カテゴリ:Music & English_3( 26 )

昨日、Tom Petty の訃報が飛び込んできました。
またロック界のスターがいなくなってしまいましたね。

Tom Petty & The Heartbreakers というバンドは日本ではあんまり人気が出なかったのですが、アメリカではスーパースターです。グラミー賞も受賞したと思います。飾りけのないストレートなロックバンドでした。私はベストアルバムを1枚持っているくらいなので、大ファンとまではいかないのですが、今日は、Tom Petty のことを書こうと思います。というのも私が一番好きな女性アーティストと深い関係があるから。

その女性アーティストとは Fleetwood Mac Stevie Nicks です。これ前にも書いたことがあるんですよ。下の記事を読んでいただくと、私が Stevie をいかに好きかわかっていただけると思います。ちょっと恥ずかしいくらいですが、Stevie Nicks の話を始めたら徹夜になっちゃうねってくらい好きです。

Tom と Stevie の接点は、Stevie が1981年に出した Bella Donna という初ソロアルバムでした。その中の Stop Draggin’ My Heart Around(邦題「嘆きの天使」)は、Tom Petty と、Heartbreakers のギタリスト Mike Cambell によるものなのです。この曲は Stevie の代表曲の一つで、私も大好きな曲です。

この曲をきっかけに Tom と Stevie はアーティストとしての交流を深め、今日に至るまで親友であり続けたのです。だから、Stevie はTom の家族と同じくらいに、今 Tom の死を悲しんでいると思います。

今日はリスニングの練習として、Stevie が Tom について語っているものを題材として選んだのですが、実はこれ、1年ほど前にブログの記事としてアップしようとして取り組んでいたものでした。しかし、ディクテーションをしながら、1箇所どうしても意味不明のところがあって、置き去りにしていたのです。

Tom の訃報を受けた瞬間に、この未完の記事を思い出し、もう一度トライしてアップすることにしました。Stevie の Tom への想いがつまっているものだから。そして、今でなければ意味がないと思いました。



Stevie Nicks: Stop Draggin' My Heart Around (With Audio Commentary)


今回の題材のビデオです。このビデオの元は、1981年の Stop Draggin’ My Heart Around の PV です。Stevie と Tom がデュエットしています。この PV を見ながら Stevie が当時を振り返って解説しています。ちょうど10年前の2007年に作られたビデオです。Stevie がいかに Tom のことを大切にしていたかがわかります。最後に言った "Thank you, Tom. I love you, Tom." の言葉を、Stevie は今まさに、かみしめているのではないかと思うのです。

****************************************************************

1) 0:03
So, the really crazy thing about this video is, right now in 2007, I have just come off the road with Tom Petty & The Heartbreakers. For 4 months for Tom’s 30th anniversary, 27 shows I got to be on stage with the Heartbreakers, a real honorary Heartbreaker.

まず、このビデオについては実にクレイジーなことがあるの。2007年の今、私、Tom Petty & The Heartbreakers のツアーを抜けたばかりなの。4か月の間に27回のショー。Tom の30周年記念のショーだったんだけど、Heartbreakers と一緒にステージに立ってたの。本当に名誉な Heartbreaker だったわ。

2) 0:24
And this video was my first foray into being an honorary Heartbreaker. I was just reminded that this was the first video that we really ever did. Um…there was certainly video done with Fleetwood Mac, but that was always shot live. So this was the first real MTV Ask Video.

そしてこのビデオは、私が名誉なる Heartbreaker となる最初の一歩だったのよ。思い出したわ。私たちが一緒にやった最初のビデオだったわね。Fleetwood Mac のときも、もちろんビデオは撮ったけど、全部ライブの映像ばかりだったわ。だから、このビデオが、本当の意味で最初の MTV 用のビデオになるわね。

3) 0:49
I didn’t know Tom too well when we did this. So I’m looking at us right now going…let’s see, we’ve been friends for since 1980. It’s 2007, but right here we hardly knew each other. And I’m also thinking that he could’ve changed history if he’d just asked me to be in the Heartbreakers then. And we could’ve avoided all the rest of the problems with Fleetwood Mac.

このとき、私まだ Tom のことをよく知らなかったの。だから今の私達を見ると…そうね、1980年からずっと友達なのよね。今は2007年だけど、このビデオのときはお互いのことをほとんど知らなかったわ。思うんだけど、もし彼があのとき私に、Heartbreakers に入ってくれって言ってたなら、歴史が変わっていたかもしれないわ。そしたらそれ以降に Fleetwood Mac でおきた問題全部を避けることだってできてたと思うのよ(笑)。

4) 1:19
OK, um…this video was hysterical because like I said, we’ve never done a real video before and that pushes you into ‘you would be an actress’ which I always said even as a little girl I never wanted to be an actress because I didn’t think I would be a good actress.

さてと、このビデオは笑えるわよ。さっき言ったけど、本物のビデオってやつをそれまで作ったことがなかったの。でも(ビデオの中で)女優にならなくちゃいけない。私はいつも言ってたんだけど、子供の時すら女優になりたいなんて思わなかったわ。だっていい女優になれるなんて思えなかったし。

5) 1:36
So trying to pretend your feelings certain way usually doesn’t fly, but Tom and I were like doing a really good job pretending here.

自分の感情を何らかの方法で装おうとしても、普通はうまくいかないわ。でも、Tom と私はこのビデオの中でそれをうまいことやってるのよ。

6) 1:49
The words were good, too. “And you buckle with the weight of the word”, you know, it’s like we were kind of we were already on a journey to the rock’n’roll world. I don’t know if we were ready for what was to come over the next 30 years, but we’re still alive and we made it.

歌詞もよかったわ。“And you buckle with the weight of the word (そして言葉の重みにあなたは押しつぶされる)”
私たちはすでに、ロックンロールの世界へ旅しているみたいだった。その後の30年の中で起こることに準備が出来ていたかどうか。それは私にはわからない。でも二人ともまだ生きてる。そして私たちはやり遂げたんだわ。

7) 2:07
Right there, it’s an interesting little thing. See dozen jewels earring things stuck to the sides of my head. Every time I would twirled, they would hit me in the face. And it would upset me so much we had to stop filming and start again at that point. They were braided into my hair so we couldn’t get them out.

このビデオにはちょっと面白いことがあるの。見て、私の頭の両側に、宝石やらイヤリングやらたくさんへばりついてるでしょ。私が回るたびに、それが私の顔を直撃するのよ。すごく頭にきちゃって、その箇所になると撮影をストップしてやり直さなくてはならなかった。その飾り物は私の髪に編みこまれていたから、取り外すことができなかったのよ。

8) 2:36
As you can see my lip syncing, it’s the worst lip syncing I ever did. It’s good that it was the first video I ever did because I have an excuse. That’s like I know your song. I didn’t know this song, and it’s pretty obvious I didn’t know it. So I just start all this frill with Tom. And people won’t notice the horrible mistakes I’m making lip syncing.

私のリップシンクを見るとわかると思うけど、今までやった中で最悪のリップシンクだっわ。初めてのビデオでよかったわ。だって言い訳できるもの。あなたの歌知ってますって感じだけど、私この歌知らなかったのよ。見たら丸わかりよ。私は気取ってリップシンクをしたわ。Tom とね。でもリップシンクしてるときに、私ったら恐ろしい間違いをしたんだけど、誰も気づかないの(笑)。

9) 3:03
I totally didn’t know the words, but what I did know was that something big was happening here. And I knew in my heart of hearts that Tom Petty and Stevie Nick would be friends forever.

全く歌詞を知らなくてね(笑)。でもわかってたことがあった。それは何だか大きなことがここで起きているって。そして、心の底からわかったの。Tom Petty と Stevie Nicks は永遠に友達でい続けるだろうって。

10) 3:21
And if there is anything really to say about time, real love doesn’t die because Tom and I are still really really dear friends.

時間について言うことがあるとすれば、本物の愛は死なないということね。だって、Tom と私は今もなお本物の大切な親友だから。

11) 3:31
And I haven’t had as much fun on the road as I had this summer with him, both of us are now 50s, as I ever had the road ever. So what we had here never changed, and never stopped, and just continues now.

今年の夏、彼と一緒に過ごしたけど、こんな楽しいツアーは初めてだったわ。二人とも今50代だけど、これまでのツアーの中で本当に今回が一番。だから、このビデオで得たものは、決して変わらなかったし、止まることもなかったということね。今も続いているのよ。

Thank you, Tom. I love you, Tom.

ありがとう Tom 愛しています Tom…

*******************************************
終わり

大体は聞き取れたとのですが、どうしても意味不明だったところとがありました。0:43頃の "So this was the first real MTV Ask Video." のところです。私には "Ask" としか聞こえないのですが、そうなると意味が分かりません。何か意味があるんでしょうか。それとも違う単語なのでしょうか。わかった方は教えて頂けるとうれしいです。その他小さな間違いがあると思います。「ここ間違ってるよ」って気付いたところはお知らせください。すぐ訂正しますね。

★追記 2017年10月18日
 上のビデオが視聴できなくなってる。
 なんでやね~ん 145.png

Stevie Nicks のファンの方のコメントお待ちしています。


by ladysatin | 2017-10-04 21:21 | Music & English_3 | Comments(7)

めずらしく訳詞の記事を2回続けて書きます。

今回だけ特別です。^^

というのは、絶対無理だと思っていたことが、何とかできたからなのです。

以前、AKB48 の「
365日の紙飛行機」を英訳しました。日本語の歌詞と内容をできるだけ変えずに、英語の歌にするという試みは、思った以上に難しいことだと知りました。でも、とてもやりがいがあって、出来上がったときの喜びは何とも代えがたいものがありました。


今回は、いきものがかりの「ありがとう」にチャレンジしました。実は「365日の紙飛行機」の英訳が終わってすぐに、「ありがとう」の英訳を始めたのですが、最初のフレーズから全く太刀打ちできず、完全にあきらめていたのです。色んな英訳を考えてはみるのですが、字余りだったり字足らずだったり、なかなかメロディにのらないのです。こんなとき、自分のボキャブラリーの貧困さに愕然とします。


それから1年近くたって、先日、再チャレンジしてみました。そしたら不思議なことに、訳が浮かび上がってきたのです。しかも、ちゃんとメロディにのる訳が。これはもう、気分が乗っているときに一気にやるしかないと思いたったが吉日です。3日間かかりましたが、何とか完成しました。


私は日本のポップスはほとんど聴きませんが、たまにこんな素晴らしい曲に巡り合うとうれしくなります。この曲を書いた、いきものがかりの水野さんの感性と才能にも脱帽します。


英訳は一番だけですけど、以下に公開します。

よかったらメロディに合わせて歌ってみてください。(*^_^*)




この動画はありがとうのカバーをされた方のものです。素晴らしい歌声です。

(本物の音源は見つかりませんでした。おそらく著作権の関係でしょうか。)

********************************************************

ありがとう

Written by Yoshiki Mizuno



"ありがとう"って伝えたくて あなたを見つめるけど


"Thank you for your love"

Every time I see your smile

Unspoken words try to reach inside your heart


繋がれた右手は 誰よりも優しく ほら この声を受けとめている


But I know you hear them every day

When we walk our way just hand in hand

Gentle…

Your warm and gentle hand feels my love for you


まぶしい朝に 苦笑いしてさ あなたが窓を開ける


When morning brings us sunshine

With future from the window

You open it with a rather bitter smile


舞い込んだ未来が 始まりを教えて またいつもの街へ出かけるよ


How beautiful our brand new day

We will share together in our way

While searching for another face of our familiar town


でこぼこなまま 積み上げてきた ふたりの淡い日々は


Our days we spent together are shining now with pride

Although we had to get through hard times


こぼれたひかりを 大事にあつめて いま輝いているんだ


We’ve treasured every tiny light

I know they were the gift from you

And now…

All the lights are shining out


"あなたの夢"がいつからか "ふたりの夢"に変わっていた


You’ve lived your life with your dream

Just one and only

But in time it has turned to something precious for me


今日だって いつか 大切な 瞬間(おもいで)

あおぞらも 泣き空も 晴れわたるように


We’ll build up our memories

We’ll remember today in our memories

We will have good times, and also bad times

Our mind will be clear like the blue sky


"ありがとう"って伝えたくて あなたを見つめるけど


"Thank you for your love"

Every time I see your smile

Unspoken words try to reach inside your heart


繋がれた右手が まっすぐな想いを 不器用に伝えている


But I know you hear them every day

When we walk our way just hand in hand

My clumsy hand conveys my love for you


いつまでも ただ いつまでも あなたと笑っていたいから


I want to see your smile every day and for all time

And show my smile whenever I’m with you


信じたこの道を 確かめていくように 今 ゆっくりと 歩いていこう


Just believe in the road we choose

And this is the one we trust

We know…

We will take our time to go in our way


★Translated by ladysatin★


------------------------------------------------------------


ここから先は、私の英訳を日本語にしてみます。
オリジナルの日本語にどのくらい近づくことができたかな。


"Thank you for your love"

Every time I see your smile

Unspoken words try to reach inside your heart


"愛をありがとう"

あなたの笑顔をみるたびに

口にしない言葉があなたの心の内側に届こうとしている


But I know you hear them every day

When we walk our way just hand in hand

Gentle

Your warm and gentle hand feels my love for you


でもあなたには毎日聞こえてるよね

手をつないで一緒に歩くと

優しい

あなたの温かくて優しい手が、あなたへの私の愛を感じとってくれてる


When morning brings us sunshine

With future from the window

You open it with a rather bitter smile


朝が太陽の光を私達に届けてくれる

窓から未来をつれて

そしてあなたはちょっぴり苦笑いして窓を開ける


How beautiful our brand new day

We will share together in our way

While searching for another face of our familiar town


真新しい日の何という美しさ

私達のやり方で一緒に過ごそう

見慣れた町の別の顔を探しながら


Our days we spent together are shining now with pride

Although we had to get through hard times


私達が過ごしてきた日々は、誇り高く今輝いている

つらい時期を乗り越えなくてはならなかったけど


Weve treasured every tiny light

I know they were the gift from you

And now

All the lights are shining out


どんなちっぽけな光でも私達は大切にしてきた

それらはあなたからの贈り物だって私は知ってる

そして今

すべての光が輝きを放っている


Youve lived your life with your dream

Just one and only

But in time it has turned to something precious for me


あなたはあなたの夢と共に人生を歩んできた

それはかけがえのないもの

でもいつしかあなたの夢は私にとって大切なものになった


Well build up our memories

Well remember today in our memories

We will have good times, and also bad times

Our mind will be clear like the blue sky


私達は思い出を築いていく

今日という日が私達の思い出として記憶にとどまる

いい時もつらいときもあるだろうけど

私達の心は青空のように晴れわたっていくでしょう


"Thank you for your love"

Every time I see your smile

Unspoken words try to reach inside your heart


"愛をありがとう"

あなたの笑顔をみるたびに

口にしない言葉があなたの心の内側に届こうとしている


But I know you hear them every day

When we walk our way just hand in hand

My clumsy hand conveys my love for you


でもあなたには毎日聞こえてるよね

手をつないで一緒に歩くと

私の不器用な手があなたへの愛を伝えてる


I want to see your smile every day and for all time

And show my smile whenever Im with you


毎日そしてずっとあなたの笑顔に会いたい

そしてあなたといるときはいつも私の笑顔を見せてあげたい


Just believe in the road we choose

And this is the one we trust

We know

We will take our time to go in our way


二人が選んだ道をただ信じて

私達が信じる道はこれだってこと

私達にはわかってる

時間をかけて私たちのやり方で歩いていこう


-----------------------------


以上が、私の英訳の日本語訳です。

こうやって見ると、英語で歌う時は、情報量が少なくとも1.5倍くらいにはなっているのがわかりますね。


メロディには乗せることが出来たと思っていますが、自分としてはやっぱり...

もっと詞的表現を磨く必要があると痛感しています。

これからも練習していきたいです。


最後は、いきものがかりのコンサートから。


何度でも聴いていたいです。

本当に良い曲ですね。


043.gif



by ladysatin | 2017-02-25 00:20 | Music & English_3 | Comments(4)

久しぶりに女性アーティストの曲を選んでみました。

Suzanne VegaLuka という曲です。

Suzanne Vega のデビューは1985年。彼女のファーストアルバムは、美しく深みのあるメロディーが散りばめられていて、毎日のように聴いていた記憶があります。淡々と歌う人です。音域はあまり広くないけど声の質はとても良くて、聴いていると心地よいのです。詞の内容も独特の世界観に満ちています。

ファーストがよかったのでセカンドも買いました。
アルバムタイトルは Solitude Standing(1987年の作品)

(引っ張り出して写真をパチリ↓)
f0307478_0324353.jpg
















このアルバムの1曲目 Tom’s Diner は AGF マリームのコマーシャルに使われました。ご存じの方いらっしゃるかしら。1987年のことです。かなり古いけど、YouTube で探したらありました。ついでながら、Tom’s Diner は世界で最初に MP3 フォーマットになった曲なんだそうです。

本日の曲、Luka は Tom’s Diner が終わって2曲目です。
シングルカットされ全米では3位までいきました。

Luka は何も知らずに聴くと、明るいポップスみたい。

でも、内容はとってもシリアス。

というのも児童虐待をテーマにした曲だから。

虐待を受ける少年の視点から描かれた曲です。

詞を読み込んでいくと、とても切ない気持ちになります。

私が訳詞をするときはなるべく原文に忠実に訳します。今回はもう少し踏み込んで、言葉の裏にある思いも私なりに解釈しています。



Suzanne Vega is a brilliant songwriter and singer.

*******************************

Luka
Written by Suzanne Vega

My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you’ve seen me before

名前はルカっていうんだ
2階に住んでるの
あなたの部屋の上だよ
うん、僕を見かけたことあると思うよ

If you hear something late at night
Some kind of trouble. some kind of fight
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was

もしも夜遅くにね
もめごととか喧嘩みたいな騒ぎ声を
あなたが聞いたとしても
「何だったのかい?」なんて
僕に聞かないでね
お願いだよ
どうか聞かないで

I think it’s because I’m clumsy
I try not to talk too loud
Maybe it’s because I’m crazy
I try not to act too proud

僕って器用なタイプじゃないんだ
だからだと思う
あまり大きな声では話さないように努力はしてる
それか僕が馬鹿だからかな
えらそうにもしていないつもりなんだけど…

They only hit until you cry
After that you don’t ask why
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore

あの人達は泣くまで殴るだけなんだからさ
それが終わったら「どうしてなの?」って聞かないことだよ
それ以上言い争ってもだめ
口論しても無駄なんだ

Yes I think I’m okay
I walked into the door again
Well, if you ask that’s what I’ll say
And it’s not your business anyway

うん、僕は大丈夫だと思うよ
またあの家に戻ったんだ
もしあなたが聞いてきたら僕はそう言うよ
でもどっちみちあなたには関係のないことだよね

I guess I’d like to be alone
With nothing broken, nothing thrown
Just don’t ask me how I am
Just don’t ask me how I am
Just don’t ask me how I am

ただ、一人になってみたいかな
そしたら何も壊されることもないし
何も投げつけられることもないだろうからね

僕に「大丈夫?」なんて聞かないでね
「どうしてる?」なんて聞かないで
お願いだから

My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you’ve seen me before

名前はルカっていうんだ
2階に住んでるの
あなたの部屋の上だよ
うん、僕を見かけたことあると思うよ

If you hear something late at night
Some kind of trouble, some kind of fight
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was

もしも夜遅くにね
もめごととか喧嘩みたいな騒ぎ声を
あなたが聞いたとしても
「何だったのかい?」なんて
僕に聞かないでね
お願いだよ
どうか聞かないで

And they only hit until you cry
After that, you don’t ask why
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore

あの人達は泣くまで殴るだけなんだからさ
それが終わったら「どうしてなの?」って聞かないことだよ
それ以上言い争ってもだめ
口論しても無駄なんだ

*************************
訳詞は以上です。

ここからは詞について考察したいと思います。

この歌には特徴的なことがありますが、皆さんは気づきましたか?
実は韻を踏んでいる箇所がたくさんあるんです。それについても書きますね。

では最初のパートから…。

Luka はアパートの外の階段にポツンと座っています。
そこを1階の住人が通りかかり Luka に話しかけます。
「君ってこのアパートに住んでる子だよね。たまに見かけるよ。名前は何て言うんだい?」

Luka は恥ずかしそうにこう答えます。
************************
My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you’ve seen me before

名前はルカっていうんだ
2階に住んでるの
あなたの部屋の上だよ
うん、僕を見かけたことあると思うよ
************************
★floor とbefore が韻

1階の住人は心配そうに Luka を見つめます。
その表情を見てLuka は、夜中に騒動を起こしているのを彼は知っているんだろうと思います。

そしてこう言います。
************************
If you hear something late at night
Some kind of trouble. some kind of fight
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was

もしも夜遅くにね
もめごととか喧嘩みたいな騒ぎ声を
あなたが聞いたとしても
「何だったのかい?」なんて
僕に聞かないでね
お願いだよ
どうか聞かないで
************************
★night と fight が韻

1階の住人は、Luka の話を黙って聞いています。

Luka は話を続けます。
************************
I think it’s because I’m clumsy
I try not to talk too loud
Maybe it’s because I’m crazy
I try not to act too proud

僕って器用なタイプじゃないんだ
だからだと思う
あまり大きな声では話さないように努力はしてる
それか僕が馬鹿だからかな
えらそうにもしていないつもりなんだけど…
************************
★clumsy と crazy、そして loud と proud が韻を踏んでいます。

Luka は、小さな頭で虐待される原因を考えています。
でもどうしていいのかわからないのです。

次のパートで、自分は虐待が終わるまで我慢するしかないのだと、住人に語ります。
************************
They only hit until you cry
After that you don’t ask why
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore

あの人達は泣くまで殴るだけなんだからさ
それが終わったら「どうしてなの?」って聞かないことだよ
それ以上言い争ってもだめ
口論しても無駄なんだ
************************
★cry と why が韻

ここで突然 you が出てきましたが、これはもちろん会話の相手(1階の住人)のことではありません。
一般論を言っています。「そういうものなんだ」という気持ちが入っています。

私はこの後、場面が変わったと思います。
というのは I walked into the door again と過去形が出てきたからです。

しばらく1階の住人は Luka を見かけていなかっただろうと思います。
Luka は多分、家を出たんでしょう。でもまた戻ってきたんです。
そして、Luka を見かけた1階の住人が、心配して話しかけます。
「大丈夫なのかい?」

Luka は答えます
************************
Yes I think I’m okay
I walked into the door again
Well, if you ask that’s what I’ll say
And it’s not your business anyway

うん、僕は大丈夫だと思うよ
またあの家に戻ったんだ
もしあなたが聞いてきたら僕はそう言うよ
でもどっちみちあなたには関係のないことだよね
************************
★okay, say, anyway の3つが韻

I walked into the door again のところは別の解釈をされている人もおられるようです。
「ドアに頭をぶつけた」という解釈ですが、私はそのように解釈しませんでした。
というのは、1階の住人と Luka は既に事実を共有していますから、うそをつく必要はないのです。
私は「また家に戻った」ことを述べていると思いました。

「君はこれからどうしたいの?」と1階の住人が聞きます。
それに対しての Luka の答えがこれです。
************************
I guess I’d like to be alone
With nothing broken, nothing thrown
Just don’t ask me how I am
Just don’t ask me how I am
Just don’t ask me how I am

ただ、一人になってみたいかな
そしたら何も壊されることもないし
何も投げつけられることもないだろうからね

僕に「大丈夫?」なんて聞かないでね
「どうしてる?」なんて聞かないで
お願いだから
************************
★alone と thrown が韻

I guess I’d like to be alone のところは、かなり控えめな表現になっています。

文頭の I guess は住人に「君はこれからどうしたいの?」と聞かれて、ここで少しの間があったんだろうと思わせる表現です。「そうだなあ」というニュアンスを感じます。そして、I’d like to be alone は「できたら一人になりたい。無理だろうけど。」という思いで言っていると思います。I want to be alone であれば「是非とも一人になりたい」となるでしょうが、I’d like to be alone はもっと控えめです。おそらく一人になりたいとか Luka はこれまで考えたことはなくて、1階の住人に不意をつかれてそう答えたのではないかと、私は思いました。

考察は以上です。

日本でも親から虐待を受けている子供達がいます。
私達は、死という最悪の結末を受けた子供がニュースになって初めて、こんな状況があるということを知ります。
今も助けを求めている子供達がいるのではないか。
もしかしたら自分の近くに。
何か自分にできることはないだろうかと考えます。

読んでくださった皆さん、ありがとうございました。


by ladysatin | 2016-10-13 00:45 | Music & English_3 | Comments(14)

フリーランスになってからの一番の変化は、テレビをよく見るようになったことでしょうか。
会社勤めの頃は、バラエティ番組を見ることは全くありませんでしたが、今では時々見ます。
芸能人の皆さんは私の知らない人達ばっかりです。(>_<)

NHK の連続テレビ小説も「おしん」以来見ていませんでしたが、先日「あさが来た」を初めて見て、なかなか面白そうだなと思いました。途中からなので話の筋はさっぱりですが、登場人物が魅力的ですね。

「あさが来た」の主題歌、「365日の紙飛行機」も遅ればせながら聴かせていただいて、とても良い曲だと思いました。作詞は秋元康さんなんですね。「川の流れのように」の人だったとは。AKB48 が日本を代表する女性ポップグループだということも今頃知って、ああ恥ずかしい。|||(-_-;)||||||
(でもグループ名は知ってました。←苦しい言い訳)

365日の紙飛行機…今では毎日のように聴いています。そして聴くたびに好きになっていっています。

先日、ふと考えました。この曲って誰か英訳してる人がいるのかなって。
ネットで検索してみたのですが、英訳はなさそうでした。(私が知らないだけかもしれません。)

こんな素晴らしい曲に英訳がないのはもったいない。
そこで思いつきました。私が訳してみようかと。

洋楽の和訳は、これまでもいくつかブログにアップしてきましたが、日本語の歌を英訳するのは初めてです。
うまくいくのかなと思いつつ、やってみることにしました。

しかし、今回の試みは難易度が高いのです。
というのは、英訳をメロディに乗せて歌えるものにするのが目標だからです。

日本語の曲を英語で歌えるものにするには、いくつか考慮しなくてはなりません。
以下の3点に注意すべきと私は考えます。

①英語版は、日本語の歌詞の情報量に上乗せして言葉を足さなくてはならないということ。
②英語版の内容が、オリジナルからかけ離れたものではならないということ。
③字余りにも字足らずにもなっておらず、メロディにドンピシャリでなければならないということ。


さてさて、これは難儀だと思ったのですが、2日間かけて何とかできました。
結果はいかに。



本当にいい歌だなあ。癒されますね。
よろしかったら、私の英訳をメロディに乗せて歌ってみてくださいね。
20回くらいは自分で歌ってみて、ピッタリとメロディに収まることを検証していますので、大丈夫だと思います。

**********************************************************

365日の紙飛行機

作詞:秋元康
作曲:角野寿和・青葉紘季
編曲:清水哲平

朝の空を見上げて
今日という一日が
笑顔でいられるように
そっとお願いした

One day I smile while looking up the sky
Wishing for my peaceful state of mind
Let me have it wherever I am through the day
Please hear unspoken my small prayer


時には雨も降って
涙も溢れるけど
思い通りにならない日は
明日頑張ろう

Tears are falling on a rainy day
When my heart’s just searching for a door
Wait, tomorrow is another day for everyone
Just start all over what I do


ずっと見てる夢は
私がもう一人いて
やりたいこと好きなように
自由にできる夢

I can see myself in my future dream
Where everything’s so bright and clear to me
Do what you want
Do as you please
I can do whatever in my dream


人生は紙飛行機
願いを乗せて飛んでいくよ
風の中を力の限り
ただ進むだけ

Life is like a plane you’ve thrown in the sky
Loading all your dreams with the little wings so high
Flying in the wind with the power in your soul
Just go, there’s nothing you may fear


その距離を競うより
どう飛んだかどこを飛んだのか
それが一番大切なんだ
さあ心のままに
365日

Remember how you’ve flown
Remember where you’ve flown
How precious road you choose
You know you are the only one
Fly in the wind with the power in your soul
Be free, let yourself be free
Every day, yes, every single day


             ~Translated by Lady Satin~

-----------------------------

ここから先は、私の英訳を日本語にしてみます。
オリジナルの日本語にどのくらい近づくことができたかな。

One day I smile while looking up the sky
Wishing for my peaceful state of mind
Let me have it wherever I am through the day
Please hear unspoken my small prayer

ある日のこと
空を見上げて微笑む私
安らかな気持ちでいられるようにと
どこにいても一日中そんな気持ちでいさせてほしい
言葉にしないけど私の小さな祈りをどうかきいてください

Tears are falling on a rainy day
When my heart’s just searching for a door
Wait, tomorrow is another day for everyone
Just start all over what I do

雨の日は涙が溢れる
そんな時は心が扉を探しているの
でも待って
明日という日は誰にでもあるのよね
最初からもう一度やり直せばいいわ

I can see myself in my future dream
Where everything’s so bright and clear to me
Do what you want
Do as you please
I can do whatever in my dream

未来の夢の中に私が見える
そこではすべてが明るくて澄んでいる
やりたいことを好きなように
夢の中では何だってできるの

Life is like a plane you’ve thrown in the sky
Loading all your dreams with the little wings so high
Flying in the wind with the power in your soul
Just go, there’s nothing you may fear

人生はあなたが空に放った飛行機のよう
あなたの夢すべてを積んで小さな翼と一緒に空高く
心に力を秘めて風の中を飛んでいくの
ただ進むのよ
おそれるものなど何もないから

Remember how you’ve flown
Remember where you’ve flown
How precious road you choose
You know you are the only one
Fly in the wind with the power in your soul
Be free, let yourself be free
Every day, yes, every single day

どう飛んだか
どこを飛んだのか
覚えておいてね
大切な道を選んだあなた
わかっているよね
あなたという人はひとりしかいないということを
心に力を秘めて風の中を飛んでいくの
自由になるのよ
あなた自身を自由にしていいの
毎日…そう…ずっと毎日

-----------------------------

以上が、私の英訳の日本語訳です。

先にも書きましたように、言葉を足しています。
同じ長さ(時間)を歌うのに、英語は日本語より多くの言葉を必要とします。
なるべく元の日本語の詞のイメージをくずさないようにしたつもりですが、もちろん完璧とは思っていません。

英訳で特に苦労した点

「紙飛行機」をどう訳そうかと悩みました。

paper airplane とか paper plane が直訳になりますが、そのフレーズは使いたくなかった。
無味乾燥な感じがして、別の言い方を探しました。

最終的には paper を使わず、plane としました。でもそのままだったら航空機と解釈されます。
なので、you’ve thrown in the sky(あなたが放った)として、紙飛行機のことを示唆しました。
あと、little wings も紙飛行機の小ささを示したつもりです。

そして、「365日」も悩みました。

そのまま訳したら、あんまりじゃなかろうかと思い、最後に落ち着いたのが…Every day, yes, every single day…
ここはすぐにひらめきました。メロディにもきれいに乗ったので、これでいくことにしました。

気に入っているのは最後のフレーズ
Be free, let yourself be free
Every day, yes, every single day

最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。

001.gif
by ladysatin | 2016-03-10 02:27 | Music & English_3 | Comments(9)

今日の訳詞の世界は The Water Is Wide を取り上げたいと思います。

この曲がまた認知度が上がってきたとききました。
というのも朝ドラで誰かが歌っていたとか。

実は私、朝ドラという単語を最近知りました。(恥)
はあ~。連続テレビ小説のことぉ...|||(-_-;)|||

テレビドラマは全く興味がないのでそのあたり、私ってほんとに疎いです。
連続テレビ小説を最後に見たのは、「おしん」ではなかったかと思う。古いですな。(;^_^A

The Water Is Wide は私も大好きな曲なので、この曲が有名になるのはうれしいです。

私がこの曲を最初に聴いたのは Karla Bonoff のアルバム Restless Nights(邦題は「ささやく夜」) でした。
1979年の作品です。

この頃の洋楽のアルバムや曲には必ず邦題がついていて「ささやく夜」って上手なタイトルだなあと思ったものです。シングルカットされたアルバムの1曲目の Trouble Again (邦題は「涙に染めて」)がきっかけで 私はKarla のファンになり、アルバムを全部聴きたいと思って買ったのが Restless Nights でした。

Restless Nights は、今聴いても素晴らしいアルバムです。Karla の書く詞は、まさに女性が書いたと思わせる内容ばかりです。ほとんどが恋する女心を歌ったものですが、Karla は淡々と歌うひとなので、すうっと耳に入ってきて、「そうなのよね~」と思わずうなずいてしまうような歌、といったらわかってもらえるかな。

072.gif ひとことで言えば...女心はユニバーサル...ってことです。

アメリカ人だろうが日本人だろうが関係ないの。
女心が知りたい世の男性は Karla の曲を聴きなさい (o^-^o)
と言っておくわ~♪

Karla のコンサートにも行きました。これもずいぶん前ですが、Christopher Cross と一緒に来たんですよ。Christopher Cross は「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」の人ですね。ビルボードライブになる前の大阪ブルーノートのコンサートでした。

近くで見る Karla はほとんどピアノを弾きながら歌っていました。美しい人でした。
レコードで聴く歌声を、生で聴いたときの感動は忘れることができません。

なんかたくさん思い出されてだらだら書いてしまいました。^^

The Water Is Wide は、アルバムの最後に入っています。この歌はスコットランドの民謡ですね。
色んな人が歌っているのを聴きましたが、Karla のバージョンはやはり絶品です。

Karla の The Water Is Wide は、透き通る水をイメージさせてくれます。
邦題の「悲しみの水辺」がぴたりとはまる。そんな歌声です。

今日はこの曲を聴きながら、今年を振り返ることにしよう。



Bass: Kenny Edwards
Acoustic Guitars: Karla Bonoff & James Taylor
Accordion: Garth Hudson
Backing vocals: James Taylor & John David Souther


********************************
The Water Is Wide 悲しみの水辺

The water is wide, I can’t cross over
And Neither have I wings to fly
Give me a boat that can carry two
And both shall row, my love and I

川幅が広くて渡ることができません
私には飛ぶための翼もありません
ボートをください
二人を運んでくれるように
愛する人と二人で漕いでいきます

Oh, love is gentle and love is kind
The sweetest flower when first it's new
But love grows old and waxes cold
And fades away like morning dew

そう、愛は優しさ、そしていたわり
始まりの頃は最も甘美な花のよう
けれど愛にも老いが訪れ
そして冷たくなり
最後には朝露のように消えていくのです

There is a ship and she sails the sea
She's loaded deep as deep can be
But not as deep as the love I'm in
I know not how I sink or swim

船が海を渡っていきます
荷を積んで深く
これ以上にないほどに深く

でも私の愛の深さには及ばない
沈んでしまうのか
それとも泳いでいけるのか
私にはわかりません

The water is wide, I can’t cross over
And Neither have I wings to fly
Give me a boat that can carry two
And both shall row, my love and I
And both shall row, my love and I

川幅が広くて渡ることができません
私には飛ぶための翼もありません
ボートをください
二人を運んでくれるように
愛する人と二人で漕いでいきます

そう二人で...

*********************************

訳詞は以上です。

ではここから恒例の考察です。
英語学習の観点から気になるところだけピックアップしますね。

この歌の原曲は1600年代に書かれたもののようです。
相当古いので使われている英語も古英語のなごりを感じさせる箇所があります。

★The water is wide, I can’t cross over
川幅が広くて渡ることができません

この箇所は人によって解釈が異なるかと思います。私のイメージは、広い海という感じではなくて、こちらから向こう岸がなんとなく見えるような距離感の川です。川幅という訳ははそんなイメージから思い浮かびました。

★And neither have I wings to fly
私には飛ぶための翼もありません

ここは否定語の neither が前に出てきた形ですね。

高校ではこんな文を勉強しました。
He doesn’t speak French. Neither do I. - 彼はフランス語を話しません。私もです。

このように否定語の neither が前に出ると助動詞や be動詞が主語の前に出て倒置が起こります。
ただ、この詞における文は、And neither have I wings to fly となっていて一般動詞の have が前に出ています。

現代英語では、一般動詞をそのまま前に出すことはしません。
文法書に書かれてあるのは And neither did I have wings to fly と助動詞の do を前に出している形ですね。

★And both shall row, my love and I
愛する人と二人で漕いでいきます

ここでは未来形に will ではなく shall を使っています。現代英語では will が一般的ですが、この詞が書かれた時代を考えると shall が普通に使われていたということでしょう。

●shall の意味:元来定型動詞であったが、徐々に現在のような助動詞の用法をもつようになった。原意は owe で「負う」「義務がある」ことを表したが、中英語の14世紀には未来時を表す用法が生まれ、1382年ごろの Wycliffe の聖書の英訳でもこの用法が見られる。(現代英語語法辞典(三省堂)より引用)

★But love grows old and waxes cold
けれど愛にも老いが訪れ、そして冷たくなる

この wax は become と同義ですがあまり知られていませんね。
●wax - <人が>次第に...になる(become)(ジーニアスより)

いくつか辞書を調べてみましたが、wax の主語には「人」が来るとのこと。
ここでは love が主語なので擬人化して書かれているものと思います。

★There is a ship and she sails the sea
船が海を渡っていきます

ここは ship を代名詞の she で受けているところに注目。

●(she は)文法的性として女性を表す機能をもつが、詩的表現では水につながる海(sea)、船(ship)などのように、これを擬人化して有性化(女性化)する機能をもつ場合もある。(現代英語語法辞典(三省堂)より引用)

余談ですが、これを書きながら Deep Purple の Highway Star を思い出してしまった。
I love her! って車のこと言ってますよね。(>_<)

★She's loaded deep as deep can be
荷を積んで深く、これ以上にないほどに深く

ここは構文が難しい。色々考えて、省略されている語があると思うに至りました。

以下は私の解釈です。
She's loaded, being deep, as deep as it can be

①She's loaded, - 船には荷が積まれています
 ここでいったん切ります。

②being deep, - 船は深いところにいます
 分詞構文です。この deep は副詞じゃなくて形容詞

③as deep as it can be - これ以上にないほどに深いところにいます
 ここは being deep をさらに詳しく説明しています。

ここまで解釈を深めると次のフレーズに自然につながります。
★But not as deep as the love I'm in
でも私の愛の深さには及ばない

ここに as deep as を使った同等比較の文があるので、前文の as deep can be も実は同等比較だったと考えることができますね。

★I know not how I sink or swim
沈んでしまうのかそれとも泳いでいけるのか私にはわかりません

ここは not の位置がおもしろいです。普通に書くとこうなりますね。
I do not know how I sink or swim

how の使い方も深いです。or でつないでいるので、普通は whether か if を使うところです。しかし、あえて how を使っています。

how を使うと「どのように」の意図を感じます。
-「沈むとしたらどんなふうに、泳ぐとしたらどんなふうに」
つまり、ただ沈むのか泳ぐのかだけではなくて、その有様まで言及していると感じさせる箇所なんですね。

********************

以上で The Water Is Wide の考察は終わりです。

大昔に聴きすぎて最近は遠ざかっていましたが、やっぱり良い曲はいつまでもよい曲ですね。
Karla はどうしているのかなあ。まだ音楽活動をしているのかしら。
また日本に来てほしいな。

001.gif

********************
追記)2015年10月9日



The Water Is Wide by Pete Seeger
by ladysatin | 2014-12-06 16:55 | Music & English_3 | Comments(22)

今日は Lionheart の考察をします。
Kate Bush のファンの方が検索してここにたどりついてくださることを期待して。(^^)

前回の Lionheart の和訳の記事から是非お読みください。
→ 訳詞の世界~Oh England My Lionheart – Kate Bush(和訳)

さて、この曲の舞台はタイトルにもある通り、イングランドです。

今さらだけど。。。イングランドとイギリスの違いを簡単にまとめておきます。

イギリスの正式名称は、「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」ですね。そして、その連合王国は、「イングランド England、ウェールズWales、スコットランド Scotland、北アイルランド Northern Ireland」の四つの国の集合体です。単に 「連合王国 United Kingdom UK」とも呼ばれています。

なんかややこしいですが、Kate Bush は、イギリスの中のイングランドに特化して曲を作ったということでしょう。実際、詞の中に出てくる London Bridge, Kensington Park, Thames などはロンドンにありますものね。

前回の記事で私は、Lionheart の詞は、第二次世界大戦で命を落としていく兵士の視点から綴られていると書きました。何度も読んでみたのですが、登場人物は一人だけのような感じがしています。無事で帰れなかった兵士の無念さと祖国イングランドへの愛がいっぱい詰まっているようです。

考察していく中で、ひとつ特徴的なことを見つけました。
詞の中に「死」に言及する内容がいくつかあるんです。
具体的には「die 死ぬ」の代わりに、違う単語を Kate は使っています。
それも3つ。。。


その単語とは何でしょうか。
今回も謎解きを楽しんでね。

ではいきましょう。

*********************
Oh, England, my Lionheart
I'm in your garden, fading fast in your arms

ああイングランド
私のライオンハート
あなたの庭で
あなたの腕に抱かれ
私は固くなり息絶える
*********************

★Oh, England, my Lionheart
ここは England と my Lionheart が同格になっています。
つまり、イングランド=勇猛な心です。

★I'm in your garden, fading fast in your arms
ここでの fading fast は分詞構文になっていて、I’m in your garden からつながっています。
fading の主語は「I = 私」です。

実は die の代わりに使ってある単語の一つ目が fade です。

fade には、文語体で「死ぬ」という意味があります。まさにその通りの内容だと思います。そして fast はこの場合は「速く」はそぐわない感じがします。辞書を引くと、fast にも文語体で「固く hard」の意味がありました。

fading fast = 私は固くなり息絶える
素直につながるように思いますがどうかな。

*********************
The soldiers soften, the war is over
The air raid shelters are blooming clover
Flapping umbrellas fill the lanes
My London Bridge in rain again

兵士たちは和らぐ
戦争は終わったのだ
防空壕にはクローバーが茂り
傘の花が路地を埋める
再び雨にけむる私のロンドン橋
*********************

★The soldiers soften, the war is over
やっと戦争が終わり、緊張感から解放された兵士の様子が読み取れます。

★Flapping umbrellas fill the lanes
flap は「パタパタと揺れる、はためく」という意味があります。
人が歩くたびに傘が揺れている風景を思い浮かべます。
そして、lanes は路地。street よりもっと小さい通りです。
単語の選び方ひとつにしても、Kate の感性の豊かさを感じます。

★My London Bridge in rain again
ロンドンは雨が多いと聞きます。
いつもの光景 - また今日もロンドン橋に雨が降っている。

*********************
Oh, England, my Lionheart
Peter Pan steals the kids in Kensington Park
You read me Shakespeare on the rolling Thames
That old river poet that never, ever ends

ああイングランド
私のライオンハート
ケンジントン公園でピーターパンが子供たちをさらう
渦巻くテムズ川でシェークスピアを読んでくれた君よ
あの古い川辺の詩人に決して死は訪れない
*********************

★Peter Pan steals the kids in Kensington Park

ピーターパンはイギリス・スコットランドの作家 James Matthew Barrie による戯曲・小説の主人公ですね。私は、ロンドンに行ったことはないのでネットで調べただけですが、ケンジントン公園にはピーターパンの像があると知りました。

ところでなぜ、ピーターパンはケンジントン公園で子供達をさらうのでしょう?

ためしに、Peter Pan kidnapper で検索するとたくさんのサイトがヒットします。海外のサイトでは、ピーターパンのことはあまりよく書かれていないようです。ピーターパンは愛すべき子供なんかではなく悪党だと書かれている記事が結構ありました。あるサイトでは、原作では、ピーターだけが不死として描かれていて、永遠に不死を享受できるように、それと引き換えに思春期の人間の子を誘拐して殺したのだと書かれてありました。

私はピーターパンについては詳しくないので、正直なところよくわかりませんが、ピーターパンが子供をさらうということは周知の事実だったようです。知らなかった私はもしかして小数派?

考えてみると、ピーターパンがもつ「immortality 不死」は、兵士の死とは対極位置にあるんですね。
Kate が示唆したのはこのことだったのではないかと思いました。

★You read me Shakespeare on the rolling Thames
rolling Thames...テムズ川についても渦を巻くのが特徴だと今頃知りました。(恥)

★That old river poet that never, ever ends
That old river poet はその前の Shakespeare を指しています。

ここで出てきました。
die の代わりに使ってある単語の二つ目・・・ end

主語は「poet 詩人」ですから、ends の意味は「終わる」ではなく「死ぬ」にならないと意味が通りません。
end の古英語の用法です。Shakespeare の魂は死ぬことはないと言っているのではと思いました。

*********************
Our thumping hearts hold the ravens in
And keep the tower from tumbling

音を立てるほどの私たちの心臓の鼓動は
ワタリガラスを制し
塔を崩壊から守るのだ
*********************
ravens はワタリガラス、tower はロンドン塔のことです。

Wikipediaにそのものズバリの解説がありましたので引用します。
-------------------------------
ロンドン塔には、世界最大級の大きさであるワタリガラス(Raven)が一定数飼育されている。ワタリガラスは大型で雑食の鳥で、1666年に発生したロンドン大火で出た大量の焼死者の腐肉を餌に大いに増えたともいわれている(しかし、実際に記録されているロンドン大火で死者は5名だけである)。当然、ロンドン塔にも多数住み着いたが、チャールズ2世が駆除を考えていた所、占い師に「カラスがいなくなるとロンドン塔が崩れ、ロンドン塔を失った英国が滅びる」と予言され、それ以来、ロンドン塔では、一定数のワタリガラスを飼育する風習が始まったとされる。(引用ここまで)
--------------------------------

hold the ravens in の hold in は成句です。
hold in - <動物>を制する (ジーニアスより)

ravens はまさに動物です。こんな使い方があったんですね。

*********************
Oh, England, my Lionheart
I don't want to go

ああイングランド
私のライオンハート
私は逝きたくない
*********************

die の代わりに使ってある単語の三つ目・・・ go

fade, end, go ...この歌の中には「die 死ぬ」の婉曲表現にあたる単語が3つも使われていたんですね。

*********************
Oh, England, my Lionheart
Dropped from my black Spitfire to my funeral barge

ああイングランド
私のライオンハート
黒のスピットファイアから
私は葬儀のはしけに落とされた
*********************

ここででてくる Spitfire は第二次世界大戦で使われたイギリス製の戦闘機です。

funeral barge は「葬儀のはしけ」と直訳しましたが、調べてみると funeral barge について、以下のような記載がありました。

●A funeral barge is a boat that ancient Egyptians used to send dead bodies down the river.
「葬儀のはしけ」は古代のエジプト人が死体を川から運ぶのに使ったボートのことである。


このフレーズ funeral barge を Kate がいれたのは、きっとエジプトへの造詣が深かったからでしょう。
実際、Kate の歌の中に Egypt という曲があります。
その中で彼女は、I’m in love with Egypt と歌っています。

ちなみに funeral barge を画像検索したらたくさんでてきました。
こんな感じです。

f0307478_17344523.jpg









*********************
Give me one kiss in apple-blossom
Give me one wish, and I'd be wassailing
In the orchard, my English rose
Or with my shepherd, who'll bring me home

りんごの花咲く中でキスをひとつくれないか
願いごとをひとつかなえてくれないか
そしたら乾杯しよう
果樹園で。。。
イングリッシュローズとともに
あるいは私を家へと導く羊飼いとともに
*********************

★Give me one wish, and I'd be wassailing
wassail という単語は知りませんでした。古英語で「乾杯する」という意味です。

★Or with my shepherd, who'll bring me home
ここでの home は「家」としましたが、「祖国」の方がよいかもしれません。
shepherd はイエス・キリストのことでしょう。
Kotobank には、イエス・キリストの象徴的な呼称として「善き羊飼い Good Shepherd」が載っています。

以上で lionheart の考察は終わりです。

この曲を Kate Bush が書いたのは、二十歳の頃だったんです。
何という感性をもった人なんだろうと、今さらながらに思います。

お読みくださった皆様
ありがとうございました。

001.gif
by ladysatin | 2014-06-14 17:10 | Music & English_3 | Comments(2)

今日は私の青春時代の憧れだった人を取り上げたいと思います。

Kate Bush がデビューしたのは1978年でした。

f0307478_23424840.jpg












「彗星のごとく」という形容は彼女のためにあるようでした。
ピンクフロイドのデイブ・ギルモアに見出されたという19歳の美少女。

ラジオで初めて Wuthering Height 嵐が丘 を聴いたときの感動を忘れることができません。
今まで聴いたことのないような不思議なメロディと独特の歌声。
それが実に耳に心地よかったのでした。

実際、彼女の書く曲は誰とも似ていませんでした。

本国イギリスではあっという間にチャートを駆け上がりデビューアルバムは大成功。
日本でもすぐに人気に火がついて、来日してくれるといいなあって思っていました。

Kate は本国イギリスとヨーロッパの国では時々コンサートをやっていたようです。
日本には東京音楽祭で Moving を1曲歌いに来ただけで、コンサートは一度もやっていません。
アメリカですらやってないと思う。

イギリスであれだけ人気があればアメリカ進出は当たり前なのに、彼女はそうしませんでした。

「なぜ、アメリカに進出しないの?」
当時、インタビュアーから質問されたときの彼女の答えを鮮明に覚えています。
日本の音楽雑誌だったから、日本語に訳されたものしかないのですが、彼女はこう答えたんです。

私の歌を聴いてくれる人は私の国にたくさんいるわ。
それなのに何故、アメリカに行く必要があるの?


これを読んで、すごい人だなあって思いました。
アメリカで成功することなど、彼女の眼中にはもともとなかったんです。
それでも彼女のアルバムはアメリカでも支持され、ビルボードのかなり上位にいったと思う。

私はますます Kate のファンになりました。
Kate Bush が作った曲の数々は、私の感性を大いに刺激しました。
ただ楽しむだけではなくて、短い詞の中に込められたメッセージを読み解きたいという思いにかられるような。

本日の Oh England My Lionheart も示唆に富んだ素晴らしい作品だと思います。
この曲は Kate の セカンドアルバムに入っています。

lionheart を辞書で調べてみると、形容詞の「lionhearted 勇猛な」が載っています。

この曲の Lionheart は名詞形なので「勇猛な心= England」という意味で Kate は使ったのかもしれません。また、イングランド王リチャード1世(1157-1199)の異称が、Richard the Lionheart なのでそこから由来しているのでしょう。リチャード1世は、中世ヨーロッパの騎士の模範とたたえられたです。Richard the Lionheart は、日本語では「獅子心王」と訳されています。

詞の中には、Lionheart 以外にも、イングランドに直接関係する表現が多くでてきます。

London bridge
Peter Pan
Kensington park
Shakespeare
Thames
Spitfire...


第二次大戦で命を落としていく兵士の視点から綴られた詞の中から、イングランドへの愛と深い悲しみを読み取ることができます。

次の記事でこの曲を深く考察しています。
是非読んでいただけるとうれしいです。
こちらです。→ Oh England My Lionheart – Kate Bush 訳詞考察



メロディと歌声が胸にひびきます。
それと若い頃の Kate 。。。やっぱりきれい。

************************************

Oh England My Lionheart

Oh, England, my Lionheart
I'm in your garden, fading fast in your arms


ああイングランド
私のライオンハート
あなたの庭で
あなたの腕に抱かれ
私は固くなり息絶える

The soldiers soften, the war is over
The air raid shelters are blooming clover
Flapping umbrellas fill the lanes
My London Bridge in rain again


兵士たちは和らぐ
戦争は終わったのだ
防空壕にはクローバーが茂り
傘の花が路地を埋める
再び雨にけむる私のロンドン橋

Oh, England, my Lionheart
Peter Pan steals the kids in Kensington Park
You read me Shakespeare on the rolling Thames
That old river poet that never, ever ends


ああイングランド
私のライオンハート
ケンジントン公園でピーターパンが子供たちをさらう
渦巻くテムズ川でシェークスピアを読んでくれた君よ
あの古い川辺の詩人に決して死は訪れない

Our thumping hearts hold the ravens in
And keep the tower from tumbling


音を立てるほどの私たちの心臓の鼓動は
ワタリガラスを制し
塔を崩壊から守るのだ

Oh, England, my Lionheart
I don't want to go


ああイングランド
私のライオンハート
私は逝きたくない

Oh, England, my Lionheart
Dropped from my black Spitfire to my funeral barge


ああイングランド
私のライオンハート
黒のスピットファイアから
私は葬儀のはしけに落とされた

Give me one kiss in apple-blossom
Give me one wish, and I'd be wassailing
In the orchard, my English rose
Or with my shepherd, who'll bring me home


りんごの花咲く中でキスをひとつくれないか
願いごとをひとつかなえてくれないか
そしたら乾杯しよう
果樹園で。。。
イングリッシュローズとともに
あるいは私を家へと導く羊飼いとともに

Oh England, my Lionheart
I don't want to go


ああイングランド
私のライオンハート
私は逝きたくない
by ladysatin | 2014-06-07 16:14 | Music & English_3 | Comments(0)

I Will Remember You の考察の2回目です。

訳詞はこちらにありますので読んでない方はよかったら読んでくださいね。
→ 訳詞の世界~I Will Remember You - Sarah McLachlan(和訳)

では一気にいきます~。(^-^)

*****************************
Remember the good times that we had
We let them slip away from us when things got bad

一緒に過ごした楽しい日々のこと覚えてる?
二人の間がうまくいかなくなって
楽しい時があっという間に失われていくことを
私達は許してしまった
*****************************

★We let them slip away from us when things got bad
この them はその前の the good times を受けていますね。

状況が悪くなって私達から楽しい日々がすべるように消えていくのを let - 私達は許した。
一旦関係が悪くなると、楽しかったことなど忘れてしまう。。。という感じでしょうか。

●Longman の slip away/past/by の記載
 if time slips away, past etc it passes quickly
「時間が slips away, past などという場合、時間がすばやく過ぎるということ」

例文)
The search for the missing child continued, but time was slipping away.
行方不明の子供の捜索は続いたが、時はすばやく過ぎていった。
The hours slipped past almost unnoticed.
ほとんど気付くこともなく時間はすばやく過ぎていった。

*****************************
How clearly I first saw you smilin’ in the sun
I want to feel your warmth upon me
I want to be the one

初めて会ったときに見た
太陽の下で微笑むあなた
それがどんなに鮮明であったことか
あなたの温かさを感じたい
私は特別な存在でいたい
*****************************

★How clearly I first saw you smilin’ in the sun
この How は感嘆文で「どんなにはっきりとあなたの笑顔を見たことか」という意味。

★I want to be the one
the one は the person のことで、特定の人を表しています。
「私こそ(あなたにとっての)特別な人になりたい」
the one は少し前に Vision of Love の訳詞考察で解説したのですが、このあとに関係代名詞が続くことが多いですね。

*****************************
I'm so tired but I can't sleep
Standin' on the edge of something much too deep
It's funny how we feel so much, but we cannot say a word
We are screaming inside, but we can't be heard

とても疲れているのに眠ることができない私
あまりに深い何かの際に立っているよう

おかしいわね私達
たくさんのことを感じてはいるのに声が出ないなんて
心の中で叫び声を上げても
その声は聞こえることはないのね
*****************************

この箇所は特に難しいところはありませんが、一つだけ。
★It's funny how we feel so much, but we cannot say a word

この cannot say a word は「言葉にできない」という訳でも良さそうですが、英辞郎を調べてみると
can't say a word に「声がでない」という訳がついていました。
心の中では screaming – 大声で叫んでいるのに、それを声に出して言うことができないということなのかもしれません。

例文)
I was so scared I couldn't say a word.  恐怖のあまり声が出なかった。

*****************************
I'm so afraid to love you, but more afraid to lose
Clinging to a past that doesn't let me choose
Once there was a darkness, deep and endless night
You gave me everything you had, oh you gave me life

あなたを愛することがこわい
でも失うことはそれ以上にこわい
私の望むとおりにさせてくれない過去にこだわっている

かつての暗闇、それは深くて終わりのない夜だった
あなたは持っているものすべてを与えてくれた
そう、私に生きることの素晴らしさを教えてくれたの
*****************************

最後のパートは注意すべきところがあります。

★Clinging to a past that doesn't let me choose
「私の望むとおりにさせてくれない過去にこだわっている」

この文の past に注目してみてください。
past は一般的に「過去」という場合、定冠詞の the をつけます。

●ジーニアスより
a thing of the past  過去の遺物、時代遅れの物 [人]
We cannot undo the past. 過ぎ去ったことは取り戻せない
It’s all in the past. それはもうみんな終わったことだ。みんな昔のことだ。

past に the が付くのは future との対比によるものと聞いたことがあります。

in the past ←→ in the future

しかし、ここでは Clinging to a past....になっています。
不定冠詞がつくと少し意味が変わるんです。

●ランダムハウスより
a past - (生涯・経歴などの上での)暗い(いかがわしい、恥ずべき)過去

例文)
A woman with a past couldn’t be accepted socially.
「いやしくも過去のある女性は社交界には受け入れられない。」

これはわかるような気がします。
人によって色んな過去があります。ある人の過去の様々な側面の一つと考えると、a past になりますよね。あまり話しに取り上げたくない過去についていうとき、不定冠詞を付けてぼやかすんです。深いです。

さらに choose はここでは自動詞であることにも注目。
自動詞の choose には make a choice (選択する)のほかに、be inclined (望む、・・・したい)の意味があります。

●ランダムハウスより
You may stay here if you choose. お望みならここにいてもよろしい。
She is deaf when she chooses. 都合が悪くなると聞こうとしない。

ジーニアスより
You can do as you choose. したいようにできますよ。

ということで、この箇所は意味がとても深いんですね。もう一度書きます。
★Clinging to a past that doesn't let me choose

ここから読み取れることは、この女性には何か喜ばしくない過去があって、それがあるがためにしたいようにできないということ。つまり、彼といたかったのだけれど、その過去がそうさせないのだということが読み取れます。

★Once there was a darkness, deep and endless night
「かつての暗闇、それは深くて終わりのない夜だった」

この文は、Once が文頭にあるので「いったん~すると」の構文かしらと思ったんです。でも次の文の You gave me everything you had につなぐには、Once は副詞の「かつて」がおさまりがよさそうです。

ということで、I Will Remember You の考察はこれにて終了です。

やっぱり Sarah McLachlan の詞には掘り出し物がたくさんありますね。
以前、Angel の訳詞をしましたが、Angel の詞からもたくさん学びました。
まだ読まれていない方は、よかったら上のカテゴリーから読んでいただけるとうれしいです。

いい音楽を聴いて、英語の知識も深まって。。。ああ、何という幸せ。 043.gif

ではまた。
by ladysatin | 2014-03-12 22:20 | Music & English_3 | Comments(0)

前回、I Will Remember You の訳詞をアップしました。

まだ読んでない方はこちらからどうぞ
→ 訳詞の世界~I Will Remember You - Sarah McLachlan(和訳)

で、そのあと、何回も書き直してしまいました。

ほんまにこんなに書き直すこともめずらしい。
というのも remember がとても日本語にしにくいからなんです。

Sarah の曲には似たようなタイトルの曲が二つあります。
I Will Not Forget You と I Will Remember You

I Will Not Forget You ... 「私はあなたを忘れません」
直訳ですが、これ以外の訳はできなさそうですね。

I Will Remember You...
これに「私はあなたを忘れません」という訳が付けられるでしょうか?

私はできないと思う。。。いえ「忘れません」でも間違いではないです。しかし、remember に「忘れない」という意味はそもそもないということは知っておく必要があると思います。

ジーニアスで remember を引くとおもしろいことがわかりました。

I’ll remember your kindness forever.
これには「ご親切は永久に忘れません。」という訳がついています。しかし、そのすぐ後ろに「この意味で I’ll not forget your kindness forever. とは言えない」と書いてあるんです。う~ん、「忘れません」なら not forget でいいでしょうと思いませんか?

私見ですが、remember の訳として「忘れません」とするのは日本語のコロケーションの問題だと思うんです。

例えば、「ご恩は一生忘れません」とは言いますが、「ご恩は一生覚えておきます」とは言わないですよね。だけど、この日本語の裏にあるのは、remember であって、not forget ではないということだと思うのです。そのことを、上のジーニアスの例文は物語っていると思います。

※ここで誤解を避けるために、「remember + to 不定詞」のことはここでは言及していないことを申し上げておきます。あくまでここでとりあげているのは、remember + 名詞(句)のことです。

●さて元にもどりまして、remember について Longman にはこう書いてあります。
to have a picture or idea in your mind of people, events, places etc from the past
「過去における人々、出来事、場所などのイメージ心の中にもつこと」


●ランダムハウスも引用します。
rememberの2つ目の項目
記憶にとどめる (retain in the memory)、覚えておく・覚えている (keep in mind)

この二つの辞書にあるように、remember の意味は「記憶の中に何かを保持する」すなわち「何かを覚えている」ということであって、「忘れない」ということではないのです。

こう考えてみました。
「忘れる」という行為は、まず「記憶する」ということが前提にあります。その次の段階が「忘れる」です。つまり remember があるからこそ forget があるということです。

一方の remember は forget に行く前の状態にほかならず、remember には「忘れる」という概念まで存在しないのです。ここはとても大切なところだと思います。

ただし、「注意して」という断りがあると remember に「忘れないようにする」という意味があるようです。これも書いておきましょう。
 ランダムハウスの記載 - 忘れないようにする (be careful not to forget)
 ジーニアスの記載 – 忘れないように注意する

さて、前置きが長くなりましたが、このように色々と考えてみて、I will remember you. の訳として、できることなら「忘れません」を使わずに何とか表現できないかと考えました。

最初は「あなたのことを覚えておくわ」にしたのですが、やっぱり日本語のコロケーションとして不自然さがあるんですね。正しい訳だと思いますが、違和感がぬぐえないのです。

苦しんだあげく以下のようになりました。
では考察行きます~。

**************************
I will remember you
Will you remember me?
Don't let your life pass you by
Weep not for the memories

あなたは私の記憶の中で生き続ける
あなたは私のことを覚えていてくれる?
あなたの人生をしっかりと生きてほしい
思い出を振り返って泣いたりしないで
***************************

★I will remember you - あなたは私の記憶の中で生き続ける
ランダムハウスにあった「記憶にとどめる (retain in the memory)」を少しばかり表現を変えました。
意訳ではないと思っていますがどうかな~。

不思議なことに疑問文の Will you remember me? だと「あなたは私のことを覚えていてくれる?」としても違和感がないのですね。なんでだろう?

★Don't let your life pass you by
直訳すると「人生を通り過ぎさせてはいけない」となります。
これでも良さそうですがいくつか調べてみました。

英辞郎より
let life pass by -「人生を無駄[無為]に過ごす」

Longman の pass somebody by の記載
if something passes you by, it happens but you are not involved in it:
「何かが passes you by と言う場合、その何かが起きてもあなたはそれに関わっていないということ」

この Longman の記載の裏返しとして解釈し、私の訳はこうなりました。
「あなたの人生に積極的に関わりなさい」→「あなたの人生をしっかりと生きてほしい」

★Weep not for the memories - 思い出を振り返って泣いたりしないで
この文はおもしろいです。

本来なら Do not weep for the memories. になるはず。
語順が変わることによってどうなるのか。

否定語の not は for the memories を打ち消しています。

ということは
Weep で「泣いてもいいんだよ」と肯定して not for the memories 「でも記憶のことを思って泣いちゃだめだよ」って言っていると解釈できますね。

最初の節だけで長くなってしまった。
次回に続きます。(^^)
by ladysatin | 2014-03-09 20:57 | Music & English_3 | Comments(12)

3月は、私たち日本人にとっては節目の月というイメージがありますね。

卒業式、人事異動など、日常の生活に変化が訪れることの多い月です。
必然的に別れを経験することが多い月とも言えるのかな。

今回の訳詞の世界は、この季節にぴったりかもしれません。

Sarah McLachlan - I Will Remember You

この曲は1998年のアメリカのTVドラマ「フェリシティの青春」の挿入歌だったの。
このドラマを見て遅ればせながら、Sarah McLachlan という人を知りました。
それ以来、Sarah の大ファンになった私です。

ところで I Will Remember You ってどう訳す?
日本語訳では「あなたを忘れない」と訳されているのをよくみます。
自然な日本語だと思うのですが、「あなたを忘れない」を英語に直訳すると
I will not forget you. になりますよね。

実は、Sarah の Solace というアルバムに I Will Not Forget You という曲があるんです。
ホントに。(゚゚;)

I Will Not Forget You は「あなたを忘れない」でもちろん問題ない。
では I Will Remember You にも「あなたを忘れない」という訳をつけることができるかしら。
同じ人が作った歌なのに。
Sarah は意味的に使い分けをしているんじゃないかと。。。

そんなこと考えてたらまた悩んでしまいました。

やっぱり。。。

I Will Remember You に「あなたを忘れない」という訳は付けられないみたい。
その理由は、次回の考察で書きます。(^-^)
また皆さん読みに来てくださいね。

こちらにリンク貼ってます。
→ I Will Remember You - Sarah McLachlan 訳詞考察(1回目)
→ I Will Remember You - Sarah McLachlan 訳詞考察(2回目)




Sarah さんは、年齢を重ねるごとに穏やかな表情になっているような気がします。
これからも素晴らしい曲をたくさん書いてほしいです。

Yamaha 125th Anniversary concert (January 25, 2013)

**************************************************

I Will Remember You

I will remember you
Will you remember me?
Don't let your life pass you by
Weep not for the memories

あなたは私の記憶の中で生き続ける
あなたは私のことを覚えていてくれる?
あなたの人生をしっかりと生きてほしい
思い出を振り返って泣いたりしないで


Remember the good times that we had
We let them slip away from us when things got bad

一緒に過ごした楽しい日々のこと覚えてる?
二人の間がうまくいかなくなって
楽しい時があっという間に失われていくことを
私達は許してしまった


How clearly I first saw you smilin’ in the sun
I want to feel your warmth upon me
I want to be the one

初めて会ったときに見た
太陽の下で微笑むあなた
それがどんなに鮮明であったことか
あなたの温かさを感じたい
私は特別な存在でいたい


I will remember you
Will you remember me?
Don't let your life pass you by
Weep not for the memories

あなたは私の記憶の中で生き続ける
あなたは私のことを覚えていてくれる?
あなたの人生をしっかりと生きてほしい
思い出を振り返って泣いたりしないで


I'm so tired but I can't sleep
Standin' on the edge of something much too deep
It's funny how we feel so much, but we cannot say a word
We are screaming inside, but we can't be heard

とても疲れているのに眠ることができない私
あまりに深い何かの際に立っているよう

おかしいわね私達
たくさんのことを感じてはいるのに声が出ないなんて
心の中で叫び声を上げても
その声は聞こえることはないのね


But I will remember you
Will you remember me?
Don’t let your life pass you by
Weep not for the memories

だけどあなたは私の記憶の中で生き続ける
あなたは私のことを覚えていてくれる?
あなたの人生をしっかりと生きてほしい
思い出を振り返って泣いたりしないで


I'm so afraid to love you, but more afraid to lose
Clinging to a past that doesn't let me choose
Once there was a darkness, deep and endless night
You gave me everything you had, oh you gave me life

あなたを愛することがこわい
でも失うことはそれ以上にこわい
私の望むとおりにさせてくれない過去にこだわっている

かつての暗闇、それは深くて終わりのない夜だった
あなたは持っているものすべてを与えてくれた
そう、私に生きることの素晴らしさを教えてくれたの


And I will remember you
Will you remember me?
Don't let your life pass you by
Weep not for the memories

だからあなたは私の記憶の中で生き続ける
あなたは私のことを覚えていてくれる?
あなたの人生をしっかりと生きてほしい
思い出を振り返って泣いたりしないで。。。



************************

この曲の訳詞の考察はこちらです。
→ I Will Remember You - Sarah McLachlan 訳詞考察(1回目)
→ I Will Remember You - Sarah McLachlan 訳詞考察(2回目)
by ladysatin | 2014-03-06 22:49 | Music & English_3 | Comments(4)