2013年 06月 27日
preferable vs. desirable
日本語では同じような意味に思えるのに、ニュアンスが違う単語って英語には結構ありますよね。
その一例として preferable と desirable をみてみます。
どちらも概ね「望ましい」と訳すことが多いと思います。
以前、ある人から質問がありました。
契約書関係では「~することが望ましい」というときに、It is preferable は出てきても、It is desirable はあまり出てこないとのことで、なぜでしょうということでした。
例えば、「当該の情報の利用は業務従事者に限定することが望ましい」という文です。
こういうときニュアンスの違いを確かめるには、英英辞典を調べると一発でわかるときがあります。
Longman で調べてみました。
すると、言外の意味が異なることに気づきました。
以下が記載文です。
★ preferable
better or more suitable
例文)For this dish, fresh herbs and garlic are preferable.
この料理には、新鮮なハーブやにんにくが望ましい(=より適している)。
★ desirable
Something that is desirable is worth having or doing.
例文)The ability to speak a foreign language is highly desirable.
外国語を話す能力は非常に望ましいものだ(=もっている価値がある)。
このように preferable には元々比較の意味があり「(より)望ましい、(より)適している」という意味になるのに対し、desirable は何かとの比較の意味合いはなく「望ましい」という意味の裏に「~の価値がある」という含意があるのですね。
したがって元の文「当該の情報の利用は業務従事者に限定することが望ましい」に関しては、「業務従事者」とその他の「利用者」を比較していると考えられるので、preferable が適切と考えて良さそうです。
一つの単語を選ぶのにも一苦労しますが、困ったときの英英辞典は頼もしい助っ人です。