副詞句考察(1回目)

英文を読んでいて、この副詞(句)はどこにかかっているのかなと悩んだことはありませんか?

今日は「場所を表す副詞句」について考えたいと思います。
よかったらお付き合いください。

まずこの文から。

500 billion plastic bags are manufactured each year for numerous products in more than 100 countries.

この英文は、ある教本に載っていたものです。
この文を訳しなさいと言われたら、皆さんはどのように訳しますか?

対訳はこうでした。
①毎年、100カ国を超える国で、5000億枚のプラスチック製の袋が、非常に多くの製品のために生産されている

これについては特に問題ありませんね。私も同じように訳すと思います

さて、これについて別の訳を考えた人がいました。
その人の訳はこうです。
②毎年、100カ国を超える国にある非常に多くの製品のために、5000億枚のプラスチック製の袋が生産されている。

(;^_^A  いかがでしょうか皆さん。

①と②の違いは、in more than 100 countries がかかる場所です。

①は in more than 100 countries 100カ国を超える国で → are manufactured 生産されている
②は in more than 100 countries 100カ国を超える国にある → for numerous products 非常に多くの製品のために

ほとんどの方が①で訳されたと思いますが、②は、かかり方が違うだけで文法的に間違っていませんね。

ということで、②で解釈することも可能ではないですか?という問題提起なのです。

事実関係としては、「100カ国を超える国で、5000億枚のプラスチック製の袋が生産されている。」ので①が正しいです。ちょっとそれはおいといて、英文としてみたときの話をしたいと思います。

まず、②の解釈は可能かどうかと言われたら、可能だと思います。
間違いだと否定できる要素がないのです。

しかし...

②はとっても不自然だと思う人がほとんどだと思います。
実際にこの英文を何人かの人に見せて意見をきいたところ、全員の解釈が①でした。

では、なぜ不自然なんでしょうか?ときくと「何となくしっくりこない。座りが悪い。どちらかと言えば①を選ぶ」と、皆さんおっしゃるんですね。

なぜ皆さんが不自然だと思うのか。そこに切り込みます。

もう一度英文を見てみましょう。
500 billion plastic bags are manufactured each year for numerous products in more than 100 countries.

①毎年、100カ国を超える国で、5000億枚のプラスチック製の袋が、非常に多くの製品のために生産されている
②毎年、100カ国を超える国にある非常に多くの製品のために、5000億枚のプラスチック製の袋が生産されている。

②の解釈は in more than 100 countries が for numerous products にかかります。ということは、being を補っても同じ意味になります。
→ 500 billion plastic bags are manufactured each year for numerous products being in more than 100 countries.

ここから以下の文が導き出されます。
→ Numerous products are in more than 100 countries.

この文自体に文法的誤りはありません。きれいな英文として成立しています。

しかし、この文は奇異に感じます。
なぜなんでしょう?

おそらくその理由は、numerous products に対し more than 100 countries のスケール(面積)が大きすぎるからだと思います。多くの人が何となく②は不自然だと感じるのは、この理由からではないでしょうか。

●少し be 動詞の観点から見ていきたいと思います。

場所を表す in と be 動詞を一緒に使う場合は、訳は「(その場所に)存在する(ある、いる)」になりますが、その場所の大きさや特殊性を考慮する必要があります。一般的に in のあとに続く場所(空間)が広くなるにつれ、be 動詞ではなく、行為を特定する一般動詞を使う確率が高くなり、かつ自然な英文になります。

次の文を作ってみました。

a) Some products are in the box.

「いくつかの製品が箱の中にあります。」- この文を見て変な文だと思う人はいないでしょう。箱は狭く閉ざされた空間であり、この中では製品は存在しているだけです。他の行為(例えば修理する、販売する)が及ぼされることは考えられません。

b) The products are manufactured in the factory.

factory は box より広く、特殊な目的をもった場所です。products はそこでは存在するだけでなく他の行為が及ぼされます。manufactured, repaired, packed, etc. つまり be 動詞以外の選択肢が広がり、行為を特定する確率が高くなります。

c) The products are sold in many countries.

さらに面積を広くして「多くの国々」にすると、factory で可能な行為の種類をはるかに超える数の行為が可能となるので、一般動詞を使用する頻度が高くなります。box の中では products は身動きせずただそこに存在するだけですが、多くの国々では products はただ存在することが目的ではなく、何らかの行為を加えられるために存在しています。故に「be動詞 + 一般動詞の受動態」で表現する方が自然になります。

元に戻って、in more than 100 countries を どうしても for numerous products にかかるように解釈したいというのであれば、一般動詞の受動態をかませるというひと手間が必要になると思います。

たとえば
500 billion plastic bags are manufactured each year for numerous products sold in more than 100 countries.
毎年、100カ国を超える国で販売されている非常に多くの製品のために、5000億枚のプラスチック製の袋が生産されている。

sold という一般動詞の受動態を入れることで、不自然さが消えました。つまり、products は more than 100 countries という広大な空間においては、黙って be 動詞として存在しているのではなく、一般動詞による行為を受けて存在しているということです。

極端に言えば、There is a book in the bag.(一冊の本がバッグの中にある。) はOKだけど、There is a book in Japan.(一冊の本が日本にある)は変よねってことなんですね。

副詞句のかかる場所を特定するのが難しいとき、こんな考え方もあるんだということで、ひとつの参考にしていただければと思いました。

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by ladysatin | 2014-09-27 17:03 | 語法_English Usage | Comments(0)