冠詞が決め手になるとき

先日、TOEFL の文法問題をやりました。今日は TOEIC の問題集から語法の問題を取り上げたいと思います。

これまたトリッキーな問題です。
カッコ [ ] に入れるものを A~D から選んでくださいというものです。
Let's challenge!

英文
There will be a short introductory session [ ] the empowering women seminar that is scheduled to take place later this month.

選択肢
A. to
B. about
C. within
D during


この問題の正解は B の about でした。読んでみましょう。
There will be a short introductory session [about] the empowering women seminar that is scheduled to take place later this month.

正解の about を使ってきれいな英文が出来上がりましたね。訳してみます。
「今月の後半に予定されている、女性に活力を与えるセミナーについての、短い導入セッションがあります。」

さてここからです。
「during はなぜ間違いになるのでしょうか?」という質問を受けたのです。
その方曰く「during でもきれいに意味が通ると思うんですよ」

あらほんまですか。(゚∇゚ ;)
では during を入れて文を作ってみましょう。

There will be a short introductory session [during] the empowering women seminar that is scheduled to take place later this month.

ご質問者の主張はこうです。
--------------------------
このように during を入れた英文だと、「セミナーの期間中に短い導入セッションがある」と解釈できます。これはセミナーの形式のパターンとしては考えられるので、全く問題ないと思います。during も正解にしないとおかしいです。
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なるほど。確かにセミナーのスケジューリングによっては、セミナーとは別個に導入セッションをやったり、セミナーの期間中に導入セッションをやったり、色々ありますよね~。

しかし...問題はそういうことではないんです。

during は間違いです。(>_<)

さて、今回の問題も深いですよ。

●まず、正解の文が正しいところから見ていきましょう。
There will be a short introductory session [about] the empowering women seminar that is scheduled to take place later this month.

まず最初に There will be a short introductory session とあります。short introductory session には不定冠詞の a が付いていますね。なぜでしょうか?

はい、それは新情報だからですね。

女性に活力を与えるセミナーというものがあって、それについての導入セッションがひとつありますということです。どんな導入セッションか内容はわかりませんが、とにかく導入セッションがあるんですよと言ってます。

●では during を使った文を検討しましょう。
There will be a short introductory session [during] the empowering women seminar that is scheduled to take place later this month.

この文がまずいのは about では問題なかった a short introductory session についている不定冠詞の a です。

これも同じく新情報だからよさそうなんですがだめなの。よく考えたらわかります。まず、女性に活力を与えるセミナーの期間中にある導入セッションというのは限定されたものです。つまり、セミナーに関するセッションであることは明白な事実ですから、それに関連付けるためには定冠詞の the を付けなくてはなりません。

不定冠詞の a を付けると、女性に活力を与えるセミナーの期間中に、あるひとつの導入セッションがあるという意味になり、セミナーとは無関係の何かの導入セッションがあるかのような意味になってしまいますよね。何のセッションのこと?って感じです。だから during にしたかったら定冠詞の the を使って、セミナーの導入セッションのことだと受け手に知らせる必要があります。

There will be the short introductory session [during] the empowering women seminar that is scheduled to take place later this month.
こうすることで「セミナーの期間中に、それに関する導入セッションがある」という意味を引き出すことができます。

あれえ?...じゃあなぜ正解の about の文は不定冠詞の a を使うことができるんですかって思いますよね。
また戻ってみてみましょう。

There will be a short introductory session [about] the empowering women seminar that is scheduled to take place later this month.

この文における a short introductory session は the empowering women seminar と無関係ではもちろんありません。関連付けは about によってすでになされていますよね。関連付けがされた上で、「セミナーについての何らかのセッション」と言いたい。だから a でいいんです。

about の文では定冠詞の the を使って the short introductory session にしても大丈夫です。ただし、この場合は、新情報でなく旧情報であるような印象になります。「さっき述べた導入セッション」を指しているかのような感じです。

ややこしいですね。
ちょっと簡単な例を書いてみます。

I bought a book about Shakespeare.
シェイクスピアに関する本を一冊買った。a book は新情報
I bought the book about Shakespeare.
シェイクスピアに関するその本を買った。the book は旧情報(既知の情報)

このように英文を読むときに見落としてしまいがちなのが冠詞です。適当に a とか the を振っているのではないんですね。全部に意味があります。during のケースでは、不定冠詞の a を使うと、文としての整合性がとれなくなってしまいますということなんですね。

たかが冠詞、されど冠詞。
今回の問題は、またしても冠詞の重要性をヒシッと感じる問題でした。

ではまた。001.gif
by ladysatin | 2014-12-14 19:48 | 語法_English Usage | Comments(0)