この頃は facebook で色んな情報を集めています。

私の場合は翻訳に関係するページを見ることが多いのですが、日本語のページより英語圏のページが多いですね。その中でコメントを書くこともあります。英語で書くわけですが、自分が疑問に思っていることに対し、遠い国の会ったこともない人が答えてくれることもあります。またその逆もあります。こんなやりとりは、私にとっては結構新鮮に写っています。

Google で検索するのとはまた違う面白さが facebook にはあるんだなとわかり、情報集めという点ではなかなか重宝しています。

海外のミュージシャンのページもよく見ます。ファンの人達が書いているコメントを読むこともあります。やはりコメントを書くのはアメリカやイギリスなど英語圏の人が多いですね。英語圏の人達は joke を交えながら普通に英文を書いています。内容は大したことはなくても、ネィティブのようにサラッと英語が書けるといいですね。

日本人で英語でコメントを書く人は、まだまだ数が少ないという印象があります。ミュージシャンの一つの投稿に対して「いいね」を押す人は多いのですが、ほとんどの日本人はコメントを書きません。様々な国の人が集まる有名人のページに英語でコメントを書くということは、大げさに言えば全世界に自分の書いた英語がさらされることですから、勇気をともなうことでもあるのかもしれません。

そんな中で英語でコメントを書いている人もいらっしゃいます。英語の専門職の人ならいざ知らず、一般の人は高等教育までで英語の学習は終わっているわけですから、英文法や冠詞の使い方まできちっと出来ている人はほとんどいません。しかし、そんなことは問題ではなく、ファンの一人として自分の気持ちを伝えたいからコメントを書くということが、とても素敵な事だと思っています。

ただ、ちょっとこの使い方はどうかな?と思うことも時々あります。

これは最近見た日本人が書いた英語のコメントなんですが、同じ英単語について二人の日本人の方が間違った使い方をしておられたんです。立て続けに見たので、この単語は誤用が多いのかもしれないと思い、今日取り上げようと思いました。

072.gifその単語とは disappoint です。

disappoint は高校英語で出てくる単語です。英和辞典を調べると「失望させる、がっかりさせる」という意味が載っていますね。これはこれでいいのですが、disappoint の語感はどうでしょうか。

この単語は英検準2級レベルですから、英語学習者の中での習熟度は高いと思います。しかし、軽々しく使うのは避けたい単語です。私が今まで英語を使って生きてきた中で、disappoint を使ったことはほんの数回しかありません。かなり語感がきついのです。このことを予め知って使った方がいいと思い、今日は老婆心で書いています。

●まず一つ目の例です。

あるミュージシャンの投稿で、彼の尊敬するベーシストの死亡への悲しみが綴られていました。病死でした。コメントも多く寄せられていて、Sad news. I’m sad. など、sad を使った表現が目立ちました。私も好きなベーシストだったのでコメントを書きました。

そんな中で、ある日本人の男性が書いたコメントが目を引きました。
その人が書いたコメントはこれでした。

Very very disappointed.

この方は外資系の企業に勤めている方なので、英語は出来る方だと思います。ここで disappointed をこの方が使われたのは「彼が死んで落胆している → 僕は悲しい」ということを表現したかったからだろうと思います。

しかし、この場面における Very very disappointed. はとても違和感があります。書いた本人の真意とは逆に、イヤミに受け止められる可能性もあります。人が死んだことに対して、disappointed という感想を書いたら、死んだ人を責めているような響きが出てしまいます。「彼が死ぬとは、俺はがっかりだよ」という感じですね。さらに very の二重使いなので「なんてことしてくれたんだよ」という強調が追加されます。

一方で、「病気が治らなかった」という事実に対して disappointed ならありかもしれないとも思いました。しかし、それでもやはり言葉足らずになってしまっています。Very very disappointed. に対し、素直に「その通りだ」と読み手が理解できる前提が必要ですね。そのベーシストの死に対し、その他大勢が sad と書いているコメントの中で、このコメントだけがかなり浮いていました。おそらく書いたご本人は何とも思っていないでしょう。

●次に二つ目の例です。

これは別のミュージシャンの投稿に対しての日本人女性のコメントでした。彼女は早く新譜が聴きたいとの思いでコメントを書いていました。

まず I’m looking forward to your new album.(新しいアルバムを楽しみにしています。)と書いていました。いい感じですね。しかし、そのあとのコメントがちょっとまずかったかな。彼女はこう書いていました。

Don’t disappoint us!

私はこれを見て、ぎょっとしました。Oh. My God! という感じです。

私はかつて外国人50人を管轄していた経験があるのですが、その時一度だけ、ある不真面目な外国人の部下に Don’t disappoint me. と言ったことがあります。その時の状況はこんな感じでした。

その外国人部下は勤務態度が良くなかったんですね。だから、次年度の契約更改はしないと私は彼に伝えたんです。そしたら彼は、何でもするからもう一度だけチャンスをくれと言ってきました。私は彼に、今後、我社で働くにあたりどんな貢献ができるのか、またこれまでの自分の勤務態度をどのように改めていくのかレポートに書けと言ったんです。その内容によっては、契約更改について考え直してやると。

そして、最後に言ったセリフが Don’t disappoint me. でした。「私を失望させるんじゃないわよ。」という、上から目線のこのフレーズは、上司である私だから言えたセリフです。かなりきつい言い方になるので、よほどのことがないと言わないです。

元に戻って、大好きなミュージシャンに対し、彼女が Don’t disappoint us! と書いたのは「とても楽しみにしているので、ファンをがっかりさせないでね」くらいの軽い気持ちだったのだろうと思います。しかし、読む側にしてみれば、「あなた何様のつもり?」って言いたくなるような、とっても失礼な表現と言わざるをえません。

私は上のお二人に対しメッセージを送ろうかとも思いましたが、見ず知らずの人なのでやめました。

言葉の使い方ってとても難しいですね。日本語でも間違うわけですから、英語となると尚更です。また英語の場合は、自分で間違いに気づくには相当の場数が必要です。使って相手の反応を見て、この場合にはふさわしくない表現だったとわかるわけですから、経験値がものをいいます。近くにネィティブの友人がいれば「その表現は変だよ」って教えてくれるかもしれませんが、まあそんな幸運な人なんてごくわずかでしょう。

私自身もおかしな英語を使っていて、随分あとになってそれは実はとっても変な言い方だったことを知ったという経験がいくらでもあります。こればかりは仕方がありません。単語の意味は辞書が教えてくれますが、語感はすぐには身につかないものです。だから英語は使ってなんぼなんです。

今回は disappoint の誤用について書きました。何かのご縁でこの記事をご覧になった方の中で、disappoint にはそんな語感があったことを知らなかった方がいらっしゃったとしたら、その方々のお役に立てたのではないかと思います。

小さなことかからコツコツと、言葉の勉強続けていきたいですね。

--------------------------------------------
※参考までに以下 Longman より引用しておきます。

disappointed
: unhappy because something you hoped for did not happen, or because someone or something was not as good as you expected
希望していたことが起らなかった、または、人あるいは物事が期待していたほどではなかったため unhappy である

disappoint
: to make someone feel unhappy because something they hoped for did not happen or was not as good as they expected:
希望していたことが起らなかった、または、期待していたほどではなかったため、人を unhappy にする

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2015-05-31 21:26 | 英語と私といろいろ | Comments(0)

完了進行形の盲点

今日は文法のお話です。

以下のような英文があり、カッコ内を適当な形に変えなさいという問題があります。

When I arrived, everybody was sitting round the table and talking. Their mouths were empty, but their stomachs were full. They (eat).

選択肢は以下の通りです。

A: were eating
B: had eaten
C: had been eating


さてA, B, C のうちどれが正解でしょうか。
皆さんのファイナルアンサーは?

まず A: were eating は問題外ですね。
残りは B と C です。

では正解から先に書きますね。

072.gif問題集の答えは C: had been eating でした。

えっ何で?って思った方もいらっしゃるかもしれません。
B: had eaten が答えでしょって。実は私の友人の疑問がそれでした。

これは結構大切な問題かもしれません。

分割して書いてみましょう。
・When I arrived, - 私が到着したとき
・everybody was sitting round the table and talking. - 皆、テーブルを囲んで座って話していた
・Their mouths were empty, - 彼らの口の中は空っぽだった
・but their stomachs were full. - しかし、胃の中は満たされていた

ということは、 私が到着したときはすでに食べ終わっているということになりますね。だったら大過去の B: had eaten になるべきだと友人は言います。C: had been eating だと When I arrived の時点でも継続して食べ続けていることになるから間違いだと。

「サテンもそう思うでしょ?」と同意を求められました...

しかし、私の答えは C: had been eating でした。迷うことなく。

ではその理由にいきます。

たしかに、完了進行形は、現在までの継続を表し、今後も続くであろうという含みをもっていると学びますね。おそらくその認識の方が多いかもしれません。しかし、完了進行形にはもう一つの用法があります。これはあまり知られていませんが「最近の過去」を示すというものです。

上の文をもう一度書いてみましょう。
When I arrived, everybody was sitting round the table and talking. Their mouths were empty, but their stomachs were full. They had been eating.

ここで使われている They had been eating. が示すのは、「今現在(この場合は私の到着時)まで食べ続けている」ということではありません。「ついさっきまで食べていたのだ」ということなんです「最近の過去」を示すとはこういうことでした。だから正しいんです。

これについて2つの文献から引用したいと思います。

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★英文法解説(江川泰一郎著)
P241 §162現在完了進行形」の項目
少し前に終わった動作 - その結果がまだ明らかに残っている

●He shouldn’t drive this evening. He has been drinking.
彼は今晩は車の運転はよすべきだ。ずっと酒を飲んでいたのだから

●I don’t feel like going out this evening. I’ve been working in the garden all day.
今晩は外出したくありません。一日じゅう庭仕事をしてい[て疲れ]ました。

★現代英文法講義(安藤貞雄著)
P157 10.1. 現在完了進行形 10.1.2. 最近の過去
現在完了進行形は動作が発話時に終わっていても、結果が現在に残っていると感じられる場合には使用することができる。この用法は「最近の過去」(recent past) を表すと説明されることもあるが、話しての意識としては、発話時まで動作が継続しているかのように感じられているのだ、と考えられる。

P158 10.2. 過去完了進行形 10.1.2. 最近の過去
次の諸例では、過去の気準時の直前に出来事は終わっているのだが、その結果が残っているので、あたかも<継続>しているかのように表現されている。この用法は、「最近の過去」を表す現在完了進行形(§10.1.2)の用法と並行するものである。

●Banford’s eyes were red, she had evidently been crying.
バンフォードの目は赤くなっていた。いままで泣いていたのは明らかだった
---------------------------------

上記2つの書物に共通して書かれてある「結果が残っている」という箇所が重要な点だと思います。問題集の英文も同様で、私が到着した時点では食事は終わっていて、テーブルを囲んで談笑している場面です。まだ食べ終わったお皿がテーブルの上にあるかもしれません。つまり、今まで食べていたという結果が残っています。この状況だからこそ、They had been eating. は実に自然な表現だと言えるんです。

この完了進行形が「最近の過去」を表す用法は、英語力の高い人でも知らない人が多いです。盲点だと思います。

さて、もう一つの選択肢 B: had eaten を使って They had eaten. はどうかという問題が残っています。

これを間違いだとバッサリ切り捨てることができるかと言われると、私にはできないです。しかし、They had been eating. に比べると不自然さが漂います。もし、食事が終わっていたということを過去完了で表すのであれば、They had already finished the dinner. のように書く方が自然だと思います。They had eaten. はとても唐突な印象を受けます。せめて already を入れて They had already eaten. あたりにしたいところです。もちろんこれは私見の範囲を超えるものではありませんが、自然な英文という観点から見ると、やはり They had been eating. に軍配が上がると考えています。

以上、気になった文法問題を取り上げてみました。

完了形は奥が深いですね。

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2015-05-24 17:30 | 英文法_English Grammar | Comments(2)

Is this a typo?

今日は辞書にまつわるお話です。

まずその前準備からいきますね。

be a long way off という表現はご存じでしょうか。

よく出てくる表現なのですが、英辞郎からの説明を引用しますね。

●be a long way off
遠い所にある、遠く離れている、遠方にある、前途遼遠である、まだまだ先の話だ、まだずっと先のことだ、~どころではない

例文1)
The future seems a long way off [to go] right now.
現時点では、その未来はまだまだ先のようだ。

still を使った表現もあります。

●be still a long way off
〔主語の場所は〕まだ遠い[ずっと先である]、〔主語の事柄は〕まだかなり[ずっと]先の話[こと]である

例文2)
Although it can be said that the death penalty has been suspended here, it would seem the actual abolition of the system is still a long way off.
死刑停止状態ともいえる日本ですが、死刑制度の廃止には、まだ長い時間がかかりそうです。

ということで、be a long way off の意味と使い方についておさらいしました。

****************************************

ここから本題に入ります。最近受けたおもしろい質問です。

a long way off を使った例文でこんな英文が辞書に載っていたらしいです。
We were a long way off being grandparents.

そしてこれに対する日本語訳はこれでした。
我々が祖父母になるのはまだまだ先である。

あらっ...?
皆様いかがでしょうか?
この日本語訳は正しい?正しくない?

何か時制が...変?

そう。質問してこられた方の疑問は、were に対して「である」の訳になるのは何故なんでしょうということだったんですね。

were は普通に考えて過去だから「だった」になるべきです。なのにそうではない。もしかして仮定法かなんかの用法かとも思ったらしいのですが、そうでもなさそう。ということでどう考えてもわからず聞いてこられたんです。

私は答えました – 和訳のミスでしょう (~_~)

英文が were であれば日本語訳は「だった」しか考えられないです。
日本語が「である」なら英文は are ですよね。もちろん。

質問した方は「やっぱりそうですよね」とおっしゃったのですが、なんだか腑に落ちない様子。

おっと、聞き忘れた。「その辞書ってなに?」と聞くと「ウィズダム英和辞典 第3版(三省堂)」とのこと。

そこで、気になったので先日、本屋さんに行ってこの目で確かめました。

う~む...書いてありますねぇ...やっぱり。

ウィズダムをお持ちの方は way を調べて見てください。2127ページにあります。

これっていわゆる誤植なんでしょうか?
ちょっと調べてみようということで、ウィズダム英和辞典の HP を見てみました。

そこでわかったことはウィズダム英和辞典はコーパスを使って編纂されているということでした。
→ http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dicts/english/wisdom_ej3/sp/corpus.html

上記のリンク先に書いてあるように、コーパスとは「(特定の種類・作家の文書[資料]の)集大成、集積」をさします。もっと簡単に言えば、例文をデータベースにしたものがコーパスと考えるとよいと思います。

今時の辞書はコーパスを使っているんですねえ。恥ずかしながら知りませんでした。

さてここで一つひらいめいたことがありました。

それは、コーパスを使って辞書が作られているということは、例の英文はどこかから引っぱってきたんじゃないかということです。

ということで、インターネットで調べてみました。

そしたらな~んと、ありました。
Children Of A Lesser God - Transcript

少し長い文章ですがそのページを検索してみたらこんな文があります。
One minute we thought we were a long way off being grandparents and the next minute we felt like we had 14.

まさに辞書にある We were a long way off being grandparents があります。

ここからは三省堂に確認したわけではないので、私の推測であることをお断りして書きます、

辞書の例文はこれを流用した可能性が高いのではと思っています。

インターネット上にある例文の前半はこうです。
One minute we thought we were a long way off being grandparents

つまり、問題の英文は主節ではなく従属節の一部なんです。

主節の動詞は thought ですから、それに導かれる従属節は時制の一致で were になっているものと考えることができますね。ということは、訳する際は現在形になって当然です。

訳してみます。
「我々が祖父母になるのはまだまだ先である、とちょっとの間私達は思った。」

ここまでくるとわかるような気がします。

英和辞典ですから当然、元のデータベースには英文と日本文のペアがあるはず。そして本件の場合、a long way off の項目を作るために抽出したのが、上記の英語と日本語のペアだったのではないでしょうか。

しかし、何らかの理由で主節の we thought は抽出されず、従属節の英文 we were a long way off being grandparents とそれに対応する日本語「我々が祖父母になるのはまだまだ先である」が抽出されたのではと思いました。機械的な処理であれば大いに考えられるものと思います。

さらにインターネットの英文の日付は Monday, 5 April, 2010 であり、ウィズダム第3版の発行は2013年1月10日ということを考えても、時期的な整合性もとれています。

再度書いておきますが、三省堂に確認をとったものではありません。私の推測です。また、ウィズダム英和辞典の質に言及するものでもありません。

ただ、いずれにしても辞書の訳文は誤りだということは明確になったと思います。

今回、このことを記事にしようと思ったのは、コーパスは大変有用なデータベースとはなりうる反面、そこにはどうしても機械処理を伴なうことから、何らかの不具合が生じることもありうる、ということを頭に入れておくことが大切だと思ったからです。

私自身もコーパスを使う時があります。下記は COCA というアメリカ英語のコーパスのサイトです。時々ですが、コロケーションを調べるときに使っています。誰でも利用できて便利なのでにリンクを貼っておきますね。
→ Corpus of Contemporary American English (COCA)

ついでながら使い方を日本語で解説してあるサイトを見つけました。
→ http://www.kenkyusha.co.jp/uploads/lingua/prt/13/UchidaSatoru1408.html

コーパスは上手に使うと英語力アップにつながると思います。
特に Writing に力を発揮します。

ではまた。
by ladysatin | 2015-05-17 18:46 | 英語と私といろいろ | Comments(2)

今日は私の大好きな Bad Company の曲です。

以前、Free の Wishing Well を Gary Moore のバージョンで訳しました。

Bad Company は Free が解散したあと 1973年に Paul Rodgers が中心になって作ったバンドです。

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Bad Company の皆さんです。
これは70年代半ばの写真だと思います。


From left to right
Boz Burrel on bass
Mick Ralphs on guitar
Paul Rodgers on vocals
Simon Kirke on drums





一時期 Paul が脱退して、別の人が歌っていたんですが、Paul がいない Bad Company なんてクリープを入れないコーヒーよりまずいに決まってます(たとえが古かったかしら)。

ということで今日は私の大好きな Paul Rodgers について語りたい。

f0307478_20245643.jpg
この方が Paul Rodgers 様

歌っている姿も大好きなのです。

めちゃ優しそう。 001.gif








ロックシンガーで好きな人はたくさんいるんですが、私の中では Paul Rodgers はとにかく別格。やっぱり一番かな。Paul の声は本当に素晴らしくて、ロックボーカリストを目指す人が憧れるような声の持ち主なんですよね。あの喉は天性のものだから誰にも真似できないなあと、聴くたびにいつも思ってます。

もう超一流のボーカリストだから、一流のミュージシャンからも尊敬されていて、Paul のためならバックで演奏しまっせっていうミュージシャンは数知れず。YouTube を見ると、Slash とか Neal Schon がバックでギター弾いていたりするし、ちょっと前は Queen の Brian May と Roger Taylor と一緒にツアーしていましたもの。

Paul がすごいなって思うのは、他のボーカリストと違って、年齢を重ねても声がほとんど劣化していないところ。

1949年生まれだから、とっくに還暦すぎてます。ロックシンガーって喉を酷使するので、年齢とともに声が出なくなるからキーを低くして調製するんだけど、それでも悲惨な状況になってる人が多いです(誰とは言わないけど私のお気に入りの二人もそう)。Paul は年齢とともに声もいい感じに渋くなっていて、いつまでも聴いていたいと思わせる声なのです。

今日は Bad Company のセカンドアルバム Straight Shooter から Shooting Star を選びました。
メロディも歌詞も Paul によるものです。

この歌はスターになることに憧れていた少年が、願いはかなったのはいいけれど、ドラッグの過剰摂取で死んでしまうという悲しい物語を綴ったもの。素晴らしい音楽を世に送り出しながらも、若くして亡くなったミュージシャンに思いを寄せて書いた曲のようです。

ドラッグで破滅してしまうってとても悲しいこと。この歌はミュージックビジネスにかかわる人への警告だと Paul は過去のインタビューで言っていました。



1975年のオリジナルの音源...すごく心にしみる歌詞です。

*********************************************

Shooting Star
Music & Lyrics by Paul Rodgers

Johnny was a schoolboy
When he heard his first Beatles song
Love Me Do... I think it was
And from there it didn't take him long

Johnny は初めて Beatles の歌を聴いたんだ
小学生のときにね
Love Me Do だったと思う
そこからは早かったよ

Got himself a guitar
Used to play every night
Now he's in a rock and roll outfit
And everything's all right

ギターを手に入れてさ
毎晩弾いてたもんさ
今じゃロックンローラーだぜって服に身を包んで
万事うまく行ってるんだろうけど

Don't you know?
お前分かってないだろ?

Johnny told his mama
Hey, Mama, I'm going away
I'm gonna hit the big time
Gonna be a big star someday

Johnny は母親に言ったんだ
「なあ母さん、俺出ていくよ
成功してやる
いつかビッグスターになってみせるよ」って

Momma came to the door
With a teardrop in her eye
Johnny said
Don't cry Momma,
Smile and wave goodbye.

母親は目に涙をためて
ドアのところまで見送りに来たんだ
Johnny はこう言ったよ
「母さん泣くなよ
笑ってさよならって手をふってくれよ」ってね

Don't you know
お前はわかってないよね

Don't you know
That you are a shooting star
Don't you know
That you are a shooting star
And all the world will love you
Just as long as long as you are

わかってないだろ
お前は流れ星なんだよ
流れ星だってわからないのかい?
世界中から愛されるのは
お前が空に輝いている間だけなんだって

Johnny made a record
Went straight up to number one
Suddenly everyone loved to hear him sing his song
Watching the world go by
Surprising it goes so fast
Johnny looked around him
And said
Well I made the big time at last

Johnny はレコードを出して
すぐ1位になったんだ
突然だぜ
誰もがやつの歌を聴きたがった
世界の移り変わりを見ていると
それがあんまり早くてびっくりさ
Johnny は辺りを見渡してこう言ったんだ
「俺ついにやったぜ」

Don't you know
That you are a shooting star
Don't you know
That you are a shooting star
And all the world will love you
Just as long as long as you are... a shooting star

わかってないだろ
お前は流れ星なんだよ
流れ星だってわからないのかい?
世界中から愛されるのは
お前が流れ星で空に輝いている間だけなんだって

Johnny died one night
Died in his bed
Bottle of whiskey, sleeping tablets
By his head

ある晩 Johnny は死んじまった
ベッドの中でね
枕元には
ウィスキーのボトルと睡眠薬

Johnny's life passed him by
Like a warm summer day
If you listen to the wind
You can still hear him play

Johnny の人生は過ぎ去った
穏やかな夏の日のようにね
風に耳をすませてごらん
彼のギターが聞こえてくるだろ

**************************************************

オリジナルの歌詞は、確かに深いメッセージが込められているんだなと思われる内容です。

でもここ数年の Paul はオリジナルの歌詞にないフレーズで歌っていて、とてもポジティブなメッセージを発しているよう。これがまた素敵なのでアップします。


Bad Company-Shooting Star-Hard Rock Live

これは2008年の再結成のときのものです。Paul Rodgers, Mick Ralphs, Simon Kirke のオリジナルメンバーのライブは感動的。ベースは Boz Burrell が2006年に他界したため別の人が弾いています。

ここで Paul はこう歌っています。

072.gifDon’t you know that you are a shooting star...shining on forever?
君達は永遠に輝く流れ星なんだって知っているかい?

オリジナルの歌詞では、shining on forever がないんです。これがあるとないのでは全くメッセージが変わってきます。

オリジナルのメッセージは「お前が輝いているのは流れ星で輝いている間だけなんだよ」つまり、「流れ星はいつか消えてなくなるんだから、あんまり浮かれてちゃだめだぞ」って警告しているんです。

このコンサートでも「お前が輝いているのは流れ星で輝いている間だけなんだよ」って言ってるのは同じなんだけど、shining on forever - 永遠に輝いている、つまり永遠に消えない流れ星であり続けるという意味になっているんです。

「君達のことは忘れないよ - 永遠に輝く流れ星なんだからね」って亡くなったミュージシャンに敬意を表しているように思います。

「君達」はスクリーンに映し出される人々のこと...
George Harrison (The Beatles), Lowell George (Little Feat), Marc Bolan (T. Rex), Janis Joplin, Paul Kossoff (Free), Jimi Hendrix, Freddie Mercury (Queen), John Bonham (Led Zeppelin), Jim Morrison (The Doors)...

その通り。私は、これらの人々の音楽を今でも聴き、そのたびに癒されています。

肉体は滅びても魂は生き続けるのですよね。

何て素晴らしいトリビュートなんでしょう。
胸がいっぱいになりました。

Paul はやっぱり素晴らしいな。
ミュージシャンとしてだけでなく、人として素晴らしいと思っています。
歌っているときの表情を見ていると、すごく幸せな気持ちになるんです。

Whenever I hear him sing, I feel happy.
I don't know why. It's magic.
His incredible voice and beautiful smile make people feel happy.

He is the greatest rock singer in the world.

Thank you, Paul, for your wonderful music.
Rock on forever♪


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Paul 今さらですけど大好きです。 ❤
by ladysatin | 2015-05-09 20:33 | Music & English_1 | Comments(6)

2年ほどブログを継続しています。

色んなキーワードで訪問してくださる方が増え、今では、PCからは毎日450名前後のご訪問をいただいています。

連休の間、少しばかり留守にしていたのでブログを全くチェックしていませんでした。昨日、5月4日に戻ってきて久しぶりに自分のブログを開けてみました。すると、4月30日だけ突出して訪問者数が多いことに気付きました。

な~んと、目下の目標500名をはるかにしのぐ 778名 のお客様が来られていました。
これにはビックリです。005.gif

赤枠のところだけ飛び出てます。↓
f0307478_1615298.jpg



















で、何でかな~と思って調べていたら、その理由は安倍首相の米議会での演説にありました。

この時の演説の全てはまだ見てなかったので知らなかったんですが、そうでしたか~。

Carole King You’ve Got a Friend を引用されたんですね~。

私が過去に訳したこの記事へのアクセスの多い事多い事。(*^^*)

→ 訳詞の世界~You've Got a Friend - Carole King(和訳&考察)

この記事は自分が書いた中でも好きな記事のひとつです。音楽評論家の記載文の引用箇所は、すべての人に読んでもらいたいと思っています。だからアクセスが多いのはとってもうれしい。

安倍首相のスピーチを全部聞きましたが、素晴らしいスピーチだったと思っています。中国や韓国に謝罪しなかった云々の批判も聞こえてきますが、日本を代表する人物が、堂々と自信にみなぎる態度で、45分間のスピーチを英語で言いきったということに、私はいたく感動しています。

ついでながら、You’ve Got a Friend について安倍首相が言及した箇所の文言は以下のとおりです。
スピーチの最後を締めくくるのに、推敲に推敲を重ねたと思われる英文ですね。

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Hope for the future

When I was young in high school and listened to the radio, there was a song that flew out and shook my heart.
私が若き高校生だった頃、ラジオを聴いていたんですが、ある歌が流れてきて心が揺さぶられました。

It was a song by Carol King.
キャロル・キングの歌です。

"When you're down and troubled, ...close your eyes and think of me, and I'll be there to brighten up even your darkest night."
「落ち込んで苦しい状況にいるとき...そんなときは目を閉じて、私のことを思い出して。すぐにあなたのところへ行くわ。今までなかったような暗い夜でさえも明るくしてあげる。」

And that day, March 11, 2011, a big quake, a tsunami, and a nuclear accident hit the northeastern part of Japan.
そしてあの日、2011年3月11日、大地震と津波、そして原発事故が日本の東北地方を襲ったのです。

The darkest night fell upon Japan.
これまでにない暗い夜が日本を襲いました。

But it was then we saw the U.S. armed forces rushing to Japan to the rescue at a scale never seen or heard before.
しかし、その時です。未曾有のスケールで、米軍は、日本を救援するために駈けつけてくれました。

Lots and lots of people from all corners of the U.S. extended the hand of assistance to the children in the disaster areas.
全米から多大なる人々が、被災地域の子供たちに援助の手を差し伸べてくれたのです。

Yes, we've got a friend in you.
そうです。あなた方の中に友を見ました。

Together with the victims you shed tears. You gave us something, something very, very precious.
被災した人々と一緒に、あなた方は涙を流してくれました。大切なものを私たちに与えてくれました。

That was hope, hope for the future.
それは希望です。未来への希望です。

Ladies and gentlemen, the finest asset the U.S. has to give to the world was hope, is hope, will be, and must always be hope.
皆さん、米国が世界に与える最良の資産、それは、希望でした。今も、これからも希望です。常に希望でなくてはなりません。

Distinguished representatives of the citizens of the United States, let us call the U.S.-Japan alliance, an alliance of hope.
米国国民を代表する皆様、米国と日本の同盟を、「希望の同盟」と呼ぼうではありませんか。

Let the two of us, America and Japan, join our hands together and do our best to make the world a better, a much better, place to live.
アメリカと日本、両国が手に手をとって力を合わせ、最善を尽くし、世界をもっと良い場所に、はるかに住み良い場所にしていこうではありませんか。

Alliance of hope.... Together, we can make a difference.
希望の同盟...両国が力を合わせればできるのです。

Thank you so much.
ありがとうございました。

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Translated by Satin

注)上記は首相演説の英文を元に、私が解釈し訳した日本語です。首相官邸ホームページで公開されている公式のものとは異なりますことをご了承ください。
by ladysatin | 2015-05-05 16:32 | 英語と私といろいろ | Comments(0)