until と before の使い方

最近おもしろい質問を受けました。
お友達が昔の映画を見ていてふと思ったそうな。

その映画とは Wait Until Dark - 邦題「暗くなるまで待って」

オードリー・ヘップバーン主演の1967年の映画だそうですが、皆さんはご存知ですか?
私は知りませんでした。昔の映画っていまいちなんです。私。
ま、それはよいとして、彼女はこんな質問をしてきたのです。

友 「あのさ~、Wait until dark なんだけど、この until を before に変えてもいいよね。(^^)/」
私 「え~、それはだめでしょ。だって「暗くなるまで待って」だもん。「まで」は until やんか。」
友 「それはわかってるんだけど、文としては成立するでしょって話。」
私 「うっ。。。 」
友 「つまりさ。「待つ」という行為は「暗くなる」より以前の行為だから、before も使えるはずでしょ?」
私 「いや、この場合はあかんと思うけど。。。」
友 「なぜでございましょう?(`ー´)」

ということで、またしても理由を求められてしまった私です。
さて、これはどう考えるとよいかな。感覚的に before は使えないと思った方はすごいと思います。
実際、ネィティブに Why? と聞いても論理的な答えは返ってこないものです。
日本語でも体に染み付いている感覚ってありますものね。

しかし、この彼女はいつも具体的な理由をきいてきます。
こういう友達がいると、まあ自分が鍛えられてよいのだけれど。。。

ではまず、具体的な時間を入れてみましょうか。

① Wait until 5 p.m.
② Wait before 5 p.m.


①も②も命令文ですが、not は使われていないので肯定文の仲間に入れて考えましょう。
肯定文で until を使うときは継続を表す動詞とともに用いますね。
この例では wait が使われています。
「待つ」という行為はある期間を伴うので継続を表す動詞と考えます。

そして、大切なことですがuntil はその動作の終了を表します
ずっと待っていて、その「待つ wait」という行為が、5時に終了したことを示すのです。

このことから、肯定文や肯定の命令文では、start や finish のように、瞬間的な行為を示す動詞は使えないことがわかります。

では、②の before をつかった文はどうでしょう。
before は「(予定より)早く、前もって(previous to, earlier than)」の意味で、ただ漠然と「...前に」の意味を表すだけですから、②の意味は、いろんな解釈ができてしまいます。

② Wait before 5 p.m.
この文は、until と違って、「5時まで待つ」という意味はなく、5時より前の時間なら何時でもかまいません。例えば「3時まで待つ」ことも選択肢としてあります。

しかし、話者が「3時まで待ってね」ということを示唆するために、Wait before 5 p.m.と言うことは、普通は考えられません。3時まで待つのであれば、Wait until 3 p.m. とはっきり言うでしょう。

この文は命令文ですから、5時という明確な時間が非常に重要な意味を持っています。だから、before を使うととっても不思議な文になってしまう。というのは、3時まで待つというシチュエーションが極めて考えにくいからです。

ただ、②は文としては正しいのか?と言われたら、正しいと思います。肯定文では before を使った文は実際に使いますから。

例文) I waited for 3 hours before she arrived.

この文は「彼女が到着する前に3時間待った」ということですから、おそらくbefore の代わりに until を使うこともできるでしょう。ただ、before が示唆することはもっと広くて、例えば、1時間待って買い物に行き、1時間待って映画に行き、その後1時間待ったという場合でも、結局、待った時間はトータルで3時間ですから、この例文は成立しますね。

しかし、こんな状況って普通は考えないですよね。
ただ単に、彼女の到着前に継続して3時間待ったと考えるでしょう。

では以下の文の違いは何なのか考えてみたいのです。

1) I waited for 3 hours before she arrived.
2) I waited for 3 hours until she arrived.

純粋に「彼女が到着する直前まで3時間継続して待った」ということを意味するために、この1)と2)を使ったときのニュアンスの違いについて知りたいと思いました。

どちらも正しい英文だと思うのですが、ここは信頼できるネィティブの知り合いに聞いてみました。

彼女が言うには
1)の before の文だと、彼女が到着する時間を知らなかったようなニュアンスになるとのことでした。ふたを開けてみれば、結局3時間待ったという感じ。

2)の until を使うのは、彼女が到着をする時間が前もってわかっていた、あるいは到着することがわかっていた場合だとのことです。


これ聞いて目からうろこが。

先の Wait until dark と Wait until 5:00 p.m. の二つの命令文における until は前置詞でしたが、節にするために接続詞として書いてみます。

★Wait until he arrives.
この文は、彼が到着することがわかっているからこその表現です。
とても自然です。

★Wait before he arrives.
この文に違和感を覚えるのは、彼がいつ到着するのかわからんけど待てというニュアンスになってしまうからでしょう。非文ではない。しかし、命令文で使うのにはそぐわない感じがします。

このへんのことは辞書や参考書に載っていないので難しいですね。

ネィティブの人たちは感覚的に使い分けをしているのだろうと思いますが、日本人にはなかなか習得するのが難しい感覚だと思います。

until と before の違いはとても深いので、また折にふれて書いていこうと思います。
by ladysatin | 2014-01-11 23:26 | 語法_English Usage | Comments(0)