ボランティア翻訳(4回目)

今日は原爆関連のトピックです。

朝日新聞の特設サイト「広島・長崎の記憶~被爆者からのメッセージ」のボランティア翻訳がまだ続いています。当初の立ち上げ時からずっと参加させていただいていて、10本くらいの記事を英訳させていただきました。

昨年の10月に、また英訳依頼がきました。残業が続いていた時期でもあり、今回はお断りしようかと思ったのですが、いつも頼りにしてくださるのでやっぱりお引き受けしました。

過去にもこのボランティア翻訳については3回ほど記事を書いていますが、この翻訳に私が積極的にかかわっている理由はまだ書いていませんでした。

私が参加している理由は、まずこのサイトの趣旨に賛同しているからに他なりませんが、個人的に気持ちが駆り立てられるのは、私が被爆二世だからだと思います。私は長く関西に住んでいますが、生まれは長崎で、両親は被爆しています。小さな頃から原爆の恐ろしさを親から聞いてきたからか、このサイトの翻訳に関してだけは、使命感をもって取り組ませていただいています。

今回担当した記事について少し書きたいと思います。

長崎で被爆した女性の体験「ニュージーランドで語ってくれ」というタイトルの記事です。10月に依頼を受けて、すぐに取り掛かり英訳を担当者に送付しました。そしてネィティブチェックが戻ってきました。

今回とてもうれしかったのは、ネィティブのチェッカーからの感想をいただけたことです。ご担当者によると、私の英訳について「たいへん上手で奇麗な英語に本当に感心いたしました(原文まま)」という感想が添えられていたということでした。今まで担当した記事には特に何もなかったので、今回もただチェック後の英文が戻ってくるだけかなと思っていました。

ネィティブから英文をほめてもらうのはやはりうれしいものです。おそらく「日本人にしては」という但し書きがつくのかもしれませんが、それでもうれしかったです。

「ニュージーランドで語ってくれ」 - まずこのタイトルを読んで、なぜニュージーランドなんだろうと思いました。私の無知をさらけだすようですが、原爆被害の実相を伝えるため、国が1995年から世界各地で開いている「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」のことでした。こういう取り組みがあるということを今頃知って恥ずかしい気持ちになりました。

さて、ネィティブチェックで修正された文は今回も色々と勉強になりました。ネィティブが修正した英文を、今度は私自身がチェックします。この作業は非常に重要です。ネィティブが修正したからOKだろうと思ってそのままにしておくと、日本語からかけ離れてしまうことがあるからです。

実は今回、気付いてよかったと思った箇所がありました。元の日本語はこうです。
「羽田さんは戦後、医師への道半ばで亡くなったあの医大生の姿を思い、人の命を支える仕事を志す。」

この日本文を私は以下のように訳しました。
After the war was over, Ms. Hada decided to commit herself to a job to support people's life, recalling the medical student who died on half way to a doctor.

するとこの英文をネィティブは以下のように修正して戻してきました。
After the war ended, Ms. Hada decided to commit to a life of service to others, recalling the medical student who had died on his way to seek a doctor’s help.

これを読んで「しまった」と思いました。ネィティブのチェッカーは、この医大生は医者の助けを求めている途中で亡くなったと書いています。これはもちろん私の英語がそのように読めてしまったからなんですね。この点、大いに反省しました。そして、新聞社の担当の方に、これはまずいので書き直してくださいとお願いしました。

その後、どのように直ったかの連絡はなく私も忘れかけていました。すると、昨年の暮れの12月26日に「翻訳をアップしました。」との連絡が入りました。

きちんと修正してくださっているかなと思いつつ、サイトにアクセスしました。すると、英文はこのようになっていました。
After the war ended, Ms. Hada decided to commit to a life of service to others, recalling the medical student who had died on his way to becoming a doctor.

そう、私の英文は「医師への道半ばで」を on half way to a doctor としていたので誤解を生む表現だったのですが、チェッカーは on his way to becoming a doctor と明確に書き直してくださっていました。

またひとつ勉強した ― そう思いました。

よかったら皆さんにも読んでいただければうれしいです。
日本語 → 「ニュージーランドで語ってくれ」
英語 → Asked to Speak in New Zealand

今年は被爆70年。この企画は今後も続いていくようです。まだこのサイトをご存じない方も多いと思うので、私のブログでは機会があるたびに取り上げたいと思っています。

少しでも原爆のことに興味をもってくださる方が増えますように。
Commented by ファイト at 2015-02-01 13:07 x
こんにちは。
本物のボランティアですね。ご苦労様。感心します。近頃では、都市マラソン大会などでボランティアスタッフ募集とかありますが、あれってどうなんですかねぇ。主催者側訳すると、「安く使える人募集」ってとこでしょうね。で今日は今更ながらの「あ、そうなのー!」て言う洋楽のお話しです。
REO SpeedwagonのIn Your Letterです。
俺はヒアリングができるわけではないけど曲のイメージでお気に入りです。俺のこの曲へのイメージはこうです。
邦題の涙のレターから失恋かな。
待ち合わせをしてるけど、彼女は来ない。何故彼女かというと、ボーカルが男だから(笑)。この辺りは、俺の永遠のアイドル、堀ちえみの名曲、「待ちぼうけ」の逆バージョン。仕方なく家に帰ると彼女からの手紙が。内容は直接あなたのこんな所がイヤとかではなく、なかなかお互いに時間が取れず、時間が合わない等遠回しな別れましょって内容。曲がポップなのでそんな手紙かと。手紙がくるって事は、ちょっとした遠距離恋愛。と、どんどん妄想は膨らんでいきます。そんで今頃になって初めて歌詞カードを見たのね。結構やるね、彼女。この曲を聞くスタンスは変わるけどこれからもお気に入りには間違いない。日本の曲で言うと太田ひろみの木綿のハンカチーフでしょうね♪
またまた話はかわるけど、今、職場に中国から研修生が来てます。「とりあえず」の意味を聞かれ困りました。二人がスマホ片手にコミュニケーション(笑)
Commented by ladysatin at 2015-02-01 22:01
ファイトさん
こんにちは。お久しぶりです。
いつも楽しいお話をありがとうございます。(^^)

この記事へのコメントはファイトさんが初めてです。
なのでうれしい!

REO Speedwagon の In Your Letter という曲、今初めて YouTube で聴きました。
いい曲ですね。何だか60年代のポップスに通じるようなメロディですね。
詞の方は...すごくストレートに振られちゃった歌なんですね。(>-<)
この詞の中の彼女は、二人の男性とつきあっていたってこと?
なんかややこしい関係みたいですね~。
掘ちえみと太田ひろみの曲はなつかしいです。

「とりあえず」は難しいですね。色んなニュアンスで使えるから。
「さしあたって、今のところは」みたいな意味だったら for now とか for the time being, for the moment などが英語では使えるかもしれません。
あっ、中国語にしないといけないの?(笑)
by ladysatin | 2015-01-11 18:31 | 英語と私といろいろ | Comments(2)