二つの意味をもつ不定詞

さて、今日は不定詞に関するお話です。
次の文をちょっと読んでみていただけませんか。

Tom didn't try hard to live apart from his family.

ごく普通の不定詞の文ですね。難しい単語もないしすぐわかりそう。
皆さんだったらどんな意味に解釈しますか?

実は、この文には二つの意味があるようなのですが、わからないので教えてくださいという質問だったのです。

そこでですが。。。

ひとつはすぐ頭にうかびました。

(1)トムは家族と離れて暮らそうとは懸命に試みなかった。

to不定詞の名詞的用法の典型的な解釈です。
この結果、トムが家族と離れてくらしたかどうかはわかりませんが、離れて暮らさなかった可能性は高いでしょう。

さてもうひとつなんですが、(1)とは異なる結論を導く考え方があるかな、と思ったらありました。
不定詞の副詞的用法で結果を表すことができます。解釈してみます。

(2)トムは懸命に努力しなかった。その結果、家族と離れて暮らすことになった。

このように解釈の仕方如何で、ジョンの今後がどうなるのかが変わってくるというわけなんです。

しかし、なぜこの二つの解釈が可能なのでしょうか。

それは、どうも try という単語がキーになりそうです。

(1)のtryは他動詞の用法です。「..しようと試みる(努力する)」
他動詞は目的語が必要ですが、この文では目的語はto以下になります。

(2)の try は自動詞の用法です。「やってみる(make an attempt)、努力する(strive)」
自動詞なのでTom didn't try hard で文が完結します。to以下はただの修飾語なんですね。

このように try に他動詞と自動詞の用法があることで二つの解釈が可能になるんですね。では他の動詞ではどうでしょうか。

例えば want や like など不定詞が得意な動詞にも、他動詞と自動詞の用法があるにはあります。しかし、これらが不定詞で使われるとき、名詞的用法で他動詞として使われるのが普通で、自動詞として使われることはまずありません。

例) I want to play tennis. He likes to swim.

この例文たちの意味は一つしかないです。ゆえに、これらの動詞がきても解釈に混乱は生じないと言えると思います。

そう考えると、この try というやつ、いろんなところに出てきますが、実はくせものだったということが言えるのではないでしょうか。もちろん、英文には文脈がありますから、それに沿って解釈していけば間違うことはないかもしれません。しかし try が不定詞の文で出てきたら、「こいつか~~(=^‥^=)ゞ 」と、ちょっぴり注意が必要だと思いました。

では。
# by ladysatin | 2013-03-08 22:11 | 英文法_English Grammar | Comments(0)

さて今日の問題です。^^

日本の気候は Japan's climate または climate of Japan のどちらがしっくりきますか?

こんなこと考えたことある?

考えてみましょ! ★⌒c( ̄▽ ̄)

まず Japan's climate と climate of Japan は両方とも所有の意味です。
climate of Japan の of は「所有の of」であり、それ以外には考えられません。

どちらが正しいのか?

答えはどちらも正しい。何故ならば、語法が正しいからですね。

しかし、google で検索すると圧倒的な差がでました。
climate of Japan が108,000件に対し Japan's climate は11,300件です。ということは、やはり climate of Japan の方がコロケーションがよいのでしょうか?これは説明がかなり難しいと思いますが、辞書で調べてみました。

ランダムハウス英和大辞典の記載です。そのまま抜粋しますね。

「所有の of はおもに無生物について用いる。 the boy's pen のことを the pen of the boy と は言わない。しかし、無生物の場合でも、国などの場合には the history of Japan の代わりに Japan's history ということがある。この現象は新聞英語に多く見られる。」

そういえば Japan’s economy は英字新聞でよく出てきます。逆に economy of Japan は あまり見ないような気がする。ランダムハウスの説明も交えて考えると、新聞などの文献では、簡潔でストレートな表現が好まれるということが言えるのかもしれません。

が。。。別の考え方を見つけました。これはなるほど!と思わずにはいられません。

日本を国土として考えるときは前置詞 of すなわち climate of Japan がぴったり。一方、日本を人間や社会のグループと考えるときは所有格、すなわち Japan’s economy がぴったり。

これをおっしゃっているのが帝京大学教授のクリストファー・バーナード先生です。
すごくわかりやすいのでリンクを貼らせていただきますね。

日本人英文法の意外な穴 129. "-s", or "of" ? (Part 1)
http://igainaana.blog4.fc2.com/blog-entry-32.html

For example, when "Japan" is seen as "an area or land", we would use "of", as in the following:
3) a map of Japan
4) the mountains of Japan

However, when "Japan" is seen as "a group of human beings / a society" we are more likely to use "-s", as in the following:
5) Japan's aid to foreign countries 日本の海外援助
6) Japan's hosting of a marathon 日本によるマラソンの主催(日本主催のマラソン)

そうだったのか~と、私はウンウンとうなずきっぱなしでした。
またおりこうになっちゃったな。

さて、今日はもう少しふみこんでみますよ。^^
同じく Japan がらみであと一つおもしろい比較をしてみましょう。

「日本の~」という場合、上に出した Japan's... という場合と Japanese... という場合があります。この違いについても考えてみました。

英字新聞などによく出てくる Japan's economy Japanese economy。この二つはどちらも「日本の経済」という訳で間違いありませんね。でも、どういうニュアンスの違いがあるのでしょうか?

書く人の気分次第で使っているのかな?(; ̄ー ̄)...ン?

それもあるかも。。。(○'ω'○)

しかし、この二つをよく見ると、決定的な違いがあります。

それは、品詞

Japan's は Japan という固有名詞の所有格
Japanese は形容詞


これに気づいたら答えは出たようなものかな?

以下のように考えてはどうでしょうか。

★Japan's
名詞の所有格だということはすなわち、「日本という国がもつ、日本国に属する、日本国に備わっている」という意味になるでしょう。そして、この後に来る名詞は、日本という国に所有されている、あるいは所属しているものになります。 economy が国の経済力、経済状態を表す場合、たとえば景気動向指数やGDPに基づく話は Japan’s economy となると思います。所有格であるがゆえ、「他の国でなく日本という国の」という排他的響きもあります。

★Japanese
形容詞としてその後に来る名詞を修飾します。この場合の「日本の」という意味の裏には、「日本に特徴的な、日本の特色といえる」という含意があります。 Japanese economy にはJapan’sがもつ排他性はないので、一般的に日本の経済について言いたい場合は Japanese がよく使われるように思います。例えば今後の日本の経済発展などに言及する場合は Japan’s economy より Japanese economy の方がしっくりくるように思います。

このように見ると Japanese culture が圧倒的に多く使われ Japan's culture がほとんど(といっては言い過ぎかもしれませんが)あまり使われないのが理解しやすいです。国技である相撲は Japan’s culture といえるかもしれませんが、一般に culture は人や風土が作り出すものなので Japanese culture というのだと思われます。日本の最近の若者文化は Japanese culture となるでしょう。

このように見てくると、「日本の○○○」という言い方って、英語では3通りあるってことね。

英語って奥深いなあと思います。
 
ではまた。
# by ladysatin | 2013-03-07 21:50 | 語法_English Usage | Comments(2)