カテゴリ:英語と私といろいろ( 28 )

この頃は facebook で色んな情報を集めています。

私の場合は翻訳に関係するページを見ることが多いのですが、日本語のページより英語圏のページが多いですね。その中でコメントを書くこともあります。英語で書くわけですが、自分が疑問に思っていることに対し、遠い国の会ったこともない人が答えてくれることもあります。またその逆もあります。こんなやりとりは、私にとっては結構新鮮に写っています。

Google で検索するのとはまた違う面白さが facebook にはあるんだなとわかり、情報集めという点ではなかなか重宝しています。

海外のミュージシャンのページもよく見ます。ファンの人達が書いているコメントを読むこともあります。やはりコメントを書くのはアメリカやイギリスなど英語圏の人が多いですね。英語圏の人達は joke を交えながら普通に英文を書いています。内容は大したことはなくても、ネィティブのようにサラッと英語が書けるといいですね。

日本人で英語でコメントを書く人は、まだまだ数が少ないという印象があります。ミュージシャンの一つの投稿に対して「いいね」を押す人は多いのですが、ほとんどの日本人はコメントを書きません。様々な国の人が集まる有名人のページに英語でコメントを書くということは、大げさに言えば全世界に自分の書いた英語がさらされることですから、勇気をともなうことでもあるのかもしれません。

そんな中で英語でコメントを書いている人もいらっしゃいます。英語の専門職の人ならいざ知らず、一般の人は高等教育までで英語の学習は終わっているわけですから、英文法や冠詞の使い方まできちっと出来ている人はほとんどいません。しかし、そんなことは問題ではなく、ファンの一人として自分の気持ちを伝えたいからコメントを書くということが、とても素敵な事だと思っています。

ただ、ちょっとこの使い方はどうかな?と思うことも時々あります。

これは最近見た日本人が書いた英語のコメントなんですが、同じ英単語について二人の日本人の方が間違った使い方をしておられたんです。立て続けに見たので、この単語は誤用が多いのかもしれないと思い、今日取り上げようと思いました。

072.gifその単語とは disappoint です。

disappoint は高校英語で出てくる単語です。英和辞典を調べると「失望させる、がっかりさせる」という意味が載っていますね。これはこれでいいのですが、disappoint の語感はどうでしょうか。

この単語は英検準2級レベルですから、英語学習者の中での習熟度は高いと思います。しかし、軽々しく使うのは避けたい単語です。私が今まで英語を使って生きてきた中で、disappoint を使ったことはほんの数回しかありません。かなり語感がきついのです。このことを予め知って使った方がいいと思い、今日は老婆心で書いています。

●まず一つ目の例です。

あるミュージシャンの投稿で、彼の尊敬するベーシストの死亡への悲しみが綴られていました。病死でした。コメントも多く寄せられていて、Sad news. I’m sad. など、sad を使った表現が目立ちました。私も好きなベーシストだったのでコメントを書きました。

そんな中で、ある日本人の男性が書いたコメントが目を引きました。
その人が書いたコメントはこれでした。

Very very disappointed.

この方は外資系の企業に勤めている方なので、英語は出来る方だと思います。ここで disappointed をこの方が使われたのは「彼が死んで落胆している → 僕は悲しい」ということを表現したかったからだろうと思います。

しかし、この場面における Very very disappointed. はとても違和感があります。書いた本人の真意とは逆に、イヤミに受け止められる可能性もあります。人が死んだことに対して、disappointed という感想を書いたら、死んだ人を責めているような響きが出てしまいます。「彼が死ぬとは、俺はがっかりだよ」という感じですね。さらに very の二重使いなので「なんてことしてくれたんだよ」という強調が追加されます。

一方で、「病気が治らなかった」という事実に対して disappointed ならありかもしれないとも思いました。しかし、それでもやはり言葉足らずになってしまっています。Very very disappointed. に対し、素直に「その通りだ」と読み手が理解できる前提が必要ですね。そのベーシストの死に対し、その他大勢が sad と書いているコメントの中で、このコメントだけがかなり浮いていました。おそらく書いたご本人は何とも思っていないでしょう。

●次に二つ目の例です。

これは別のミュージシャンの投稿に対しての日本人女性のコメントでした。彼女は早く新譜が聴きたいとの思いでコメントを書いていました。

まず I’m looking forward to your new album.(新しいアルバムを楽しみにしています。)と書いていました。いい感じですね。しかし、そのあとのコメントがちょっとまずかったかな。彼女はこう書いていました。

Don’t disappoint us!

私はこれを見て、ぎょっとしました。Oh. My God! という感じです。

私はかつて外国人50人を管轄していた経験があるのですが、その時一度だけ、ある不真面目な外国人の部下に Don’t disappoint me. と言ったことがあります。その時の状況はこんな感じでした。

その外国人部下は勤務態度が良くなかったんですね。だから、次年度の契約更改はしないと私は彼に伝えたんです。そしたら彼は、何でもするからもう一度だけチャンスをくれと言ってきました。私は彼に、今後、我社で働くにあたりどんな貢献ができるのか、またこれまでの自分の勤務態度をどのように改めていくのかレポートに書けと言ったんです。その内容によっては、契約更改について考え直してやると。

そして、最後に言ったセリフが Don’t disappoint me. でした。「私を失望させるんじゃないわよ。」という、上から目線のこのフレーズは、上司である私だから言えたセリフです。かなりきつい言い方になるので、よほどのことがないと言わないです。

元に戻って、大好きなミュージシャンに対し、彼女が Don’t disappoint us! と書いたのは「とても楽しみにしているので、ファンをがっかりさせないでね」くらいの軽い気持ちだったのだろうと思います。しかし、読む側にしてみれば、「あなた何様のつもり?」って言いたくなるような、とっても失礼な表現と言わざるをえません。

私は上のお二人に対しメッセージを送ろうかとも思いましたが、見ず知らずの人なのでやめました。

言葉の使い方ってとても難しいですね。日本語でも間違うわけですから、英語となると尚更です。また英語の場合は、自分で間違いに気づくには相当の場数が必要です。使って相手の反応を見て、この場合にはふさわしくない表現だったとわかるわけですから、経験値がものをいいます。近くにネィティブの友人がいれば「その表現は変だよ」って教えてくれるかもしれませんが、まあそんな幸運な人なんてごくわずかでしょう。

私自身もおかしな英語を使っていて、随分あとになってそれは実はとっても変な言い方だったことを知ったという経験がいくらでもあります。こればかりは仕方がありません。単語の意味は辞書が教えてくれますが、語感はすぐには身につかないものです。だから英語は使ってなんぼなんです。

今回は disappoint の誤用について書きました。何かのご縁でこの記事をご覧になった方の中で、disappoint にはそんな語感があったことを知らなかった方がいらっしゃったとしたら、その方々のお役に立てたのではないかと思います。

小さなことかからコツコツと、言葉の勉強続けていきたいですね。

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※参考までに以下 Longman より引用しておきます。

disappointed
: unhappy because something you hoped for did not happen, or because someone or something was not as good as you expected
希望していたことが起らなかった、または、人あるいは物事が期待していたほどではなかったため unhappy である

disappoint
: to make someone feel unhappy because something they hoped for did not happen or was not as good as they expected:
希望していたことが起らなかった、または、期待していたほどではなかったため、人を unhappy にする

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2015-05-31 21:26 | 英語と私といろいろ | Comments(0)

Is this a typo?

今日は辞書にまつわるお話です。

まずその前準備からいきますね。

be a long way off という表現はご存じでしょうか。

よく出てくる表現なのですが、英辞郎からの説明を引用しますね。

●be a long way off
遠い所にある、遠く離れている、遠方にある、前途遼遠である、まだまだ先の話だ、まだずっと先のことだ、~どころではない

例文1)
The future seems a long way off [to go] right now.
現時点では、その未来はまだまだ先のようだ。

still を使った表現もあります。

●be still a long way off
〔主語の場所は〕まだ遠い[ずっと先である]、〔主語の事柄は〕まだかなり[ずっと]先の話[こと]である

例文2)
Although it can be said that the death penalty has been suspended here, it would seem the actual abolition of the system is still a long way off.
死刑停止状態ともいえる日本ですが、死刑制度の廃止には、まだ長い時間がかかりそうです。

ということで、be a long way off の意味と使い方についておさらいしました。

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ここから本題に入ります。最近受けたおもしろい質問です。

a long way off を使った例文でこんな英文が辞書に載っていたらしいです。
We were a long way off being grandparents.

そしてこれに対する日本語訳はこれでした。
我々が祖父母になるのはまだまだ先である。

あらっ...?
皆様いかがでしょうか?
この日本語訳は正しい?正しくない?

何か時制が...変?

そう。質問してこられた方の疑問は、were に対して「である」の訳になるのは何故なんでしょうということだったんですね。

were は普通に考えて過去だから「だった」になるべきです。なのにそうではない。もしかして仮定法かなんかの用法かとも思ったらしいのですが、そうでもなさそう。ということでどう考えてもわからず聞いてこられたんです。

私は答えました – 和訳のミスでしょう (~_~)

英文が were であれば日本語訳は「だった」しか考えられないです。
日本語が「である」なら英文は are ですよね。もちろん。

質問した方は「やっぱりそうですよね」とおっしゃったのですが、なんだか腑に落ちない様子。

おっと、聞き忘れた。「その辞書ってなに?」と聞くと「ウィズダム英和辞典 第3版(三省堂)」とのこと。

そこで、気になったので先日、本屋さんに行ってこの目で確かめました。

う~む...書いてありますねぇ...やっぱり。

ウィズダムをお持ちの方は way を調べて見てください。2127ページにあります。

これっていわゆる誤植なんでしょうか?
ちょっと調べてみようということで、ウィズダム英和辞典の HP を見てみました。

そこでわかったことはウィズダム英和辞典はコーパスを使って編纂されているということでした。
→ http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dicts/english/wisdom_ej3/sp/corpus.html

上記のリンク先に書いてあるように、コーパスとは「(特定の種類・作家の文書[資料]の)集大成、集積」をさします。もっと簡単に言えば、例文をデータベースにしたものがコーパスと考えるとよいと思います。

今時の辞書はコーパスを使っているんですねえ。恥ずかしながら知りませんでした。

さてここで一つひらいめいたことがありました。

それは、コーパスを使って辞書が作られているということは、例の英文はどこかから引っぱってきたんじゃないかということです。

ということで、インターネットで調べてみました。

そしたらな~んと、ありました。
Children Of A Lesser God - Transcript

少し長い文章ですがそのページを検索してみたらこんな文があります。
One minute we thought we were a long way off being grandparents and the next minute we felt like we had 14.

まさに辞書にある We were a long way off being grandparents があります。

ここからは三省堂に確認したわけではないので、私の推測であることをお断りして書きます、

辞書の例文はこれを流用した可能性が高いのではと思っています。

インターネット上にある例文の前半はこうです。
One minute we thought we were a long way off being grandparents

つまり、問題の英文は主節ではなく従属節の一部なんです。

主節の動詞は thought ですから、それに導かれる従属節は時制の一致で were になっているものと考えることができますね。ということは、訳する際は現在形になって当然です。

訳してみます。
「我々が祖父母になるのはまだまだ先である、とちょっとの間私達は思った。」

ここまでくるとわかるような気がします。

英和辞典ですから当然、元のデータベースには英文と日本文のペアがあるはず。そして本件の場合、a long way off の項目を作るために抽出したのが、上記の英語と日本語のペアだったのではないでしょうか。

しかし、何らかの理由で主節の we thought は抽出されず、従属節の英文 we were a long way off being grandparents とそれに対応する日本語「我々が祖父母になるのはまだまだ先である」が抽出されたのではと思いました。機械的な処理であれば大いに考えられるものと思います。

さらにインターネットの英文の日付は Monday, 5 April, 2010 であり、ウィズダム第3版の発行は2013年1月10日ということを考えても、時期的な整合性もとれています。

再度書いておきますが、三省堂に確認をとったものではありません。私の推測です。また、ウィズダム英和辞典の質に言及するものでもありません。

ただ、いずれにしても辞書の訳文は誤りだということは明確になったと思います。

今回、このことを記事にしようと思ったのは、コーパスは大変有用なデータベースとはなりうる反面、そこにはどうしても機械処理を伴なうことから、何らかの不具合が生じることもありうる、ということを頭に入れておくことが大切だと思ったからです。

私自身もコーパスを使う時があります。下記は COCA というアメリカ英語のコーパスのサイトです。時々ですが、コロケーションを調べるときに使っています。誰でも利用できて便利なのでにリンクを貼っておきますね。
→ Corpus of Contemporary American English (COCA)

ついでながら使い方を日本語で解説してあるサイトを見つけました。
→ http://www.kenkyusha.co.jp/uploads/lingua/prt/13/UchidaSatoru1408.html

コーパスは上手に使うと英語力アップにつながると思います。
特に Writing に力を発揮します。

ではまた。
by ladysatin | 2015-05-17 18:46 | 英語と私といろいろ | Comments(2)

2年ほどブログを継続しています。

色んなキーワードで訪問してくださる方が増え、今では、PCからは毎日450名前後のご訪問をいただいています。

連休の間、少しばかり留守にしていたのでブログを全くチェックしていませんでした。昨日、5月4日に戻ってきて久しぶりに自分のブログを開けてみました。すると、4月30日だけ突出して訪問者数が多いことに気付きました。

な~んと、目下の目標500名をはるかにしのぐ 778名 のお客様が来られていました。
これにはビックリです。005.gif

赤枠のところだけ飛び出てます。↓
f0307478_1615298.jpg



















で、何でかな~と思って調べていたら、その理由は安倍首相の米議会での演説にありました。

この時の演説の全てはまだ見てなかったので知らなかったんですが、そうでしたか~。

Carole King You’ve Got a Friend を引用されたんですね~。

私が過去に訳したこの記事へのアクセスの多い事多い事。(*^^*)

→ 訳詞の世界~You've Got a Friend - Carole King(和訳&考察)

この記事は自分が書いた中でも好きな記事のひとつです。音楽評論家の記載文の引用箇所は、すべての人に読んでもらいたいと思っています。だからアクセスが多いのはとってもうれしい。

安倍首相のスピーチを全部聞きましたが、素晴らしいスピーチだったと思っています。中国や韓国に謝罪しなかった云々の批判も聞こえてきますが、日本を代表する人物が、堂々と自信にみなぎる態度で、45分間のスピーチを英語で言いきったということに、私はいたく感動しています。

ついでながら、You’ve Got a Friend について安倍首相が言及した箇所の文言は以下のとおりです。
スピーチの最後を締めくくるのに、推敲に推敲を重ねたと思われる英文ですね。

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Hope for the future

When I was young in high school and listened to the radio, there was a song that flew out and shook my heart.
私が若き高校生だった頃、ラジオを聴いていたんですが、ある歌が流れてきて心が揺さぶられました。

It was a song by Carol King.
キャロル・キングの歌です。

"When you're down and troubled, ...close your eyes and think of me, and I'll be there to brighten up even your darkest night."
「落ち込んで苦しい状況にいるとき...そんなときは目を閉じて、私のことを思い出して。すぐにあなたのところへ行くわ。今までなかったような暗い夜でさえも明るくしてあげる。」

And that day, March 11, 2011, a big quake, a tsunami, and a nuclear accident hit the northeastern part of Japan.
そしてあの日、2011年3月11日、大地震と津波、そして原発事故が日本の東北地方を襲ったのです。

The darkest night fell upon Japan.
これまでにない暗い夜が日本を襲いました。

But it was then we saw the U.S. armed forces rushing to Japan to the rescue at a scale never seen or heard before.
しかし、その時です。未曾有のスケールで、米軍は、日本を救援するために駈けつけてくれました。

Lots and lots of people from all corners of the U.S. extended the hand of assistance to the children in the disaster areas.
全米から多大なる人々が、被災地域の子供たちに援助の手を差し伸べてくれたのです。

Yes, we've got a friend in you.
そうです。あなた方の中に友を見ました。

Together with the victims you shed tears. You gave us something, something very, very precious.
被災した人々と一緒に、あなた方は涙を流してくれました。大切なものを私たちに与えてくれました。

That was hope, hope for the future.
それは希望です。未来への希望です。

Ladies and gentlemen, the finest asset the U.S. has to give to the world was hope, is hope, will be, and must always be hope.
皆さん、米国が世界に与える最良の資産、それは、希望でした。今も、これからも希望です。常に希望でなくてはなりません。

Distinguished representatives of the citizens of the United States, let us call the U.S.-Japan alliance, an alliance of hope.
米国国民を代表する皆様、米国と日本の同盟を、「希望の同盟」と呼ぼうではありませんか。

Let the two of us, America and Japan, join our hands together and do our best to make the world a better, a much better, place to live.
アメリカと日本、両国が手に手をとって力を合わせ、最善を尽くし、世界をもっと良い場所に、はるかに住み良い場所にしていこうではありませんか。

Alliance of hope.... Together, we can make a difference.
希望の同盟...両国が力を合わせればできるのです。

Thank you so much.
ありがとうございました。

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Translated by Satin

注)上記は首相演説の英文を元に、私が解釈し訳した日本語です。首相官邸ホームページで公開されている公式のものとは異なりますことをご了承ください。
by ladysatin | 2015-05-05 16:32 | 英語と私といろいろ | Comments(0)

今日は私のお仕事にまつわる軽いお話です。^^

最近は翻訳の仕事もやりつつ、テクニカルライティングの仕事も結構やってます。
テクニカルライティングというのは、いわゆる原稿作成のお仕事です。
いかにユーザーにわかりやすく、簡潔に書くか...私にとっては翻訳より難しいお仕事です。

テクニカルライティングというと何かカッコいいけど、めっちゃ地味な仕事なんです。
今、洗濯機の取説の原稿を書いているのですが、毎日、話が二転三転して、何度も書き直しています。
製品試作の段階では仕様がころころ変わるので、それを追いかけて原稿を書き直すのですが、一部だけ書き直したあと、全体の整合性がとれているかチェックするので、それがまた大変。

洗濯機といえば、一年ほど前に、タイ向けの洗濯機の取説作りましたというお話を書きました。
タイの人は柔軟剤が大好きなので、Fragrance course というコースがあるんですよって書いたんです。

さてタイ向けが終わったと思ったら、その次はインド向け洗濯機の取説を作ったんです。
インド向けはというと、Fragrance コースはなくなってました。

インド人は柔軟剤は大して使わないんですかね。

と思っていたら、ああやっぱり、インドならではのコースが...

その名も Sari course です。

サリーって、インドの女性の服ですよね。
サリーを洗うためのコースなんです。
手洗いコースとどう違うのか、今一つわかりませんでした。

それで、インドが終わって、洗濯機はしばらく途絶えていたんですが、最近、思いだしたようにまた洗濯機のお仕事が入りました。

今度はベトナム向けです。白物家電のメーカーさんは、アジアを集中して攻めているみたいですね。

ベトナム向けにはどんなコース設定があるのかしら?と思って仕様を見てみました。
そしたら、な~んとまたしても Fragrance course が入ってました。

ベトナムの人も柔軟剤が大好きなんですね。きっと。

ところで、アジア向けの洗濯機は、日本で売られているものとはかなり見た目が違うみたいです。かなりシンプル、というか簡素というか、おしゃれっ気が全くないの。やっぱりかなりコストを押さえている感じがします。先日、メーカーさんに実機チェックに行ったんですが、まず、日本の量販店には置いていないような縦型洗濯機でした。売れてほしいと切に願っています。結果はいかに。

日本のメーカーは、ここ数年はテレビで相当痛い思いをしたと思いますが、テレビ事業にまた力を入れ始めているところもあるようですし、テレビやオーディオ関連の製品がまた復活してほしいです。

明日からまた一生懸命、原稿作りに励まなくちゃ。

皆さんもどうぞ良い一週間をお過ごしください。

p.s. 今日は英語の話はなんもなくてごめんなさいね~。

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by ladysatin | 2015-03-22 20:52 | 英語と私といろいろ | Comments(5)

昨年に続き、今年度のセンター試験をやってみました。

朝の通勤電車の中で、ウォークマンを聴きながらペンを片手に真剣なまなざしでセンター試験を解く、きれいめ?? (*^^*) のおばちゃんがいたらそれは私です。両隣のサラリーマンのおじさん達のちらちら視線などよそに、一心不乱に問題を解きましたよ~。

一応長いこと英語をやってる私ですので、高校生と同じ80分の制限時間はあんまりでしょう。
タイムリミットを30分に設定しました。^^

去年より今年の方が簡単な気がしました。最後の長文読解まですいすいっと進みました。

満点でしょう♪と思いつつ自己採点しました。

結果は...

いっこ間違えてました... (´_`。)

ショック...

去年は満点だったんですが、やっぱりポカミスをしちゃいました。
その間違えた問題のところはあとで書きますね。

ところで皆さん、センター試験は英語で何というかご存じですか?
答えは... The National Center Test

大学入試センターは National Center for University Entrance Examinations

ではでは、今回の試験で個人的に気になったところをほんの少しだけピックアップしてみます。

●第1問
発音・アクセントの問題は良問だったと思います。どれも英文を読む上で知っておかなくてはならない実にベーシックな単語ばかりでしたね。dinosaur の発音は高校生には少し難しかったかも。消去法で答えた人もいたでしょうね。

●第2問
Aの問9で so...that の構文が出ていました。
The Internet has become (so) powerful a tool (that) people living anywhere can access any educational resource.

この英文は少し難易度が高かったかも。私が高校生に教えていたころ、形容詞 (powerful) のあとに冠詞つき名詞 (a tool ) があるのがどうもわからんという生徒が結構いました。a powerful tool だと普通の語順ですよね。しかし、上の問題では so a powerful tool とは言えません。so が修飾するのは形容詞か副詞ですから、a powerful tool のような名詞句をもってくることができません。ここでの so は形容詞の powerful を修飾したいので so powerful にして a tool をその後ろに置かざるをえないということですね。

さて、ここで (such) powerful a tool (that) を選んだ受験生もいたと思います。such と so は両方とも「そんなに」という程度を表すので紛らわしいです。such の場合は、後ろに名詞(句)がきますから、今回の文では使えない。such ...that を使いたかったら語順を変えないといけないですね。

以下の語順だとOK
The Internet has become (such) a powerful tool (that) people living anywhere can access any educational resource.

★so ...that と such ...that よく似ていますが語順が変わるので要注意です。

Cの問3は、dream の用法を問う問題でした。dream は to 不定詞をとりません。前置詞 + 動名詞の形にします。
正解は I wouldn’t dream of doing such a thing!
(誤:I wouldn’t dream to do such a thing! ×)

第3問はスキップします。

●第4問
毎年グラフの問題は出てきますねえ。はい、私が間違えた箇所は第4問でした。
よ~く読まないとひっかかっちゃうなあ。

SNS の問題の問1で、グラフの (A) (B) (C) は、Students, Teachers, Parents のそれぞれどれを指すかという問題で間違えました。

選択肢
① (A) Parents (B) Students (C) Teachers
② (A) Parents (B) Teachers (C) Students
③ (A) Students (B) Parents (C) Teachers
④ (A) Students (B) Teachers (C) Parents

まず、(A) が Students だというのはすぐわかりますね。本文に a quarter of students chose "safe" とありますから。そこで①と②ははじかれて、残りの選択肢は③と④です。

ここで私は③を選んでしまったんです。正解は④でした。本文のこの箇所を読み間違えました。
In contrast, with the students’ responses, their parents and teachers were more cautious about the risk associated with SNS use, with teachers slightly more likely to see high risk.

with teachers slightly more likely to see high risk
この箇所は「SNS に対して高い危険性を感じているのは親より先生が少し多いようだ」と言っていますね。ここを私は左から2番目のグラフ A little risky に結び付けてしまったんです。slightly と little を何も考えずに関連付けてしまった。安易でしたね~。ここは、Very risky のグラフでチェックしなくちゃいけなかったのに。完全なポカミスです。
(朝の通勤時間だったから見直ししなかった...と言い訳をしてみる。)

チャレンジした皆さんはどうでしたか?だまされませんでした?

●第5問・第6問
この長文読解では単語の意味を推測させる問題が2つありました。
第5問では has a penchant for 第6問では burgeoning の意味を考えさせるというものでした。両方とも高校生には難しいフレーズと単語です。

こういった問題が出題されるのはとても良い傾向だと思います。英文を読んでいて、すべての単語やフレーズを知っているケースはほとんどないのではと思います。わからない単語に突き当たったときに、それまでの文脈からどういう展開になるのかを考える力をつけることで読解力はさらに強固なものになりますよね。

has a penchant for については、その前の文に She’s getting good grades and likes her classes and teachers. とあり、彼女が成績が良く授業や先生が好きだというポジティブな面が書かれています。それに続き、In particular, she has a penchant for numbers and loves her math classes. なので、ここは In particular で好きなものを強調していると考えられますよね。だから答えは is fond of が適切だとわかります。

burgeoning については、前の文で市民科学のプロジェクトの初期の形態は1900年にさかのぼるとあり、続いて However, citizen science projects are burgeoning more than ever: の中に使われています。

more than ever - これまで以上にどうだというのでしょうか。それはコロンのあとの具体例が示しています。

over 60 of them were mentioned... これは 1900年の one of the earliest projects に比較して、60以上にまでなったと言ってます。つまり「増加した」ことが言いたい。となると答えは increasing rapidly しかなかろうという結論です。

072.gifついでに penchant と burgeon の意味を押さえておきましょう!

ジーニアスより
penchant
通例 a penchant
(...に対する)(他人には好まれない)強い好み、趣味、傾向
・have a penchant for painting 絵が大好きである

burgeon
1. 新芽を出す、花が咲く
2. (郊外・企業などが)急に発展する(広がる)
3. (人口などが)急増する

******************************
以上、私なりのセンター試験のおさらいでした。
もっと詳しい解説は予備校のサイトにあると思います。

ところで、私はセンター試験は受けたことはありません。
共通一次試験を受けました。(>_<)
※一期校・二期校の世代ではないのよ~って強調しておくわ~。

私の頃に比べたら試験内容はかなり良くなってると思います。こんなの知っていてもしょうがないでしょっていうような問題は今年の問題にはなかったですね。SNS の問題も今ならではのトピックでした。

今回も色々勉強になったので、また来年チャレンジすることにします。

では。001.gif

******************************
追記)
インターネットを見ていたら、堀江貴文さんとマーティフリードマンさんがセンター試験にチャレンジしたって書いてありました。堀江さん178点、マーティさん177点ですって。
どうですかね~。この点数 004.gif

堀江さんは、使役の問題を間違えたらしいです。
第2問の問2のことかな。カッコ内に入れる問題を選べというもの。

Scott went to the police station because he (???).

選択肢
①caused his computer stolen
②got stolen his computer
③had his computer stolen
④was stolen his computer

正解は③ですよね。おそらく④を選んだんだろうなと思います。
Scott went to the police station because he (was stolen his computer). × ←まちがい

自分が盗まれてはあかんよ。(´▽`)
でも、堀江さんは受験してからはブランクがあるのに頑張った方ですね。
久留米大附設から東大でしたよね。
さすがだわ。

マーティさんは上で私が解説した (so) powerful a tool (that) が出来なかったらしい。

もう、マーティ先生ってば、こんなん間違えたらあかんわ。
バリバリのネィティブなんやからね。ヽ(´o`; オイオイ

来年挽回しようねっ♪
by ladysatin | 2015-01-24 20:25 | 英語と私といろいろ | Comments(3)

Woman’s Language

今日は、センター試験の英語を東進のホームページからダウンロードしました。

もう解答速報が載ってるの。速いわねっ w( ̄▽ ̄;)w

プリントアウトしたので、明日の通勤電車でチャレンジします。

昨年のセンター試験は満点だったんだけど今回はどうかなー。
結果と感想は次回書きます。(^^;)

さて、今日はちょっと毛色の変わった内容でも。

072.gif女心の本音と建前について (>-<)

誰がこんなの書いたのか知らないけど、思わず笑っちゃった。↓

女性の皆さんはいくつ自分に当てはまるか考えてみてね。
男性の皆さんは女心を勉強しましょう。

f0307478_20451552.jpg
















※左が建前で、右が本音です。

*****************************
さていくわよ~ (o^-^o)

★Yes = No 
女の Yes は No だと思え 

★No = Yes
いやよいやよも好きのうち

★Maybe = No
とりあえずその場をしのいどこっと

★We need = I want
誰かを巻き添えにすると安心なのだ

★I’m sorry = You’ll be sorry
後悔するのはアンタのほう

★We need to talk = You’re in trouble
「ねえ話があるの~」って彼女に言われたらビクッとしよう

★Go ahead = You better not
痛い目にあうのも人生の勉強でしょうし...

★Do what you want = You’ll pay for this later
「ダーリンの好きにしていいわ」
あとは知らんよ

★I’m not upset = Of course I am, you MORON!
「怒ってないから気にしないで」
それを真に受けて放っておくと取り返しのつかないことに

*************

男はつらいよ
女はこわいよ

ではまた 001.gif
by ladysatin | 2015-01-18 20:35 | 英語と私といろいろ | Comments(4)

今日は原爆関連のトピックです。

朝日新聞の特設サイト「広島・長崎の記憶~被爆者からのメッセージ」のボランティア翻訳がまだ続いています。当初の立ち上げ時からずっと参加させていただいていて、10本くらいの記事を英訳させていただきました。

昨年の10月に、また英訳依頼がきました。残業が続いていた時期でもあり、今回はお断りしようかと思ったのですが、いつも頼りにしてくださるのでやっぱりお引き受けしました。

過去にもこのボランティア翻訳については3回ほど記事を書いていますが、この翻訳に私が積極的にかかわっている理由はまだ書いていませんでした。

私が参加している理由は、まずこのサイトの趣旨に賛同しているからに他なりませんが、個人的に気持ちが駆り立てられるのは、私が被爆二世だからだと思います。私は長く関西に住んでいますが、生まれは長崎で、両親は被爆しています。小さな頃から原爆の恐ろしさを親から聞いてきたからか、このサイトの翻訳に関してだけは、使命感をもって取り組ませていただいています。

今回担当した記事について少し書きたいと思います。

長崎で被爆した女性の体験「ニュージーランドで語ってくれ」というタイトルの記事です。10月に依頼を受けて、すぐに取り掛かり英訳を担当者に送付しました。そしてネィティブチェックが戻ってきました。

今回とてもうれしかったのは、ネィティブのチェッカーからの感想をいただけたことです。ご担当者によると、私の英訳について「たいへん上手で奇麗な英語に本当に感心いたしました(原文まま)」という感想が添えられていたということでした。今まで担当した記事には特に何もなかったので、今回もただチェック後の英文が戻ってくるだけかなと思っていました。

ネィティブから英文をほめてもらうのはやはりうれしいものです。おそらく「日本人にしては」という但し書きがつくのかもしれませんが、それでもうれしかったです。

「ニュージーランドで語ってくれ」 - まずこのタイトルを読んで、なぜニュージーランドなんだろうと思いました。私の無知をさらけだすようですが、原爆被害の実相を伝えるため、国が1995年から世界各地で開いている「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」のことでした。こういう取り組みがあるということを今頃知って恥ずかしい気持ちになりました。

さて、ネィティブチェックで修正された文は今回も色々と勉強になりました。ネィティブが修正した英文を、今度は私自身がチェックします。この作業は非常に重要です。ネィティブが修正したからOKだろうと思ってそのままにしておくと、日本語からかけ離れてしまうことがあるからです。

実は今回、気付いてよかったと思った箇所がありました。元の日本語はこうです。
「羽田さんは戦後、医師への道半ばで亡くなったあの医大生の姿を思い、人の命を支える仕事を志す。」

この日本文を私は以下のように訳しました。
After the war was over, Ms. Hada decided to commit herself to a job to support people's life, recalling the medical student who died on half way to a doctor.

するとこの英文をネィティブは以下のように修正して戻してきました。
After the war ended, Ms. Hada decided to commit to a life of service to others, recalling the medical student who had died on his way to seek a doctor’s help.

これを読んで「しまった」と思いました。ネィティブのチェッカーは、この医大生は医者の助けを求めている途中で亡くなったと書いています。これはもちろん私の英語がそのように読めてしまったからなんですね。この点、大いに反省しました。そして、新聞社の担当の方に、これはまずいので書き直してくださいとお願いしました。

その後、どのように直ったかの連絡はなく私も忘れかけていました。すると、昨年の暮れの12月26日に「翻訳をアップしました。」との連絡が入りました。

きちんと修正してくださっているかなと思いつつ、サイトにアクセスしました。すると、英文はこのようになっていました。
After the war ended, Ms. Hada decided to commit to a life of service to others, recalling the medical student who had died on his way to becoming a doctor.

そう、私の英文は「医師への道半ばで」を on half way to a doctor としていたので誤解を生む表現だったのですが、チェッカーは on his way to becoming a doctor と明確に書き直してくださっていました。

またひとつ勉強した ― そう思いました。

よかったら皆さんにも読んでいただければうれしいです。
日本語 → 「ニュージーランドで語ってくれ」
英語 → Asked to Speak in New Zealand

今年は被爆70年。この企画は今後も続いていくようです。まだこのサイトをご存じない方も多いと思うので、私のブログでは機会があるたびに取り上げたいと思っています。

少しでも原爆のことに興味をもってくださる方が増えますように。
by ladysatin | 2015-01-11 18:31 | 英語と私といろいろ | Comments(2)

Today is a gift

The clock is running
時計は動き続けている

Make the most of today
今日という日を大切にしよう

Time waits for no man
時は人を待ってくれないのだから 

Yesterday is history
昨日は過去であり

Tomorrow is a mystery
明日は知りえないもの

Today is a gift
今日という日は贈り物

That's why it is called the present
だから「今日」のことを present と呼ぶのです


“Sun Dials and Roses of Yesterday: Garden Delights...”
By Alice Morse Earle (1902)


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一年が終わる頃にこの詩を読んで自分をリセットします。

良い言葉に触れると幸せな気持ちになれますね。001.gif
by ladysatin | 2014-12-22 06:35 | 英語と私といろいろ | Comments(2)

昔、こんなコマーシャルがありました。

上から読んでも山本山、下から読んでも山本山

ああなつかしいと思ったあなたっ。

結構いってますわよ。∩(´∀`)∩ワァイ♪

はい。今日はこれの英語バージョンをやってみまっせというわけ。

へ~と思っていただけるかどうか。

いやいや、英語にも山本山がほんまにあるんやね。

ずっと以前のことなんですが、アメリカのドラマでそれを聞いたんです。

その言葉は女子大生の会話の中で出てきました。

どんな設定だったか覚えていないのですが、ただの相づちみたいな感じでこう言ったの。


ワザワザワ


へっ?( ̄◇ ̄;)エッ

なっ、なんやねん、ワザワザワって?ってな感じ。

最初わからんくて、録画しておいたのでもう一度聞いてみた。

はあ。そういうこと~。

さて、何と言ったと思います?

英語に起こすと…


Was that what that was?


ひゃ~、まさしく

Was ワ that ザ what ワ that ザ was ワ
というわけでした。 

意味は… 「ああ、そうだったの?」みたいな感じでそのドラマでは使ってました。

私だったら Really? ほんとう?くらいしか思いつかないような場面だったんですね。

では文を解剖いたします。

Was that what that was?

この文は間接疑問文ですね。

What was that? – それは何ですか?

これを Was that の補語の位置にもってくるから what that was の語順になったんですね。

what that was の意味は「それが何であるかということ」

だから直訳すると
Was that what that was? 「それは、それが何であるかということだったんですか?」

これを自然な日本語にすると「それがそういうことだったんですか?」みたいな感じ。

何か日本語でも言いますよね。こういうの。

「ああ、あれがそうだったんだ~」みたいに、「あれ」とか「それ」とか指示語だけですませてしまうなんてこと。

それで、私はこの表現がえらく気に入ってしまい、会社の同僚のアメリカ人にいつか言ってみようと思いました。

Was that what that was?

しかし、なんか舌がもつれる~。
練習してもスムーズに発音できひんのです。
what that was のところが難しい。
しかし、練習の成果をぶつけてみようとやってみました。

アメリカ人の彼が何かいろいろしゃべったあとで、満を持して言ったのです。


Was that わざっ

what that was? ほわっ、ざわ~



ぎゃっ、通じたんか? (;-_-) =3

彼は返事しました。

Oh, yeah.

わ~い。つうじたぁ。大成功♪ (≧ω≦)b OK!!

ああ、私の英語の相づちのレパートリーにしよう!
...と思ったんだけど、発音が難しいのがストレスになり、ほぼ出番はありません。(涙)

こういう表現がさらっと言えるといいんですけどね。

あと指示語を使った表現でよく聞くのはこれ。

This is what it is all about.

「これがそういうことよ」みたいな感じかな。
この表現は便利なので出番があります。

ということで、今日は山本山のお話でした。

001.gif
by ladysatin | 2014-10-11 16:32 | 英語と私といろいろ | Comments(2)

8月なので原爆関連のお話を書きたいと思います。

私は過去に朝日新聞の特設サイト「広島・長崎の記憶~被爆者からのメッセージ」のボランティア翻訳に参加しました。

以前そのことについて書いた記事があります。よかったら読んでいただけるとうれしいです。
こちらです。
→ 久しぶりにボランティア翻訳
→ ボランティア翻訳の続き

今日はこのボランティア翻訳で題材として渡されたものを取り上げようと思います。

私の翻訳の仕事は、技術関係が主体です。テクニカルな内容ばかりなので、人物の心理描写や情景描写を日本語から英語に翻訳することは全くありません。なので、そういった翻訳は不得手の部類に入ります。

だからこそ、自分の英文力をネィティブに添削してもらうということは、非常に勉強になります。もちろんネィティブの添削といってもきちっとした英語が書ける人は少ないので、レベルの高いネィティブに添削してもらわないと意味がないことはいうまでもありません。

今回の題材 一人芝居「命ありて」 の英訳では、ネィティブの修正訳で「なるほど」と感じたところがいくつかあり、皆さんにも読んでいただければと思いました。

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一人芝居「命ありて」
 → 日本語原文 
 → 最終英訳 

この記事のタイトルは「命ありて」です。
さて「命ありて」をどう訳しましょう。最初からつまずきました。

「命ありて」を直訳すると With Life あたりになるんでしょうか。しかし、何かそっけないタイトルです。「命とともに」みたいな感じですね。My Life はどうかな?...「私の命」-う~ん、これも何か変です。

どうもしっくりした訳が思いつきません。そこで、「命ありて」をもう少し咀嚼してみました。

この記事は被爆者として生き残った男性が、自身が経験したことを、一人芝居を通じて平和のありがたさや命の尊さを後世に伝えようとする内容を綴ったものです。

そう、命の尊さ。。。私は、とっさに Gift of Life というタイトルを思いつきました。「命という贈り物」が原義ですが、「命ありて」が表したいことはこれではないかと思ったのです。

全訳が終わって新聞社に提出しました。Gift of Life とした理由を添えて。また、ネィティブのプルーフリーダーに違和感があると判断されるようであれば、タイトルは変更してもらってかまわないと書きました。

さて、修正訳が戻ってきました。そこで見たものは Gift of Life ではなく The Gift of Life でした。そうです。定冠詞の The が添えられていたのです。私はこれを見て、何か新鮮な驚きを覚えました。と同時に「ああこれは The Circle Game と同じものなんだ」と思ったのです。

以前のことですが、The Circle Game – Joni Mitchell 訳詞考察 の記事で、なぜ Circle Game に The がついているのかということを考えたのです。もしかしたら、これと同じかもしれないと思いました。つまり、総称用法の The です。普通 Gift から連想されるものは無限大にあります。その無限大にあるものの中から「命」に限定した Gift を指す場合、The が必要なのは言わずもがな。定冠詞のない Gift of Life のぼんやり感では、非常に弱い印象になってしまいます。私はこのことに全く気付いていませんでした。

本にしても曲にしてもタイトルは極めて重要な意味をもちます。返ってきた修正訳を見て、このことを再認識させられた思いがしました。

あといくつか冠詞の誤りを指摘されました。本当に冠詞の使い方は勉強しても自分のものになりにくいものだと痛感します。

英文自体を大きく修正された箇所もありました。その箇所をご紹介します。

主人公の男性が修学旅行の中学生を前に、一人芝居を公演中、やじを飛ばされます。騒ぐ生徒がいても、男性は芝居を続けました。このことが、子どもに被爆体験を伝えることの難しさを象徴する事例として、大きく報じられました。男性は謝罪に訪れた生徒達にこう言いました。

「人の痛みのわかる人間になってください。もう水に流しましょう」

この言葉を私はこう訳しました。
Please become a person who understands pain of people. Let's forget and forgive now.

とりあえず文にはなってはいますが、いかにも日本人が書いた英文と思わせる文です。この程度しか書けない自分が情けないです。もちろん、赤が入って帰ってくることを覚悟していました。

修正訳はこうです。
◎Please grow into adults who have empathy for other peoples' pain. Let this be water under the bridge now.

やっぱり全く違いますね。「人の痛みのわかる人間」の箇所に empathy を使ってあります。「わかる」は understand と反射的に考えてしまったのですが、ここでは「他人の気持ちを理解きる」を表す empathy がふさわしいのです。

そして「もう水に流しましょう」の箇所。自分の訳 Let's forget and forgive now. の英文は悲しくなるほど稚拙です。修正訳は Let this be water under the bridge now. お見事としか言いようがありません。「水に流す」をこう表現するとは。

こんな感じで自分の持つボキャブラリーの貧困さに愕然とする思いがしますが、こういう機会がないと作文能力はなかなか向上しません。私にとってはとても有意義なことでした。

さて、最後の文言です。

渡辺さんは、90分の芝居を必ずこう結ぶ。「原爆で生きることを奪われた同級生の分まで、生きてきた。みなさんも命を大切に、一生懸命生きてください」

私の訳です。
Mr. Watanabe concludes his 90-minute monologue as follows. "I have lived for my classmates who were deprived of life by the atomic bomb. Please value your life and live hard."

ネィティブの修正訳です。
◎Mr. Watanabe concludes his 90-minute monologue as follows: "I continue living for my classmates who were deprived of life by the atomic bomb. Please value your life and live earnestly.

8月が来るたびに、平和の尊さと命の尊さを噛みしめます。それはきっと、このような語り部と言われる方々が、口を開いて、後世へ伝える取り組みをこれまでしてくださったからなのだろうと思います。

終戦記念日の今日、また平和への誓いを新たに。
by ladysatin | 2014-08-15 19:36 | 英語と私といろいろ | Comments(0)