at night vs. in the night

このところ現代英語冠詞事典(大修館書店)を真剣に読んでいます。

最初のページから順番に読んでいるので、ブログにも順番に書いていこうかなって最初は思っていたんです。その方が体系的に勉強できるかなと。ただ、この本って500ページもある上に、不定冠詞のパートが前半約250ページにわたっているんですよね。

不定冠詞の途中でなんだか挫折しそう…いやん。もう挫折したくない…・゚゚・(×_×)・゚゚・

ということで、不定冠詞より内容がまだ面白い(?)定冠詞に飛んでしまえっということで、今日は定冠詞の話題をやることにします。というのも、これってもしかして英語を勉強している人なら一度は考えたことがあるかもと思った内容だからなんです。それは...

at night と in the night の違いは何だ? ということ。

うむ、これを説明せよと言われたらどうしましょうか。

えっと、at night と in the night の違いについては、これまで私も色んな方が書かれた文献を読んできましたが、今ひとつ腑に落ちていませんでした。at が点のイメージであるのに対し、in は時間的広がりがあるとか、それはわかります。また、in the morning に対し in the night が対置するから the を使うという説明も見たことがあります。でも対置するとき the が必要なのはななぜか?というところまで踏み込んだ説明は見たことがありませんでした。

今回、冠詞事典の説明を読んで、かなり理解が深まったように思いました。
皆さんと共有したいと思います♪

ここは原点から押さえていきましょう。

まず、不定冠詞を使う条件の記事で「英語の不定冠詞は、名詞部が完結を表すときに用いられる。(現代英語冠詞事典より)」と書きました。

では定冠詞はどんなときに使うのでしょう?
同書によると「英語の名詞部は、同定可能であると判断されるとき、the がつけられる。」ということです。

同定可能 (identifiable) とは例えばこういうことです。
I bought a book yesterday. I read the book today.

初出の book は不定冠詞の a が付いています。話し手は、本を買ったという事実は聞き手にとっては新情報なので a book を使いました。この時点で、新情報だった a book は既知の情報になります。つまり、「話し手は、聞き手が a book について同定できていると判断」します。だから2回目の book には定冠詞の the が付いたということです。

上記は前方照応的に the を使っている例です。1回目は an apple だけど2回目に出てきた時は the apple にするんやでって中学生は学校で習いますよね。これと同じ。the の用法として一番知られているものかな。

しかし、同定可能な場合というのは前方照応的な場合だけじゃないんですね。初出でなくても the が付く場合はいくらでもあります。その中の一つが、本日のポイント「二項対立」という考え方です。

二項対立ってなんでしょう?

冠詞事典にいくつか例が上がっていました。
●in the light - in the dark
●in the beginning - in the end


light と dark、beginning と end のように対で考えられるものに the が付くケースです。これが二項対立。これも前述の同定可能から導き出される考え方です。

「これらの表現は二項対立をなしているので、一方は他方との対立において、つまり、他方を排除することによって同定可能となる。(現代英語冠詞事典より)」

ということは、他方を排除できる、あるいは他方と明確な区別が付けられる名詞であれば、他にもいろいろありますよということです。

そこで in the night の話になるんですが、これを二項対立にあてはめると、「in the day (time) と対立をなして、日中ではなく夜の時間帯に焦点を当てている」と考えるんです。とてもわかりやすいと思いませんか?

次に、こんどは at night はどう考えましょうか。

冠詞事典は「in the night は1日の区分としての「夜間」に力点が置かれ、at night は夜の「働き」(=暗闇)を表すので、「夜陰」に力点がおかれる。」と説明しています。

以下、2つの文を考えてみました。
①He came at night.
②He came in the night.

①も②も「彼は夜にやって来た。」という意味ですが、何かニュアンスが違う。でも、その違いは何なんだろうとずっと思っていました。今回、冠詞事典の助けを借りて考えてみました。

①He came at night.
at night が「夜陰」を表すということは、「彼は明るい時ではなく、暗くなってやって来た」という感じじゃないかな。at を使っているのは、暗がりのある一時点という含みをもっているように思えます。

②He came in the night.
in the night は「夜間」だから「彼は朝でも昼間でもなくて夜に来た」というニュアンスがあるのではないかな。in が使われているのは1日を day time と night で分けていて、何時から何時までの夜間といっているからでしょう。

もう一つ考えてみます。
③I sleep well at night.
④I sleep well in the night.

「私は夜はよく眠れます」というとき、皆さんは③と④のどちらを使いますか?

私は迷わず③を選びます。今までなぜかわからなかったのですが、今回勉強してやっと説明できるような気がします。それは、夜によく眠れるというとき、昼間はよく眠れるとか眠れないとかいう意識は働かないということです。眠るべきときに眠れますと言いたいのですね。まさに上述の「at night は夜の「働き」(=暗闇)を表す」ということだと思います。

ふうっ。なんかわからんけどわかってきたぞ~。

もうちょっといきます。

現代英語語法辞典(三省堂)も調べてみました。すると at night は「夜に」を表す最も普通の言い方とのこと。さらに「in the night は at night に比べ文語で、あまり普通でない、一般に終わったばかりの1度限りの夜のことを言う場合に用いられる」とのことです。

この記載もなるほどと思います。③I sleep well at night.と言うとき、ある特定の日を指していません。一般に「夜は」と言いたいわけですから at night でいいんです。

もう一つおもしろいことが書かれていました。
「in the night には「寝ている間に」「夜が明けないうちに」という含みがある。」

このことを象徴的に示している文の例が載っていました。
The phone rang in the night. は寝ていて電話で起こされたことが表され、
The phone rang at night. は夜、起きているときに電話が鳴ったことが表される。

う~ん、深いですねぇ。

もうひとついきましょう。さっきの二項対立という考え方は、さらに三項対立・四項対立へ応用ができます。

★三項対立の例・・・ past, present, future
★四項対立の例・・・ spring, summer, autumn, winter

と書いたところで、in the winter も in winter もあるやんと思いますよね。
これも冠詞事典では in the winter (対立)と in winter (働き)で説明が可能とのこと。

以下は自作の英文です。
⑤We took a trip to New York in the winter.
⑥We have lots of snow in winter.

⑤が示唆することは「春でも夏でも秋でもなく、冬に旅行した」ということ。
⑥は、冬イコール寒さ、すなわち働きに力点を置いているので the を付けていない。

-------------------

言葉って方程式ではないので、これが絶対だとは考えないようにしています。ただ、こういう考え方をすればロジックが自然だなと思えるものは解釈として取り入れたいと思っています。

今回の「対立」という考え方、個人的にはかなり説得力をもって受け止めました。
皆さんはいかがだったでしょうか。

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2014-11-23 19:37 | 冠詞_Article | Comments(0)

久しぶりにブログのスキンを変えてみました。^^

今まで変えてなかったのは、英単語が改行位置で分割されないスキンが前回使っていたやつしかなかったからなんです。他のスキンだと、例えば apple が本文枠の最後に来ると、ap で終わって次の行に ple が行っちゃうの。

英語を書いてる私には選択肢はないのねって思っていたら、スキンをCSS編集できることがわかり、色々調べました。そしたら word-break のプロパティが break-all になってるのを normal に変えりゃいいってわかりました。それと行間とかフォントなんかも結構簡単に変えられるんです。

あ~うれしい~。ということで、このスキンは私が編集し直して、英単語が分割されない仕組みになっているのです。これからはスキンを編集していろいろ遊ぼうっと♪

どうでもよい話をしてしまいました。m(-_-)m

では...

今日も頑張って冠詞の勉強しちゃうぞっ。(^0^ゞ

現代英語冠詞事典を読んでたらおもしろいことが書いてありました。

皆さんご存知の通り、固有名詞には普通は冠詞がつかないですよね。

人名が最たるものですが、John や Michael には何で冠詞がつかないんでしょうか?

その理由は、固有名詞には意味がないからなんですって。

へえ~と思いました。固有名詞というのは「認知のための符帳 (tag)」にすぎないので意味をもちません。意味をもたない英語の名詞部は冠詞をとらないんだと。

例えば、John という固有名詞は、John という実体 (entity) と直に結びついていて、その間には何も意味がないですよね。一方、book という普通名詞は、「様々な知識が書かれた物」「書物」という意味を通して、指示物と間接的に結びついているということだと解釈しました。

もちろん固有名詞でも定冠詞の the がつく場合は多々あるわけですが、これは構造上の理由も関係するようなので、ここでは取り上げません。

このように「固有名詞には意味がないから冠詞をとらない」のだとわかると、他にも応用がききます。

●肩書きや称号
たとえば、固有名詞に先行する肩書きや称号は固有名詞の一部とみなされるので冠詞をとりません。
また、肩書きと固有名詞の間にコンマは不要です。

Mother Teresa, Mt. Fuji, First Lady Michelle Obama, economist Karl Marx, etc.

ネット検索していたら以下の例を見つけました。
Prime Minister Shinzo Abe visited...
②Shinzo Abe, Japan's Prime Minister visited...


①は問題なく「肩書き+人名」でよいと思いますが、②はコンマでくぎり Shinzo Abe を Japan's Prime Minister と説明しているので同格表現になりますよね。このへんややこしくて苦手だわ。

それと、冠詞事典によると、原則として肩書きは無冠詞ですが、同格は無冠詞か冠詞付きで用いられるとのこと。例文は割愛します。

●呼びかけ
普通名詞を使った呼びかけが無冠詞なのも、目の前の指示物と直接結びついているから、固有名詞と同様に意味をもたないからです。young lady, driver, waiter など、単に呼びかける場合は a とか the は付けないですよね。

●数字・文字つき名詞
これも固有名詞と同じくただの符帳という考え方からです。
She graduated from college at age 20.

しかし、以下は age と 20がくっついていないので the がついてます。
She graduated from college at the age of 20.

ほかにはこんなのも...
The train leaves platform 3.
A special seminar is scheduled on day two.

★もうひとつ注意したいのが the number 7 number 7 の違いです。
冠詞事典によると the number 7 は同格で「7という数」、number 7 は限定的「第7番」とのこと。the number 7 における the は number のみについているのであって、number 7 全体についているのではないということです。

●その他
普通名詞でありながら、小文字のまま固有名詞として使われる例があります。
on main street, in town などは愛称化が進んだものだとのこと。
town は話し手が住んでいる町を示すそうよ。

思い出したけど、Thin Lizzy の歌に The Boys Are Back in Town という曲がありました。何故に in the town ではないのかと疑問だったから解決してうれしいです♪

かかりつけの医者を指すときも I have to see doctor. のように doctor は無冠詞になるんですね。

ParliamentCongress が無冠詞の大文字なのも「自国の国会」をさすから、英米では固有名詞扱いです。しかし、英米以外の国会では the Diet のように the が必要。

あと、小文字の earth も town と同じように身近な星として扱われて無冠詞になることがあります。大文字で無冠詞の Earth は Venus や Mercury などと同様に惑星としての位置づけだとのこと。

ふぅ~。今日はここまで。042.gif

冠詞の勉強ってややこしいけど、本を読むだけじゃなくてこうやって書いてまとめていくと、確かに脳みそに定着してはいるようです。気のせいかしら?

おっと、今日の内容はうまくまとまらないけど、要は「固有名詞とそれに準じると思われる名詞は無冠詞になりやすい」ということです。この点これから英文を読むときに覚えておくとよいかもしれません。固有名詞と同じ扱いか~とピンときたら OK。

それにしても冠詞は大変やわ。
頑張ります。

ではまた。035.gif
by ladysatin | 2014-11-09 20:21 | 冠詞_Article | Comments(0)

以前から書いていますが、冠詞って難しいですね。

英語学習の最難関は冠詞と言い切ってしまえるほど難しいと個人的には思っています。
たぶんそう思っているのは私だけじゃないかも。

なぜ難しいのでしょう。

それはおそらく 規則がありながら当てはめて考えることができないことが多い からではないでしょうか。

ある名詞を辞書で引くと、必ず 可算(Countable) と 不可算(Uncountable) の記載がありますね。

可算だから a が付く。不可算には a は付かないと普通は考えます。この分類の仕方は学習者にも教える側にも便利ではあるものの、何と大雑把なくくりなのかと思うことが多いです。定冠詞の the についても既出の名詞について使うことが多いわけですが、それだけではないことは英語を勉強している方はご存じの通りです。

私も長く英語を勉強してきたわけですが、冠詞だけは得意にならない。
う~ん。得意にならなくてもいいけど、もう少し頭の中を整理したいという思いはずっとありました。

ということで不定期ですが冠詞についてちょっとずつ書いていこうと思います。

先生は、現代英語冠詞事典(大修館書店)です。
これ以降は省略して「冠詞事典」と記載します。

注:この記事では、冠詞辞典からそのまま引用する場合は、その旨わかるような書き方をしていきます。
  例文は辞書や英辞郎から拾っていく方針です。

まず、冠詞事典を読んで特徴的なのは、可算名詞・不可算名詞という考え方がされていない点です。
私が一番驚いたのはここでした。

いままで可算・不可算という分類にとらわれすぎて壁にぶつかってきたのかとも思えてきます。
というのも、可算でありながら不可算になる名詞のなんと多いことか。

例えば bus は可算だから a bus だけど、手段を表すときは by bus のように無冠詞なんだよね~って覚えるんだけど、では手段を表す時は何で無冠詞なの?と聞かれても答えられない。とりあえずそんなもんだと覚えるしかないので、いつまでたってもスッキリしないわけです。

もう可算名詞・不可算名詞という前提はやめなさいと言われているように思えたのが、冠詞事典の序章に書いてあった以下の文言。

072.gif英語の不定冠詞は、名詞部が完結を表すときに用いられる。

さらに「上の一文に不定冠詞の用法のすべてが凝縮されている。」とあります。

つまり名詞部が完結を表すとは、ぼやっとしたものじゃなくて、まとまった形として認識できるか否かということ。それが不定冠詞を使う条件だということです。

ここで用語の定義が重要なので、ここは本からそのまま引用させていただきます。
-------------------------------------------------------
「名詞部」(nominal part) とは名詞句 (noun phrase) から限定詞 (determiner)(=冠詞や所有格、指示形容詞など)を除いた部分を指す。

例)This book is a treasure chest of information.(本書は情報の宝庫だ)
名詞句 - this book, a treasure chest of information, a treasure chest, information
名詞部 - book, treasure chest of information, treasure chest, information
--------------------------------------------------------

ところで、まとまった形として認識できるかどうかの例は、私にはこんなのが思いつきます。例えば一匹の鶏は姿かたちが想像できるものだから a chicken だけど、料理で「チキンとビーフのどっちにする?」なんて会話のときは I prefer chicken. のように無冠詞になるよってことです。もう鶏の形状は保っていないからですね。

chicken は普通名詞ですが、抽象名詞はどうでしょう。抽象名詞は、概念的なものを指しますから普通は不定冠詞はつきません。しかし、抽象名詞であっても名詞部が完結を表すときは不定冠詞が付くんです。

それは修飾語を伴って、その抽象名詞に関する意味が完結するときです。

例)have a true intelligence  真の知能を持つ[有する](英辞郎より)

知能という意味の intelligence は辞書では不可算名詞となっていますが、形容詞の true により intelligence の程度が限定されたため a が付いています。

しかし、これも必ずしもということではありません。以下の例には a が付いていません。

have average intelligence 人並みの知能がある(英辞郎より)
have good intelligence に関するしっかりとした情報を持っている(同上)

何故なのかというと、average や good という形容詞には不定冠詞とつけるにふさわしい完結性・具象性を表すには情報が不足しているからです。true は限定度が非常に高い形容詞なので a が付くということです。

このように、形容詞の修飾により抽象名詞に a, an が付くことは知っていましたが、無条件に付けられるということではないようですね。good や average は何となくぼやっとしたイメージしかありません。このぼやっとした感じって結構大切なような気がします。

これまで私自身、不定冠詞を付与する際の条件として、可算・不可算という分類は常にありました。この分類をすっぱり頭の中から消すことはありえないと思います。しかし、これにこだわりすぎるとあとに進めないこともわかりました。

本日の最後の冠詞事典からの引用
★「名詞部が完結を表す」ということは「名詞部がイメージ可能である」と言い換えてもよい。

「イメージが可能」ということは、「漠然としたものでない」「ぼやっとしたものでない」ということですね。
ここから長い道のりですが、とりあえず掴みはOK ということにしておきます。

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2014-11-03 17:42 | 冠詞_Article | Comments(4)

冠詞の勉強やり直します

冠詞の攻略どうしたらいいかな~と思いながら、引きのばし引きのばし…

この年になってしまった…(>_<) (←ぷっ 037.gif )

いやいや、ほんまに冠詞はいやですわ。

いつまでたっても得意にならないのよねっ。(T-T*)

そもそも冠詞が得意な人っているのかな。

私の回りには翻訳をやっている人、高校英語の先生、大学の英文科の先生なんかもいますが、冠詞はみんな苦手だとおっしゃるんですね。

というか冠詞を制覇するなんて無理と思いませんか。

だって冠詞ってその時々の人の思惑がからんできますから、一律に論じることができませんでしょ。

でもその一方で、出来る限り自分のものにしたいという思いもあります。

私もプロの翻訳者の端くれなので、これまで相当頑張って勉強したつもりではいるのですが…

それでもやっぱり冠詞は難しいのです。

そこで一からやり直そうとプチ決断しました。(^0^ゞ

以前、冠詞の本のおすすめについて書いたことがあります。
→ 冠詞の本のおすすめ

この中の 現代英語冠詞事典(大修館書店)は、翻訳の際にいつも活用させてもらっています。

大変良い本だと思います。皆さんにもお勧めしたい本なので、右下のライフログのところにも載せています。日頃は、冠詞の使い方に迷ったときに使うだけですが、この本をもう少し体系的に自分の頭の中に入れ込みたいという思いがあり、何か効率的に学ぶ方法はないだろうかと考えました。

まず、毎朝の通勤時間に読み始めたのですが、何せ退屈。

電車の中ではハードロックを聴いて元気を注入しているので...

ホワイトスネイクを聴きながら冠詞の本読みはつらいのです...

さっさと挫折...  σ(^_^;)

そこで…

「ああ、私はブログを書いているぢゃあないか!」とはたっと気づきました。

そうです。

ここにまとめていけば、自分の勉強になるし、またお越しくださる皆様の役にも立てていただけるかもと思ったのでございます。

せっかくですから。(*^-^)

ということで、早速ですが新たに冠詞のカテゴリを作りました。

不定期ですが少しずつ学習した内容を書いていこうかと思っています。

主に現代英語冠詞事典(大修館書店)から拾いつつ、思うところを書いていきます。

文法・語法の記事の合い間にぼつぼつと書きますので、冠詞に興味のある皆さんはたまにのぞいてみてくださいね。

今日はほんのお知らせだけで失礼します。

サテンの「冠詞勉強します宣言」でした。

では 029.gif
by ladysatin | 2014-10-16 20:47 | 冠詞_Article | Comments(0)

冠詞の本のおすすめ

先日、water に the が付くときと付かないときのお話をしました。

冠詞というのは本当に難しくて、一筋縄ではいかないですね。実際、ネィティブスピーカーでも冠詞の使い方は難しいという人が多いです。だとすると日本人である私たちが、冠詞を制覇するのは至難のわざと言えるのかもしれません。

私自身は翻訳を生業としていて、英日翻訳と日英翻訳の両方おこなっています。英日だと冠詞について悩むこともないわけですが、日英翻訳ではそうはいきません。英文の骨組みを作るということ、いわゆる構文ですが、これには大した時間はかからないのですが、冠詞だけは常に正しい使い方をしているかどうか悩みます。

冠詞についてはおそらくずーっと悩み続けていくと思うので、悪あがきはやめておこうと思いますが、勉強だけは続けていきたいと思います。

ということで、今回は冠詞の本で、これなかなかいいよって思ったのを2冊ピックアップしました。英語はこれからという人でも気楽に読める本と、冠詞のことを深く知りたいと思ってらっしゃる上級者向けの本です。

1冊目はこれ。

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「aとtheの底力」(中経出版)

津守光太/著













著者の津守光太さんは、2008年のこの本出版時は、代々木ゼミナールの講師をされていたようです。今、代ゼミのホームページ見てみたら、講師紹介の欄にお名前がなかったのでやめられたのかもしれません。

この本は、知り合いから何かわかりやすい冠詞の本ないかなって相談を受け、本屋さんで目にとまり購入しました。読んでみると、さすがに現場の先生が書いたと思われる懇切丁寧な文章です。どうしたら生徒にわかってもらえるかという視点から書かれているのがよくわかります。モノ、カタチ、リンカクという3つのキーワードを切り口として、なぜこの場合はa なのか、the なのか、無冠詞なのかということを津守先生はすっきりと教えています。

この本はどちらかというと、英語をやり直したいという人や、冠詞というものがとにかく苦手なのという人の取り掛かり本としてよさそうです。逆に言えば、上級者の方にはちょっと物足りないかもしれません。中高生に英語を教えてらっしゃる先生方には、生徒への説明の仕方として参考になる部分が多いだろうという印象です。

2冊目はこれ。

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「現代英語冠詞事典」(大修館書店)

樋口昌幸=著 マイケル・ゴーマン=協力













この本の特徴は、とにかく用例が多いということでしょう。冠詞のコーパスと言ってもよさそうなくらいの膨大な用例が載っています。英語を読んでいると、同じ名詞が無冠詞のときと冠詞つきのときがあってよく困ることがありますが、この本では、それらの対比をおこない、意味や構造の違いによって必然的に使い分けが生じることを理論的に説明しています。

この本は、英語学習者のすべてに向けて書かれた本であると同時に、特にビジネスで英文メールを書くことの多い方、英語論文を書く必要性がある方、翻訳の仕事をされている方には、持っていると力強い味方になると思います。私が日英翻訳をする際には、力を与えてくれる本でもあります。本当にお世話になっています。(^^)

良い本との出合いは心まで豊かになりますね。

今日は、冠詞の本を2冊ご紹介しました。

皆様の参考になれば幸いです。


by ladysatin | 2013-09-06 21:27 | 冠詞_Article | Comments(0)

water にも the は付くわね

今日は会社の同僚のA子ちゃんからのお悩み。。。いやいや質問が来ました。

彼女は大手メーカーに出向していて、洗濯機とか乾燥機の取説を作っている部門で働いています。メーカーさんも最近は白物家電の輸出に力を入れていて、ヨーロッパやアジア向け仕様のものを多く出すようになりました。そういった国々に輸出するには、まず英語の取説を固めることが必要になります。というのはフランスに輸出する場合は、英語からフランス語に翻訳するからなんですね。日本語からフランス語に翻訳することは、まずありません。すべての言語は英語が基準になるため、英語取説の精度が非常に重要になってきます。

となると、メーカーの方々の英語取説に対する目はかなり厳しくなってくるようで、A子ちゃんもメーカーの設計技師の方から取説の英語表現について、質問を受けることも多くなりました。TOEICは900以上の彼女なので英語は得意の方ですが、突っ込んだ質問が来たときは、私にメールしてきます。今日はその内容を皆さんとシェアしたいと思います。

彼女が設計から受けた質問は
「同じ内容なのに water the があるのとないのがあるのは何故か?」というものでした。

洗濯機の本体に記載されている注意書きはこうです。
①Do not use water hotter than 60℃.
「60℃以上の湯を使わないでください。」

このwater の前には定冠詞の the はありません。

一方、英語取説の安全注意文にはこう書かれています。
②Do not use the water hotter than 60℃.

さて、これはどのように考えたらよいでしょう?

文としての正誤という観点で言えば、どちらも正しいですね。

water は物質名詞なので、不定冠詞の a は付きません。よって無冠詞で使う場合は多いと言えます。しかし、the が付くケースももちろんあります。たとえば、目の前に water がある場合や、そこに water があると仮定した場合、また、一度出てきた water について再度言及する場合などは当然 the water です。

さて上記の①と②はどうかというと、ここでの water は「60℃以上の湯であればとにかく使うな」ということが言いたいわけなので、無冠詞の water がしっくりきます。the water とすると何か特定の water を指しているように思われ、文意に沿いません。一般的には①を使うと思います。

なので私は、この場合は両方とも①の the なしがよいと返事しました。

しかし the water とは絶対言わないかというとそうは言い切れません。
ここには書く人の思惑がからんできます。

本体の注意書きに the water の文があったとします。
②Do not use the water hotter than 60℃.

この文は、ユーザーが60℃以上のお湯を使おうとしているという光景を想定して書いたイメージです。つまり「あなたは今、60℃以上のお湯を使おうとしているけど、それはだめだよ。」と言っている感じです。

たとえばこんなとき ― 60℃以上の湯を洗濯槽に入れようとしていた人が、本体に書かれていた注意書きをふと見たときに②のthe waterの文であったとしたら、その状況にぴったりですね。そういったことが大いに起こりえるだろうと思われるときには、the water の文を使うと思います。

ただ、この場合一般的に考えて、洗濯するときは普通は水かぬるま湯ですから、ここでは the water はそぐわないように思います。

逆に、the water が取説の中で頻繁に出てくる箇所があります。それは、洗濯機を使う手順の箇所です。取説本文ではイラストを用いて手順を説明することが多く、そうすることでユーザーの実感がわきやすくなるように配慮されています。そして、ユーザーの目の前に water があるということを想定して書きます。初めて使うユーザーは、その指示に従えばよいのだなと理解し、自分が使っている蛇口の水と取説の水を無意識のうちに結びつけます。だから、手順の記載箇所では the water になる場合が多いのです。

このように考えると、冠詞というのは、書き手の恣意や思惑がかなりからんでくるものなのではないかと思えますね。

英語に関して言えば、私の中で一番難しいのはやっぱり冠詞。

冠詞の使い方には当然、基本的なルールがあるわけですが、書き手の心理が反映される場合が多いことも忘れてはなりません。

冠詞を制覇しようなんて無理。
都度、検討していくことが大切だと思っています。

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by ladysatin | 2013-08-09 22:56 | 冠詞_Article | Comments(0)