訳詞の世界~Catch The Rainbow – Ritchie Blackmore’s Rainbow

久しぶりに訳詞の世界にひたります。(^^)

今日選んだ曲は Ritchie Blackmore’s Rainbow Catch The Rainbow です。

Catch The Rainbow といっても知らない人が多いと思いますが、Ritchie Blackmore というギタリストはご存知かもしれません。ハードロックが好きな人ならまず知らない人はいないかな。80年代以降に登場したスーパーギタリストさん達のほとんどが、 Ritchie の影響を受けていると言っても過言ではないほど、人気&実力ともにすごかったギタリストです。

1970年代は Eric Clapton, Jeff Beck, Jimmy Page が3大ギタリストとして別格扱いでしたが、ハードロック界で他を寄せつけなかったのが Ritchie Blackmore でした。Ritchie は Deep Purple の看板ギタリストで、Purple の人気は、日本ではそれはそれは高く、来日公演を収録した Live In Japan は名盤中の名盤と言われています。Smoke On The Water は誰でも聴いたことあるのではないかと思います。

その Ritchie が Deep Purple を脱退して1975年に作ったバンドが Ritchie Blackmore’s Rainbow でした(後にシンプルに Rainbow と改名)。そこで Ritchie はただ者ではないボーカリストを見出します。 Ronnie James Dio です。

初期の頃の Ritchie と Ronnie のコンビネーションは素晴らしかったと思います。

さらに、元 Jeff Beck Group のドラマーだった Cozy Powell がセカンドアルバムから参加し、人気はうなぎ登り。Ritchie, Ronnie & Cozy の三頭政治って当時は言われていました。

Rainbow は色々と話題に事欠かないバンドだったので、話をすればとまらなくなります。(^-^;)

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この写真は第2期のメンバー。たぶん1977年頃だと思います。
左から Jimmy Bain (Bass), Tony Carey (Keyboards), Ronnie James Dio (Vocals), Ritchie Blackmore (Guitars) & Cozy Powell (Drums)

今日ご紹介する Catch The Rainbow は、1975年のRitchie Blackmore’s Rainbow のファーストアルバム「銀嶺の覇者」に入っているバラードです。

以前、Ronnie が Catch The Rainbow について語っていました。この曲は、中世をモチーフに、stable boy (厩番の少年)と貴族の女性が恋に落ちた物語なのだそうです。彼女は毎晩、家を抜け出して、わらのベッドで待つ彼の元へ行きます。きっと幸せになれると信じた二人。でもうまくなどいくわけがなく、二人はそれぞれの道を歩いていくしかなかったというお話のようです。

●stable boy (英辞郎より引用)
〈米〉ステイブルボーイ◆馬小屋の所有者に雇用されて、馬の世話や馬小屋の管理などの仕事をする男性(未成年者であることが多い)厩(うまや)番の少年



Ritchie のイントロのギターは、今聴いてもうっとりします。
Ronnie の声も抑え気味でしっとりと聴かせてくれます。

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Catch The Rainbow
(Written by Blackmore & Dio)

When evening falls
She'll run to me
Like whispered dreams
Your eyes can't see

夜が訪れると
彼女が走ってやって来る
夢のささやきのように...
君には見えないだろう

Soft and warm
She'll touch my face
A bed of straw
Against the lace

柔らかく温かい
彼女が僕の顔にふれ
わらのベッドがレースにすれる

We believed we'd catch the rainbow
Ride the wind to the sun
Sail away on ships of wonder

僕らは信じていた
いつか虹をつかむのだと
風に乗り太陽へと向かう
奇跡の船に乗りこぎ出すんだ

But life's not a wheel
With chains made of steel

だが人生は鉄の鎖でできた車輪ではない

So bless me
Bless me...

だから僕に恵みを
神のご加護を

Come the dawn
Come the dawn

夜が明けますように...
夜が明けますように...

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訳詞は以上です。短かったですね。σ(^_^;)

この歌の英語はさほど難しくないです。

このフレーズが好き
★When evening falls

ここで使われている fall は「夜や季節が来る・訪れる」という時の正式な言い方です。
come より 語感がいいですね。

ひとつ注目したいのがこれ。
★Come the dawn

私は「夜が明けますように」と訳しました。
come が原形なのは命令形なのではなく、ここは祈願法が使われているようです。
the dawn が主語で倒置されているものと思います。

これと同じ。
Long live the Queen! 女王陛下万歳。

実は、Rainbow の曲にも Long Live Rock 'n' Roll という曲が あります。

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さて、最後にちょっとだけエピソードを。

Rainbow を語る時に、私には忘れられない出来事があります。

1978年に、Rainbow は2度目の来日を果たしました。人気絶頂の時です。当然のことながら、すべての公演はソールドアウトです。当時は、警備もそんなに厳しくはなかったようです。

そんな中で痛ましい事故が起きました。

札幌でのコンサートだったと思います。Rainbow のコンサートが始まった途端、観客は興奮状態になり、前にいた人達はステージに押しかけました。狂乱の中でひとりの女子大生が人々に踏まれ、命を落としてしまったのです。

圧死...とても悲しい事故でした。

この事故のことはテレビのニュースに流れ、翌日の朝刊にも大きく報じられました。話に尾ひれが付き、メンバーはこんなひどい状態であったにもかかわらず、演奏を中断せずに続けたと。これはもちろん事実ではないのですが、「やっぱりロックは不良が聴くものだ」という風潮が少なからず広がったように思います。

私は次の号の MUSIC LIFE が待ち遠しくて、この事故のことをどのように報じているんだろうと思い、発売日にすぐ書店に買いに行きました。

そこで目にした背表紙に書かれていた文字は、私の記憶が正しければこれだったと思う。

「ロック元年」

当時の編集長は水上はる子さんという方だったのですが、水上さんは警鐘を鳴らしたんです。私達ロックファンがきちっと姿勢を正していかなあかんのやでと記事に書かれていました。その号では Ronnie が沈痛な面持ちでインタビューに答えていました。

このことを思い出すといまだに悲しいです。この事故以来、ロックコンサートの警備はとても厳しくなったようです。

メンバーの皆さんですが、Cozy は1998年に交通事故で他界。Ronnie も2010年に病気で故人となっています。Ritchie は今も元気にギターを弾いているようです。

今日の記事はいつになくしんみりしてしまいましたね。

ではまた。001.gif


Commented by 似非無頼 at 2015-07-25 20:57 x
ブラックモア... 大好物です。
久々に聴いたこの曲も、友達の兄貴に借りたLPのジャケットも、とにかく懐かしすぎる。
ジミヘンの Little Wing のパクリと言われようと構わない。
実際キーも同じでコード進行も似てるけど、本人もジミヘンの影響を公言してるし、ええモンはええんじゃい。

夜になって彼女がやって来たのに、
「夜が明けますように...」
うーん、何ともせつない...

「ロック元年」
78年は個人的にも勝手にエポックだと思ってました。
VH(米)やポリス(英)がデビューしてるし。(日本だとサザン)

演者も含め、主催者側が狂乱を提供しながら、一方で安全には細心の注意を払わねばならない。
ロックコンサートって、多分に矛盾をはらんでいる様な気がします。
僕も以前、エアロの東京ドーム公演で、警備の厳しさに興醒めしながらも、まあしゃーないか、と思ったのを覚えています。

ところでサテンさん、ディオやらカバといった、声量がスゴくてビブラートがきれいな歌い手がお好きなんですね。
Commented by ladysatin at 2015-07-25 22:56
似非無頼さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。(*^_^*)

似非無頼さんも Ritchie Blackmore がお好きだなんて、すごくうれしいです。
この曲は Jimi の Little Wing とコード進行が似ているんですね。
やっぱり、ギタリストは目のつけどころが違います。

Ritchie は、初期の頃は中世をテーマにした曲を多く書いていたような記憶があります。
このアルバムには Sixteenth Century Greensleeves という曲もありましたよね。
これもまた素晴らしい曲でした。

本当にあのときの事故のことは忘れられないのです。
今、日本でのコンサートが安全になったのは、あのときの教訓もあるのかもしれません。

ディオやカバみたいな声量のボーカリストは大好きです。
これも偶然ですが、カバを見出したのも Ritchie だったと思います。
Heavy Metal 界きっての2大ボーカリストですよね。

今 YouTube を見ていたら、1977年のコンサートの Catch The Rainbow を見つけたので、上にアップしました。これも素晴らしい演奏です。

I always appreciate your comment.
Thank you.
Commented by KOTA at 2016-11-18 23:49 x
この曲は最近知りました。
聞いていて、いいなあ、と思っている曲です。
訳詞を読ませていただき、理解が深まりました。
でも、下記の訳がとても不思議な気がしました。
Sail away on ships of wonder
奇跡の船に乗りこぎ出すんだ。
幻の船と訳してもいいのに、どうして奇跡の船と訳したのかなと思っています。
奇跡とは、叶わないからなのか、それとも叶うべきものだからなのかな。
気になったのでコメントさせていただきました。
Commented by ladysatin at 2016-11-19 23:13
KOTA さん
コメントをありがとうございます。

Sail away on ships of wonder
奇跡の船に乗りこぎ出すんだ

この訳ですが、この男性の願いをこめてみました。身分が違う二人の恋は成就するわけがないのですが、奇跡をかなえてくれる船があればどんなにいいだろうという切ない思いを感じました。それでこの訳が自然に思え、このように訳したのです。
Commented by KOTA at 2016-11-21 16:49 x
お返事ありがとうございました。
奇跡の船、とても素敵な訳です。説明を読んで、この曲がもっと好きになりました。
Commented by ladysatin at 2016-11-21 20:24
こちらこそ KOTA さんのコメントうれしかったです。
ありがとうございました。
by ladysatin | 2015-07-23 21:36 | Music & English_1 | Comments(6)