解ということでご理解いただければ幸いです。聞き手による解釈の違いは常にあるものと思いますが、異なる考えを知ることが私にとっては大切なことです。ですので無知さんのコメントには感謝している次第です。

私がいつもうれしく思うのは、コメントをお寄せくださる皆様が、異なる意見を気軽に書いてくださることです。
これからも何かございましたら、よろしくお願いいたします。
Commented by 無知 at 2016-02-10 07:06 x
何度もすみません。
なぜそう(this art が神聖なる配列)思ったのかについて整理できましたので書かせていただきます。
以下引用であります。
彼にとってカードを配ることは瞑想と同じことなんだ
勝ち金のためにやっているのではないし
尊敬を得るためでもない
だが対戦相手はそれを知るよしもない
彼がカードを配るのは答えを見つけるためさ
運という名の神聖なる配列
起こりうる結果の裏にある隠れた法則
その数字に人は翻弄される
わかっているさ
スペードは兵士の剣
クラブは戦場の武器
ダイヤはこの術で得る報酬のことだということをね
だけどそれは僕のハートの形とは違う

この長い歌詞を想像しまして次に続くのが、

彼が切るのはダイヤのジャックなのか
スペードのクイーンを置くだろうか
手にはキングを隠し持っているかもしれない
そのことをしだいに忘れながらも

今現在プレイしているのではないかと考えてました。
彼にとって勝ち金を得るのでも尊厳を得るのでもないカードのやりとりでお金を得るというものは盤上に広がるカードによるもの(this artというのはこの彼の目の前にある芸術=盤の上にあるカードの配列)、つまり術ではなく運という名の神聖な配列によってもたらされるものなのではないか、と考えました。
前回は術にこの配列が含まれているかどうかを尋ねる前に整理すべきものでしたがやっとすっきりしました。
間違っているか、あっているかというより自分がなぜそう思ったのかそれに至ったのか示せた気がします。長くなりましたが、この訳があってこそ理解できたことや染み込むように歌詞を嗜むことができたこの感激はthat is not shape of my heartのように上手く伝えられないもどかしさがありました。ありがとうございました。
Commented by ladysatin at 2016-02-12 02:13
無知さん
詳しくご説明いただいて、おっしゃっている意味がよくわかりました。
今、プレイしているその情景を思い浮かべられたのですね。
とても深い考察にため息が出ます。コメントを読んで私も再考したいと思いました。
他にも同じような考えをお持ちの方がおられるかもしれません。
無知さんのコメントをここに来られる皆さんにも読んでいただきたいです。
ありがとうございます。
Commented by とおりすがりのモブ at 2016-03-25 20:28 x
初めてこの曲を聴いたとき、直感的に思った解釈です。
「that's not the shape of my heartのthatは何を指すのか?直前の歌詞でスペード、クラブ、ダイヤはこのゲーム(非情な人生)で勝ち抜くために必要なものを示しているとする。するとハートが示すのも崇高な愛やロマンチックな愛ではなく、誘惑や色欲など勝つために利用する道具ということになる。このようなものをthatは指しているのだろう。しかし、他のことは生き抜くために道具として使うが、愛だけは道具として使うことは自分にはできない。」以上のような意味だと思ってきましたが、いかがでしょうか?
Commented by ladysatin at 2016-03-26 20:32
とおりすがりのモブさん
初めまして。

新たな解釈をご提示くださりありがとうございます。
Shape of My Heart の訳については、これまでたくさんの方が、私の訳を元に様々な解釈の可能性をお示しくださいました。とおりすがりのモブさんの解釈も、詞を素直に読むと違和感なく成立すると思います。

I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art

ここまでは、スペード・クラブ・ダイヤは、「何かを得るための手段」だと考えることができます。とおりすがりのモブさんの言葉をお借りすると「(非情な人生)で勝ち抜くために必要なもの」ということになるでしょうか。

そのあとで、ハートについての言及がありますが、逆説の But が使われています。この But は上の3つと同じ考え方はできないことを示すためにを使ったのだろうと解釈することは、自然な成り行きだと思います。

But that's not the shape of my heart

しかし (But)、ハート(心・愛)は、「道具や手段」などではないということですね。
勉強になりました。ありがとうございます。
Commented by なお at 2017-02-24 20:08 x
初めまして。
タイムマシンでも使ってるのか、というぐらい遅れたコメントで恐縮です。

今更ながらこの曲をギターで練習していて、どうせなら弾き語りしようかな?ついでに日本語で歌えないかな?と探していてここに辿り着きました。
全体的な丁寧な解釈が披露されていてとても参考になりました。ありがとうございます。

若干違和感を感じるところがあります。

But that's not the shape of my heart
だけどそれは僕のハートの形とは違う

という部分です。

僕の音楽の聴き方はちょっと普通の人とは違うのかもしれませんが、まずメロディーを聴き、次に和音を聴き、そしてリズムを聴きます。そしてこの時点でほぼ曲のエモーショナルなイメージが出来上がってしまいます。歌詞を聴いて意味を考えるのはその後で、これは日本語でも他国語でも同じです。

この曲に感じたイメージは喪失感と彷徨感とでもいうべきでしょうか。「レオン」のイメージがバイアスになっている感じはしますが・・・
そして歌詞を聴いて考えたのは、「カードのスートの形の意味は充分わかり切っている。なのに自分のハートは捉えられない。ポーカーフェースを貫いていたら見失ってしまった」という感覚です。

そういう観点から見ると、
But that's not
は前3行でわざわざサビの部分でしつこく反復されている
I know that
と対比されていて、分かり切っているスートの形と捉えきれない自分のハートという構図を強調している物だと思っていました。

なのでこの部分で言いたいことは、カードのハートと自分のハートのShapeの違い、ではなく、スートの形のようには自分のハートが簡単には分からない、という点ではないのかなあ。と、思うのです。でもそれだとSting本人の "that" means "the shape of the heart (on the card)". という言と食い違ってしまうかもしれませんね。やはり感覚先行で物事を解釈すると間違ってしまうのでしょうか。

しかし、訳詞って難しいですね。日本語にしてしまうとトーンやテンポ、音色が変わってしまいます。
素直に原語で歌った方がストレートにエモーションを表現できるような気がしてきました。
Commented by ladysatin at 2017-02-24 23:20
なおさん
初めまして。とても詳しい感想をくださりありがとうございます。

この曲については、詳細な解釈を書いてくださる方が多く、私自身も大変勉強になります。私の詞の読み方は、書かれた英語そのものから切り込んでいくというものなので、感覚から入ることはまずありません。なので感性の鋭い方がうらやましいです。

なおさんのコメントは、一回読んだだけでは私自身、上手に理解できてないような気がしますので、時間をかけてよく読ませていただきますね。また、この記事をこれから読まれる方にも、なおさんのコメントは参考になると思います。

この曲を日本語で歌うのは難しそうですね。英語の歌を日本語で歌うには、かなり英語の詞の情報を削らなくてはならなくなりますから。
Commented by ソフィア老練 at 2018-01-29 17:34 x
最近、宮坂俊行というイケメンの青年ジャズボーカリストのコンサートでこの”Shape of my Heart"を聴く機会がありました。いつもながら、日本語の歌("天城越え”とか暗喩満載の難解歌詞)もそうですが、英語の歌は一層内容の理解が難しいので検索してみたら、こちらにたどり着きました。歳なので健康のためにジャズボーカルを始めて、英語の勉強も発音からやり直したりしています。最近では"The good life"(Nancy Wilson 他)の歌詞が気に入っています。また"lonely in New York"(Sophie Milman)には元気をもらったり。ずっと昔のBillie Holidayの”God bless the child"とか好きです。これも昔の話ですが、"You'd be so nice to come home to"(Helen Merrill)の題名の誤訳があったことはご存知ですよね。こちらはladysatinさんの丁寧な訳詞や文法的な説明、コメントにも親切な応対でとても居心地のよさそうなブログですね。これからも良い歌と訳詞、英語のことなどお知らせくださいませ。昔の歌はさほど難解ではないけれど、それでも解らないときは駆け込みさせてくださいね!(そうそう”Satin doll"の歌詞でも理解むずかしく苦労しました・・・speaks Latin~ナノデ)
Commented by ladysatin at 2018-01-29 22:51
ソフィア老練さん
初めまして。コメントをありがとうございます。

ソフィア老練さんはジャズがお好きなのですね。宮坂俊行さん、イケメンときいて早速、画像検索してしまいました。(笑)本当にイケメンですね。Shape of My Heart を歌われたとは、私も聴いてみたいです。素敵だったでしょうね。

私はジャズは詳しくないのですが、Helen Merrill は1枚ですがCDを持っています。You’d be so nice to come home to が聴きたくて買いました。Helen Merrill は声が素晴らしいですね。

You’d be so nice to come home to の誤訳は有名なので私も知っていました。この英文は文法用語では「tough(構文)」と呼ばれるものだと思います。to の目的語が主語の You だとわかれば簡単なんですが、誤訳した方は雰囲気で「こうかな」と思われたのかもしれません。

またいつでも遊びにいらしてください。この度は温かなコメントをありがとうございました。(^_^)
Commented by 免努苦齋 at 2018-02-01 18:17 x
ladysatinさん、こんにちは。

Fields of Gold の歌詞の意味を調べていて、このブログにたどり着きました。まだ全部に目を通してはいないのですが、明晰で緻密な考察に、読んでいて余分な粗雑物が洗い流され、頭の中がスッキリと整理整頓されていくようなすがすがしい心地よさを感じました。いや、素晴らしい!これをまるで「断捨離」を実行した時の様な快感と言ったら、失礼に当たるでしょうか。プロの翻訳家さんなのですね。

それで
But that's not the shape of my heart
について、今更ながらの参戦です。

とは言いつつも、私の理解はあまり新鮮味はないのですが、一口で言えばとおりすがりのモブさんの解釈+なおさんの解釈とでも言うべき、良いとこ取り的なものです。ただ、若干細部の解釈については異なる部分があるので、お二人の解釈と対比させて私見を述べさせていただきたいと思います。

で、結論を先に述べると、このBut that's not the shape of my heartは、三つの意味が重層的に重ねられて表現されていると考えています。トリプル・ミーニングになっているということです。後で述べるように、この場合thatはお二人解釈と同じく先の三つの文章全部を指していると思いますが、その三つの文章のどの側面を捉えるのかという視点によって三様の意味が生じて来るという風に捉えています。

まず一つ目は、一番表層な解釈で、単に僕のハートの形はスペードの形ともクラブの形ともダイヤとの形とも違うという意味です。ここでは四つのアイコンが並列的に並べられ、単に形の違いが比較されているだけだとも言えると思います。この場合、「僕のハート」の「僕の」という言葉の意味は限りなくゼロに近いとも言えましょうか。


長文なので次に続きます。
Commented by 免努苦齋 at 2018-02-01 18:19 x
二つ目は、なおさんのおっしゃる側面で、スペードやクラブやダイヤのスートの形のようには、ハートの形は明確ではない。捉えきれないといったいわば shapeの質的な違いに注目した解釈です。ここには意識的な努力の存在の有無の違いがあるように思います。同じthe shape of the heartでもthe shape of the heart on the cardとthe shape of my heartでは、前者は何時見ても明確なshapeとしてcard上に存在するが、後者はそのようには存在しない。意識的に捕えようとしなければ、指の間からこぼれ落ちて行ってしまう、捉えどころのないshapeでしかない、と。

そして三つ目は、とおりすがりのモブさんの仰る「何かを得るための手段」としての側面で、ハートは「何かを得るための手段」としてのスペードやクラブやダイヤとは違うという事を意味している。ハート(心や愛)は「手段」ではなく「目的」なのだと言っても良いのかも知れません。ただ些末な話になりますが、とおりすがりのモブさんが「するとハートが示すのも崇高な愛やロマンチックな愛ではなく、誘惑や色欲など勝つために利用する道具ということになる」として、スペード、クラブ、ダイヤに加えてハートもthatが指し示すものの中に当然の如く入れていることは、私には違和感があります。確かに、I know that the spades、I know that the clubs、I know that diamondsと来れば、当然次にはI know that the hearts以下の同様の文章が来るべきだと考えるのは自然ですが、実際にはI know that the hearts以下の文章はありません。ここに私はStingの作為というか技巧を感じます。意図的な言い落としだと私は思うのです。

さらに次に続きます。
Commented by 免努苦齋 at 2018-02-01 18:23 x

なぜStingはI know that the heartsの文章を書かなかったのか。

それは I know that the hearts以下の文章があると、次のBut that's not the shape of my heartという文章は、この直前にあるこのI know that the heartsの文章だけを受けてしまうように捉えられてしまうからだと思われます。この文章だけを否定すると捉えられてしまう可能性が高い。つまり、この文章があるかないかで、文脈上thatの指し示す内容が変わってくると思うのです。これでは、自分の意図する所とは違うとStingは考えて、あえてこの文章を書かなかったのではないか、そう考えるのです。

思うに、ここにはこの文章の欠如による一種の難解性による効果(?)があると思われます。

現状のBut that's not the shape of my heartという文章は、スペード、クラブ、ダイヤと来て、Butで繋ぐにしてもここでハートが出て来るのは、第一の意味のように一見併記或は並列という意味ではすんなり続いているように見えますが、内的な論理の上ではそうではない。論理からいってその存在が示唆されているにも拘らずI know that the hearts以下の文章が実際には存在しないために、一読しただけでは、thatが何を指しているのかわからないような文章の繋がりになっている。正にここで問題とされているように。ここの箇所で、この文章の形式上の整合性と内的な論理の不整合性との齟齬(の違和感)によって、鑑賞者は別の内的な論理を探さなければならなくなる事態に追い込まれるのだと言っても良いのかも知れません。この難訓の箇所で鑑賞者は立止り、その内的な論理を深読みするようここで要請されているのだと言い換えてもいいでしょう。

ですから、ここで言う深読みの方向性としては、やはり、このBut that's not the shape of my heartという文章は前の三つの文章とは論理の上で同列にはなく、むしろそれら全部に対抗したいわば一つ次元を繰り上げた論理的な文脈上の位置関係にあると捉えるのが自然だと思われます。とおりすがりのモブさんやなおさんが解釈したように。

またまた次に続きます。
Commented by 免努苦齋 at 2018-02-01 18:25 x
なお余談ですが、

He may play the jack of diamonds
He may lay the queen of spades
He may conceal a king in his hand
While the memory of it fades

の部分も同様の構造になっているのではないでしょうか。つまり、 While the memory of it fadesという文章も一つ上の次元にあって、その前の三つの文章を受けている。 it はconceal a king in his hand を意味するだけではなく、 lay the queen of spadesも play the jack of diamondsをも意味していると私は解釈しましたが、どう思われますか。

というような事で、このように意図的に三つの意味が多面的重層的に含意され暗示されることによって、この歌詞は相当に深い味わいを持った歌詞になっていると私は捉えるに至ったのですが、どう思われますでしょうか。このBut that's not the shape of my heartという文章は、Stingの仕込んで置いたsting(一刺し)と言ってもいいかも知れません。そういえばstingには「欺く」という意味もありますね。欺きの一刺し?Ouch!してやられたぜ!(笑)

以上、いささかくだくだしい説明になりましたが、緻密なladysatinさんにはいささか突飛な解釈と感じられるかも知れません。手前勝手な感想かもしれませんが、この意味でも、Stingの作詩の凝縮度は凄いと感じます。

とは言え、調子に乗って少ししゃべり過ぎたようです。Those who speak know nothingと言われないうちに撤収することにします。

Fragile、楽しみにしております。

Commented by ladysatin at 2018-02-02 04:19
免努苦齋さん
初めまして。コメントをありがとうございます。

こんなに詳しく書いてくださって、大変うれしいです。
今仕事がばたばたしているのですが、時間をかけてじっくり読ませていただきたく存じます。
この歌は大変こだわりのある方が多いので、免努苦齋さんの解説は、多くの方が読んで下さるものと思います。

取り急ぎお礼まで。
お時間かけて書いてくださったことに本当に感謝します。
Commented by 免努苦齋 at 2018-02-02 18:17 x
ladysatinさん

お忙しいのに、直ぐにコメント頂いて、恐縮です。

いえいえ、感謝するのはこちらの方です。この素敵なブログを作って頂いて、本当に感謝です。ありがとうございます。

自分の文章を改めて読み返してみて、着想が走り過ぎて、文章が追い付いていないというか、何とまあ解りにくい詰屈な文章かとあきれている次第です。脱字や不適切な用語、言い回しも気になります。このブログ読んで感銘を受け、嬉しさのあまり、いささか興奮して一気呵成に書き上げ、すぐさま投稿したので、もう少し文章を寝かせた上で、もっと判り易く練り上げてから投稿すべきだったと少し自己嫌悪に駆られている次第です。

私は在宅勤務の経験はありませんが、さぞや時間管理や体調管理、さらには精神的な面でのメリハリ、集中息抜きといった面での管理が大変だろうと、ぐうたらな私は想像致します。冗談でなく、尊敬の念を覚えます。

返事のことはお気になさらずに、お仕事の方に邁進してくださいませ。

04:19 という投稿時間が少し気になりました。どうかご自愛の程を。

Commented by ladysatin at 2018-02-03 16:41
免努苦齋さん
投稿時間のお気遣いありがとうございます。事情があって仕事は主に夜中にしているのですが、朝はゆっくり目に起きているので大丈夫です。

免努苦齋さんの文章は、素晴らしいと思います。私は日本語のボキャブラリーがいまひとつなので、皆様からコメントをいただくたびに、日本語も勉強させていただいております。ブログもされているのですね。じっくり拝見したいと思っています。(^_^)
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by ladysatin | 2013-11-14 21:13 | Music & English_2 | Comments(26)