副詞句考察(1回目)

英文を読んでいて、この副詞(句)はどこにかかっているのかなと悩んだことはありませんか?

今日は「場所を表す副詞句」について考えたいと思います。
よかったらお付き合いください。

まずこの文から。

500 billion plastic bags are manufactured each year for numerous products in more than 100 countries.

この英文は、ある教本に載っていたものです。
この文を訳しなさいと言われたら、皆さんはどのように訳しますか?

対訳はこうでした。
①毎年、100カ国を超える国で、5000億枚のプラスチック製の袋が、非常に多くの製品のために生産されている

これについては特に問題ありませんね。私も同じように訳すと思います

さて、これについて別の訳を考えた人がいました。
その人の訳はこうです。
②毎年、100カ国を超える国にある非常に多くの製品のために、5000億枚のプラスチック製の袋が生産されている。

(;^_^A  いかがでしょうか皆さん。

①と②の違いは、in more than 100 countries がかかる場所です。

①は in more than 100 countries 100カ国を超える国で → are manufactured 生産されている
②は in more than 100 countries 100カ国を超える国にある → for numerous products 非常に多くの製品のために

ほとんどの方が①で訳されたと思いますが、②は、かかり方が違うだけで文法的に間違っていませんね。

ということで、②で解釈することも可能ではないですか?という問題提起なのです。

事実関係としては、「100カ国を超える国で、5000億枚のプラスチック製の袋が生産されている。」ので①が正しいです。ちょっとそれはおいといて、英文としてみたときの話をしたいと思います。

まず、②の解釈は可能かどうかと言われたら、可能だと思います。
間違いだと否定できる要素がないのです。

しかし...

②はとっても不自然だと思う人がほとんどだと思います。
実際にこの英文を何人かの人に見せて意見をきいたところ、全員の解釈が①でした。

では、なぜ不自然なんでしょうか?ときくと「何となくしっくりこない。座りが悪い。どちらかと言えば①を選ぶ」と、皆さんおっしゃるんですね。

なぜ皆さんが不自然だと思うのか。そこに切り込みます。

もう一度英文を見てみましょう。
500 billion plastic bags are manufactured each year for numerous products in more than 100 countries.

①毎年、100カ国を超える国で、5000億枚のプラスチック製の袋が、非常に多くの製品のために生産されている
②毎年、100カ国を超える国にある非常に多くの製品のために、5000億枚のプラスチック製の袋が生産されている。

②の解釈は in more than 100 countries が for numerous products にかかります。ということは、being を補っても同じ意味になります。
→ 500 billion plastic bags are manufactured each year for numerous products being in more than 100 countries.

ここから以下の文が導き出されます。
→ Numerous products are in more than 100 countries.

この文自体に文法的誤りはありません。きれいな英文として成立しています。

しかし、この文は奇異に感じます。
なぜなんでしょう?

おそらくその理由は、numerous products に対し more than 100 countries のスケール(面積)が大きすぎるからだと思います。多くの人が何となく②は不自然だと感じるのは、この理由からではないでしょうか。

●少し be 動詞の観点から見ていきたいと思います。

場所を表す in と be 動詞を一緒に使う場合は、訳は「(その場所に)存在する(ある、いる)」になりますが、その場所の大きさや特殊性を考慮する必要があります。一般的に in のあとに続く場所(空間)が広くなるにつれ、be 動詞ではなく、行為を特定する一般動詞を使う確率が高くなり、かつ自然な英文になります。

次の文を作ってみました。

a) Some products are in the box.

「いくつかの製品が箱の中にあります。」- この文を見て変な文だと思う人はいないでしょう。箱は狭く閉ざされた空間であり、この中では製品は存在しているだけです。他の行為(例えば修理する、販売する)が及ぼされることは考えられません。

b) The products are manufactured in the factory.

factory は box より広く、特殊な目的をもった場所です。products はそこでは存在するだけでなく他の行為が及ぼされます。manufactured, repaired, packed, etc. つまり be 動詞以外の選択肢が広がり、行為を特定する確率が高くなります。

c) The products are sold in many countries.

さらに面積を広くして「多くの国々」にすると、factory で可能な行為の種類をはるかに超える数の行為が可能となるので、一般動詞を使用する頻度が高くなります。box の中では products は身動きせずただそこに存在するだけですが、多くの国々では products はただ存在することが目的ではなく、何らかの行為を加えられるために存在しています。故に「be動詞 + 一般動詞の受動態」で表現する方が自然になります。

元に戻って、in more than 100 countries を どうしても for numerous products にかかるように解釈したいというのであれば、一般動詞の受動態をかませるというひと手間が必要になると思います。

たとえば
500 billion plastic bags are manufactured each year for numerous products sold in more than 100 countries.
毎年、100カ国を超える国で販売されている非常に多くの製品のために、5000億枚のプラスチック製の袋が生産されている。

sold という一般動詞の受動態を入れることで、不自然さが消えました。つまり、products は more than 100 countries という広大な空間においては、黙って be 動詞として存在しているのではなく、一般動詞による行為を受けて存在しているということです。

極端に言えば、There is a book in the bag.(一冊の本がバッグの中にある。) はOKだけど、There is a book in Japan.(一冊の本が日本にある)は変よねってことなんですね。

副詞句のかかる場所を特定するのが難しいとき、こんな考え方もあるんだということで、ひとつの参考にしていただければと思いました。

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by ladysatin | 2014-09-27 17:03 | 語法_English Usage | Comments(0)

現在完了形の継続用法と現在完了進行形の違いって難しいですね。

高校生の問題集にこんな問題があったそうです。

★以下の2組の文を同じ意味になるように1文にするため(  )内を適切な形に変えなさい。
 He started to learn French three years ago.
 He is learning French now.

 → He (learn) French for three years.


問題集の答は 。。。has been learning - 現在完了進行形でした。

私も直感的に has been learning だと思いました。「He is learning French now. - 今も学んでいる」ということは、これからもそれが継続することが無理なく予測されるからです。現在完了進行形は、その動作が未来にまで及ぶことを示唆する場合が多いですね。

ただ疑問な点もあります。

現在完了形の継続用法を使って has learned にしても同じ意味になるのではないかという点です。

現在完了形の継続は、これまでずっとし続けてきたことを表します。続けてきてストップするのかもしれないし、これからも続けるかもしれません。続ける可能性はあるわけですから、簡単に has learned を間違いとすることはできないのではないかと思いませんか。

実際、 learn や study などは、現在完了進行形にしなくても現在完了の継続用法で代用することができると書かれてある文法書が多いです。

もしかして、この問題自体に欠陥があるの?なんて考えたりもするわけです。

①He has been learning French for three years.
②He has learned French for three years.


この2つの文の違いは何なの?

いくつか文法書を見てみたんですが、現代英文法講義(安藤貞雄著)に興味深い記載がありました。

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P155 より引用
現在完了進行形(present perfect progressive form)は、過去の不定時に始まった動作が基準時である発話時まで<継続>していることを表す。さらに、将来も継続するだろうという含意がある。<継続を>を表す以上、共起する副詞語句は、for two hours, all day, since morning のように [+ durative] というアスペクト特徴をもっていなければならない。

P156引用
see, hear, feel, know, believe, think, mean, love, know のような「状態的」動詞や、expect, learn, lie, live, sit, snow などの「非完結的・非瞬間的」動詞は、進行相にしなくても動作の<継続>を表すことができる。
----------------------------------

以上は、現在完了進行形を理解する上で、基本的な事柄だと思われます。次に、意味の違いについて以下の記載がありました。

----------------------------------
P156より引用
「非完結的・非瞬間的」動詞の完了形は、進行形であってもなくても<継続>を表す。しかし、その場合、意味の差異が生じるのが普通である。すなわち、完了進行形の場合は、以下の(a)文で見るように、特に「一時的」な状況に用いられ、「恒常的」な状況を述べる場合は、非進行の完了形が好まれる。

a. I haven’t been working very well recently.
b. He hasn’t worked for years.

a. I’ve been living in Sue’s flat for the last month.
b. My parents have lived in Bristol all their lives.
-----------------------------------

なるほど。ということは、短期的な場合が完了進行形、長期的な場合が非進行の完了形と言いかえてもよさそうな気もします。ただし「好まれる」と書かれてある通り、絶対ではないということだと思います。ただ、傾向をつかむという点では大いに参考になりますね。

元に戻って、①と②を再度見てみます。
①He has been learning French for three years.
②He has learned French for three years.


期間を表す副詞句、for three years が「一時的」なのか「恒常的」部類に入るのか、これって微妙なところですね。上記の現代英文法講義を直に当てはめて考えるのはやや難しいかも。

一旦これはさておき、また違う点から考えてみました。

learn という単語についてです。learn には「学ぶ」という意味がありますが、もうひとつ押さえておきたいのが、「身につける」という意味です。

study との比較は興味深いです。

●ジーニアスより
study English には「身につける」という含みはない。単に「勉強[研究]する」ことをいう

同じ「学ぶ」でも、study と learn は意味合いが大きく異なるということなんですね。この点を鑑みると、②の現在完了の文は、「3年かかってフランス語を身につけた」という意味が感じられても不思議ではありません。もうこれでフランス語を習得し終わったという完了の意味にもとれますね。

learn って奥深い単語なんだと思いました。注意した方がいいです。

あれこれ調べて考えた結果、今回の問題は He is learning French now. がやはり決め手になるように思います。まだ「身につけていない」ということが明らかですよね。ここから素直に導きだせるのはどちらかと言われたら、①の現在完了進行形となるのではないでしょうか。

皆さんはどう思われますか。

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2014-09-23 17:36 | 英文法_English Grammar | Comments(9)

nothing special の意味

ずっと以前に、ある人から聞かれました。

nothing special nothing in particular の意味の違いとは何ぞや?

で、これについてはそのとき答えたのですが、つい最近別の人から同じ質問を受けました。
もしかしてポピュラーな疑問なんでしょうか。

ということで、今日はこの2つの違いにフォーカスです。

nothing special と nothing in particular は一見よく似ていますね。

ではこんな質問を作ってみましょう。

●Do you have any plans for this weekend?
週末の計画は何かありますか?

これに対する答えとして、この2つを比較してみたいと思います。

●nothing in particular
このフレーズは難しくないと思います。
nothing 何もない + in particular 特に = 特に何もない

この場合、in particular は副詞句なので、ただの飾りです。

●nothing special
これはちょっと注意を要します。
構造を考える必要がありますね。

nothing は no + thing のことです。本来は2語であったものが1語になったんですね。
ということは、no special thing が元の語順でした。
no ない + special thing 特別なこと = 特別なことはない

このように見てくると special が thing を修飾していることがわかります。本来は special は thing の前にあるべきものなんですが、nothing は one word なので分解できません。だから後ろにもってくるしかないのです。

★まとめると...

●Do you have any plans for this weekend?
週末の計画は何かありますか?

①Nothing in particular.
特に何もありません。つまり、何の計画もありませんということです。

②Nothing special. = No special plan(s).
特別な計画はありません。special が plan にかかっているので、特別な計画はないが、何かの計画がある可能性は大いにあります。

質問は、 Do you have any plans for this weekend? ですから、special plan があるのかと聞いているわけではありません。ということは②Nothing special. は聞かれていないことを答えたとも考えられますね。

本来は Do you have any special plans for this weekend? に対する答えが、Nothing special. になると思います。とはいえ、会話として考えたときに nothing special と nothing in particular を厳密に使い分けているひとはあまりいないかもしれません。ただ、根本的には違うのだと知っておくことは無駄なことではないと思います。

以前、これに似た内容の記事を書いたことがあります。
よかったらこちらも参考までに。
→ some place new? some new place?

ではまた。
by ladysatin | 2014-09-21 18:25 | 語法_English Usage | Comments(0)

今日は同格について取り上げてみます。

同格の that 節 については高校英語で学習しますね。正しい英文を書くためには、きちっと押さえておくべき重要な文法項目です。しかし、先行する名詞の扱いについては、とっさに判断できないケースが多々あり、私自身、同格の that 節は曲者だと思っています。ちょっとそのあたりについて書きますね。

皆さんがお手持ちの文法書にも、同格の that 節についての記載があると思います。

ちなみにロイヤル英文法(P.809)では以下、6つのグループに分けて、同格の that 節を導く名詞の例があげてあります。

① fact グループ ・・・ agreement, conclusion, condition (条件), evidence など22名詞
② news グループ ・・・ information, rumor, report など10名詞
③ remark グループ・・・ comment, promise, explanation など15名詞
④ idea グループ・・・ belief, hope, view など12名詞
⑤ order グループ・・・ command, demand, suggestion など9名詞
⑥ feeling グループ・・・ assumption, fear, recognition など17名詞


このように分類して書かれてあると役に立ちますね。上記だけでもかなりの数ですから、これだけ覚えたらかなりカバーできるはずです。なので、これはこれとして必死で覚えたと仮定しましょう。

しかし...実際の運用となると、そう簡単ではなさそうです。というのもこれ以外の名詞で同格にできないものはどうやって見分けるのかが難しいんです。今日はそこに切り込みます。

まず、同格の that 節の用法とは「先行する名詞の内容を、それに続く that 節が説明する」というものです。だから「~という○○」のように訳すことが多いですね。

例)She concealed the fact that she was married.
  彼女は既婚であるという事実を隠した。

この文は典型的な同格の that 節です。

ここからが問題なんですが、「~という○○」という表現につられて、同格にしてしまいそうな例が多々あります。最近、高校英語の問題で質問を受けまして、これが同格についてのものでした。

問題 - カッコ内に入るものを1~4の選択肢から選びなさい。
There are many cases ( ) Japanese modesty causes a misunderstanding.
1) which 2) that 3) where 4) how


この問題の正解は 3) where です。そこで、質問してこられた方は、なぜ 2) that ではだめなのかわからないとおっしゃったんです。というのも「日本人の謙虚さが誤解を招くという場合が多くある。」という訳になるので、これはまさしく同格の意味ではないかと思われたんですね。

この着眼点は非常に重要だと思いました。
that 以下、すなわち「日本人の謙虚さが誤解を招く」が、cases のことを説明しているという解釈ができるのであれば、同格と判断し that でつなぐことができます。

私も考えました。何だか良さそうな感じもします。
「cases = that 以下」と考えてもよいのでは?
いや、cases は複数だから that 以下と合わないのでだめなのでは?
単数の case だったらOKでは?
などなど、いろいろ考えてみました。

しかし、問題はそういうことではないようです。

正解の英文をもう一度見てみましょう。
There are many cases where Japanese modesty causes a misunderstanding.

ということは where を関係代名詞で書くとこうなります。
There are many cases in which Japanese modesty causes a misunderstanding.

これを2文に分解してみましょう。
There are many cases
Japanese modesty causes a misunderstanding in many cases.


これでよくわかると思いますが、分解した2つ目の文は「多くの場合において、日本人の謙虚さが誤解を招く」となっています。そして、cases というのは「場合」ですが、前置詞 in の目的語になっていますから、突き詰めて考えると「場所」と考えることもできます。in the city, in school などと同じです。

つまり、Japanese modesty causes a misunderstanding が many cases の中にあるということです。逆に言えば、many cases は Japanese modesty causes a misunderstanding を抱え込んでいる 器の役割を担っている ということになります。

many cases は単なる器なので、Japanese modesty causes a misunderstanding は many cases の説明だと考えることはできないです。従って、この場合の cases は、同格の that 節にはできないということになるのだと思います。

このことは「case 場合」に類似する他の名詞にも当てはまります。
例えば「状況」を表す名詞も器の役割になります。

situation, circumstance は「状況」を表し、同格になりません。また、① fact グループの condition が「条件」ではなく「状況」の意味で使われるときも同格にはできません。scene についても同じように考えることができると思います。

このように見てくると、前置詞 in の目的語となる名詞は、同格の that 節を従えることが難しいと思われます。これについてはもう少し検討の必要性を感じていますので、すべてのケースに当てはまるとは断言しないでおきます。ただ現段階では、ひとつの考え方としては有力ではないかと考えています。

私自身もまだ同格構文を完璧に制覇しているとは言えません。その都度、名詞の果たす役割を考えながら同格でいけるかどうか考えて英文を作っています。実際、ネィティブでも間違える人が多いんです。それほど奥深い、難しい文法項目です。

もし読まれた方でご意見がありましたらお願いしますね。

同格については他にも考えていることがあるので、また書きたいと思います。

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余談ですが、同じ case を使ったこんな文をジーニアスで見つけました。
Is it the case that he has met with an accident?

この文は case に that 節がつながっていますが、正しい文です。
意味は「彼が事故にあったのは事実ですか?」となり、この場合の case は「真相・事実」の意味です。
いわゆる形式主語構文ですね。

ではまた。

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2014年9月17日の追記

昨日、下記のコメント欄にご質問をいただきました。

関係副詞の that という考え方はできないかとのご質問ですが、今回の場合、where の代わりに that を使うのは難しいと思います。確かに that を関係副詞として使うことはありますが、when の代用として使うことが多いですね。where の代用となるとかなり限定的な使い方になり、常に互換可能ではないと思われます。

★where の代わりに that を使うのは
先行詞が place や -where (anywhere, nowhere, somewhere など)の場合にほぼ限られるようです。

いくつか文献を比較しました。

まず文法書を見てみます。

●ロイヤル英文法
 I will go nowhere that you cannot go.
 (私はあなたが行けないようなところには行かないつもりです)
 * anywhere, somewhere, nowhere や place などの場合以外はあまり用いられない。

●Forest
 先行詞が place か somewhere のような –where のつく語の場合、that を関係副詞として用いたり、
 関係副詞を省略することができる。
 Do you know anywhere that I can find a taxi.
 (タクシーを見つけられる場所をご存知ですか。)

●英文法解説
 Do you know anywhere that we can get nice seafood?
 (おいしい海産物が手に入る所をどこか知りませんか)
 →この that は where に相当するが、anywhere where... とするのは語呂が悪い。

以上が文法書の例です。ただ、その他の場合に使ってはいけないという記載はありませんでした。

次に辞書を見てみました。

●ランダムハウス
 (8)関係副詞の代用として ・・・ところの[時(所、様態など)]
 These things occur anywhere that people congregate.
 (こういうことは人の集まるところではどこでも起こる。)

ランダムハウスの例文も anywhere が使われています。

●ジーニアス
 We see her everywhere that we go.
 (私たちの行く先ざきで彼女に会う。)
 ※場所用法の先行詞は通例 ―where の語および place
  ただし、現在では that を用いないのが普通


このように、文法書や辞書の見解はほぼ一致しており、place や -where 以外では、that を関係副詞の where の代用とすることは一般的ではないということのようです。中でもジーニアスは、一番踏み込んだ書き方になっていて、place や -where のときでも、現在では使わないのが普通とあります。

上記より、今回の例文で cases を先行詞として、where の代わりに that を使うのは、まず適切ではないと言えるのではないでしょうか。

experience が同格の that 節をとれないのはなぜなのか」についても考察しています。
  こちらをお読みください。→ experience に関する一考察


by ladysatin | 2014-09-13 21:36 | 英文法_English Grammar | Comments(20)

過去完了と大過去 (2)

今日は、中学生に英語を教えている知り合いのAさんからの質問をとりあげたいと思います。

中3の英語の問題集にこんな問題があったとか。

●次の2つの文を関係代名詞を省略した1文にしなさい。ただし下線部を先行詞とすること。

My brother gave me the dictionary.
He used it for a year.


正解は以下の通りです。

My brother gave me the dictionary he used for a year.

さてここからが問題です。

Aさんの質問
「この場合、兄が辞書を使っていたのは私にくれる前の話だから、過去完了の he had used for a year とすべきではないですか?」


これをきいて「あれっ」と思いました。なぜかというとAさんが過去完了と言ったからです。ここは注意すべき点なんですが、彼女がきいているのは過去完了にすべきかどうかではないんです。正しくは大過去にすべきかどうかという質問です。この問題に限らずですが、過去完了と大過去をごっちゃにする人があとを絶ちません。

おそらく、多くの文法書が大過去を過去完了の中に入れているからだと思うのですが、過去完了と大過去は切り離して考える必要があると私は思っています。

★過去完了とは現在完了が過去にさかのぼったものです。

現在完了の用法として以下3つがありますね。
1.完了・結果 2.経験 3.継続
したがって、過去完了にもこの3つの用法があります。

★一方の大過去は、形の上では過去完了と同じく「have + 過去分詞」の形をとりますが、大過去には完了の意味は全くありません。ある過去よりさらに以前の過去について言いたいがための用法が大過去です。ここはきっちり押さえておく必要があると思います。

そこで上記、Aさんの問題を考えてみたいと思います。

My brother gave me the dictionary.
He used it for a year.


これを一文にします。
My brother gave me the dictionary he used for a year.

ここからが大切な点ですが、この場合の He used it for a year. が示唆することは、辞書を私にくれた直前の1年間使っていたとは限りません。極端な話ですが、10年前に1年間使っていてそれ以降は使用せず眠ったままの辞書だったかもしれません。つまり He used it for a year. は「1年間使用済み」という単なる過去の事実を示しているにすぎません。

では大過去にすべきじゃないかと思いますよね。しかし、落とし穴があるんです。
大過去を使って書いてみます。

My brother gave me the dictionary he had used for a year.

確かに、この文は単純に過去をひとつずらした大過去という見方ができますね。しかし、よく見ると for a year があります。これがあるために、完了形の継続用法という考え方が浮上してきます。つまり、これまで1年間ずっと使ってきた辞書を私にくれたという意味です。

ということは、had used が過去完了と大過去を兼ねているということになります。元の文は He used it for a year. ですから完了の意味はないですよね。しかし、大過去のつもりで had used にしたばかりに、読む人は完了形の継続だと思ってしまうかもしれません。となると、当初の意味から逸脱してしまいます。

He used it for a year. は、過去のどこかの時点の1年間使用したという意味です。「過去の断片的な事実」を述べているにすぎません。したがって、問題集の解答にある通り、My brother gave me the dictionary he used for a year. にする必要があります。この文からは、完了形の継続という見方は排除され、単に1年間使ったという意味だけを読み取ることができます。

さて、これでAさんは理解してくれただろうと思ったんです。
そしたら甘かった。(゚ー゚;A
彼女は以下のように切り返しました。

**********************************
なぜ「継続」の意味が含まれるといけないのか教えて下さい。まだ単純過去にしなければならない理由がわかりません。

辞書を弟に譲る寸前まで使っていたかどうかは、この文では分からないですし、ただ(過去のある時点で)1年間使っていたということで、その1年間は継続していて、それは現在にまでは及んでいない過去に終わった継続として、過去完了の形を使うことはできないのでしょうか?

もしも、単純過去でもよいし大過去でもよいということであれば、私はまだ納得できるのですが、ladysatin さんの答えでは、単純過去で書く方が正確に伝わる文になるとおっしゃっているようなので、再度質問します。
***********************************

(*'0'*) そう来ますか。う~ん、人に理解してもらうということは難しいことですね。

英語力はかなり高いAさんがこのようにおっしゃるということは、この記事を読んでくださっている方にも今一つピンとこないと思われた方がいらっしゃるかもしれません。

もう少し詳細に書いてみましょう。以下は、Aさんの再質問を受け説明した内容でもあります。

★くどいようですが (-_-; 過去完了は、現在完了を過去にずらしただけです。

①My brother gives me the dictionary.
 He has used it for a year.


この意味は、1年間ずっと使ってきた辞書を私にくれるという意味です。
現在完了の継続なので、今の今まで続いています。関係代名詞を使って書くと

②My brother gives me the dictionary he has used for a year.

次にこれが過去の話になるとこうなります。
③My brother gave me the dictionary.
 He had used it for a year.


関係代名詞を使って書くと
④My brother gave me the dictionary he had used for a year.

この③から④の書き替えでは、過去完了の継続になります。辞書をくれたときまでずっと使っていたという意味です。しかし、ここからが問題なんですが、③を見ずに④だけを単体で見たら2通りの解釈ができてしまうんです。

ひとつは、③を書き替えた過去完了の継続という考え方。もうひとつは当初の文 My brother gave me the dictionary. He used it for a year. を大過去を使って書き替えたという考え方です。

He used it for a year. は単に過去の話をしているにすぎず、辞書をくれるまでずっと使っていたという意味にはなりませんよね。

しかし④は2つの考え方ができるので、書き手の意図が誤って読み手に伝わるかもしれません。読む人全員がHe used it for a year. のことだと思えばよいですが、He had used it for a year.だと考える人も出てくる可能性があります。

だったら、My brother gave me the dictionary he used for a year.にすれば、He had used it for a year. という考え方が排除され、He used it for a year. の本来の意味だけの解釈しかできませんということなんです。

もうひとつの例として極端ですが、for a year の代わりに yesterday を入れてみます。
My brother gave me the dictionary.
He used it yesterday.


この文は二通り可能です。
⑤My brother gave me the dictionary he had used yesterday.
⑥My brother gave me the dictionary he used yesterday.


yesterday は単に過去の話に過ぎませんから、⑤は明らかに大過去を表しているのであって、完了の継続の意味があるとは誰も考えません。また yesterday が過去を表すので⑥のように単純過去で済ませてしまうこともできます。普通は⑥ですね。

★今回の文は for a year となっているため、考え方次第で意味が変わってくるので注意を要します。

※余談ですが、私が高校生の頃は、大過去という文法用語はなかったように思います。かの英文法解説(江川 泰一郎著)にも大過去という記載はなく、「過去のある時よりも前に起こった事柄を表す」という説明がされています。今では大過去という用語が普通に使われるようになったので、生徒に教える際に過去完了との対比をしながら説明しやすくなったと感じます。

ではまた。

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by ladysatin | 2014-09-10 12:55 | 英文法_English Grammar | Comments(2)

Adrian のインタビューをもう一つアップしますね。
Part 1 のインタビューとまた雰囲気が違って、これもとても良い感じだったので訳しました♪

今年 Vandenberg's Moonkings で復活したのを知ったときはうれしかったわ。1999年に音楽をおやめになってからは、すっかり忘れてしまってましたからね。久々に映像で見た Adrian は相変わらずかっこよくて安心しました。^^下のインタビューの映像を見ても還暦にはとても見えません。

Adrian が復活して色んなインタビューを受けてらっしゃるのを映像で見て、一番思ったことは、何といっても人柄の良さですかね~。最近シンコーミュージックから出た Adrian の本「レジェンダリーギタリスト」にも「筆者がこれまで出会った多くのギタリストの中でも、5本の指に入る“いい人”エイドリアン」って書いてありました。やっぱりそうなんだな~って思いました。頭もいいし品もありつつユーモアのセンスもナイスです。それと音楽に対する考え方に、個人的にとても共感できる部分があってそれがとってもうれしいなと思っています。

Adrian は Vandenberg の時からテクニカルなギターを弾いていたので、速弾き系のギタリストになるのかと思っていたけど、そういうのは興味がなかったみたいですね。「レジェンダリーギタリスト」を読んだらよくわかったんですが、ブルースがルーツの人なんですね。だからテクニックより感情を表現することに重きを置いている人なんだとよくわかりました。

速く弾けばそれが上手いギタリストだと思う人が多いわけだけど、超人的なテクニックをもっている人の音楽を聴いて感動するかというとそうじゃないっていつも私は思ってました。聴く人の心を掴むのは、プレーヤーの技巧じゃなくて心だと思うんです。Adrian は過去のヤングギターのインタビューの中で「テクニックは思想を必要としないんだ」っておっしゃっていて、その通りだと私も思っています。

私のブログで一人のミュージシャンについて何本も記事を書いたことってないんです。Adrian は特別。(^_-)-☆
もちろん大好きなアーティストだからですが、本当に応援したいと思わせる人なんです。ギタリストとしての才能や技術は高いし、作曲の能力もとても高い人だと思います。一つのアルバムに収める曲すべてを書けるミュージシャンってあまりいないと思います。もっともっと評価されていいギタリスト & コンポーザーですね。

それと、長いブランクがあって音楽に復帰した人だから、すごく応援したい気持ちになります。余計なお世話と思いつつ、誰からも頼まれてもいないのにインタビューの訳なんかやってしまうんですよね。 私は英語のお仕事を長くやっているので、インタビューの訳をするのは難しいことではないのですが、ほかのアーティストのインタビューを訳そうって思ったことは今までありませんでした。それなりに時間がかかることなので。Adrian のインタビューだから訳したいなと思いました。この程度のことでも Adrian のファンの方に読んでいただいてお役にたてるのであればうれしいですし、ひとりでも多くの方に Adrian のこともっと知っていただいて、ファンになってほしいなと思っています。微々たるサポートだけど、何か形にして応援したかったのです。(^^ゞ

ミュージシャンで好きな人はたくさんいるんですけど、人として尊敬できると思える人ってあんまりいないかな。Adrian はそんな数少ない中のひとりです。これからもAdrian のこと応援しようと思います♪



2014年の始めの頃のインタビューです。
Moonkings の音楽がどのように出来上がったのか Adrian がお話ししています。

見出しのところに訳の該当箇所の開始時間を入れていますのでご参考までに。

★音楽シーンへの復帰について (0:30)
★この 素晴らしい結果へのプロセスとは? (6:00)
★Jan はDavid Coverdale の影で仕事をするのは難しい事だったのでは? (8:20)
★このアルバムはすべてのロックファンが待っていたものでしょうか?(10:00)
★このアルバムはあなたの人生の新しい道ということなんでしょうか? (12:15)
★使っているギターは? (14:50)
★David Coverdale が最後の曲に参加しましたね。 (17:45)
★David はアルバムを気に入ってくれていますか? (20:15)


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Adrian Vandenberg interview

★音楽シーンへの復帰について (0:30)
まず、こんなに長く音楽から遠ざかろうなんて計画はしていなかったんだ。人生って計画はできないものだけど、僕の中では絵は3年か4年、5年程度やるつもりだった。というのも Whitesnake に入る前はいつも、音楽と絵を組み合わせてやることができていたんだけど、Whitesnake に入ってからはツアーやレコーディングやらで、絵をやる時間が全くなかったんだ。だから絵を書けないことをさびしく思い始めたんだよね。それで3年から5年程度で絵の遅れを取り戻そうと思っていたんだけど、時間があっと言う間に過ぎ去ったんだ。

それと以前付き合っていた人との間に娘が生まれて、娘が成長していく姿を見届けないのはいやだったんだ。いつも外にいてばかりの父親にはなりたくなかった。娘の母親と僕はずっと前に別れてしまって、彼女は母親と暮らしているからね。僕が遠くにいてばかりだと娘に会えないし、娘も僕に会えなくなる。だから、彼女がもう少し大きくなるまで待とうと決めたんだ。今、娘は14歳になったんだけど、この3、4年のうちに、僕がどんな仕事をしているのか彼女はわかってきたんだ。

それともう一つには、僕が人生の中で決断するときは、いつも自分の本能に耳を傾けるんだ。僕の心が語りかけてくるんだよ。大体それは大きな声なんだ。「Adrian、絵を描けよ。もう13年も描いてないだろ。」ってね。僕はその声を聞くんだ。実際には聞こえてこないけどわかってもらえるよね。本能みたいなものかな。

5年か6年前は、まだ音楽をやるには良い頃だとは思えなかった。考え始めてはいたんだけどね。それと同時に、まずその前に色々ひっかかっていたことから自由になる必要があった。レコードビジネスや音楽ビジネスなんかだけどね。音楽については僕がやりたいことができる状態に戻りたかった。これをやれとかあれはやるなとかレコード会社からの要求に振り回されないような。というのも過去に僕はそれで何度か間違えたからね。

それで音楽を書き始めたのは2年前なんだ。地元のサッカーチームがチャンピオンになって、チームの曲を書いてくれって頼まれたんだ。何か変だと思ったよ。僕は大のサッカーファンというわけではないし、たまには観戦するけどめったにないしね。それで僕は曲を書いて、シンガーが必要になった。そんな中偶然、今のバンドの Jan を発見したんだ。Whitesnake の前座を彼がやったときのレビューを読んだんだけど、そのレビューに前座のバンドのシンガーはすごいって書いてあって、会ってみたいと思った。それが Jan だ。素晴らしいと思ったよ。

サッカーチームの曲をレコーディングして、その時、続けたいと思ったんだ。曲を作り続けようってね。そこでバンドを作ろうと思い始めたのさ。ドラマーとベースも僕の地元の子達なんだ。10年前二人が13歳のときなんだけど、僕が審査員をしていたタレントコンテストに出場して優勝したんだ。あの若さで当時すでに二人はすごかったよ。そして、僕の友達を介して、また二人に会ったんだ。僕の地元でね。それでサッカーチームの授賞式のときにライブをやることにしたんだ。6万人の観衆にたった1曲だけ。リハーサルする時間もなかったよ。

僕はこのバンドは続けていくには完璧なバンドだと思ったよ。だけど、曲はまだすべて完成していなかったから、それから数カ月、曲を書き続けたんだ。リハーサルをやるまでね。これが全部さ。こんな感じで Moonkings は 誕生したというわけなんだ。

基本的にはすべて地元のサッカーチームに行き着くんだ。もし僕が曲を作ることがなかったら、Jan を探すことも二人を探すこともなかったわけだからね。すべて理由があったんだよね。何にしても理由があって起こるものだと思ってる。だから、どうなるか楽しみだよ。

★この 素晴らしい結果へのプロセスとは? (6:00)
僕は長いギターソロの入ったアルバムは作りたくなかったんだ。これは僕が個人的に思っていることで、すべてのギタリストに当てはまることではないんだけどね。というのも Jeff Beck のアルバムだったら何時間でも聴けるからね。僕も過去10年の間に何曲かはインストルメンタルを書いたけど、少なくとも今はインストルメンタルのレコードを作りたいとは思ってないんだ。

ギタリストのコンサートに行くと、ギタリストが来てそのギタリストの演奏を見るんだよね。僕にはそれは退屈なんだ。僕はバンドとしてのレコードを作りたい。その中に短いギターソロを入れてね。Vandenberg にしても Whitesnake にしても 20秒か25秒以上のソロは入れない。言わなくても25秒でストーリーがわかると個人的には思っているよ。

バンドのコンセプトで曲を作りたいんだ。僕にとって曲作りはギタープレイと同じくらい大切なもので楽しんでいるよ。ギターソロのストーリーがストーリーの中にあるような曲が好きだ。ギターソロはそこにあるべきだけど、実際の曲を超えるものであってはならないと思う。長いギターソロはギターフリークのエゴみたいだ。

僕が Moonkings はバンドだと言っているのはそこなんだ。Vandenberg’s Moonkings にしたのは、レコード会社がそれがいいと言ったからだよ。この名前じゃなかったら、一からやり直さないといけなくなる。この名前だと誰でも僕のバンドだとわかるから、真剣に聴いてくれると思う。そうだといいなと思っているよ。違うかな。(笑)

★Jan はDavid Coverdale の影で仕事をするのは難しい事だったのでは? (8:20)
そんなことは全くなかったよ。まず Jan は Coverdale の大ファンなんだ。Jan は僕が好きな歌手のファンなんだよ。Faces 以前に Jeff Beck とやってた頃の初期の Rod Stewart とか Paul Rodgers, Coverdale, Robert Plant などだね。彼はそういう歌手を聴いて育ってきたんだ。だから David がアルバムで歌いたいんだと言ったら、Jan はとても興奮していたよ。彼のヒーローだからね。

素晴らしい出来だったと思っているよ。Sailing Ship はアルバムの最後の曲だろ。人は僕が13年間 Whitesnake にいたことを知っているし、David がとても思いを込めて歌ってくれたということは、僕の13年間の Whitesnake での仕事に対する気遣いを感じるんだ。これがアップテンポの曲がアルバムの間にあったら変だよね。Jan のことじゃないよ。彼は素晴らしい歌手だ。Goodbye song をアルバムの最後にもってきてすごくいい感じになったと思う。アンコールみたいにね。

★このアルバムはすべてのロックファンが待っていたものでしょうか?(10:00)
そう願っているよ。このアルバムを作る時、まず僕がハッピーな気持ちになるものを作りたかったんだ。なぜなら自分がハッピーでないと他の人がハッピーな気持ちになることは期待できないよね。僕自身が買いたいと思うようなアルバム作りたかった。今そういうアルバムを見つけることができないからね。

僕が聴きたいとか僕がプレイしたいと思うような曲を作っているバンドって多くないんだ。ブルースロックをベースにしてかつ強いメロディをもった曲なんだけどね。多くのブルースロックは素晴らしいものだけどあまりメロディがない。僕はグルーヴがとても大切だと思ってるんだ。足で拍子をとるような。

僕がロックの曲を書くときは常にライブのショーを頭に描いているんだ。クラブやスタジアムとか。それと、僕の人生の中の全ての音楽の影響が入ってくることを歓迎している。これは何とかに似ているとかこれはあれみたいだとかじゃなくね。皆が誰かの影響を受けているんだよね。Led Zeppelin はブルースやヒッピーの人達からの影響を受けている。曲を聴けばルーツがわかる。でもそれを Led Zeppelin の歌にしているんだ。それってすごいことだと思うよ。

クラシックでもロックでもジャズ、ジプシースタイルの音楽でも、僕は全ての窓やドアは開けておきたい。何が入ってきても曲のインスピレーションになるのであればね。僕は、これは何とかに似ているからだめだとか自分自身を制限したくないんだ。自分自身のフィーリングでプレイ出来ればそれは素晴らしいことだと思っているよ。だから、今のところ一番気に入ってるアルバムだよ。自分のアルバムを買うつもりさ。

★このアルバムはあなたの人生の新しい道ということなんでしょうか? (12:15)
その通りだね。自分にとっていい感じに働いているのは、僕が色んなことに時間をかけることができたからだということだよ。メインは絵になるけど、Whitesnake に13年間在籍していたときにできなかったことができたんだ。友達と会ったり、両親や家族に会ったり、娘の成長を見たり、他の音楽を聴いたりね。特に他の音楽のリサーチをしたよ。僕はジプシー音楽の大ファンなんだ。Stochelo Rosenberg と Jimmy Rosenberg はオランダのジプシープレーヤーだよね。Bireli Lagrene はフランスでは最も素晴らしいプレーヤーだと思う。そういう人達をよく聴いていたよ。

だからこの14年間はロックとは無関係だったんだ。そのことが僕をフレッシュな状態にしてくれて、新たなスタートを踏むことができた。全く無名の若い人達とね。それもまた大切なことだった。僕と同じようなキャリアをもつ人達は、ほかの知名度の高い人と新しいバンドを組んでいわゆるスーパーグループを作るよね。するとアルバムが出る前にどんな音楽をやるのかわかってしまうんだ。それはいつも良いものに決まっている。Winery Dogs なんかは素晴らしいよね。でもそれについての記事を読むと、どんな音楽かわかってしまう。

僕は違うことをしたかった。全く無名の人達と新鮮な気持ちでね。どんな音なのか予想できないだろ。Vandenberg が新しいバンドをやるんだって見たり聞いたりしても、バンドのメンバーを見ると知らない人達だから新鮮な気持ちになる。人々が予想していたものとは違うものだったらいいなと思ってるよ。

僕はシンプルでいきたい。1本か2本のギターと、素晴らしいドラマー、ベースプレーヤーとシンガーと曲。
それだけでいいんだ。

★使っているギターは? (14:50)
ほとんどがギブソンのレスポールだよ。スタジオのオーナーが古いレスポールのコレクターで、ビンテージのギターやアンプを所有してるんだ。僕は彼の59年と61年製の古いアンプの多くを使わせてもらったんだよ。

この15年くらいは、ほとんどのギタリストは完璧なサウンドを得ようと取り組んできたよね。というのも完璧なアンプがたくさん出回っているから。みんな Eddie Van Halen みたいに聴こえる。1976年か77年に Eddie が Van Halen のアルバムで出てきた時は、誰もがぶっ飛んだんだ。この30年間は皆、あんな音を求めていたしそれが可能になった。予想できたことではあるけど、僕は違うものがやりたかった。

僕の新しいレコードの音はクリーンかとてもダーティかどっちかなんだけど、顔のまん前にあるような音だよ。コンプレッションがなくて、ステージから1メートル離れたところで聴いているような感じだよ。音が顔のど真ん中に来るような感じ。それが僕が求めている音だ。ドラマーもベーシストも Jan も素晴らしいミュージシャンだから、僕は皆に輝いてもらいたい。皆が最高の状態でプレイしてほしい。

Zeppelin や Free や Cream の70年代は、レコードを作るためにプレイしていたんだ。80年代で僕が好きじゃないのは、オーバープロダクションでスタジアムの遠く離れた裏側で聴いているような感じだったことだね。10本のギター、その上にキーボードとかボーカルが重なって、何回もテイクをやっていた。僕が求めているのは正直な音だ。バンドのライブが頭に思い描けるようなね。幸運にも僕達はそれを達成できたんだ。

それとミックスは、Ronald Prent にやってもらったよ。素晴らしいミキシングエンジニアなんだ。彼は Tina Turner や Elton John, Def Leppard など色んな人とやってきた人で、僕がやろうと思っていたことを正確に把握してくれた。とても正直で反響のない、顔のどまん前にあるような音をね。

★David Coverdale が最後の曲に参加しましたね。 (17:45)
僕と David が良い友達だということは皆知っているんだ。電話やメールでいつも連絡を取り合っているよ。Whitesnake がオランダに来るたびに、何曲か一緒にステージでプレイしてきた。David はいつも「Adrian いつレコードを作るんだ」って言っていて、1年半前に「レコードを作ることにした」って言ったら、「いい頃だね。君のレコードで歌わせてもらえたら光栄だよ。」と言われて「僕だって光栄だ」って言ったんだ。それにファンにとっても素晴らしいことだよね。

でも主には自分達のためにやったんだ。僕達は一緒に仕事をすることが好きなんだよ。Sailing Ship については、Slip of the Tongue のときはプロデュースが過剰だったと二人とも思っているんだ。僕はもっと落ち着いた感じでバイオリンを少し入れて、新しいアレンジにしたかった。それで、オランダの優秀なアレンジャーにバイオリンのアレンジを頼んだんだ。

ストリングカルテットに来てもらって、その中の一人は僕の姪なんだ。彼女は僕の姉の子で素晴らしいクラシックのバイオリニストだよ。結果にはすごく満足しているよ。僕はもう少し感情を入れてもっとゆっくりした感じで思いを込めた雰囲気にしたかったんだよ。

David はもちろん素晴らしかったよ。彼はツアーを1年くらいやっていてそれが終わってから来てくれた。彼の声は少し疲れていたんだ。当然だよね。1年間ツアーをやってたんだから。その翌日ツアーで痛めた膝を手術することになってた。だからちょっとだけあったオフの間を利用したんだ。彼の声が疲れていたのがかえって良かったと思う。スローなアレンジでとても満足しているよ。

★David はアルバムを気に入ってくれていますか? (20:15)
うん。実はおとといツイッターで「Moonkings をチェックしてね」って書いてくれたんだ。「すごいバンドだぞ」って皆に言ってくれているよ。うれしいよね。

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インタビューの訳は以上です。
今回は文字数オーバーになりませんでしたので、ほぼ完璧に出来ました。

Part 1 のインタビューの訳もあります♪
ファンの皆様は以下をクリックして読んでくださいませ。069.gif

Adrian Vandenberg Interview 2014(日本語訳)Part 1

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2015年1月25日の追記)

Vandenberg’s Moonkings 来日しますね♪
●2015/4/22(水)大阪 梅田CLUB QUATTRO
●2015/4/23(木)東京 LIQUIDROOM

私は大阪公演に行く予定です。すごく楽しみです。

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by ladysatin | 2014-09-03 23:10 | Music & English_1 | Comments(4)