<   2013年 12月 ( 24 )   > この月の画像一覧

今日は、以前ブログで書いた「久しぶりにボランティア翻訳」の続編です。
読んでらっしゃらない方は、よかったら読んでくださいね。

→ 久しぶりにボランティア翻訳

上の記事でも書きましたが、私は、朝日新聞の特設サイト「広島・長崎の記憶~被爆者からのメッセージ」のボランティア翻訳に参加しています。

今回は2回目の企画で、また翻訳の依頼がありました。9月のことです。またしても頑張って3本も引きうけてしまいました。正直、大変でした。

1本目の翻訳は広島で被爆した方の記事でした。結構長い記事だったのですが、その翻訳が終わって、翻訳納品とともに「よろしくお願いします。」のメールをしたあと、ご担当者から返信で「もうひとついいですか。」と言われました。「やられた」と思いつつも「いいですよ。」とすぐまた返信してしまったのです。

2本目は長崎で被爆された方の記事。これもかなりボリュームがあってきつかったです。しかし、それも仕上げて送りました。2本目が終わると、今度は私自身に欲が出て、もう1本くらい出来そうだと思い、「また送ってください。」と言ってしまいました。

3本目は、広島で被爆して現在バンクーバーに在住の女性の記事でした。これは短かったのでやりやすかったです。

これら3本の翻訳が終わり、ひと段落気分を味わっていました。そしたら、昨日の12月27日に、新聞社のご担当者からメールをいただきました。「聞きたかったこと」「ナガサキノート」の英訳事業は、12月27日、第一弾として計27本をアップすることができたとのことでした。この中には、私が翻訳した最初の2本の記事が入っています。3本目の記事は来年アップされるようです。

こちらに今回の企画の記事はあります。
→ 「広島・長崎の記憶~被爆者からのメッセージ」

リンク先に行っていただくと、「聞きたかったこと」「ナガサキノート」というタイトルが上の方にあります。そこをクリックしていただくと、今回アップされた27本の記事を読むことができます。それぞれの記事の右上に「この記事の英語ページへ」と書かれていますので、そこをクリックしていただくと日本語記事の英訳が読めます。

え、私が翻訳した記事?

近いうちにこの続編は書きますので、そのときにお知らせします。実は、今回の翻訳でも、ネィティブチェッカーからとても良いチェックをいただくことができ、勉強になったのです。これはブログに書きたいと思いました。近いうちに書きますので、また読みに来てくださいね。

さて、今年のブログは本日で終わりです。

来年も、Lady Satin のブログをよろしくお願いいたします。
by ladysatin | 2013-12-28 21:21 | 英語と私といろいろ | Comments(0)

ちょっと前のことですが、知り合いの家に遊びにいったときに、中学生の娘さんから質問を受けました。

結構トリッキーな問題なので書いてみますね。( ̄ー ̄; ヒヤリ

以下の同等比較の文です。

A) Land prices in Tokyo are as high as (land prices) in New York.
「東京の地価はニューヨークの地価と同じくらい高い。」

B) The climate of Japan is as mild as that of England.
「日本の気候はイギリスの気候と同じくらい穏やかだ。」

さて、その質問なのですが、その娘さんが言うには「A の land prices in New York の land prices は省略できるのだが、B の that of England の that は省略できない」と学校の先生から教わったそうです。そこで、何で B は省略できないのか納得できないというのです。学校の先生に聞いたら、まあそうなっているということで暗記せよと言われたとか。

さて、ここはどう考えたらいいでしょう。
私も、最初、はて?と思ったのですが、なるほどこういうことかなと思いました。

この問題は視点をちょっと変えてみるとわかるようです。
A の文と B の文の主語の考え方を明確にしましょう。

A の主語は Land prices です。A は以下のように書き換えられます。
C) Land prices are as high in Tokyo as in New York.
「地価は、東京とニューヨークでは同じくらい高い。」

この C の言い方を別の切り口で表現したのが A の文です。もう1回書きますね。
A) Land prices in Tokyo are as high as (land prices) in New York.

in Tokyoin New York は場所を表す副詞句で land prices との結びつきが低いため、場所を移動させることができます。A の文は C と比較してわかるように in Tokyo を前にもってきていますね。

一方の C の文では、Land prices は主語として機能し、in Tokyoin New York の二つの副詞句を抱え込んでいます。一つの主語が二つの副詞句を処理しているということです。だから、A の文においても land prices in New York の land prices はわざわざ付ける必要がないのだと考えて差し支えないと思います。つまり in Tokyo の位置がちょっと変わっただけということですね。

次に B の文です。
B) The climate of Japan is as mild as that of England.

主語は The climate of Japan であり of Japan は climate を限定的に修飾する形容詞句ですね。ということは、The climate of Japan でワンセットで考えるため分解できません。これに対応するのが that of England です。that は climate を意味する指示代名詞で of England が限定的に修飾しています。だから、 that を省略すると意味をなさない文になってしまうのです。

ゆえに「B の that は省略できない」という結論が導き出せます。

この質問、うむむ。。。と考えさせられました。
中学生の質問、時々、汗が出そうになります。

では。~(=^‥^A
by ladysatin | 2013-12-27 21:50 | 語法_English Usage | Comments(0)

今回の訳詞は、私が一番好きな女性ボーカリストの曲です。

その人の名は... Stevie Nicks

Stevie は Fleetwood Mac のメンバーとして活躍し、その後ソロになりました。

Stevie の話を始めるとどこから話せばいいのかわかりません。
あまりにも大好きすぎて考えがまとまらないのです...

今回の Dreams という曲は76年の Fleetwood Mac のアルバム Rumours の中に入っていた曲です。私のブログを読んでくださっている方は生まれていないかもしれないわ。好きになってもらえるとめちゃうれしいけど。

一時期、朝から晩までラジオから流れていました。ジャケットの裏の写真の Stevie はほぼ素顔だったのですが、あまりにも美しかったので、ずうぅっっと見とれていました。(*^.^*)

それとこの曲が入っているアルバム「Rumours 噂」の売れ方は当時すごかったのです。Wiki に載ってますのでリンク貼っときます。
→ Fleetwood Mac - 噂 Rumours

私は女性ボーカリストが大好きなので、色んな人を聴いてきましたが、Stevie はやっぱりずば抜けていると思ってます。

まず Stevie の顔が大好きです。どこがどうと言えませんがとにかくかわいくて好みです。声も大好きです。歌がうまいかどうかということより、あの独特の節回しは Stevie だけのものだし、声質も誰にも似ていないの。

とどめはソングライターとしての才能です。曲作りのセンスがずば抜けていて、こればかりは感性の問題ですから、天性のものだと思っています。Stevie のアルバムはたくさんプラチナディスクになってます。

曲作りの才能、比類なき声と美貌 - 3拍子そろった人は、なかなかいないぞ。

ほんまにどんだけ好きやねんって感じです。012.gif

Fleetwood Mac は77年に来日しましたが地方の子はもちろん行けませんでした。なので、NHKのヤングミュージックショーの放送が楽しみで楽しみで、当日はドキドキしながらテレビにへばりついて見てました。ビデオなき時代ですから一発勝負です。涙... (TwT。)

Dreams は Fleetwood Mac に一緒に加入した当時の恋人 Lindsey Buckingham との別れのことを歌った曲です。Stevie を捨てて、彼は別の女に走ったのですが、同じバンドにいるので、Lindsey が当然バックではギターを弾き、コーラスも歌ってます。どんな気持ちやったんやろ。

詞の内容ですが、Stevie 結構きついこと言ってます...
Lindsey に「雨にでも打たれて目え覚まさんかい」って言ってるみたい。
Stevie の曲は難しいのが多いのですが、この曲はとってもストレートでわかりやすい。

表現もそんなに難解ではありません。
ちょっと覚えておくとよさそうな英語の表現がちらほら。
下の方に文法と語法の解説やってますので、見てくださいネ。

*********************************



Stevie と Lindsey 並んでます。σ(^_^;)

77年か78年のライブで音はいまいちですが、Stevie がかわいいのであとはどうでもいいです。

*****************************

Dreams

Now here you go again
You say you want your freedom
Well who am I to keep you down

また始まったわね
あなたは自由がほしいって言うけど
私があなたを縛りつけるなんてこと
あるわけないでしょ

It's only right that you should
Play the way you feel it
But listen carefully to the sound
Of your loneliness

あなたが感じるままに演奏するのは当然
だと思ってるわ
でもじっくり聴いてみることね
あなたの寂しさが音にでているでしょ

Like a heartbeat... drives you mad
In the stillness of remembering what you had
And what you lost...
And what you had...
And what you lost

心の高まりがあなたを変にしているみたい
かつてあなたが持っていたもの...
そして失ったもの...もっていたもの...失ったもの
それらの記憶の静寂の中で

Chorus:
Thunder only happens when it's raining
Players only love you when they're playing
Say...Women... they will come and they will go
When the rain washes you clean...you'll know

雷は雨が降っているときに鳴るものなの
バンドのみんなはね
一緒に演奏しているときのあなたが
好きっていうだけの話
女の子はやって来ては去るものだって
雨に打たれてきれいになれば、
あなただってわかるでしょうよ

Now here I go again, I see the crystal visions
I keep my visions to myself

さあ私だってまた頑張るわ
水晶の中にビジョンが見えるから
私は私の夢のことは誰にも言わない

It's only me
Who wants to wrap around your dreams and...
Have you any dreams you'd like to sell

Dreams of Loneliness...

あなたの夢を大切に包んであげたいと
思っているのは私だけなのよ
なのにあなたは売りたい夢でもあるというの?

寂しさという名の夢...

Like a heartbeat... drives you mad
In the stillness of remembering what you had...
And what you lost
What you had...
And what you lost

心の高まりがあなたを変にしているみたい
かつてあなたが持っていたもの...
そして失ったもの...もっていたもの...失ったもの
それらの記憶の静寂の中で

Thunder only happens when it's raining
Players only love you when they're playing
Women... they will come and they will go
When the rain washes you clean... you'll know
You'll know
You will know
You'll know

雷は雨が降っているときに鳴るものなの
バンドのみんなはね
一緒に演奏しているときのあなたが
好きって言うだけの話
女の子はやって来ては去るものだって
雨に打たれてきれいになれば、
あなただってわかるでしょうよ
そうきっとわかるわ...

f0307478_2253547.jpg



かわいいな~






******************************************
では Dreams の考察いきます。

この詞の中には、ネィティブがよく使いそうという表現がいくつかありました。
その中から4つピックアップしてみます。

まずは冒頭のところで Stevie が語る場面

★Now here you go again 
「また始まったわね」

これとっても使えそうです。
英辞郎にそのものが載っていました。
Here you go again 「ほらまた始まった。/またかよ。」

日常ではこんな場面に使えそう。
いつもダイエットに失敗している友達が「I’ll start a diet tomorrow. 明日からダイエットするわ」と言った後で、Oh, here you go again! なんてドンぴしゃりのせりふですよね。

次です。

★Well who am I to keep you down 
「私があなたを縛りつけるなんてこと、あるわけないでしょ」

この表現は訳が難しかったです。
まず keep down は「押さえつけておく、自由を制限する(英辞郎より)」という意味です。
この文の前に You say you want your freedom とあるので、「自由を制限する」がそのものズバリの意味でしょう。

Who am I to keep you down
これは直訳すると「あなたの自由を制限する私とは誰か?」となりますが、意味をなしませんね。
実はこの言い回しは英語圏の人はよく使います。

例えばこんな風に。。。
Who am I to judge?
「私に人を裁く資格があろうか?人を裁こうとする私は、いったい何者なのか?」

つまり考え方はこうなります。
「to 以下の行為を私がすることができようか?(いやできない)」と解釈すればいい。
そう考えて「私があなたを縛りつけるなんてこと、あるわけないでしょ」という訳にしてみました。
ほかにも言い方はありそうですね。

★It's only right that you should play the way you feel it 
「あなたが感じるままに演奏するのは当然だと思ってるわ」

これも英辞郎より
It's only right that....
「that以下のことは至極当然だ」

★I keep my visions to myself 「私は私の夢のことは誰にも言わない」

大切なイディオムです。これも英辞郎君より
keep ... to oneself
~を口外しない、~を胸に秘めておく◆【類】keep ~ under one's hat
He always keeps his good ideas to himself. : 彼はいつもよいアイデアを自分だけの秘密にしている。

今回の考察はこれで終わりです。
いつもシリーズなのに短いですね。

さらりと終わるのもまた良きかな。。。

*****************************

さて最後は My Stevie Nicks collections ^^

一部ですけどCD のコレクションです。

f0307478_2281185.jpg
















DVDもあるだわさ。σ(^_^;)

f0307478_2295057.jpg




では、またね~ 012.gif
by ladysatin | 2013-12-26 21:58 | Music & English_3 | Comments(4)

英語人生は非常に長い私ですが、今頃自分の間違いに気付いたことがありました。

それがタイトルの a number of の意味です。

ちょっと恥ずかしいのですが、もしかしたらこれ読んでくださっている皆さんの中にも、間違って解釈されている方がいるかもしれないと思い、書くことにします。

先日、ある方(Aさんとしましょう)がa number of と the number of のあとにくる動詞が単数か複数かを、よく間違ってしまうということをお話されていました。

①The number of accidents (has been) steadily increasing in recent years.
②A number of students (were) studying very hard in the classroom even after school.

それで、①のThe number of accidentは「事故の数」だから単数の has been で受けて、②の A number of students は「多くの生徒 many students」という意味だから複数の were で受けるんですよねって、その場にいたBさんがお話をされました。私は「そうそう」とうなずいたのですが、それをきいていたCさんが 「a number of = manyって本当?違うと思います。several の意味です。」っておっしゃったのです。

「ええ~!several?私は a number of = many しか知らないよ。w(*゚o゚*)w」と心の中で叫んでしまいました。

a number of は昔々、高校生の時に「多くの」という意味で複数受けるのだと先生に教わって以来、それしか頭の中にありませんでした。

まあ、これを「馬鹿のひとつおぼえ」というのでしょうか?
私の故郷では「馬鹿のいっちょおぼえ」と言いますが。。。σ(^_^;)アセアセ...

とにかく、この際調べようと思い、a number of について調べました。

★まずジーニアス英和大辞典を見ると
「多数の」、「若干の」のいずれの意味かは前後の文脈によるが、(米)では「多くの」の意に用いるのが普通。いずれの場合も否定文・疑問文には用いられない。
(引用ここまで)


これ読んで「若干の」という意味があることに初めて気付いたわけです。
うーん、知りませんでした。(恥)

★また COBUILD を見ると
If there are a number of things or people, there are several of them. If there are any number of things or people, there is a large quantity of them.
(引用ここまで)


ああ、私は間違っていましたね。完璧に。
a number of = many ではないのです。いえ、ジーニアスには「多くの」とあるので間違いではないのでしょうが、COBUILD には一切 many の文字はありません。several の意味合いなんですね。

とどめはマーク・ピーターセン先生が解説されているということを知りました。

「表現のための実践ロイヤル英文法」の P.450に書いてあるそうです。
私はもっていないのですが、おもちの方はご覧になってみてください。

引用ここから)
たとえば、「喜んだ人が何人かいた」には、some、a number of、a few、several のどれでも使えるが、Some people were happy. とすると「喜んだ人もいた」といった感じになり、A few people were happy. とすると「喜んだ人もいたが、大した数ではなかった」といった感じになる。

この2つに対して A number of people were happy. と Several people ware happy. はどちらも「喜んだ人は〔数人しかいなかったが、それでも〕意外と多かった」といった感じで、「喜んだ人も結構いましたよ」というような場合によく使われる。
(ここまで)


ここまで読んでさらにわかったことは、 several の意味自体に「結構な数」というニュアンスがあるということです。話者の頭の中では、several は some より「多め」という感覚があるのでしょうね。

はふっ、とっても勉強になりました。
まだまだ修行が足りない私を自覚しました。

みなさんも思い込みにご注意くださいね。
by ladysatin | 2013-12-25 22:08 | 語法_English Usage | Comments(0)

今日は These Dreams の詞を考察します。
ここの表現は気になるなあというところだけピックアップします。

全訳はこちらをクリックしてくださいね。
→ 訳詞の世界~These Dreams – Heart(和訳)

では、まず最初のところ。。。

Spare a little candle
「小さなキャンドルをとっておいてね」

ここはCDの訳では「ロウソクを少しとっておいて」になっていました。
a little を副詞句と考えたのですね。
しかし、そうであれば、ここは Spare a little a candle となるはずです。
この文は単に little が形容詞として使われているだけなので「小さなキャンドル」になるでしょう。

ところで、spare という単語は簡単なようで、なかなか使いにくい単語だと思いませんか?
日本語では「スペアの鍵、スペアのタイヤ」のように「予備の」という意味の形容詞として使いますが、英語では形容詞のほかに、動詞でもよく使います。

ジーニアス英和大辞典における spare の第一義がこれです。
「(人・物・事)をなしですます、(物・事)をとっておく、与える」

例文1)I can’t spare her today.
「今日は彼女がどうしても必要だ」

例文2)Spare your energy for the finals.
「決勝戦のために体力を温存しなさい」

今回の Spare a little candle は、例文2と同じ使い方のようですね。

Figures up ahead
Moving in the trees

「少し先に見える人影が木々の間を動いているわ」

この文は moving が現在分詞となっていると考えると、本当は後ろから修飾したほうがいいのかもしれませんが、修飾語句が長すぎると不恰好なので、ここは頭から一文として訳しました。

ここでの figure は「人の姿、ものの姿、人影」でいいのですが、この figure という単語は幅広い意味があるので注意したほうがいいかも。

「数字」を意味することもあれば、「図」を意味することもあります。
私は実務翻訳をするので、figure という単語は毎日のようにお目にかかっています。

口語でよく使う表現に figure out 「~を理解する、~がわかる」があります。

英辞郎より例文
I can't figure out what's behind it. : 原因がよく分からないんですが。
I can't figure out how to do it. : それをどうすればよいのか分からない。

蛇足ですがフィギュアスケートの figure は「氷上を滑りながら描く図形」のことなんですって。
これもジーニアス先生に教えてもらいました。^^

★I search for the time on a watch with no hands
「針のない時計の上で時を探す」

この文は難しくありませんね。
hands は時計の話になると「針」のことを指します。
長針と短針があるからここは複数形。

そうそう、search にはここでは for が必要ですね。
自分が求めているものを探すときは search for になり、場所を探すときは search だけで for はいらないですね。

search the room ... この場合は、部屋の中に指輪か何かなくしてしまったときに使います。
search for the room ... 求めている部屋を探すという意味になります。

****************************
These dreams go on when I close my eyes
Every second of the night I live another life
These dreams that sleep when it's cold outside
Every moment I'm awake the further I'm away

目を閉じるとこれらの夢が続くの
夜を刻む一秒一秒を私は別の世界で生きている
外の世界が寒いときは眠りにつくこれらの夢
目が覚めている瞬間瞬間が長くなるにつれ
私は夢から遠ざかる
****************************

ここはコーラスの部分です。

these dreams は直訳で「これらの夢」としました。日本語として変でない限り、私は原文通りに訳す主義ですが、それだけでなく、ここは直訳する必要がありました。というのは、ここであえて、these としているのは、夢の中の一場面、一場面を完結したものとしてとらえて、数えているからなんですね。

すなわち this dream がいくつか集まって these dream が形成されていることを明示しているところです。

these dreams は such dreams(そんな夢)でもなく、the dreams(その夢)でもないのです。

そして、These Dreams はタイトルですから、極めて慎重に訳す必要があると考えました。だから、「これらの」という訳をあえて入れています。

★Every moment I'm awake the further I'm away

この文なのですが、何となくThe + 比較級~, the + 比較級の構文に似ていませんか。
Every moment I'm awake の節と、the further I'm away の2つの節があり、後ろの節に the further がありますね。

ただし、前の節は Every moment ですから、比較級はどこにもありません。しかし、この文は形は違いますが、まぎれもなくThe + 比較級~, the + 比較級の構文と同じ意味で訳す必要があります。

「~すればするほど、ますます…」という比例関係を表しています。

Every moment I'm awake...
CDの訳は「目覚めるたびに」となっていましたが、ここはそういう意味ではありません。動作ではなく、状態を表しています。すなわち「私が目覚めている一瞬一瞬」という意味です。そして、その一瞬一瞬が積み重なって時を形成していきます。つまり、その時間が次第に長くなるさまを語っています。そうなるにつれ、the further I'm away 「私はますます遠くへ離れていきます」と言っています。

★Is it cloak and dagger
私の訳「スパイ映画なのかしら」

この表現は知りませんでした。
Cloak and Dagger は1946年のスパイ映画で、邦題は「外套と短剣」というそうです。
Wikipediaによると「外套と短剣(がいとうとたんけん、クローク&ダガー、Cloak and dagger)とは、スパイ・ミステリー・暗殺といった要素を内包するシチュエーションを言及する言葉。」とのことでした。

おもしろい表現があるんですね。(^^)

では最後のパートで気になる表現をピックアップ。

★There's something out there I can't resist
ここは「あそこにある何かが私を引きつける」と訳しましたが、ここは関係代名詞節だから後ろから訳してももちろんOKですね。「私が抵抗することができないものが、あちらにあります。」が原義。

out there は口語表現でよく出てきますね。
ここでは文字通り「あちらには、向こうには」の意味ですが、out there には成句で「世の中には」という意味もあります。

ジーニアスより
There are still a lot of racially-biased people out there.
世の中にはまだ人種的偏見を持っている人がたくさんいる。」

ついでに in there は米俗で「全力で」という意味があります。
おなじみの「 Hang in there. 頑張れ。」はここからきているようです。
Keep in there. Stay in there. も同義。

★The sweetest song is silence that I've ever heard
「静寂はこれまで聴いたなかで最も甘美な歌」

この部分が今回の目玉
というのは The sweetest song を誰もが主語だと思ってしまうので誤訳しやすいのです。
一見それでよさそうなのですが、ここの事実上の主語は補語のふりをしている silence です。

なぜかというと。。。

元の文は実はこれなのです。
⇒ Silence is the sweetest song that I've ever heard.

この形は中3で勉強するかな。
最上級を現在完了で後ろから修飾している構文です。

たとえば、こんな文を昔よく作りました。
①She is the most beautiful woman I have ever met.
「彼女は私がこれまで会った中で最も美しい女性です。」
②This is the most interesting book I have ever read.
「これは私が読んだ中で最も興味深い本です。」

注意すべきは、①も②も主語と補語をひっくり返すと意味が通らず、非文になってしまうところ。
しかし、この曲ではあえてひっくり返して The sweetest song is ... と非文の形にしてあるのです。

これもなぜかというと。。。

おそらく The sweetest song is silence で、いったん倒置の形にして文を完結してしまったのでしょう。ここまでだと全く問題ありません。そして、そのあとに that I've ever heard を補足情報として追加した雰囲気を出したのだと思います。さらに、この音楽にのせて歌うには普通の構文では歌いにくいですものね。

★In a wood full of Princes, freedom is a kiss
But the Prince hides his face from dreams in the mist
「王子様でいっぱいの森の中では自由とはキスを意味するの
だけどその王子様は霧の中の夢から顔を隠してしまう」

最初のPrinces は複数形だから王子様がたくさんいるということなんだと思います。
その中に意中の王子様がいるのだけど、その意中の王子様は顔を隠してると言っています。
何とまあ、かわいらしい詞だったのですね。(*^^*)

これで These Dreams の訳詞解説は終わりです。

029.gif
by ladysatin | 2013-12-24 21:17 | Music & English_3 | Comments(0)

今回の訳詞の世界は Heart These Dreams です。

この曲もいつかきちんと訳してみようと思っていました。
聴いた感じでは簡単そうな詞の内容なのですが、またしても、いろいろと新たな発見があって勉強になりました。

Heart というグループは Ann と Nancy を中心に結成されたハードロックグループです。デビューしたのは76年だったかな。二人とも美人だし、女性のハードロッカーなんて当時はいなかったから、すぐ人気者になりました。日本ではセカンドアルバムが先に出て、そのあとファーストアルバムが出ました。

f0307478_13352011.jpg

あっ、この写真きれいですね。
左が Ann で右が Nancy

たぶん、80年代の写真だと思う。



These Dreams という曲が大ヒットしたのはメロディの美しさももちろんあると思うのですが、現実的な恋愛の歌が多い中で、めずらしくファンタジーをテーマにした曲だったからなのかなと思います。

ちょっと少女趣味な感じがしないでもないけれど、大人の女性もファンタジーが好きってことなのよね。80年代後半は、女性の社会進出もめずらしくなくなってはいましたが、男性と肩を並べて仕事をするということがいかに難しいかを毎日のように思い知らされたものです。

疲れて家に帰って These Dreams を聴くと、ちょっとだけ現実から逃避できたというわけ。
ま、これは私の場合ですが。。。

さて、このバンドのほとんどの曲はお姉さんの Ann が歌うのですが、この曲は妹の Nancy が歌っています。この決断、大正解だったと思います。この曲には Nancy の声がぴったりです。

以前、インタビュアーの人が Ann に質問したのを思い出します。
「どうしてリードボーカルのあなたが歌わなかったの?」

Ann の答えがとても素敵でした。こう答えたの。
She married the song.
「だって彼女(Nancy)がこの曲と結婚したんだもの。」


86年の大ヒット曲です。ビルボードで1等賞。

このあとThese Dreamsの詞の中の語法と文法の考察をしています。
以下にありますのでクリックして是非読んでくださるとうれしい限りです。
→ These Dreams – Heart 訳詞考察

*************************************************



2002年のコンサートみたいです。
Nancy は全く昔とイメージが変わらず、透き通るような美しさ。
Ann は体型が変わったけど、素晴らしいボーカリストであることには変わりはないです。

*************************************************

These Dreams

Spare a little candle
Save some light for me
Figures up ahead
Moving in the trees
White skin in linen
Perfume on my wrist
And the full moon that hangs over
These dreams in the mist

小さなキャンドルをとっておいてね
私のために灯りを残しておいてほしいの
少し先に見える人影が
木々の間を動いているわ
リンネルに包まれた白い肌
私の手首には香水
そして満月がぶらさがっている。。。
霧に包まれたこれらの夢


Darkness on the edge
Shadows where I stand
I search for the time
On a watch with no hands
I want to see you clearly
Come closer than this
But all I remember
Are the dreams in the mist

端の方に広がる暗闇
私は暗がりに立っている
針のない時計の上で時を探す
もっとはっきりとあなたが見たいの
ここよりもっと近くへ来てほしい
けれど私の記憶にあるのは霧の中の夢だけ


(Chorus)
These dreams go on when I close my eyes
Every second of the night I live another life
These dreams that sleep when it's cold outside
Every moment I'm awake the further I'm away

目を閉じるとこれらの夢が続くの
夜を刻む一秒一秒を私は別の世界で生きている
外の世界が寒いときは眠りにつくこれらの夢
目が覚めている瞬間瞬間が長くなるにつれ
私は夢から遠ざかる


Is it cloak and dagger
Could it be spring or fall
I walk without a cut
Through a stained glass wall
Weaker in my eyesight
The candle in my grip
And words that have no form
Are falling from my lips

スパイ映画なのかしら
春、それとも秋なのかしら
私は傷ひとつ負わずに
ステンドグラスの壁を通り抜ける
しだいに目がかすんでいくわ
握りしめたキャンドル
そして形のない言葉が
私の唇からこぼれおちる


(Chorus)
These dreams go on when I close my eyes
Every second of the night I live another life
These dreams that sleep when it's cold outside
Every moment I'm awake the further I'm away

目を閉じるとこれらの夢が続くの
夜を刻む一秒一秒を私は別の世界で生きている
外の世界が寒いときは眠るこれらの夢
目が覚めている瞬間瞬間が長くなるにつれ
私は夢から遠ざかる


There's something out there
I can't resist
I need to hide away, from the pain
There's something out there
I can't resist

あそこにある何かが私を引きつける
苦痛から逃れ身を隠す必要があるわ
あそこに何かが。。。
私には抵抗できない


The sweetest song is silence
That I've ever heard
Funny how your feet
In dreams never touch the earth
In a wood full of Princes
Freedom is a kiss
But the Prince hides his face
From dreams in the mist

静寂はこれまで聴いたなかで
最も甘美な歌
おかしいわね
夢の中であなたの足は地についていないの
王子様でいっぱいの森の中では
自由とはキスを意味するの
だけどその王子様は霧の中の夢から
顔を隠してしまう


(Chorus)
by ladysatin | 2013-12-23 13:38 | Music & English_3 | Comments(4)

Money can' t buy という表現

英語を勉強していると、なんか不思議な表現だな~と思うものに出会うことがありますね。

私も色々あるのですが、その中の一つに 「Money can't buy お金で買えない」という表現があります。

この表現を知ったのは、相当昔の話なんですが、The Firm というロックバンドがいまして、このバンドのLPを買ったときです(CDじゃないの >_< )。その中に入っていた曲のタイトルでした。The Firm は Jimmy Page と Paul Rodgers が作ったスーパーバンドでしたが、1枚を残してあっさり解散しちゃいました。

不思議なタイトルだな~と思って何年かたちまして、その後にまた出くわしました。

私の大好きな KISS の Uh, All Night という曲の中にもこのフレーズが出てきたんです。
...just one thing that money can't buy という箇所があるのです。

そしたら、またまた最近、Michael J. Sandel 先生の What Money Can't Buy という本を知り、Money can' t buy ってやっぱり使うんだなと思った次第です。この本の日本語版のタイトルは「それをお金で買いますか」となっていますが、このタイトルは「お金で買えないもの」が本来の意味ですね。

そこで、この表現が不思議だな~と思うのは Money が主語になっているからなのです。

たとえば「お金で愛は買えない。」という文を作りなさいと言われたら、日本人的発想では普通はこうなる。

●We can't buy love with money.

これって正しい英語ですよね。
しかし、Money を主語にした書き方にするとこうなる。

●Money can't buy love.

これを日本語に直訳すると「お金は愛を買うことができない。」となり、あたかもお金が、のこのこスーパーまで歩いていって、チョコレートとか野菜を買うようなそういう印象をもってしまいます。

しかし、実際に英語では Money を主語にした無生物主語構文が好まれるようです。

なんでかな~と思うのですが、上の二つの文の違いで言えば、ワード数が違うことはひとつ注目に値すると思います。

★We can't buy love with money.
日本語を正しく転換していてごもっとも。ただ、6ワード必要です。

★Money can't buy love.
日本語からの転換から言えばロジカルではない。しかし、上と同じ意味を表すために、4ワードですみます。

Money だけに限らず無生物主語の構文はいろいろな場面で出てきますが、人が主語ばかりの文章にエッセンス的に入れると、ぐっと引き締まった印象になります。シンプルでタイトな感じがします。

ただし、無生物主語の構文といっても、Money can't buy について言えば、無理やり無生物主語にしたのではなく、普通の表現として定着しているようです。

少し前にマスターカードのコマーシャルでも使われました。

「お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで。」

この英文はどうなっているかなと思って以前調べたことがあります。
そしたら以下の文がマスターカードのホームページに載っていました。

●There are some things money can't buy, for everything else there’s MasterCard.

やっぱり...

英語の発想と日本語の発想の違いを垣間見た感じがします。

(*'ー'*)
by ladysatin | 2013-12-22 21:37 | 語法_English Usage | Comments(2)

今日は The Circle Game の考察です。

The Circle Game の全訳はこちらにあります。
初めての方は是非、こちらをお読みください。
→ 訳詞の世界~The Circle Game – Joni Mitchell(和訳)

まず、タイトルの The Circle Game になぜ The がついているの?という素朴な疑問がわきました。 

この曲は確か Joni の1970年のアルバムに入っていると思うのですが、私の場合、彼女の Hits というベストアルバムに入っていたのを聴いたのがこの曲との出会いでした。タイトルもまじまじと見ていなかったから、無冠詞の Circle Game だとばかり。。。

普通、曲のタイトルって無冠詞でしょ。それが今頃気づいたんですね。
The がついているぞと。

では考察を。。。σ(゚・゚*)

普通の考え方では、可算名詞に the がつくと限定的な意味になりますよね。「そのサークルゲーム」のように。すでに話者の間で、言及しているサークルゲームについての暗黙の了解があるかのようなイメージですね。

次に、もう一つあります。それは名詞の総称用法で使われる the です。

総称用法というと、「複数名詞」、「a + 単数名詞」がありますが、「the + 単数名詞」も総称用法としてあります。これをあてはめて考えると、他と区別した「サークルゲームというもの」という意味になるでしょう。

私はこの後者の総称用法の方じゃないかと思いました。

詞を読んでいくと、1人の少年の成長を題材にして、時の流れ、あるいは人生と言っていいかもしれませんが、それをサークルという言葉で表現しているかのように、私には思えました。そして、「ゲーム」はその人生の浮き沈みを表しているのではないかと。。。この詞の中にある「ペンキで塗られた子馬は上がったり下がったり」に通じるような気がします。

人生というのは、人の数だけあって同一のものなどひとつもなく、100人いれば、それぞれの人に異なる人生があります。けれど、幸福だけを享受している人はおらず、多かれ少なかれ不幸も経験するようになっている。

それが「人の営み -人生というもの」、すなわち「サークルゲームというもの」と言いたいのであれば、
The をつけなければそれを言い表すことはできないと思います。


複数形の Circle Games も総称になりますが、これだといわゆる円形のゲームを意味するでしょうから、この曲と合いません。また不定冠詞の a をつけて A Circle Game とすると、サークルゲームの中の一つを取り出して、その特徴がその他すべてのサークルゲームにあてはまるかのようになってしまうので、これも合わないでしょう。ましてや、無冠詞の Circle Game のぼんやり感では、その深遠さを表現することはできないだろうとも思います。

そんなことを考えると The Circle Game がぴったりだとますます思えてきます。

この詞に出てくる主人公は1人ですが、この主人公の彼は、人というものを象徴しているにすぎず、私達みんなを投影しているのでしょう。

この曲の主人公は、実は、私たちのことなのだろうと思いました。

****************

では詞を上から順番にみていきます。
気になったフレーズ、訳しにくかったフレーズを書き留めておこうと思います。

★Yesterday a child came out to wonder
この Yesterday を最初「昔」と訳していました。自然な意味に思えたから。でも、これもちゃんと辞書見なくちゃだめなんですよね。ジーニアスには「昔」という意味は確かにありましたが、(古)とあるから古英語なんでしょう。しかも、その意味では通常は、複数形の yesterdays だということなので、「昔」は却下。

曲の終わりの方で、「and now the boy is twenty あの少年はもう20になりました」とあり、ここで「ああ、ついこの間まではあんなに小さい子供だったのに」という思いが見てとれました。
で、結局、この Yesterday は「ついこの間のこと」と訳してみました。

★Fearful when the sky was full of thunder
And tearful at the falling of a star

ここは訳とは関係ないけれど、Fearfultearful が韻を踏んでいて素敵な表現だと思いました。

★We're captive on the carousel of time
このフレーズが私の一番のお気に入りです。
carousel of time なんて、Joni の言葉選びのセンスの良さが光っていますね。

そしてここの訳が一番上手にできたと思っています。
「私たちは時という回転木馬に乗った捕われ人」

「捕われ人」というと captive より prisoner の方が私たちには馴染みがあります。
宇多田ヒカルさんの歌にもありましたね。Prisoner of Love

英英辞典でも同じ意味と書いてあります。
prisoner の方が歌にも乗せやすいのになぜ、Joni は captive にしたんでしょう?
と考えていたら captive は可算名詞なのに単数であることに気付きました。

えっ、文法ミス?
いやいやまさか~。

なんと、captive には形容詞もあったんです。
We're captive は形容詞で使われていたんだと、今私はわかったのです。
となると「私たちは、捕らわれている」が直訳ですね。
でも日本語にすると、訳は「捕らわれ人」が何かぴったりくると思ったのでこれ採用しました。

★We can't return, we can only look behind
From where we came

ここのフレーズは難しいですね。日本語にするため前後を入れ替えましょう。

From where we came 「やって来た場所から」
we can only look behind 「私達は後ろを振り返ることだけできる」

よく考えてみたのですが、「やってきた場所」というのは過去にいた場所のことですね。
例えば今30歳だとしたら、10歳、15歳、20歳という年齢は「やってきた場所」になります。
そして15歳の時点では、それ以前のことのみを振り返ることができるということになります。
そう考えて、以下の訳にしてみました。

「戻ることなどできません
ただ、私たちが通ってきた足跡から、後ろを振り返るだけ」


この箇所は、まだ自分でも100%納得していないのですが、とりあえずこれでいっときます。

Joni Mitchell の詞って深すぎる。。。"o(-_-;*)

次です。

★Words like "when you’re older" must appease him
And promises of someday make his dreams


"when you're older" という言葉は誰が言ったのだろうと思いました。
普通に考えると、彼の回りにいた大人かな。
でもそうとも限らない。
もしかしたらこの少年が自分自身に言ったのかもしれない。
そう思ったらちょっとぼやかそうと思いました。

そして promises は、「約束」ではなくて「誓い」がしっくりくるようです。

私の訳
「「大人になったらね」って言葉になだめられて
いつかきっと夢をかなえようと誓うのです」


★Cartwheels turn to car wheels through the town

turn to は句動詞で change の意味。
この部分は今の時代にあてはめて考えることもできますね。
紙の本は kindle に変わりました。
黒い電話はスマホに変わりました。
などなど。

★訂正★ 2016年12月12日
読者の方よりこの部分の解釈は間違いとの指摘を受けました。以下の訳に訂正しました。
→「おもちゃのカートは町を走る本物の車になります」


★And they tell him, "take your time, it won't be long now”
Till you drag your feet to slow the circles down


And they tell himのtheyって誰?
「大人」かもしれないけど、私はこの曲のキーワードである seasons を当てはめてみました。

そして次のフレーズは高校英語でおなじみ。。。かな?
It will not be long before~ 「まもなく~するだろう」ですね。

こんなふうに訳してみたの。
「季節たちが彼に言うのです
「ゆっくりと時間を楽しむのさ。今のうちだからね」
そのうちに足を引きずるようになるから
時の流れを遅くするためにね」


なんでも便利になると、自分自身もせわしなくなるような気がします。
Take your time という言葉がとても胸に響きます。

★Though his dreams have lost some grandeur coming true

grandeur っていう単語は知らなかったです。
こんな言葉をさらりと詞に入れる Joni って本当に知性あふれる人なんでしょうね。
辞書を引いてみると grandeur の意味は「偉大さ、威厳、雄大さ、壮大さ、高尚さ、遠大さ」とあります。

しかし、この文は難しい。
結局、彼の夢はかなったのだろうかと思いました。

coming true はいうまでもなく dreams coming true であり、本当は
Though his dreams coming true have lost some grandeur
となるところだけど、coming true を最後にもってきていると思います。
そうすることにより coming は現在分詞として機能し grandeur にもかかっていると考えられます。

his dreams have lost some grandeur とあるから、彼の夢は grandeur を少し失ったのかもしれません。しかし、夢は実現しなかったとは書いていない。
なのでここもぼやかしました。

私の訳
「実現させようと抱いていた夢は少し輝きを失ってしまったけれど」

********************************
これでThe Circle Gameの考察は終わりです。
(^^)
by ladysatin | 2013-12-21 21:29 | Music & English_3 | Comments(16)

今日は、私の大好きな女性ボーカリストであり詩人でもある Joni MitchellThe Circle Game を訳してみました。

The Circle Gameは、Neil Young の Sugar Mountain という曲にインスパイアされて書かれたときいたことがことがあります。Sugar Mountain は Neil さんが過ぎゆく10代を嘆いて書いた曲なのですって。

さてこの曲なんですが、簡単そうでとっても難しいんです。

まず、いきなりタイトルに The がついているのはなぜ???と思いました。
Circle Gameではなく The Circle Gameとなっている。

それと詞を読んでいくと、過去形、現在形、未来形が混ざっています。

こういうところ見ていきながら訳を考えるのが楽しいのだけれど。。。

この続きは以下で考察しています。
以下をクリックして読んでくださいね。
→ The Circle Game – Joni Mitchell 訳詞考察


*******************************



The Circle Game

Yesterday a child came out to wonder
Caught a dragonfly inside a jar
Fearful when the sky was full of thunder
And tearful at the falling of a star


ひとりの子供が好奇心と出会ったのは、ついこの間のこと
捕まえたトンボはビンの中
雷がとどろく空に怯え
流れ星に涙したのです

~Chorus〜
And the seasons they go round and round
And the painted ponies go up and down
We’re captive on the carousel of time
We can’t return, we can only look behind
From where we came
And go round and round and round
In the circle game


~Chorus~
そして季節は何度もめぐっていきます
ペンキで塗られた子馬は上がったり下がったり
私たちは時という回転木馬に乗った捕われ人
戻ることなどできません
ただ、私たちが通ってきた足跡から、後ろを振り返るだけ
季節はめぐりめぐっては回り続けるのです
サークルゲームの中で

Then the child moved ten times round the seasons
Skated over ten clear frozen streams
Words like “when you’re older” must appease him
And promises of someday make his dreams


それから少年は10回の季節を駆け抜けて
その間に同じ数の清らかな氷の小川を滑りました
「大人になったらね」って言葉になだめられて
いつかきっと夢をかなえようと誓うのです

Sixteen springs and sixteen summers gone now
Cartwheels turn to car wheels through the town
And they tell him, "take your time, it won't be long now”
Till you drag your feet to slow the circles down


16回の春と16回の夏が過ぎていきました
おもちゃのカートは町を走る本物の車になります
季節たちが彼に言うのです
「ゆっくりと時間を楽しむのさ。今のうちだからね」
そのうちに足を引きずるようになるから
時の流れを遅くするためにね

So the years spin by and now the boy is twenty
Though his dreams have lost some grandeur coming true
There’ll be new dreams, maybe better dreams and plenty
Before the last revolving year is through


そして月日は流れ、あの少年はもう20になりました
実現させようと抱いていた夢は少し輝きを失ってしまったけれど
新しい夢が、たぶんもっと素晴らしくて豊かな夢が
生まれるでしょう
最後の年が回転し終わる前に

And the seasons, they go round and round
And the painted ponies go up and down
We’re captive on the carousel of time
We can’t return
We can only look behind from where we came
And go round and round and round
In the circle game


そして季節は何度もめぐっていきます
ペンキで塗られた子馬は上がったり下がったり
私たちは時という回転木馬に乗った捕われ人
戻ることなどできません
私たちが通ってきた足跡から、後ろを振り返るだけ
季節はめぐりめぐっては回り続けるのです
サークルゲームの中で

**********************
by ladysatin | 2013-12-20 22:46 | Music & English_3 | Comments(4)

今日は、翻訳をする際に心に留めておきたいと思っていることを、少しだけ書いてみたいと思います。

以前、こういう質問をされた方がいました。

*****************************
Steve Jobs 氏のスタンフォード大学でのスピーチの一節です。
★The only way to do great work is to love what you do.

この部分について、プロの翻訳家が「素晴らしい仕事をするには、真に好きなことをやるしかない。」と訳していました。私は、「素晴らしい仕事をするには、自分のやることを好きになるしかない」と訳しました。

私の訳は「今やっていることが嫌いでも、好きになることで素晴らしい仕事をできる」ともとれ、両者はかなり意味が違ってくると思うのです。

でもプロの翻訳家のほうが正しいはずなので...後者の私の訳し方はおかしいのでしょうか?
*******************************

これについて皆さんはどう思われるでしょうか。
もう一度書きますね。

★The only way to do great work is to love what you do

●あるプロの翻訳者の訳
素晴らしい仕事をするには、真に好きなことをやるしかない。

●質問者の訳
素晴らしい仕事をするには、自分のやることを好きになるしかない

どちらの訳が正しいかは一目瞭然。
質問者の訳が正しいですね。

プロの訳が成立するには、英語の後半を逆にする必要があります。すなわち
★The only way to do great work is to do what you love.

love what you do と do what you love の違い
すなわち「あなたがやることを好きになる」と「あなたが好きなことをやる」の違いです。


ところで何故、プロの翻訳者がこんな基本的な英文の誤訳をしてしまったのか。

プロでももちろん間違うことはあるでしょう。目の錯覚でこのような訳になったのかもしれない。しかし、誤訳がそのまま納品されたということは、チェッカーがいなかったということではないかと思いました。日英であれ英日であれ、通常は翻訳者とは別の第三者がチェックし、誤訳の流出をくい止めます。このケースは、ポカミスを防げなかったという点で非常に残念なケースだと思いました。

私は、質問者の方に「プロの訳は構文の解釈に誤りがあり、あなたの訳が正しい。」と説明しました。Steve Jobs 氏のスピーチは You Tube で検索すると出てきます。そこで別の翻訳者が字幕において「偉大な仕事をする唯一の方法は、あなたのする仕事を愛することです。」と翻訳をされています。パーフェクトな訳と言えるでしょう。

しかし、質問者の方は、これに納得しつつも先だってのプロの翻訳者の訳も正しいのではないかという意見をもたれたのです。これには驚いたのですが、実はここには重要な問題が提起されていました。

それは「翻訳者の裁量がどこまで許されるのか」ということです。

さて、私の説明に対して質問者の方は次のように言われました。

*****************************************
Steve Jobs の YouTube のスピーチを聞きました。
確かに私と同じように訳されていました。

でも、スピーチを聞くと "Keep looking. Don't settle." と Jobs は話しています。
だからやはり、大好きなことに出会えるまで探せというニュアンスもあるのだと思います。

プロの翻訳者の方は、全体のスピーチの意味からこの部分を訳されたのではないかと考えました。

どちらにしても(今の仕事を好きになるにしても、これから出会うまで探すにしても)、好きでなければいい仕事はできないということなのだと理解しました。
******************************************


これを読んで私が「①なるほどそういう考え方もある」と思ったか
それとも「②それはとんでもない解釈だ」と思ったかですが、私の考えは②でした。


英語を教えている人々は「全体の英文をよく読んで適切な訳をしなさい。」と言います。それはもちろん理にかなったことです。しかし、それは複数の訳が考えられるときに限ると思うのです。

以前、私はこのブログで You could be mine. の訳を試みました。この文は単純ではあるものの、一文のみ見ても正しい解釈はできないと思いました。could の意味の多様性を知る人ならばわかるでしょう。ゆえに全体の展開をくまなく読みこんで、最適な訳を探したのです。

しかし The only way to do great work is to love what you do. において複数の意味は考えられません。このような文は、ただ素直に文法規則にのっとり訳をするだけだと思います。

質問者が言うように、もし「プロの翻訳者の方が、全体のスピーチの意味からこの部分を訳した」のであるとすれば、それは翻訳者の推測が介在したことによって、本来の意味を逸脱した拡大解釈となるでしょう。

翻訳をする際において重要なことは、まずはさておき「直訳」してみることだと私は思っています。直訳してみて筋が通るかどうかをまずみます。そして、何となくぎこちないのではないかと思ったときに、文法・構文の規則を逸脱しない範囲で自分なりの訳を試みることをおすすめしたいです。

★The only way to do great work is to love what you do

この文を直訳すると「偉大な仕事をする唯一の方法は、あなたのする仕事を愛することです。」となります。字幕で翻訳されていた文です。この日本語は、直訳でありながらも Jobs 氏が言いたいことをズバリと言いきっていて、これ以上の飾りは不要と思われる訳だと思いませんか。

別の人は同じく字幕で「最高の仕事をするには、その仕事を愛しましょう。」と訳していました。この訳は、骨子は乱れてはいませんが、やや翻訳者の思惑が入った文です。訳文として許容できるかどうか、難しい判断を迫られるでしょう。

そこまで細かく考えなくても...と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、プロとしてお金をもらって翻訳をし、それが世の中に出ている以上、プロの翻訳者には社会的責任が付いて回ります。このことは常に考えなくてはなりません。

Steve Jobs という人は普通の人ではありません。私は Jobs 氏のことは何も知らないし、興味も特にありません。しかし、この方が偉大な方であり、それゆえに言葉の一つ一つが大きな影響力をもっていることは知っています。

日本にもいるでしょう。英語はわからなくても Steve Jobs 氏の大ファンの方々が。その方々が Jobs氏の発言を聞くときに、介在させなくてはならないのが翻訳です。その方々が覚えているのは、Jobs 氏が言った英語のフレーズではなく、翻訳者が訳した日本語になります。それをずっと、心の中で記憶し続けるのですね。それは、彼や彼女の考え方や生き方までも左右するほどの影響力をもつでしょう。

そう考えたときに、プロの翻訳者は「翻訳を読む人の人生にまでかかわってしまっている」ということを考えなくてはならないと思うのです。翻訳者がすべきことは「ある言語で話された(書かれた)情報を、別の言語で正確に伝える」ということです。したがって、英文を正しく読む力と、それを正しい日本語で表現する力の両方が要求されます。このことを肝に銘じて、私も日々精進していかなくてはと思います。

今回取り上げた Jobs 氏のスピーチのことは、ずっと心にひっかかっていたことでした。

Thank you for reading.

********************************************
Steve Jobs' 2005 Stanford Commencement Address



Sometimes, life is gonna hit you in the head with a brick.
Don't lose faith.
I’m convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did.
You've got to find what you love.
And that is as true for work and as it is for your lovers.
Your work is gonna fill a large part of your life.
And the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work.
And the only way to do great work is to love what you do.
If you haven't found it yet, keep looking.
And, don't settle...


by ladysatin | 2013-12-18 22:46 | 日英 Translation | Comments(2)