カテゴリ:Music & English_2( 21 )

ちょっと重たい内容が続きましたので、今日は訳詞の記事にしました。(*^_^*)


誰にでも人生の中で忘れられない曲があると思います。私にもたくさんあります。中学、高校、大学そして社会人になってから出会った曲の数々は、私の人生を彩ってくれました。ただ、その当時好きで聴いていた曲を今でも聴いているかと聞かれたら、そうでもないです。たまに思い出して聴いてみるという感じでしょうか。


その一方で、今もずっと聴き続けている曲があります。決して多くはないですが、そういう曲は、おそらく私が死ぬまで聴き続けるんだろうと思います。今回訳した Culture Club Time は、そんな数少ない特別な曲の中のひとつです。


この Time (Clock of the Heart) という曲はずっと前から訳したかったのです。が、難しいところが2箇所あって、長いこと頓挫していました。もう一度チャレンジしようと思い、詞をじっくり吟味してみました。そして、やっと自分なりに解読できたかなと思えるくらいになったので、アップすることにしました。


その難しかった箇所については最後に解説しますね。




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Time (Clock of the Heart)

Written by Culture Club


Don't put your head on my shoulder

Sink me in a river of tears

This could be the best place yet

But you must overcome your fears


僕の肩にもたれてこないで

僕なんか涙の川に沈んだほうがいい

今も君にはここが一番心地いいのかもしれないけど

自分の恐れを克服しなくちゃだめさ


In time it could have been so much more

The time is precious I know

In time it could have been so much more

The time has nothing to show


時の流れの中で

もっと大切にできたはずさ

僕達の時間は貴重なものだもの


時の流れの中で

もっと大切にしておけばよかった

二人の時間が教えてくれるものは何もないなんて


Because time won't give me time

And time makes lovers feel

Like they've got something real

But you and me we know

They've got nothing but time

And time won't give me time

Won't give me time


なぜなら時はただ僕の前を過ぎていくだけだからさ

時は恋人達に本物だと思えるものを手に入れた気分にさせる


だけど君と僕は知ってるんだ

恋人達が共有するのは時間だけなのだと

時は僕に時間など与えてなどくれない

決して


Don't make me feel any colder

Time is like a clock in my heart

Touch we touch was the heat too much

I felt I lost you from the start


もうこれ以上僕を凍えさせないで

時は僕の心を刻む時計みたいなもの

僕達の触れ合いはあまりにも激しい情熱を帯びていた

最初から僕は君のことを失っている気がしてたんだ


In time it could have been so much more

The time is precious I know

In time it could have been so much more

The time has nothing to show


時の流れの中で

もっと大切にできたはずさ

僕達の時間は貴重なものだもの

時の流れの中で

もっと大切にしておけばよかった

二人の時間が教えてくれるものは何もないなんて


Because time won't give me time

And time makes lovers feel

Like they've got something real

But you and me we know

They've got nothing but time

And time won't give me time

Won't give me time


なぜなら時はただ僕の前を過ぎていくだけだからさ

時は恋人達に本物だと思えるものを手に入れたような気にさせる


だけど君と僕は知ってるんだ

恋人達が共有するのは時間だけなのだと

時は僕に時間など与えてなどくれない

決して


*********************************

ここから考察をします。


まず、この曲には、冠詞なしの time と 定冠詞付きの the time が出てきます。

無冠詞の time は、言うまでもなく空間に対する時間です。定冠詞が付くと特定の時間になります。

私は無冠詞の time を「時(とき)」、定冠詞付きの the time を「二人の時間」として訳し分けをしました。


emoticon-0171-star.gifでは解釈が難しかったところについて書きます。


その箇所とはここです。

In time it could have been so much more


疑問は二つです。

●この文の it は何を指すのか?

●この文の構造はどうなっているのか?


普通、it は「先行する名詞や文の内容」を受けて[前方照応的]に使いますよね。しかし、この曲の詞には it が受けているとみられるものが、その前の verse に見当たりません。以下が前の verse です。


---------------------------------------------

Don't put your head on my shoulder

Sink me in a river of tears

This could be the best place yet

But you must overcome your fears


僕の肩にもたれてこないで

僕なんか涙の川に沈んだほうがいい

今も君にはここが一番心地いいのかもしれないけど

自分の恐れを克服しなくちゃだめさ

---------------------------------------------


では次に、「漠然と周囲の環境を指示する it」 だと考えられないかとアプローチを変えてみました。例えば It's hot in here. とか It's raining now. などで使われる it は、「環境の it」と呼ばれるものです。ただ、この it は漠然としたものなので、日本語には訳しませんよね。


一方、In time it could have been so much more における it は、漠然とした何かを指しているのではなく、明らかなる何かを指しています。というのは、「何かが so much more であったはずだ」という文なので、「何か」が明らかでないと文の意味が通らなくなってしまうと思うのです。ということで、環境の it という考え方もできないと思われます。


悩んだあげく、私にはひとつの考えが浮かびました。


もう一度このフレーズが入っている箇所を抜き出してみます。

---------------------------------------------

In time it could have been so much more

The time is precious I know

In time it could have been so much more

The time has nothing to show


時の流れの中で

もっと大切にできたはずさ

僕達の時間は貴重なものだもの


時の流れの中で

もっと大切にしておけばよかった

二人の時間が教えてくれるものは何もないなんて

---------------------------------------------


私が最終的に出した結論は、この it は、[後方照応的]に使われているのではないかというものです。


In time it could have been so much more が出てきた時点では、it は何のことだかわかりません。しかし、そのあとに The time is precious I know とあります。つまり、この it は The time を指していると思うに至りました。。


こう考えることで、2つめの疑問「この文の構造はどうなっているのか?」も一緒に解決できます。


In time it could have been so much more は完全な文ではありません。so much more のあとに何かが省略されています。おそらく形容詞でしょう。


その形容詞とは... precious です。これは、it が後方照応的に The time を受けていると考えればこそ、自然に導き出される理屈です。となると、省略しない文はこんな感じではではないでしょうか。


→ In time it (=the time) could have been so much more (precious than we thought it was).

直訳すると「時の流れの中で、僕達の時間は、僕達が思う以上に大切なものであったはずである」」となります。


そしてこのあとに The time is precious I know僕達の時間は大切なものだよね)と続くのです。


以上の解釈は、it の用法を私が検討した結果、一番しっくりくると思ったものです。


ところで、後方照応の it にすることにより、どのような効果があるのかまでは、私にはうまく解説ができません。しかし、修辞的な効果があるのは確かでしょう。先に it があるわけですから、聞き手は「おやっ、何のことだろう」と思います。次に it が示す the time が出てきて、「ああ、そういうこと」って思うんですね。


※現代英文法講義には「後方照応」ではなく、「順行照応」という言葉で説明されています。

例文)It's a nuisance, this delay. (困っちゃうな、こんなに遅れて)


考察は以上です。


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最後にですが、この歌の詞の中にこんなフレーズがあります。


Time makes lovers feel like they've got something real.

時は恋人達に本物だと思えるものを手に入れた気分にさせる


言い得て妙だと思いませんか?


George は詞の中で核心をついた表現をするのがすごく上手いと思います。

Black Money という曲の中には Somebody else's life cannot be mine. という表現があります。

「おっしゃる通り」って思いながらいつも聴いてます。


現在の George です。

おじさんになっても素敵



by ladysatin | 2017-02-18 22:35 | Music & English_2 | Comments(4)

先日、用事があって外出した際、段取りが狂い時間をつぶさなくてはならなくなりました。そこで映画館に入ったのですが特に観たいものもなく、どれでもいいかと思って目についたのが、「君の名は。」でした。

大ヒットのアニメだとは知っていましたが、興味もなかったので期待もせずに鑑賞しました。観終わって、面白かったというより、色っぽい作品だなと思いました。こんな感想もった人って私ぐらいかもしれませんが、性的な描写は全くないのに色っぽい。セクシーじゃなくて色っぽい。私には三葉と瀧の関係が、いい感じに色っぽくて余韻がよかったです。

いくつかの場面は話の展開が荒いと思いましたが、最後に三葉と瀧が会うシーンは、胸がぐっときました。何年も心のどこかで待ちわびていた人に会えたんですもの。やっとね。

それでこの映画を観終わって、ふと思い出した歌がありました。

ForeignerWaiting for a Girl Like You

1981年の大ヒット曲です。当時よく聞いていました。
探し求めていた女性にやっとめぐりあえたという内容の詞です。

今ごろ詞をじっくり読んでみて不思議な感覚におそわれました。
瀧の三葉への思いが描かれているような気がしたのです。

30年以上も前の曲が「君の名は。」につながるなんてどういうこと?
不思議です。何ともいえない不思議感を味わっています。
この曲を聴きながら瀧と三葉はあれからどうなったのかなって思うのです。

今日は瀧君になったつもりで Waiting for a Girl Like You を訳しました。



さすがに古さを感じる映像ですが、素晴らしい曲だと思います。メロディが抜群にきれい。
Billboard Hot 100 で10週連続2位でした。1位は Olivia Newton-John の Physical…なつかしいな。

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Waiting for a Girl Like You
Written by Lou Gramm and Mick Jones

So long
I've been looking too hard, I've been waiting too long

長かったよ
探して探して、待ち続けていたんだ
あまりにも長い間…

Sometimes I don't know what I will find
I only know it's a matter of time
When you love someone
When you love someone

何が見つかるんだろうってわからなくなることもあるけど
時が解決してくれるってことだけはわかるんだ
誰かを愛するとき
誰かに恋い焦がれるとき

It feels so right, so warm and true
I need to know if you feel it too

本当に求めていたもの…
それはとてもあたたかくて本物だと思える
君も同じように感じているのか知りたい

Maybe I'm wrong
Won't you tell me if I'm coming on too strong
This heart of mine has been hurt before
This time I want to be sure

僕間違ってる?
強引すぎると思うならそう言ってくれないか
傷ついていたこの僕の心
今度こそ確信がほしい

I've been waiting for a girl like you
To come into my life

僕はずっと待っていたのだと
君のようなひとが僕の人生に現れるということを

I've been waiting for a girl like you
A love that will survive

君のようなひと - どんなときも生き抜く愛
それを僕は待っていたのだと

I've been waiting for someone new
To make me feel alive

生きる喜び与えてくれる未知のひと
そのひとを待っていたのだと

Yeah, waiting for a girl like you
To come into my life

そうずっと待っていたんだ
君のようなひとが僕の人生に現れるということを

You're so good
When we make love it's understood
It's more than a touch or a word we say

とても素敵な君
愛し合えばわかるんだ
触れることや交わす言葉以上のものがあるって

Only in dreams could it be this way
When you love someone
Yeah, really love someone

こんな風に思えるのは夢の中だけかもしれない
誰かを愛するとき
心の底から人を愛するとき

Now, I know it's right
From the moment I wake up till deep in the night
There's nowhere on earth that I'd rather be
Than holding you, tenderly

今僕は確信してる
朝起きた瞬間から深い夜が訪れるまで
地球上のどこにも行きたいなんて思わない
ただ君を優しく抱きしめていたいんだ

I've been waiting for a girl like you
To come into my life

僕はずっと待っていたんだ
君のようなひとが僕の人生に現れるということを

I've been waiting for a girl like you
A love that will survive

君のようなひと - どんなときも生き抜く愛
それを僕は待っていたんだ

I've been waiting for someone new
To make me feel alive

生きる喜び与えてくれる未知の人
それが君だったんだ

Yeah, waiting for a girl like you
To come into my life

そうずっと待っていたんだ
君のようなひとが僕の人生に現れるということを

I've been waiting
Waiting for you

君をずっと待ってた
ずっと会いたかった

Won’t you come into my life

僕と共に生きてくれるかい

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本当に瀧君の声のように聞こえてしょうがないの。不思議…。

ところで Foreigner というバンドにはちょっと思い出があります。

Satin の色懺悔…あとで書きます~(^w^)
(その話を聞きたい方がいたらの話ですが。へへっ。)

See you later.
by ladysatin | 2016-12-11 17:13 | Music & English_2 | Comments(6)

本日の訳詞の世界は Boy George & Culture ClubMiss Me Blind です。

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英語学習の記事を期待していた皆さま、ごめりんこ。m(_ _)m

実はこのところ、いきなり80年代にタイムスリップしちゃって Culture Club の過去のアルバムに浸りまくっています。というのも先日、Culture Club がアメリカ NBC の Today Show に出演しているのを YouTube で見ちゃったからなのです。

久しぶりに見た Boy George の素敵だったこと。(*´∇`*)
うっとりしちゃったのです~。

聞けば1999年の5枚目のアルバム以来、16年ぶりの再結成だとか。でも私の中では Culture Club は、86年の4枚目からほとんど活動していないイメージがあるんですよね。今回のは本当の再結成らしく、大規模なツアーを組んでの Reunion♪ なんです。7月から8月にかけて北米ツアーを1か月間やっていたみたいで、どの会場も満員御礼だった模様。アメリカでもこんなに人気があるとは知りませんでした。

★ でっ^^ Satin の思い出タ~イム ★
80年代も色んな音楽を聴きました。その中でとりわけ好きだったのが Culture Club でした。82年がデビューの年だと思います。Do You Really Want to Hurt Me は朝から晩までラジオから流れていたわ。サントリーの CM の Mystery Boy も忘れられません。

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やっぱり何といっても Boy George の美貌にウットリだったのです。

この写真はデビューアルバム当時の22歳頃かな。

George は美しいだけじゃなくて性格もものすごくよい♪ ので、どの音楽雑誌でも大絶賛でした。







セカンドアルバムからは Karma Chameleon が大ヒットして人気を不動のものにします。しかし、3枚目と4枚目がふるわずそこからバンドは休止状態になるんです。George に色々あったからなんですけど、それ以降 George は太りだし、美青年の面影から遠ざかることになります(。>0<。)。でも彼はとても頭の良い人で、話がとっても上手なんですね。だからイギリスのテレビ番組でコメンテーターをやったり、DJ としても成功して、近年は順風満帆だった様子。

そんな中でオリジナルメンバーで再結成したというわけですから、気合の入れ方が違うのです。

今回選んだ Miss Me Blind は Karma Chameleon が入っているセカンドアルバムの中の曲です。
私の大のお気に入り。



これはつい最近のコンサートの模様です。

30年前の美貌の George とはまた違った魅力があって、すごいオーラに吸い込まれてしまいそう。
こんな摩訶不思議なおじさんていないですよね。いや George はもう性を超越しちゃってると思った。
もとから美形ですけど、年をとって髭を生やしてもキレイと思うわ~。
それとあのきれいな声が年齢とともに太く低くなって、さらに声量もまして Amazing Voice

はあ~。George への愛をたくさん語りました。
満足です。(ただの自己満足のミーハー記事でごめんなさいね、皆さん。Sorry...)

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Miss Me Blind

Miss me
I know you'll miss me
I know you'll miss me blind

僕が恋しいんだろう?
わかってるさ
僕がいなくなったら
君は僕が恋しくてたまらなくなるよ

I know you'll miss me
I know you'll miss me
I know you'll miss me blind

そうさ
僕のことが恋しくて
君は何も見えなくなってしまうだろうね

Bet you got a good gun
Bet you know how
To have some fun and then
You turn it around on me
Because I'm better than the rest of the men

君の銃は素敵さ
君は楽しみ方も知ってるもんね
そしてその銃で僕に狙いを定めるんだ
だって僕以上の男なんていないもん

I say you'll miss me
And you always do
I say you'll miss me
Now would I lie to you

だからさ
僕が恋しくてたまらなくなるって言ってるの
いつだってそうだろ?
僕のことが恋しくなるんだって
僕が嘘をつくとでも?

Now there's no need to demand
Grab my golden hand
I'll teach you and you'll never be sure
If the way that you need
Is too much like greed
Decide if you are rich or you're poor

ねえ求める必要はないんだ
僕の黄金の手をつかんでごらん
そしたら教えてあげるよ
だって君には絶対わかりっこないもん
君に必要なのは言わば貪欲さなんだってこと
豊かな方がいい?それとも貧しい方がいい?
決めたらどうなの?

I know you'll miss me
I know you'll miss me
I know you'll miss me blind

僕が恋しくなるに決まってる
知ってるさ
僕がいなくなったら
君は僕が恋しくてたまらなくなるよ

Bet you make the fool run
Bet you know how
To make it last forever
But you know
I'm never really sure
If you're just kissing to be clever

その愚かな奴を暴走させるんだよね
どうすれば永遠に続けさせられるかわかってるんだろ?
だけど僕には本当にわからないんだよね
君がキスするのは利口になりたいからってだけなの?

I say you'll miss me
And you always do
I say you'll miss me
Now would I lie to you

だからさ
僕が恋しくてたまらなくなるって言ってるの
いつだってそうだろ?
僕のことが恋しくなるんだって
僕が嘘をつくとでも?

Now there's no need to demand
Grab my golden hand
I'll teach you and you'll never be sure
If the way that you need
Is too much like greed
Decide if you are rich or you're poor

ねえ求める必要はないんだ
僕の黄金の手をつかんでごらん
そしたら教えてあげるよ
だって君には絶対わかりっこないもん
君に必要なのは言わば貪欲さなんだってこと
豊かな方がいい?それとも貧しい方がいい?
決めたらどうなの?

Because the love
That I have to give
Must be better than that kind
It can make you rich
It can make you poor
But I know that you'll miss me blind

だって僕が与える愛はそんなのよりずっといいに決まってる
君を豊かにもできるし、貧しくもできるんだ
だけど僕がいなくなったら
君がどんなに僕を恋しく思っても
お先真っ暗ってわけさ

********************************
訳詞は以上です。

Culture Club の曲のほとんどは、メンバー全員で書いているようです。この曲もそう。でも詞は George が書いているんです。あとから知った話なのですが、当時、George とドラムスの Jon Moss は付き合っていたんですって。George の書いた曲の多くは Jon とのことを書いているそうよ。この Miss Me Blind にも George が Jon を思う切ない気持ちがいっぱい詰まっているんです。

さて、この曲はセカンドアルバム Colour By Numbers に入っています。アルバムジャケットが上の方にありますが、Culture Club はイギリスのバンドなので colour のスペルがイギリス英語の綴りになっていますね。アメリカ英語だと color(u がない) になります。

Colour By Numbers は塗り絵のことです。英辞郎から引用します。
●color by number
 -〔子ども用などの〕(知育)塗り絵◆絵の各部に数字が書いてあり、それに従って着色すると絵が完成する。

★I know you’ll miss me blind - 僕のことが恋しくて君は何も見えなくなってしまうだろうね

miss me blind という表現が詞の中に何度も出てきます。
わかりにくいのは blind の用法です。これはちょっと悩みました。

miss me は難しくないですよね。I miss you. は「あなたがいなくて私は淋しい。あなたを恋しく思う。」ですね。
blind はというと miss me の後ろにあるから副詞のように見えます。

英和を見てみると、blind の副詞の用法が載っています。ジーニアスから引用します。
●blind - (略式)意識を失うほど、完全に、すっかり 
     用例)be blind drunk へべれけに酔っている

これを miss me blind に当てはめると「意識を失うほどものすごく僕のことを恋しく思う」となり、何となくおさまるようですが、英英辞典を見ると blind drunk は決まりきった表現のようでした。これ以外に blind を extremely の意味で使う用法は見つかりませんでした。なので副詞ではないと思います。

他に選択肢があるとしたら、blind はただ、miss me に補足情報として付いてるんじゃないかということです。文法用語で言えば 結果を表す分詞構文 になります。being blind の being を省略した形と考えるとよいのではないでしょうか。となると blind は形容詞になります。

つまり...
you’ll miss me blind = you’ll miss me, being blind
私はこの考え方が一番しっくりきました。
意味するところは、「僕のことを恋しく思うあまり、その結果、君は何も見えなくなってしまう」です。

★the way that you need is too much like greed - 君に必要なのは言わば貪欲さなんだってこと

この箇所はやや意訳ぎみです。直訳は「君に必要なやり方は限りなく貪欲に似ているものだ」という感じです。

●too much like  《be ~》~にあまりにも似ている (英辞郎より)

あと他にも書きたい事あるんですけど、この歌は多分に sexual な意味が入っているんだろうなと思う表現があって、ここに書くのはヤバイかもってことでこのへんにしておきます。σ(^_^;)

ということで Miss Me Blind はこれにて一件落着。
One down でござ~る。emoticon-0100-smile.gif

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ついでながら Miss Me Blind の当時の PV がこちらです。


これ、日本語がたくさん出てきてかなり笑えます。
着物の日本人女性は George のお友達なんだとか。
最後に金閣寺(?)が燃えているんですが、そこで「メラメラと燃えている~」という声が入っています。

意味不明のビデオですが、George はやっぱりかわいいです。(o^-^o)

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これからしばらくサテンは George の動向を追いかけることにいたします。

日本にも来てほしいなあ。マダ?o(^o^)oマダ?









★2016年6月17日の追記★
George が来るのよ来るのよ~♪
サテンは6月24日のフェスティバルホールに行くよ~♪
SS席とったどー。
楽しんできます~emoticon-0157-sun.gif
by ladysatin | 2015-09-05 21:21 | Music & English_2 | Comments(10)

今日は Up Where We Belong の詞を考察してみたいと思います。

和訳はこちらです
→ 訳詞の世界~Up Where We Belong 愛と青春の旅立ち - Joe Cocker & Jennifer Warnes(和訳)

実は訳詞をアップしてから何度も書き直しています。(>-<)
というのも読めば読むほどに難しいところがあるから。
例の Love lift us up where we belong のくだりなんですが、ようやく自分なりに結論が出ました。
お正月の間、ずっと考えていたのよ~。(涙)

この曲は Will Jennings さんが作詞をしています。Celine Dion の My Heart Will Go On を書いた方ですね。それと Eric Clapton の Tears in Heaven の一部も Jennings さんによるものです。作詞家としてはすごい方なので、この曲も深いことこの上ないのです。

かいつまんで...と思っていましたが、どのフレーズも詳しく検討したいので、久しぶりに全部の詞を考察します。

では、最初からみていきましょう。emoticon-0100-smile.gif

*********************
Who knows what tomorrow brings
In a world few hearts survive

明日が何をもたらすかかなんて誰にもわからない
心がくじけてしまいがちな世界では...
*********************

★Who knows what tomorrow brings in a world few hearts survive?
この導入部分は反語になっていますね。

●Who knows ~? 誰に~がわかるだろうか?誰にもわかるわけがない。
この形は口語でも頻出です。断定を強調するためにあえて疑問文にしてあるんですね。

●in a world few hearts survive
原義は「ほとんどの心が行き残ることのない世界では」となりますが、直訳ではあんまりかなと思い、「心がくじけてしまいがちな世界では」としてみました。もっと良い訳があったら教えてください。

注意したい点は、in the world でも in this world でもなく in a world となっているところです。またまた出てきた不定冠詞の a です。そう、不定冠詞だということは、特定のものではなく一般論として書かれているんですね。「私達が生きているこの世界」のことではなく、「ほとんどの心が生き残ることのない、そのような世界にあっては」ということです。冠詞は英文読解において常に注意を要します。

もうひとつの注意点ですが、この箇所は関係副詞の where が省略されているようです。
省略しない形 → in a world where few hearts survive

関係副詞 where の省略についてロイヤル英文法には、「where は省略不可とする人が多いが、くだけた言い方で、先行詞が place の場合に that が用いられ、それが省略されることがある。」とあります。ここでの先行詞は world ですが、world が場所を表しているのは一目瞭然ですから、place と同じように考えてよいと思います。

*********************
All I know is the way I feel
When it's real, I keep it alive

僕にわかるのは
自分の感じるがままにということだけなんだ
それが本物であるとき
生かし続けたいと思う
*********************

★All I know is the way I feel
the way I feel は直訳すると「私の感じ方」になります。おそらくinstinct(本能)のことだと思いました。

★When it's real, I keep it alive
ここでの it は前文の the way I feel を受けていますね。
「自分の本能が正しいと思う時は、それを大切にしていくんだ」と言いたいのではないでしょうか。

●keep ... alive
~を生かしておく、~を維持する、~を存続させる、(人)を延命させる (英辞郎より)

*********************
The road is long
There are mountains in our way
But we climb a step every day

その道は長くて
僕らの前には山が立ちはだかっている
だけど登っていくんだ
毎日一歩ずつね
*********************

この箇所はそんなに難しくないですね。

★There are mountains in our way
ここの in our way は文字通り「私達の行く道には」でいいと思います。
in the way と混同しないようにしたい。in the way であれば「山が邪魔をしている」という意味になるでしょう。

さてさてぇ...
次が泣きそうなほど難しかったところです。(T△T)

*********************
Love lift us up where we belong
Where the eagles cry
On a mountain high

愛が僕らをいるべき場所へと高めてくれたらと願う
そこは山高く鷲の声が響きわたるところ
*********************

★Love lift us up where we belong
う~ん、とうなってしまったのが「この文には何で三単現の s がついてへんの?」って思ったから。

Love が主語だから lifts じゃないの?って思いません?
私はこれてっきりタイポだと思っていたんです。実際にネットでこの歌の詞を検索すると lifts でも出てくるんです。

しかし... lift なんです。Joe と Jennifer の歌も、他の歌手がカバーしているのを聴いても lifts と発音していません。
lift です。

ということでこれは悩みまくりでした。lift でもロジックが成立するのはどんなときだろう?

可能性としてひとつ思ったのは、これって命令文じゃないの?っていうことでした。
Love は呼びかけだと考えられるかも。

命令文だと考えると...
Love lift us up where we belong 愛よ、僕らがいるべきところに高めてください

どうかなあ。でも命令文だとしたら、Love のあとにコンマが必要ですよね。でもコンマはどうもないみたいよ。

で、おそらくこれだと思ったのが祈願文
仮定法現在の用法で古い表現になるんですが、以下の文は誰でも一度は聞いたことがあると思います。
God bless you! あなたに神のお恵みがありますことを!
この文は 助動詞の may を使って書き替えることができます。→ May God bless you!

このように祈願文では、動詞は原形のままです。この考え方だとうまくつながりそうに思えて私の訳はこうなりました。
★Love lift us up where we belong - 愛が僕らをいるべき場所へと高めてくれたらと願う

訳のぎこちなさに不満はありますが、祈願文であることはおそらく間違いないんじゃないかと思っています。

ところでこの where の品詞は関係副詞?それとも接続詞?(・-・)・・・ん?

関係副詞だとすれば先行詞の to the place が省略された形と考えることができますね。
= Love lift us up (to the place) where we belong


一方、場所の副詞節を導く接続詞という考え方もできます。ジーニアスでは接続詞の範疇に入れています。安藤先生の現代英文法講義では、自由関係副詞(P201)という言い方がされています。

このように文献によってとらえ方は様々です。いずれにしても意味がきちんととれていることが大切かなと思います。

さて、その次の Where なのですが、私は関係副詞の非制限用法だと考え、以下のように訳しています。
★Where the eagles cry on a mountain high - そこは山高く鷲の声が響きわたるところ

*********************
Love lift us up where we belong
Far from the world we know
Up where the clear wind blow

愛が僕らをいるべき場所へと高めてくれたらと願う
そこは僕らが知る世界から遠く離れ
澄んだ風が吹くところ
*********************

この箇所も基本的に前述と同じ考え方で訳しています。

次です。
*********************
Some hang on to used to be
Live their lives, looking behind

昔の自分を拠り所にする人もいる
後ろを振り返って生きている人達
*********************

ここで大切なところは used to be が名詞として使われているところでしょうか。
●used-to-be  - 〈話〉盛り[全盛期・絶頂期]を過ぎた人[物]、過去の人 (英辞郎より)

●looking behind - 後ろを振り返りながら
付帯状況の分詞構文ですね。

*********************
All we have is here and now
All our life, out there to find

私達にあるのはこの場所
そして今という時だけ
生きているという実感
そのすべてを見つけたい
*********************

★All we have is here and now
この文を受けて下につながります。

★All our life, out there to find
ここは訳が難しかったです。構造は All our life, which is out there to find でしょう。
out there はその前の here との対比だと思います。私達にあるのは here だけど、生きているという実感は here にはなくて、「ほら out there - そこにあるのよ」って言いたいのではないかと思いました。

私の訳「生きているという実感、そのすべてを見つけたい」にその思いが表れているかどうか。直訳が基本の私ですが、かなり意訳気味になっているところがいまいちです。

**************
Time goes by
No time to cry
Life's you and I
Alive today

時は過ぎていく
泣いてる時間なんてない
人生とは君と僕のことなんだ
今日という日を生きているんだ
***************

この部分はとても力強いメッセージになっていますね。
注目したいのは Alive today のところ。Live today ではないんですね。alive は形容詞で live は動詞です。
We are alive today. と We live today. はどちらも「私達は生きている」という訳が成立しますが、伝えるニュアンスは大きく異なります。

live は「静」、alive は「動」。
つまりここで alive を使うことによって、活力のある、生き生きとした、喜びのある生を感じとることができます。

ふぅ~ emoticon-0141-whew.gif
Will Jennings さんの詞は、深すぎてめまいがした私でございました。
まだ読み込みが足らないところがあると思いますが、これにて一旦終了。

明日は仕事始めの方も多いかな。私もそうです。
また一年お仕事がんばりましょう。
& 今年もサテンのブログを宜しくお願いいたします。

(^_-)-☆
by ladysatin | 2015-01-04 16:18 | Music & English_2 | Comments(4)

年末になって Joe Cocker さんの訃報が飛び込んできました。

今年のブログは店じまいしますと言っておきながら、あの歌をどうしてもアップしたくてやっぱり書いてしまいます。



泣きそうです。
R.I.P. Joe

************************
Up Where We Belong
愛と青春の旅立ち


Who knows what tomorrow brings
In a world few hearts survive

明日が何をもたらすかかなんて誰にもわからない
心がくじけてしまいがちな世界では...


All I know is the way I feel
When it's real, I keep it alive

僕にわかるのは
自分の感じるがままにということだけなんだ
それが本物であるとき
生かし続けたいと思う

The road is long
There are mountains in our way
But we climb a step every day

その道は長くて
僕らの前には山が立ちはだかっている
だけど登っていくんだ
毎日一歩ずつね

Love lift us up where we belong
Where the eagles cry
On a mountain high

愛が僕らをいるべき場所へと高めてくれたらと願う
そこは山高く鷲の声が響きわたるところ

Love lift us up where we belong
Far from the world we know
Up where the clear wind blow

愛が僕らをいるべき場所へと高めてくれたらと願う
そこは僕らが知る世界から遠く離れ
澄んだ風が吹くところ

Some hang on to used to be
Live their lives, looking behind

昔の自分を拠り所にする人もいる
後ろを振り返って生きている人達

All we have is here and now
All our life, out there to find

私達にあるのはこの場所
そして今という時だけ
生きているという実感
そのすべてを見つけたい


The road is long
There are mountains in our way
But we climb a step every day

その道は長くて
僕らの前には山が立ちはだかっている
だけど登っていくんだ
毎日一歩ずつね

(Chorus)

Time goes by
No time to cry
Life's you and I
Alive today

時は過ぎていく
泣いてる時間なんてない
人生とは君と僕のことなんだ
今日という日を生きているんだ

(Chorus)

************************************

訳は以上です。

ところで...
Love lift us up where we belong
この文はすごいことになってたことに今頃気づいてしまいました。

以下で深く考察していますので、よかったら読んでくださいね。
→ Up Where We Belong 愛と青春の旅立ち - 訳詞考察

*************************************
by ladysatin | 2014-12-24 22:56 | Music & English_2 | Comments(4)

Desperado の記事は全部で3回のシリーズです。
是非、初回の訳詞から読んでくださいね。

こちらです。→ 訳詞の世界~Desperado – The Eagles(和訳)

今日は Desperado の後半を考察します。

トランプの台の上には色んなカードが並んでいます。
ダイヤのクイーンではなくてハートのクイーン選ぶんだと友人が Desperado にさとしたところまで前回はやりました。では次のところです。

*******************************
Now it seems to me, some fine things
Have been laid upon your table
But you only want the ones that you can’t get

ほらテーブルの上には
いいカードが並んで待っているように僕には思えるんだ
だけど君は手に入らないものを求めるばかりだね
*******************************

★Now it seems to me, some fine things have been laid upon your table
ほらテーブルの上にはいいカードが並んで待っているように僕には思えるんだ

この文では have been laid (現在完了の継続)が使われています。
いいカードが「ずっとそこにある」ということですね。
「なのに君は気付かないのかい?」という含みがあるように思います。

*******************************
Desperado, oh, you ain’t gettin’ no younger
Your pain and your hunger, they’re drivin’ you home
And freedom, oh freedom well, that’s just some people talkin’
Your prison is walking through this world all alone

デスペラード
時が遡るってことはないんだよ
君の痛みや飢え
それらが君を心休まる場所へと駆り立てる

そして自由、ああ自由か、そうだな
そんなこと話す奴もいるってだけのことさ
君は檻に入ってこの世を歩き回っているんだから
たった一人でね
*******************************

★Desperado, oh, you ain’t gettin’ no younger

この部分はを正しく書くと
You are not getting no younger
となるので、一見、二重否定のようにみえますね。
二重否定と考えると結局 You are getting younger (君は若くなっている)となるけれど、意味をなしません。
本当は not で否定しているから no は不要なんですが、否定を強調するために no を入れたんだと思います。

私の訳は「時が遡るってことはないんだよ」としましたが、「君が若くなるなんてことはないんだ」が原義です。

Your prison is walking through this world all alone -①
この文は最初不思議でした。「檻が歩いている」なんて変ですよね。
もしかして正しい文はこれではと思ったのが以下の文です。

You are a prisoner walking through this world all alone -②
これだと「君はこの世界をたったひとりで歩いている囚人なのだ」となり大変わかりやすいんです。

実は Desperado はリンダ・ロンシュタットも歌っているのですが、リンダは②の文ではっきり発音しています。
しかし、イーグルスの音源は何度聞いても両方に聞こえるんです。

そこで、前回のコンサートの音源を聴いてみたら、ドン・ヘンリーはやっぱり①で歌っていました。
なぜ普通に②にしなかったのかわかりませんが、①の表現に相当のこだわりがある。。。とみました。(^^)

*******************************
Don’t your feet get cold in the winter time?
The sky won’t snow and the sun won’t shine
It’s hard to tell the night time from the day
You’re losin’ all your highs and lows
Ain’t it funny how the feeling goes away?

冬になると足が冷たく感じないかい?
空が雪を降らせることはなく、太陽も輝かないなんて
昼と夜を区別することも難しいんだね
心の浮き沈みというものを君は全て失いつつあるよね
そんな感覚がなくなってしまうなんておもしろいことなんかじゃないだろう?
*******************************

★The sky won’t snow and the sun won’t shine

この文で使われている snow は自動詞ですから「雪が降る」という意味です。
普通は「雪が降る」というときには主語に It を使いますよね。
It snows. It will snow....

なのにここでは The sky が使われています。
これはもちろんあとに続く the sun との対比で用いられているわけですが、the sky が主語だということは「空は」に続けては「雪を降らさない」とするしかない。つまりここでの snow は自動詞でありながら、日本語にすると他動詞のように訳すしかありません。おもしろいと思いませんか。

★It’s hard to tell the night time from the day

ここは定番の表現 tell A from B が使われています。
tell A from B ・・・ A と B の区別をする。
tell = distinguish

★You’re losin’ all your highs and lows

highs and lows の意味(ジーニアスより)
- 浮き沈み、栄枯盛衰 (ups and downs)

この文で感じられることは、人生というのはよかったり悪かったりするものだけど、「今日はいい日だったなあ」とか「あまりついてなかったな」とかいう感覚を、Desperado が失いつつあるということを言っているように思いました。

★Ain’t it funny how the feeling goes away?

この文は注意が必要です。
feeling は「感情」としがちなのですが、「感情」ではないんです。

●「感情」の意味になるのは複数形の feelings のときだけ。
ここでは feeling は単数なので、不可算名詞の「感覚」ともとれるし、可算名詞の「感じ、意識」と考えてもよいと思います。

私の訳では「そんな感覚がなくなってしまうなんて...」としてみました。

最後のパートです。
*******************************
Desperado, why don’t you come to your senses?
Come down from your fences, open the gate
It may be rainin’, but there’s a rainbow above you
You better let somebody love you, before it’s too late

デスペラード
正気に戻ったらどうだい?
柵から下りてきて門をあけなよ
雨が降っているかもしれない
だけど君の頭上には虹が広がっている
誰かに愛してもらうんだ
今ならまだ間に合うのだから。。。
*******************************

最初のフレーズに戻りました。

★Desperado, why don’t you come to your senses?
この部分は前回考察しましたので、まだ読んでらっしゃらない方は読んでくださいね。
「正気に戻れよ」って言ってます。

★Come down from your fences, open the gate

これも前回考察しましたが、sit on the fence は「日和見的な態度をとる」でした。
「そんな日和見的な態度はやめて心を開きなさい」という気持ちが表れていると思います。

★It may be rainin’, but there’s a rainbow above you

お天気ばかり見ていた Desperado ですから、「もし門の外が晴れていなかったら。。。」という思いがあります。それに対して友人は「そりゃ雨だって降っているだろうさ」と言う。

だけど心配しなくていい。だって「君の頭上には虹がかかっているじゃないか」って励ましているんですね。

前回考察したように、最初の ridin' fences があるから、It may be rainin' が生きています。

★You better let somebody love you, before it’s too late

この締めくくりは泣けてきます。
「自分から誰かを愛しなさい」ではないんです。
「あなたを愛する態度をとった誰かにそうさせておきなさい」と言っています。

Desperado にいきなり「誰かを愛せ」と言っても無理なんでしょう。「まずは、人からの愛に素直になり、それを受け止めるんだ」と言っているように思いました。「拒絶からは何も始まらないよ」ということなのではないでしょうか。

before it’s too late は「手遅れになる前に」が原義ですが、励ましの意図を私は感じたので、「今ならまだ間に合うのだから」と逆の読み方で意味をあてています。

というわけで Desperado の考察は以上です。

読んでくださった皆様
ありがとうございます。emoticon-0100-smile.gif
by ladysatin | 2014-05-10 19:48 | Music & English_2 | Comments(47)

Desperado の記事は全部で3回のシリーズです。
是非、初回の訳詞から読んでくださいね。

こちらです。→ 訳詞の世界~Desperado – The Eagles(和訳)

そうそう、今気付いたのですが、Eagles には定冠詞の The が付くのが正式なんですね。
The Rolling Stones や The Beatles と同じです。

一方、Bon Jovi, KISS, Aerosmith などには The が付きません。

なぜでしょうか?

●これについて現代英語冠詞事典(大修館書店)にはこう書いてあります。
「文脈に依存しないで、「文化」あるいは「常識」」に基づいて、複数形に the が付けられる。」
その理由としては、「構成物(構成員)が同定可能であるため」ということです。

つまり、The Beatles の構成員は、Paul, John, George and Ringo の4人って決まってるから The が付くということなんですね。Bon Jovi は複数形ではないので The は付けるわけにはいきません。

前置きが長くなりました。(^^)

では Desperado の考察です。

皆さんはこの曲に描かれている Desperado ってどんな人だと思われましたか。
私はざっと詞を読んでみて、人生に絶望して自分の殻に閉じこもっている人のような印象を受けました。

ところが、言葉の意味を調べていくうちに考えが少し変わりました。

最初のところから見ていきましょう。
****************************
Desperado, why don’t you come to your senses?
You been out ridin’ fences for so long now

デスペラード
正気に戻ったらどうだい
もうずいぶん長いこと空をながめては思案しているようだね
*****************************

★Desperado, why don’t you come to your senses?

●come to your senses (Cambridge Idioms Dictionary より)
 - to start to understand that you have been behaving in a stupid way
  「愚かな振る舞いをしてきたことを理解し始めること」

すごくわかりやすいですね。もうひとつ今度は英和から。

●come to one’s senses: 正気に戻る(研究社の新英和中辞典より)

さて次の表現がこの曲を読み解く重要な箇所でした。
★You been out ridin’ fences for so long now

ここは文字通り訳せば「長い間、柵(フェンス)にのっている」となりますが、私は「もうずいぶん長いこと空をながめては思案している」としました。意訳かと思われるかもしれませんが、意訳ではないんです。

今回、初めて知ったのですが、ジーニアスでこんな表現に出くわしました。
●be on the fence, sit [stand] on the fence: (略式)日和見的な態度をとる

これを見て ride fences はこの変化形だと確信しました。それは以下の理由です。

「日和見」について広辞苑ではこう定義しています。
①天気模様を見ること
②事の成り行きをみて有利な方につこうと形勢をうかがうこと


ということは、デスペラードは、自分の利益になる方向に行こうと思いをめぐらしているんです。
どっちに行ったら自分にとって有利かと考えている計算高い人なのだということが読み取れます。

そして、広辞苑の①の意味の通り、デスペラードはお天気を見ていました。
最後のフレーズで、まさしく天気の話をしています。

★It may be rainin’, but there’s a rainbow above you
雨が降っているかもしれない
だけど君の頭上には虹が広がっている

このフレーズ It may be rainin' は適当に作ったわけではなくて、デスペラードが日和見ばかりしているからこそ、意味のある言葉として使われているんですね。

点と点がつながりました。感激です。(^O^)

もうちょっとやります。
***************************
Oh, you’re a hard one
I know that you got your reasons
These things that are pleasin’ you
Can hurt you somehow

全く気難しい奴だな
君なりの理由があるのは僕にもわかっているけど
君を喜ばせているそうした理由ってやつが
どういうわけか君を傷つけることだってあるんだよ
****************************

★Oh, you’re a hard one
ここの hard の意味なんですが、最初は「頑固な」という訳を当てていました。しかし、さっきの日和見的な人だということがわかって、この人は頑固ではないと思い直しました。自分の都合のよい方に流れる人です。頑固な人は自分の考えを曲げませんが、この人はそうではない。

そこで hard には色々な意味があるのですが、この場合は「気難しい」がよさそうです。
hard = difficult のこと

「頑固」と「気難しい」は意味が全く違います。広辞苑で調べてみると似て非なるものだとわかります。

●頑固 – かたくなで意地っ張りなこと。人の言うことや情勢の変化などを無視して、それまでの考えや態度を守ろうとすること。
●気難しい - 自分の考えや感情にこだわり、たやすく人に同調しない。神経質である。

このように「気難しい」は他人にたやすく同調しないという意味なので「頑固」に似ていますが、自分の考えや感情にこだわるので、あっちの水がおいしいと思えばあっちを選びます。
日和見と矛盾しないですよね。

***************************
Don’t you draw the queen of diamonds, boy
She’ll beat you if she’s able
You know the queen of hearts is always your best bet

なあ、ダイヤのクイーンは絶対引くなよ
そいつに力があれば君をひっぱたくだろうね
いつだってハートのクイーンが確実なんだって知ってるだろう?
****************************

ここではダイヤとハートが出てきました。
ダイヤのクイーンではなくてハートのクイーン選べと言っていますね。

思い出したのですが、Sting の Shape of My Heart の中にもダイヤとハートがでてきます。
以前の記事に少し書いています。→ Shape of My Heart – Sting 訳詞考察(2回目)

ダイヤ  ・・・貨幣 → 商業
ハート  ・・・聖杯 → 聖職者


★She’ll beat you if she’s able
そいつに力があれば君をひっぱたくだろうね

この訳はまさに直訳です。
She はダイヤのクイーンなのですが、トランプの中から出てきて彼をひっぱたくなんてできません。
だからここは仮定法過去 if she was able になっていると私は解釈しました。
「もし彼女が実在してひっぱたくことができるとすれば」という感じになるかと思います。
そして、主節が would でなく will なのは「その場合は必ずひっぱたくはず」という強い推量の表れだと思います。

★You know the queen of hearts is always your best bet

●ここでの bet の意味(ジーニアスより)
 - [形容詞と共に]行動の仕方、取るべき策;期待にこたえる人[物]
例)a good [one’s best, the best] bet - うまく行きそうな[最も確実な]方策

bet にこんな意味があるとは知りませんでした。

では前半の考察は以上です。
残りを次回やります。

また皆さん読みにきてくださいね。

emoticon-0100-smile.gif
by ladysatin | 2014-05-06 20:46 | Music & English_2 | Comments(14)

●2017年1月11日の追記●
Desperado の記事を読んでくださる皆様へ

ご訪問ありがとうございます。

このところ You been out ridin’ fences の解釈についていくつかご意見をいただいています。私の解釈は、Desperado に関する様々な文献を読み、ネィティブが議論しているサイトを読んだ上で、自分が一番納得できた解釈です。しかし、異論を唱える方もいらっしゃると思います。そのような方々におかれましては、どうかご自身の解釈を大切にしていただければと思います。私の記事はご参考までにされてください。

************************************
(元の記事はここからです。)

You been out ridin’ fences の意味はとっても深かった。。。

久しぶりに訳詞の世界にひたります。

EaglesDesperado
いい曲ですね~。

この曲は、1973年の Eagles の同名のアルバムに入っています。
私が Eagles を初めて聴いたのは1975年の One of These Nights からでした。
なので Desperado はリアルタイムでは聴いていません。
まだ洋楽を聴くほど成長していませんでしたので。(^^)

久しぶりに Eagles のセカンドアルバム Desperado(ならず者)を聴き直してみて、やっぱり良い曲だと再認識しました。

★Desperado を辞書で引くと。。。
((古)) (通例米国開拓時代の)無法者、ならず者


なるほど。この曲が入っているアルバムの邦題「ならず者」は直訳だったんですね。

もともと desperado という単語は、スペイン語の desesperado の古形なのだそうです。
desesperado は「絶望した」という意味だそう。

そういえば、英語の despair は「絶望」、desperate は「絶望的な」という意味です。
スペルが似ているということは、語源が同じということなのかなと思います。

さて、イーグルスの Desperado について英語版の Wikipedia から引用、訳してみます。
****************************
Desperado is the second studio album by the Eagles. It was recorded at Island Studios in London, United Kingdom and released in 1973. Desperado is a concept album, based on the Dalton gang and the Old West.

デスペラードは、イーグルスのセカンドアルバム。1973年、英国ロンドンのアイランドスタジオでレコーディングが行われた。ドルトン・ギャング西部開拓時代をベースにしたコンセプトアルバムである。

The band members are featured on the album's cover dressed like an outlaw gang; Desperado remains the only Eagles album where the band members appear on the cover.Although the title track is one of the Eagles' signature songs, it was never released as a single.

バンドのメンバーはアウトローのギャングに扮し、アルバムジャケットを飾っている。メンバーがジャケットに登場した唯一のアルバムがデスペラードである。このタイトルトラックはイーグルスを特徴づける歌だが、シングルとしてリリースされたことは一度もない。(引用ここまで)
*******************************

上記の引用文中の青文字のところちょっと解説します。

Dalton gang について Wiki にはこう書かれていました。
The Dalton Gang was a group of outlaws in the American Old West during 1890–1892.
「ドルトンギャングとは1890年から1892年にかけて西部開拓時代に存在した無法者の一団である。」

そういえば、アルバムの1曲目に DOOLIN-DALTON という曲があります。
この Doolin とは ドルトンギャングに所属していた Bill Doolin という人のことのようです。

Old WestAmerican Old West(西部開拓時代)のことです。
西部開拓時代とは、19世紀(特に1860年代に始まり1890年のフロンティア消滅まで)における、北アメリカの時代区分の一つ。(Weblio より引用)

さてさて訳詞にまいります。^^

Desperado という曲は、シンプルな英語で書かれてあってわかりやすいのですが。。。

でも、実はとっても奥が深かったんです。emoticon-0138-thinking.gif

最初の You been out riding fences...
このフレーズは、最後の It may be raining に深く結びついているんです。
今回それに気づいてびっくりしちゃった。o(@.@)o

そのあたりも交えて、次回から力をいれて詞の内容を考察しています。
考察は2回ありますので、以下をクリックして読んでいただけたらうれしいです。♪

→ Desperado - The Eagles 訳詞考察(1回目)
→ Desperado - The Eagles 訳詞考察(2回目



このコンサートはいつのだろう。
すごく素敵です。
心にしみわたります。

***********************

Desperado


Desperado, why don’t you come to your senses?
You been out ridin’ fences for so long now


デスペラード
正気に戻ったらどうだい
もうずいぶん長いこと空をながめては思案しているようだね

Oh, you’re a hard one
I know that you got your reasons
These things that are pleasin’ you
Can hurt you somehow


全く気難しい奴だな
君なりの理由があるのは僕にもわかっているけど
君を喜ばせているそうした理由ってやつが
どういうわけか君を傷つけることだってあるんだよ

Don’t you draw the queen of diamonds, boy
She’ll beat you if she’s able
You know the queen of hearts is always your best bet

なあ、ダイヤのクイーンは絶対引くなよ
そいつに力があれば君をひっぱたくだろうね
いつだってハートのクイーンが確実なんだって知ってるだろう?

Now it seems to me, some fine things
Have been laid upon your table
But you only want the ones that you can’t get


ほらテーブルの上には
いいカードが並んで待っているように僕には思えるんだ
だけど君は手に入らないものを求めるばかりだね

Desperado, oh, you ain’t gettin’ no younger
Your pain and your hunger, they’re drivin’ you home
And freedom, oh freedom well, that’s just some people talkin’
Your prison is walking through this world all alone


デスペラード
時が遡るってことはないんだよ
君の痛みや飢え
それらが君を心休まる場所へと駆り立てる

そして自由、ああ自由か、そうだな
そんなこと話す奴もいるってだけのことさ
君は檻に入ってこの世を歩き回っているんだから
たった一人でね

Don’t your feet get cold in the winter time?
The sky won’t snow and the sun won’t shine
It’s hard to tell the night time from the day
You’re losin’ all your highs and lows
Ain’t it funny how the feeling goes away?


冬になると足が冷たく感じないかい?
空が雪を降らせることはなく、太陽も輝かないなんて
昼と夜を区別することも難しいんだね
心の浮き沈みというものを君は全て失いつつあるよね
そんな感覚がなくなってしまうなんておもしろいことなんかじゃないだろう?

Desperado, why don’t you come to your senses?
Come down from your fences, open the gate
It may be rainin’, but there’s a rainbow above you
You better let somebody love you, before it’s too late


デスペラード
正気に戻ったらどうだい?
柵から下りてきて門をあけなよ
雨が降っているかもしれない
だけど君の頭上には虹が広がっている
誰かに愛してもらうんだ
今ならまだ間に合うのだから。。。

by ladysatin | 2014-05-01 17:36 | Music & English_2 | Comments(45)

思い出しましたが Jackson Browne はイーグルスの Take It Easy を作った人です。Glenn Frey との共作だったかしら。あの曲はとても有名ですね。

さて今日は The Load-Out / Stay の考察をしたいと思います。
文法・語法の観点から大切な表現だと思うところだけピックアップしていきます。

訳詞を読まれていない方はこちらからどうぞ。
訳詞の世界~The Load-Out / Stay - Jackson Browne

では最初のところ。
*********************************
Now the seats are all empty
Let the roadies take the stage
Pack it up and tear it down
They're the first to come and the last to leave
Working for that minimum wage
They'll set it up in another town

客席は全部空っぽになったね
あとはローディーにまかせよう
ステージを片付けて解体する
一番最初にやってきて一番最後に出る人たち
最低賃金を得るために働いている
彼らはまた別の町でステージをセットしてくれるんだ
**********************************

ここは、ローディーのことをうたっています。

★Pack it up and tear it down
この it はその前の stage を受けています。

イディオムとして覚えておくといいですね。
英辞郎より抜粋
pack up --- (送るために物を)荷造りする、梱包する、片付ける
tear down --- (建物などを)取り壊す、解体する


★Working for that minimum wage
この箇所は「最低賃金で働いている」とすると誤訳とまではいきませんが正確な訳ではないです。
大学入試だったら減点されますね。
ここでの for は「...を求めて、得ようと」という意味ですから「最低賃金を得るために」となります。

****************************
Now roll them cases out and lift them amps
Haul them trusses down and get'em up them ramps
'Cause when it comes to moving me
You know you guys are the champs

今からケースを転がして、アンプを乗せて運ぶ
トラスを引っ張り下ろして、傾斜台に乗せる
だって僕のステージを移動させるとなると
君たちは最高の仕事をしてくれるからね
***************************

ここもローディーの描写です。
あれっと思ったのは、上に赤でハイライトしている them の使い方。
おかしいよね。間違いでしょ?。。。と思って調べてみたら、この them は those のことでした。
非標準の言い方なのです。

ジーニアスより
them...(非標準)[名詞の前で]それらの(those の代用)

ということは、正規の文法にのっとるとこうなります。
Now roll those cases out and lift those amps
Haul those trusses down and get'em up those ramps

さてここは力をいれて解説します。emoticon-0139-bow.gif

★Haul them trusses down
ここの表現なんですが、「トラス truss を引っ張って下ろす」って何のことだろうと思って調べました。そしたら、トラスというのは舞台の骨組みのことのようです。Googleでいっぱい写真がでてきたので貼り付けますね。

f0307478_21224312.jpg
f0307478_2124052.jpg


う~ん。全く知りませんでした。舞台装置に詳しい方はよくご存知かもしれません。

★and get'em up them ramps
ここの訳なのですが ramp は傾斜台のことなんです。だから「(トラス)を傾斜台に乗せる」でいいと思います。傾斜台の写真も乗せておきますね。

f0307478_21263654.jpg


こんな感じで車にひっかけて荷物の上げ下ろしをするあの傾斜台のことだったんですね。





CD に入っていた訳は「照明のランプを外す」でした。これは誤訳なのですが、この訳をした翻訳者の方は ramp を lamp と解釈してしまったようです。また get'em up = get them up だから「外す」という訳になるわけがありません。ここばかりはプロであれば考えられない誤訳です。素人さんなら私も指摘などしませんが。。。

★'Cause when it comes to moving me, you know you guys are the champs

ここは「 when it comes to + 名詞(動名詞)」の構文ですから「~のことになると、~に関して言えば」という意味です。ということは「だって、僕を動かすとなると、君たちはチャンピオンだ。」となるのだけれど意味が通りません。いろいろ考えたあげく、ここで使われている me は「僕も含めた僕のステージ」と解釈できると思いました。その前の描写からもきれいにつながるし、なによりもステージとは彼そのものだからです。

ここの訳は「だって僕のステージを移動させるとなると、君たちは最高の仕事をしてくれるからね」としました。

★So just make sure you’ve got it all set to go before you come for my piano
「だから出発の準備が全部整ったか確認してきてね
僕のピアノを運びだす前に」

ここの you’ve got it all set to go のところは使役になっていますね。
高校で学ぶ「have + 物(=it) + 過去分詞(=set)」の形です。

口語表現の have got = have だから
= you have got it all set to go
= you have it all set to go
と考えるといいです。

all set to go はこのままのフレーズで覚えるといいです。
意味は「出発する[出掛ける]用意[準備がすっかりできている(英辞郎より)」
この all は副詞で「完全に、すっかり」の意です。

★We've got truckers on the CB
「CB無線からはトラックドライバーの声」

この CB はcitizen’s band のことで「市民バンド、CBラジオ、CB無線、市民無線」のことです

Wikiに載っていました。市民ラジオのページにこう書かれてありました。
元々はアメリカ合衆国で1960年代に登場し、アメリカにおいては5~10Wの出力が許されている。
1970年代に大型トラックの運転手を中心にブームとなった。


このアルバムが出たのは1977年ですから、ぴったりと時代が合うではありませんか。
なんか感激。ついでにリンクも張っておきます。
⇒ 市民ラジオ

★We've got Richard Pryor on the video「リチャード・プライヤのビデオもあるよ」

誰だろうと思って調べたら、リチャード・プライヤさんってアメリカのコメディアンの方らしいです。当時はとても人気のある方だったみたい。

こちらもWikiの記事にリンク張っておきます。
⇒ リチャード・プライヤー

★People you've got the power over what we do
「みんなが僕らのショーを動かす力をもっているんだ」

have the power over ...
...に対しての[...を支配する・...を思いのままに操る]力を持っている、...を支配する(英辞郎より)


★But we'll be scheduled to appear
A thousand miles away from here

「僕たちはここから1000マイル離れたところでショーがあるんだ」

ここでの appear は、「ステージ上に現れる]という意味なので「ショーがある」としました。

A thousand miles は「1000マイル」以外に訳しようがないのですが、ここもCDの訳は恐ろしいことになっていました。

CDに入っていた訳
「ぼくたちは何千マイルも離れた町へ行かなければならないんですから」

「何千マイル」は完全な誤訳です。「何千マイル」と言いたかったら thousands of miles としなくてはなりません。

さらに、1000マイルは1609.344 kmですから、ベテランのドライバーでも、1000マイルは一晩かけてやっとの距離でしょう。ネットで調べたら、北海道旭川市から熊本県八代市までの直線距離が1620 kmでほぼ1000マイルです。そう考えると2000マイル、3000マイルなんて距離を、バスで一晩で移動するなんて物理的にまず不可能です。

こういう数字の扱いは適当にしてはいけない。

実務翻訳の方にはわかっていただけると思いますが、スペックなどで数字の間違いをしたら致命傷になります。数字の間違いは翻訳者への信頼を著しく損ない、もう使ってもらえないかもしれません。

今回は二つの誤訳を指摘させていただきましたが、洋楽の訳詞はこの曲に限らず誤訳が多いです。この曲についてはCDの訳と書きましたが、私がこのアルバムを買ったのが CD になってからなので、元はLPに入っていた訳でした。

ということで Load Out – Stay の考察はこれで終わります。

ではまた。emoticon-0100-smile.gif
by ladysatin | 2013-12-03 21:43 | Music & English_2 | Comments(0)

私の大好きな Jackson Browne の名曲の訳詞です。

Jackson Browne は70年代を中心に活躍したウエストコーストを代表するシンガーソングライター(まだこれって死語でない?)です。派手さはないけれど、共感を呼ぶ詞の内容と心地よいメロディに癒されます。

この曲は77年の Running on Empty というアルバムに入っています。アメリカではビルボードの最高位3位までいったはず。

Running on Empty の邦題は「孤独なランナー」。この邦題をつけた人って感性が高いな~とよく思ったものです。私なんかには思いつかないタイトルです。

さて、今回の The Load-Out / Stay という曲ですが、Jackson Browne という人の誠実な人柄をとても表していると思います。こういう内容の曲ってほかに知りません。

ロックコンサートの設営をするスタッフのことを「roadie ローディー」といいますが、この曲には自分のコンサートのために働いてくれるローディーへの感謝の気持ちが詰まっています。

そしてコンサートに来てくれた観客に対する思いも。。。

コンサートツアーの移動の描写も生き生きとしていて目にみえてくるよう。。。

この訳詞するにあたり、また例によって解読が難しいところがいくつかあったのですがですが、不思議なもので「これだ」とひらめく瞬間があるんですね。その瞬間がやってきて、すべてがクリアになったのでここにアップすることにしました。

Jackson Browne を聴いたことのない方にも是非聴いていただきたいなと思っています。

★この曲の詞についても考察しています。
是非読んでいただるとうれしいです。
以下をクリックしてくださいね。
→ The Load-Out / Stay - Jackson Browne 訳詞考察

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1978年のコンサートのものですが、音声もクリアでとてもいいです。
Jackson Browne の飾らない人柄がにじみ出ています。
最後の方でおもしろい声で出てくる人は David Lindley さん。
弦楽器の達人です。(^^)

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The Load-Out / Stay

Now the seats are all empty
Let the roadies take the stage
Pack it up and tear it down
They're the first to come and the last to leave
Working for that minimum wage
They'll set it up in another town

客席は全部空っぽになったね
あとはローディーにまかせよう
ステージを片付けて解体する
一番最初にやってきて一番最後に出る人たち
最低賃金を得るために働いている
彼らはまた別の町でステージをセットしてくれるんだ


Tonight the people were so fine
They waited there in line
And when they got up on their feet they made the show
And that was sweet—

But I can hear the sound
Of slamming doors and folding chairs
And that's a sound they'll never know

今夜の観客は素晴らしかったね
並んで待ってくれて
立ち上がってショーを盛り上げてくれた
それは素敵だったよ。。。

でも僕には聞こえる
ドアを閉める音や椅子をたたむ音が。。。
そしてそれは彼らが知ることはない音なんだ


Now roll them cases out and lift them amps
Haul them trusses down and get'em up them ramps
'Cause when it comes to moving me
You know you guys are the champs

But when that last guitar's been packed away
You know that I still want to play
So just make sure you’ve got it all set to go
Before you come for my piano

今からケースを転がして、アンプを乗せて運ぶ
トラスを引っ張り下ろして、傾斜台に乗せる
だって僕のステージを移動させるとなると
君たちは最高の仕事をしてくれるからね

だけど、あの最後のギターの梱包が終わっても
僕はまだピアノを弾いていたいんだ
だから出発の準備が全部整ったか確認してきてね
僕のピアノを運びだす前に


But the band's on the bus
And they're waiting to go
We've got to drive all night and do a show in Chicago
Or Detroit, I don't know
We do so many shows in a row
And these towns all look the same

We just pass the time in our hotel rooms
And wander 'round backstage
Till those lights come up and we hear that crowd
And we remember why we came

でもバンドのみんなはバスに乗って
出発を待っているね
一晩かけてのドライブのあとはシカゴでショーがある
それともデトロイトだっけ
わからない
たくさんのショーを連日やってるからね
訪れる町がみな同じに見える

ホテルの部屋でただ時間を過ごし
バックステージをうろついていると
ライトが上がってあの観衆のざわめきを聞く
そして僕らがなぜここへ来たかを思い出すんだ


Now we got country and western on the bus
R & B
We got disco in eight tracks and cassettes in stereo
We've got rural scenes & magazines
We've got truckers on the CB
We've got Richard Pryor on the video

We got time to think of the ones we love
While the miles roll away
But the only time that seems too short
Is the time that we get to play

さてバスにはカントリー&ウエスタンもあるし
リズム&ブルース
そして8トラックのディスコサウンドのカセットがステレオで聴ける
田舎の風景を眺めたり雑誌を読んだり
CB無線からはトラックドライバーの声
リチャード・プライヤのビデオもあるよ

何マイルもバスを転がしている間に
愛する人たちのことを思う時間もある
だけど唯一短く感じられる時間は
演奏している時なんだ


People you've got the power over what we do
You can sit there and wait
Or you can pull us through

Come along, sing the song
You know you can't go wrong
'Cause when that morning sun comes beating down
You're going to wake up in your town
But we'll be scheduled to appear
A thousand miles away from here

みんなきいて
みんなが僕らのショーを動かす力をもっているんだ
そこに座って待っていてもいいよ
それとも僕たちを引っ張ってくれてもいい

おいでよ一緒に歌おう
間違うなんてことあるわけないさ
だって朝日が照りつけるころには
みんなはそれぞれの街で目覚めるけれど
僕たちはここから1000マイル離れたところでショーがあるんだ


People, stay just a little bit longer
We wanna play just a little bit longer
Now the promoter don't mind
And the union don't mind
If we take a little time and we leave it all behind
And sing one more song...

みんなもう少しだけいてくれるかい
あと少しだけ演奏したいんだ
プロモーターは気にしないさ
ユニオンも大目に見てくれるさ
ちょっとだけ時間をもらって色んなこと全部忘れて
あと一曲歌ったとしても平気さ。。。

by ladysatin | 2013-12-01 16:08 | Music & English_2 | Comments(14)