参院選の記事を英文精読

参院選明けの今日、海外ではこのニュースどう取り上げてるのかなと思って、お昼休みにインターネットで英文記事を読んでいました。ネィティブのライターの英文を読むと自分が英文書くときのヒントになります。

今日読んでいた記事なのですが、大学入試に出してもよさそうな、なかなかいい内容だったので、取り上げてみます。考えてみたら、ブログを始めてまだ一度も英文読解のトピックってやったことがなかったのです。

この記事は覚えておくとよい表現が結構あるようです。
リンクはここ → Japan's Abe has chance to show true colors after big election win

まずタイトルのところです。
Japan's Abe has chance to show true colors after big election win

ここはポイントが二つあります。
true colors って何でしょう?

「本当の色」って?実は、color には「本性・性質」という意味があります。辞書にもちゃんと載ってます。すなわち true colors の意味するところは、〔人や物の〕本来の性格になるでしょう。

★show someone's true color  
  →(人)の本性を現す(英辞郎より)

これがそのまま記事のタイトルになっていますね。
ただし、この意味においては、複数形の colors が普通です。
記事のタイトルは複数形になっています。

そして、この場合の chance ですが、普通に私達が使う「機会・好機」の意味ではありません。この意味になるのは可算名詞のときだけです。今回の chance は冠詞が何もありませんから「見込み・可能性」になると思います。ただ、この場合 of doing または that 節が来るのが普通なのですが、この文は to不定詞が使われていますね。

ここを押さえてタイトルを直訳すると。。。
「日本の安倍首相は、選挙の大勝利のあとで本性を現す可能性がある」
という意味になるでしょう。どんな本性なんでしょうね。そのことに言及した内容が本文に書かれてあります。

最初のところだけちょっとやってみます。

TOKYO (Reuters) - Japanese Prime Minister Shinzo Abe's ruling coalition scored a decisive victory in an election on Sunday - so big that there are suspicions he will lose interest in difficult economic reforms and pursue his nationalist agenda instead.

試訳(なるべく直訳しています。)
「東京(ロイター)- 日本の安倍晋三首相率いる連立与党は、日曜日の選挙で決定的な勝利を納めた。それは非常に大きな勝利だったので、首相が困難な経済改革に興味をなくし、かわりに国粋主義者としての計略を推し進めていくのではないかという疑念がもたれている。」

★ruling coalition 連立与党、連立政権
似たような表現でこれも押さえておいては - coalition government 連立政権[内閣]、連合政権

★score 〔勝利・成功などを〕得る、納める
scoreにはこんな意味もあるんですね。本文も scored a decisive victory (決定的な勝利を納めた)とあります。定番表現として覚えておくとよさそう。

さて、この文では an election と不定冠詞がついています。参院選ってわかりきっているのに、どうして定冠詞の the がつかないんだろう?この記事が、日本人に向けて書かれたものであれば the が付くはずです。しかし、これはアメリカのヤフーの記事ですから、日本人以外の人に向けて書かれたものなのですね。だから不定冠詞の an を付けて「ある選挙」という書き方をしているのでしょう。

★so big that はおなじみの so ... that ...の構文です。ハイフンでつなげて主語を省略してあるよ。The victory was so big that ... と解釈すればいいですね。

★nationalist 「国粋主義者」という表現が出ています。なぜこういうことを書いたのか?

安倍首相は、5月のアメリカ議会調査局の日米関係に関する報告書で「安倍首相の歴史認識はアメリカの国益を損なう」と指摘されました。「ストロング・ナショナリスト(強固な国粋主義者)」と書かれているのです。これはおそらく4月の「侵略という定義は学会的にも国際的にも定まってないといっていい」という首相の発言が尾を引いてのことなのかもしれないですね。

★agenda は「議題」という意味で使われることが多いのですが、ここでは「計略」がよさそうです。

Longman には以下の定義が書かれています。
agenda - the ideas that a political party thinks are important and the things that party aims to achieve - 政党が重要だと考えている計画・もくろみ、また達成することを目的とした事柄

こんなに長くなってしまった。最初のとこだけで。。。

本当は次のパラグラフまでやりたかったのですが、今日はここまでにしておきます。

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7/23 の追記

次のパラグラフまでやっておきますね。

The victory in the vote for parliament's upper house gives Abe a stronger mandate for his prescription for reviving the stagnant economy. Ironically perhaps, it could also give lawmakers in his own party, some of whom have little appetite for painful but vital reforms, more clout to resist change.

試訳
「参議院選挙における投票結果の勝利により、安倍首相は、停滞した経済を蘇らせるにあたっての彼の処方箋に対し、より強力な信認を得たことになる。また皮肉なことにおそらく、その勝利は、彼が率いる党の議員にとっては、その一部議員には痛みを伴いつつ不可欠な改革にほとんど意欲を示さない者がいるのだが、変化に抵抗するための影響力を増すものであるかもしれない。」

このパラグラフは、直訳ではおかしな日本語になりますので、上記のような訳になりました。実に日本語にしにくい英文です。無生物が主語になっているので、そこをどう処理していくかがポイントです。わかりやすい日本語にしつつ、書かれている情報はすべて網羅しなくてはなりません。

ここは2文からなっていますが、動詞に give を使い、構造は全く同じです。

①The victory in the vote for parliament's upper house give Abe a stronger mandate for his prescription for reviving the stagnant economy.

参議院選挙における投票結果の勝利により、安倍首相は、停滞した経済を蘇らせるにあたっての彼の処方箋に対し、より強力な信認を得たことになる。

★give someone a mandate 人に信認(権限)を与える
★prescription 処方箋、命令、指示


stangnant economy はこのまま覚えてね。「停滞した経済」という意味です。どよ~んと止まっている感じ。sluggish economy という言い方もしますが、sluggish だとまだ少し動いている感じです。stagnant までひどくないです。

②Ironically perhaps, it could also give lawmakers in his own party, some of whom have little appetite for painful but vital reforms, more clout to resist change.

また皮肉なことにおそらく、その勝利は彼が率いる党の議員にとっては、その一部議員には痛みを伴いつつ不可欠な改革にほとんど意欲を示さない者がいるのだが、変化に抵抗するための影響力を増すものであるかもしれない。

緑でハイライトした some of whom は挿入節になっています。関係代名詞の非制限用法です。

★give someone a clout  (人)をポカリと殴る、一撃する

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久々に、受験英語の日本語訳の問題に取り組んだみたい。
なめらかな日本語にするって本当に難しいですね。

たまには精読のトピックもいいかもしれません。

皆さん、精読は英語力向上には不可欠です。

また、良い記事があったらご紹介しますネ。

では 029.gif
by ladysatin | 2013-07-22 07:16 | 英文精読_Reading | Comments(0)