お客様のための翻訳

私の勤務先は、家電や工業用機械の取説やサービスマニュアルの制作を主にやっているので、翻訳業務もその系列が多いです。こういう取説の翻訳には Trados(トラドス)という翻訳のアプリケーションを使うのですが、これがないと大量の翻訳は無理だなあといつも思っています。

Trados については翻訳者の方や翻訳者を志望している方はご存知だと思います。
またいつかの機会に Trados のことは書こうかなと思っています。

さて、今日は翻訳をしていて、これ今日の記事のトピックにしようかなと思った題材があったので、書いてみます。

仕事で以下の日本文を英文にしなくてはなりませんでした。

●microSD カードスロットのカバーを閉じていない状態で、充電池パックを無理に挿入しないでください。
 microSD カードスロットを損傷することがあります。


何だかよく目にする文ですね。パソコン関連、モバイル関連の取説に出てきそうな文言です。
さて、これをどう料理しようかと思いました。(-_-)ウーム

一番最初に思いつくのは、やっぱり直訳かな。
以下のように3つのパートに分けるといいかなと思います。

①microSD カードスロットのカバーを閉じていない状態で
②充電池パックを無理に挿入しないでください。
③microSD カードスロットを損傷することがあります。


ではやってみましょう。

①microSD カードスロットのカバーを閉じていない状態で
ここは付帯状況のwithを使うとよさそうです。すると...
With the microSD card slot cover not closed (closedは過去分詞)

付帯状況は高校で勉強しますね。
「窓を開けた状態で」 with the window open (このopenは形容詞)
「プログラムを走らせた状態で」 with the program running (runningは現在分詞)

「with + 人・物 + (現在分詞・過去分詞・形容詞)」で表します。
とっても大切な文法項目です。

②充電池パックを無理に挿入しないでください。
この構文自体は中学英語です。ただの命令形ですから素直に書けばいいですね。
do not forcibly insert the rechargeable battery pack.

③microSD カードスロットを損傷することがあります。
これも受動態のシンプルな形でいい。
The microSD card slot may be damaged.

「~することがあります」は may や can を使うと簡単。
取説では may が圧倒的に多いです。

ここまでできたら、①+②+③をそのままつなげます。
With the microSD card slot cover not closed, do not forcibly insert the rechargeable battery pack.
The microSD card slot may be damaged.


このように二つの文がきれいにできました。
バッチリです。
素直な文です。

しかし。。。"o(-_-;*) ウゥム…

私はこの文では満足できず、構文自体をごろっと変えてしまいました。

さてなぜでしょうか?

実はこのまま使おうかなと思ったのですが、ちょっと不満な点がありました。
それは「この文は一体何を言いたいのか」ということです。
見ればわかる通り、これはお客様への注意喚起の文なんですね。

「microSDカードを閉じていない状態で」とは「開けた状態で」と同じ意味ではないですか。それなのに、なぜ、日本語を作った人は、こんなまどろっこしい言い方にしたのだろうと思ったのです。さらに、そのあと「挿入しないでください。」となっていて、否定語が2回も出てくるのがウザイですよね。

「閉じていない」「挿入しない」
こういう言いかたせずに肯定文でかきゃーいいじゃん!... と思ったのです。

なので、私は以下の文に書き換えました。

Make sure to close the microSD card slot cover before inserting the rechargeable battery pack.
Otherwise, the microSD card slot may be damaged.


この文の意味はこうなります。
●充電池パックを挿入する前に、必ず、 microSD カードスロットのカバーを閉じてください。
 そうしないと、microSD カードスロットが損傷することがあります。


元の日本文と言いたいことは同じです。しかし、書き方の違いがあるんです。
「~しないで~しないでください。」

「~してください」
の違い。

どちらがストレートにお客様に伝わるかと考えたときに、私は後者だと思いました。
お客様が知りたいのは「じゃあどうすればいいの?」ということです。
この場合は「カバーを閉めてね」ということ。

取説というのは、お客様の頭を混乱させてはいけないのです。
ストレートに「こうするんでっせ」と言われることがお客様は一番ありがたい。

確かに直訳は基本です。私は、すべて翻訳は直訳からと思っています。
しかし、改良の余地があると思ったら、意味が全く同じであれば、わかりやすい方を選ぶべきだと思っています。

きれいにちゃちゃっと英文書いてそれで終わりでもよいかもしれません。
しかし、解読に時間がかかる取説ほど読みたくないものはありません。

英語のネィティブの人が読む取説ですから、「これ、へったくその日本人が書いた英文やな~」と思われないように、出来る限りの知恵は働かせようと思います。

いつも思うのは、自己満足になってはいけないということです。
これでいいと思ったら、そこから先の成長はないんじゃないかって思う。
もっと上手な翻訳がしたいし、もっと英語と深く付き合っていきたいと思っています。

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Commented by marcy at 2016-01-17 02:21 x
ブログ、楽しく拝見しています。
少し「ん?」と感じたのでコメントを。

違和感を感じたのは肯定文で書くという部分です。
元の日本語が取説風だ、はい私もそう思います(笑。
私、若い頃にソフトウェアのマニュアルやプログラムに関わった経験があり、確かにこんな取説風の文章を書いてました。
と言うか好みなんですね、こうゆう表現が(笑。

そうゆう人間がこの文章を書く時、アタマの中には以下のようなプログラムが浮かんでいます。(厳密に言うとDO NOT部分の記述がダメです。突っ込まないように(笑)

If 「microSD カードスロットのカバーを閉じていない状態」
 DO NOT 「充電池パックを無理に挿入」
ELSE
YOU MAY 「microSD カードスロットを損傷」
ELSE
YOU CAN DO ANYTHING
END IF

また、製造技術者的な人間であれば製品が壊れる使用法を恐れます。
そうゆう彼らがこの文章で一番言いたいのは「充電池パックを無理に挿入するな」と言う事だと想像します。

そんなこんな考えると、おバカなプログラマ的人間は、ladysatinさんの言い回しでは正常処理のみが記述され、elseの記述が無いように感じてしまうんです。
プログラマや製造技術者はエラーを一番怖がります。
エラーやbugの原因の多くはelse記述の欠落が多いんではないでしょうか。
実際、私自身がそうでしたから(笑。

このスロットがどのような構造かわかりませんが、要はカバーが開いてようが閉まっていようが無理に充電池パックを押し込むな、という部分が一番言いたかったことじゃないかなぁと思いました。
そこまで考えると、そもそも翻訳に出す前に構造を見ながら日本語での表記を再考すべきだったんでしょうね。

様々な取説やマニュアルなど眺めているとユーザーと製造者、そのどちらに重きを置いているのか、そうゆう違いが垣間見えたり、作り手側は職人気質、でも販売する部署はユーザーフレンドリーと言いながらお客様は神様を目指す。そうゆう部署間の違いを感じたりもします。面白いですね(笑。

ladysatinさんが言うようにユーザー視点で考えるというのも一理あると思いますが、他方、作り手側がこんなコト考えているかもということを知ってほしいなと思いコメントしました。

marcy
Commented by ladysatin at 2016-01-17 21:10
marcy さん
とても勉強になります。コメントを読ませていただいて、自分に欠落していた視点に気付きました。私の記事は私が考えたことを書いていますが、それが唯一の解だとは思っていません。なので、異なる意見を歓迎しています。私の記事に皆様がコメントでさらに肉付けをしていただけたら、それをまた読んでくださる方々が新たな情報を得ることができます。

翻訳者は、ユーザーにいかにわかりやすく書くかということを常に考えなくてはなりませんが、その反面、作り手側の視点にまで頭が回らないことが多いと思います。とても大切なことを教えていただき、自分の未熟さを反省します。

marcy さんが書いてくださったことは、翻訳にたずさわる方や勉強中の方にも有益な内容だと思います。
ありがとうございます。
Commented by marcy at 2016-01-18 16:50 x
いやいや、かしこまってそう言われると(汗。。。
でもいろいろ伝えたい事が伝わったと(笑。
こちらこそありがとう。
また覗きにきますねー
Commented by ladysatin at 2016-01-18 17:24
Thanks.
Commented by はるまき at 2016-12-13 07:59 x
久しぶりに発見した興味深いブログなので、あちこちにコメントを連投しています
はるまきです、一応少し自己紹介しておきます
私も現在、まだ経験は浅いですがフリーランスの英日翻訳をしてます
大昔は某メーカーのエンジニアをやっていて、mercyさん同様プログラミングも、
自分が率いたチームで作った小さなソフトウェア製品のマニュアル執筆もしました
マニュアル執筆の時は、リリース後の顧客対応も自分が担当することが想像できていたので
当時限られた時間でできる限りの勉強をし、読者全員に絶対に正確に伝わる完璧なモノを目指しました
そんなわけで文章には非常に強いコダワリがあります

さて、元の日本語で言っているのは『カバーが閉じてない状態で充電池を無理に入れるな』
ladysatinさんの最終言い換え案は残念ながら『無理に』の部分が欠落してますね
また『カバーを閉じなさい(充電池を入れる前に)』については
カバーが既に閉じている状態からはそれを閉じることはできません
しかし『そうしないと壊れるよ』と脅されると(笑)
ユーザーは「閉じなきゃいけないカバーはどれかな?」なんて調子で
永遠に充電池を入れられない事も考えられます・・・そんな大袈裟な?
いえいえ、世の中にはたくさんの方がいらっしゃいますからね・・・?


但し、
このケースとは全然違う形ですが
否定形は意味が明確にならないケースが良くありますよね
例えば次の文章
「私はladysatinさんのように勤勉家ではありません。」
はて、私は一体、ladysatinさんが勤勉家であると言っているのか、勤勉家ではないと言っているのか?
(読点を入れてませんが、どこに入れても同じと思います)

「テクニカルライティングの世界では否定形は要注意、場合によっては肯定形への書き換えが必要」
という基礎知識?がありますから、私も通常はとりあえず肯定形の案を探します、癖のようなものです
ladysatinさんもそういうところがあるのではないですか?
(しかしこのケースはやり過ぎましたね)
Commented by ladysatin at 2016-12-13 16:14
この英文についてはやり過ぎだと思っていません。

技術者の方の製品についてのこだわりから、文章もその思いが感じられることは多々あります。しかし、取説は技術者が読むものではなく、あくまでエンドユーザーのためのものです。故に、ユーザーにいかにわかりやすく書くのかが問われると思います。

「無理に」の部分が欠落しているということですが、「無理に」は否定文だから入っているわけで、肯定文では入れようがありません。しかし、その点を考慮し、「必ず」という強意の文言を添えているのです。

「カバーが既に閉じている状態からはそれを閉じることはできません」については、「PCを立ち上げてください」という指示に対し「もう立ち上がってるんだけど、どのPCを立ち上げるのかな」というものと同じで、屁理屈だと思います。

なお、私はすべての否定文を肯定文で書けと言っているのではありません。安全文の場合は、生命の危険に及ぶ文言が出てきます。この場合は簡単にはいきません。「濡れた手でコードを触らないでください。感電する場合があります。」という文を、「必ず乾いた手でコードを取り扱ってください。」と書くでしょうか。私は Do not でそのまま書きます。禁止行為だからです。

今回の題材は、ひとつの手順に関する注意書きであり、「こうしてください」とユーザーに指示する文です。私が言いたかったのは、何でも直訳するのでなく、逆から見ることで、よりユーザーにわかりやすくなることも多々あるということです。

なお、否定文を肯定文で書いたときは、当然のことですが、このような理由で肯定文の方がよいと思いこの訳にしたという申し送りを添えて納品します。
Commented by はるまき at 2016-12-13 19:57 x
なるほど〜
よくわかりました
ladysatinさんが間違えてしまった場所が!

「無理に」は否定文だから入っているわけで、肯定文では入れようがありません。

この部分ですね
確かにladysatinさんの最終案の文章構造では入れようがなくなってしまいそうですが
でも違う構造なら肯定文でも入れられますよ
ここを勘違いしてしまい、欠落したものと思います

理解しやすくするため、元の日本語を箇条書き風に書き換えてみましょう
もちろん、要点でない言葉も省きます

条件1:カバーが開いている
条件2:充電池を無理に入れる
注意:上記の2つの条件が重なると壊れることがあります

現物のデバイスの構造がわからない以上、少なくとも
カバーは、開いているか、閉じているかの、2通り
充電池は、無理に入れるか、優しく入れるかの、2通り
の状態の組み合わせがあると考えましょうか

起こり得る状態のパターンは4通り
1. カバーが開いていて、充電池を無理に入れる
2. カバーが開いていて、充電池を優しく入れる
3. カバーは閉じていて、充電池を無理に入れる
4. カバーは閉じていて、充電池を優しく入れる

元の日本語では
1 の場合に壊れることがあると言っています

ladysatinさんの案は無理に入れるかどうかは問題にしていないので、
1 と 2 の場合に壊れることがあると言っています

もう少し落ち着いて考え直してみてください
もし解らなければまたご説明します


marcyさん、先の投稿ではハンドルネームを間違えてしまい、失礼しました
Commented by ladysatin at 2016-12-14 13:52
なかなか話が噛み合わないですね。

貴殿の解釈は「1の場合に壊れることがある」
私の解釈は「1と2の場合に壊れることがある」-その通りです。

もう一度日本語を書きますね。
●microSD カードスロットのカバーを閉じていない状態で、充電池パックを無理に挿入しないでください。
 microSD カードスロットを損傷することがあります。

この文が言いたいことは、カバーが開いているときは、充電池を「優しく」入れてくださいということではないんです。「充電池は閉じた状態で挿入してほしい」ということです。カバーを開いた状態でも無理すれば挿入できるのですが、そうするとカードスロットが損傷する可能性があります。そうならないためには、カバーを閉じておくことを忘れないでねということがいいたいのです。
Commented by はるまき at 2016-12-14 17:56 x
もう一度だけご説明します
最初のコメントで2点指摘したつもりですが、具体的には以下のことです

まず1点目
ブログ本文にはこう書いてあります

-------ここから-------
元の日本文と言いたいことは同じです。しかし、書き方の違いがあるんです。
「~しないで~しないでください。」

「~してください」
の違い。

~途中省略~

しかし、改良の余地があると思ったら、意味が全く同じであれば、わかりやすい方を選ぶべきだと思っています。
-------ここまで-------

「~しないで~しないでください。」と「~してください」の違いがあるだけ、
改良する場合は意味を全く同じにするべき(=2つは同じである)と書いてますよね

それが違うよというのが1点目の指摘です

しかしご説明したところ、今は2つの意味の違いを認められました

-------ここから-------
貴殿の解釈は「1の場合に壊れることがある」
私の解釈は「1と2の場合に壊れることがある」-その通りです。
-------ここまで-------

最初は

意味が全く同じであれば、わかりやすい方を選ぶべき

というご主張だったのが、今は

文章自体の意味が少しくらい違っても、それぞれの状況に応じて多少変更してでも、わかりやすい方を選ぶべき

という様なご主張に変わってしまってますよ

しかし『貴殿の解釈は』ってどういう意味ですか
これも『元の文の意味は』の間違いですよ

次に2点目

>この場合は「カバーを閉めてね」ということ。

これも間違いで、正しくは

『カバーが閉まっているかどうか確認し、開いていれば閉めてください』

でしょう。

以上が2点目です
2点目は、プロの方にこんな風にそのまま正解を書くのは抵抗があり、多少茶々を入れた形にしました
1,2共に、詳細を書かずとも当然お解りになると思っていましたが、屁理屈というお返事はとても残念でした

文字数制限でエラーになったので一旦切ります
Commented by はるまき at 2016-12-14 18:09 x
<続きです>

ところで

>取説はエンドユーザーが読むものだからエンドユーザーにわかりやすく書くべきだ

それは本来はオリジナルを作る方の仕事であって、翻訳家の仕事ではないです
オリジナルの取説の品質の良否は、私は議論しているつもりはありません
すでに書いていますが、私は現在はプロの英日翻訳家です
私の場合、業界が違いますが、こんな翻訳をしたら今のクライアントからは
間違いなくダメ出しされます

なお、敢えて言うなら、私は翻訳する立場では一般論として

取説はエンドユーザーが読むものだから
“オリジナルと正確に同じ意味で、かつ”
エンドユーザーにわかりやすく書くべきだ

と思います
ladysatinさんのクライアントさんのご希望は“”の部分は重視されていない様ですが
そんな事はブログ本文からは判りようがありません
Commented by ladysatin at 2016-12-15 21:33
私の主張は一貫しています。

はるまきさんと私の考え方の違いは、翻訳に対する考え方の違いからくるのでしょうね。私が駆け出しの翻訳者だった頃は、とにかく日本語の一字一句にこだわっていました。今回の件では「無理に」がそれにあたるのでしょう。字面を追うことだけで精一杯でした。しかし、経験を積むにつれ、翻訳というものをもっと深く考えるようになりました。

私の2つ目の英文は、大学入試の英作文であれば、バツになりますね。しかし、翻訳は英作文ではないです。はるまきさんは、「元の日本語は、1の場合に壊れることがあると言っています」と書かれましたね。私はそれについては正しいと言っています。私が2の場合も壊れることがあると言っているのが、元の英文を読み間違えているとおっしゃっているんですよね。どこにそんなことが書いてあるんだと。

私は、日本語を読んだ段階で色々なことを想像します。この件であれば、「「無理に」と書いてあるが、優しく挿入すればOKなのかな?」という疑問が浮かびます。そして「いやそうではなく、言いたいことはカバーを閉めろということだろう」と思ったわけです。何故ならば、「カバーを閉じていない状態で」とわざわざ書いてあるからです。さらに、否定の形が2回出るのも避けたいと思いました。そこで、ユーザーに伝える場合は、肯定文で「こうしなさい」と書いた方がわかりやすいだろうと判断しました。その上で書いたのが2つ目の英文です。

先にも書きましたが、「否定文を肯定文で書いたときは、当然のことですが、このような理由で肯定文の方がよいと思いこの訳にしたという申し送りを添えて納品します。」直訳にしなかった理由は相手に知らせるべきです。その時点でクライアントからそれでOKと納得されるか、やはり原文のまま訳してくれと言われるかは、次の段階の話です。

(続きます。)
Commented by ladysatin at 2016-12-15 21:34
この記事の主旨は、日本語を読んでその文字通りに訳して終わることもできるが、別の視点から考えることで、エンドユーザーにとってもっとわかりやすい英文にすることができるということです。一歩立ち止まって別の考え方をしてみるといいという、私の経験値からの提案であり、情報共有です。

それに対し、自分は ladysatin の考え方には同意できないというのであれば、素通りすればよいだけの話です。私はここで読者に強制するようなことは何一つ書いていません。翻訳という仕事をしていく中で考えたことを、読んでくださる方と共有したい。そして、私が書いた内容が誰かの役に立つのであればいいと思って書いています。

次にこの件について。

>>この場合は「カバーを閉めてね」ということ。

>これも間違いで、正しくは
>『カバーが閉まっているかどうか確認し、開いていれば閉めてください』
>でしょう。

ここそんなにつっかかりますか?
その長い日本語を英訳したら私の売り上げは増えますが、取説は簡潔明瞭に書きます。ここではカバーが閉じていなければならないことをユーザーに理解してもらうことが主旨です。

(続きます。)
Commented by ladysatin at 2016-12-15 21:48
>>取説はエンドユーザーが読むものだからエンドユーザーにわかりやすく書くべきだ

>それは本来はオリジナルを作る方の仕事であって、翻訳家の仕事ではないです

確かにそうです。普通の翻訳者はそこまではしません。
私が普通の翻訳者以上のことをしているだけです。疑問があったらクライアントに「こういう意味ですね」と確認するのは当然のことですが、特に、製品を作る技術者の書く日本語は、プロのテクニカルライターより質が劣ります。だからサポートします。そういう頼まれもしないことをずっとやっていくうちに、顧客との信頼関係が生まれ、私を指名していただき仕事を依頼されるようになったのです。取説の担当者は英語も堪能な人たちばかりです。ladysatin なら日本語が多少まずくても言いたいことを咀嚼して翻訳してくれると思っていただいています。

私は今でこそフリーランスですが、以前は制作会社で翻訳業務にあたってきました。顧客はすべて大手のメーカーで、製品の試作に立ち合い、実機を操作し、どう書けばわかりやすい取説になるかを顧客と検討を重ねてきました。その実績があるから、フリーになっても指名されて仕事が回ってきます。

私は直訳して終わりの翻訳者ではないです。書かれた日本語に色んな意図が見え隠れする。私は書いた人の真意が知りたいのです。そしてそれを言葉にするのです。すべてはユーザーのために。

私の記事に異論を唱えた方がいたとして、「その通り。私が間違っていた。」と思った場合は、そのように書いています。間違いを正すことは私にとって、何の恥ずべきことでもありません。それは、はるまきさんにも証明済ですし、何よりも私の読者が知っています。

このブログの記事もいくつか読んでいただいていると思います。私がいかに言葉というものにこだわり、言葉を大切にしているかということは、どの記事を読んでもおわかりいただけるはずです。その私が、この記事については、はるまきさんには同意しないと言っています。何故なのか考えていただきたいと思います。

以上、お返事とさせていただきます。
Commented by はるまき at 2016-12-16 03:37 x
やはり私が言っていることを全くお解りになっていないです
元の文と最終形で意味が全く同じだとおっしゃっているので
それは違うと指摘しているだけです

元の文の品質の良否に関してコメントしたくなかったけれど
仕方ないので書きますが、このケースは初めから
元の文の品質が悪いため意味の変化を伴う変更の必要があったのです
そしてladysatinさんは変更した、しかし変更したとは書かなかった

>取説は簡潔明瞭に書きます。

ここも同様で、ブログ本文に
取説は簡潔明瞭に書くものなので、完全に同じ意味にはならないが少し省略する
と書けばいいのです

それらを一切書かずに
『意味が全く同じであれば、わかりやすい方を選ぶべきだと思っています。』
と、それまでとは矛盾する事を最後に書くからおかしなことになるんですよ
この点については自分の言葉に対して無責任であり、言葉を全然大切にされていないです

なんとか伝えようと頑張ってきましたが、拒否されているようなので私からもこれで最後にします
Commented by ladysatin at 2016-12-17 19:22
はるまきさんは持論を展開し、あれこれ試されたのでしょうが、すべてに私が的確に反論したため、出すカードがなくなってしまったようですね。最後の貴方のコメントは、とにかく自分の面子をつぶさずに立ち去りたいという思いがにじみ出ていました。結論として貴方は墓穴を掘りました。貴方の意図とは逆に、いかに貴方が翻訳者として未熟であるかをさらしてしまったのです。

私の最後の文「何故なのか考えていただきたいと思います。」の意図をお教えします。

人は完璧ではありません。どんなに自分に自信があっても、常に自分が正しいとは限りません。「ladysatin がここまで言うのは何故なんだろう。自分が間違っているのではないだろうか。」という疑問をもっていただきたかったのです。理解していただきたいのは、はるまきさんは英作文の話をしているのであって、私は翻訳の話をしているのだということです。「翻訳は英作文ではない」と書いたのは、そこをわかっていただきたかったからです。

翻訳とは、書いた人が言いたいことを別の言語で表現することです。元の文の品質は悪くありませんよ。また、元の文と最終形での意味は変わっていません。「無理に」が入っていないからバツだというのは、英作文であればそうでしょう。私がやっているのは、英作文ではなく翻訳です。

そして、ここでは取説の話をしています。文芸翻訳ではありません。取説の翻訳なのです。取扱説明書は Operating Instructions というように、「指示書」です。ユーザーに正しく使っていただくためのものです。文芸翻訳とも映像翻訳とも違うのです。

(続きます。)
Commented by ladysatin at 2016-12-17 19:22
貴方は私のブログの4つの記事にコメントをされています。それらすべてのコメントに対して言えることは、無礼であるということです。人のブログに土足で上がり込み、批判だけをするのですよね。上から目線で人を小馬鹿にした書き方には、不快感が残ります。

しかし、不快ではあっても、私は、私が間違っていた箇所は認めました。サークルゲームとリスニングの記事では貴方の指摘が正しいと思ったからです。また、その指摘に対してお礼も述べています。

ここのブログのシステムは、ブログの所有者に都合よくできています。私もブログの所有者です。所有者は、自分に都合の悪い批判的なコメントを削除することができます。私は承認制にしているので、このコメントは不快だと思ったら、公開する前に自分の恣意で削除することができます。今でも、過去のどなたのコメントに対しても削除することができます。

貴方の不快なコメントは、他のブロガーであれば、即刻削除していたでしょう。しかし、私は削除せずオープンにしました。私は常にフェアなのです。

このひとつ前の私のコメントバックは、非常に長いものになりました。翻訳とは何なのか、この記事の主旨は何なのかについて書きました。また貴方が「それは本来はオリジナルを作る方の仕事であって、翻訳家の仕事ではないです」と書かれたことに対し、私はそのことについて自分の考えを書きました。長い時間をかけて、真剣に書きました。これについて、貴方はどう思ったのでしょう。少しは翻訳とは何なのかがわかったのでしょうか。

(続きます。)
Commented by ladysatin at 2016-12-17 20:06
私のブログには毎日1000人を超す人が訪問されます。アクセス数ではなくて頭数です。その中には、プロの翻訳者もいれば、高校の英語教諭の方もおられます。さらには会議通訳者や同時通訳者の方もいらっしゃいます。私はそのような人々に接し、常々思っていることがあります。

それは、一流の人々は謙虚だということです。一流の人々は、他人から学びます。それは向上心からくるものでしょう。他人から学ぶことを恥ずかしいと思っていません。だから一流になるのです。私もそのような人々を目指していきたいと思っています。

つまらないプライドを捨て、他人から学ぶということ。自分の間違いを素直に認めること。それが当たり前にできる人こそが尊敬されるのです。残念ながらはるまきさんからは、そういう心意気というものを、これまで4つの記事へのコメントを通して、一切感じることはありませんでした。

最後になりますが、ひとつご忠告をいたします。

はるまきさんの文章には、すべて句点がありません。英日翻訳をされているのですよね。「文章には非常に強いコダワリ」があるのであれば、句点はきちんと書きましょう。句点がないというだけで、書いた内容の説得力はなくなってしまいます。文の終りには「。」が必要だと小学生のときに学習しましたよね。まさか、句点なしでお客さんに納品されているのではないかと心配になりました。

以上です。
Commented by ladysatin at 2017-01-17 14:06
コメントをくださった小石様へ

URL の公開を希望されないとのこと。このまま公開しますと、URL にリンクしてしまいますので、コメント本文のみ、以下に転記させていただきます。
Commented by ladysatin at 2017-01-17 14:07
小石様のコメント
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楽しく読ませていただきました。
私も技術翻訳者です。
"Make sure to close the microSD card slot cover before inserting the rechargeable battery pack.
Otherwise, the microSD card slot may by damaged."
すっきりして、これでいいのではないかと思います。
翻訳が自然な英語で、原文と意味するところが同じ、文法、語法の間違い、意味の取り違えがなければ、それでいい!というのが本音です。
客先から「無理に」が欠落という指摘あれば?
「提案としてどのように英語を直したらいいですか?」と聞くことにしてます。
客先は代替案の英訳を示すことはできないか、示したとしても、陳腐な、代替案だったりします。
その時点で「ああ、この人は、いちゃもんつけてる。チェック係という存在理由を示したいためにしてるんだろうなあ」というのを感じます。決して、客先には言えませんが。

その場合、「ええい!”無理に”を入れたらいいんだろう」と
Do not insert the rechargeable battery pack forcibly while the microSD card slot is open. Otherwise....
と書き換えることはあります。議論してたらきりがない。

余談です。正しい英語に、変な修正案を提案される場合、これは提案というよりは、客先はそうしたい!だけど客先の担当者が勝手に変えると、あとで問題になったとき、責任逃れできない、だから、「翻訳者と確認しました」と「逃げ」を打つために、ごり押しで、「これではだめですか?」と聞いてくる場合もあり。そういう場合は「じゃあ、ネイティブチェックをかけます、どちらの英文がよいか。私のが悪ければ、ネイティブチェック費用は持ちますが、そうでなければ、払ってください」というとたいがいは、ひきさがるんですが。

追伸:私のURLは掲載しないでくださいますか?
----------------------------------
Commented by ladysatin at 2017-01-17 15:58
小石さん
初めまして。コメントをありがとうございます。

小石さんがお住まいの場所は、私が1年前まで住んでいたところでしたので、大変親しみを感じております。25年ほどおりました。翻訳の分野も私と大体同じです。

私も小石さんのお考えと同じく、「翻訳が自然な英語で、原文と意味するところが同じ、文法、語法の間違い、意味の取り違えがなければ、それでいい」と思っております。

変な修正案を提案される場合もありますね。担当者が割と英語に自信がある場合に、そんなことがあるようです。その時に、どうしても私自身は変えたくない場合があります。その時のお返事として、「変えていただいても結構ですが、責任が持てませんので、その英文は私が訳したことにはしないでください。」と言ったことがあります。そうしたところ、担当者は「そこまで固執しているわけではありませんので」と引き下がってくれました。一翻訳者の分際で偉そうなことを言ってしまいましたが、その時は、変えたら翻訳者としての自分を否定してしまうような気がしました。

逆に依頼主の指摘から学ぶこともあります。「なぜ、ここは定冠詞の the じゃなくて、不定冠詞の a を付けているのですか。」という質問を受けたこともありました。こういう理由だからですと答えたのですが、こんな細かいところを見ていることがわかると、より一層緊張感をもって仕事をしなくてはならないと思いました。

この度は本当にありがとうございました。
同じ翻訳者の方からのコメントは、とても参考になると同時に、また格別にうれしく思いました。
Commented by とぅみぃ at 2017-01-20 21:25 x
こんにちは。昨年の初め頃まで某翻訳会社でマニュアルなどの翻訳チェックをしていた者です。Facebookでこちらのブログの記事 (http://ladysatin.exblog.jp/27439442/) が紹介されていたので、拝読させていただきました。

私も "Make sure..." を使った表現が伝わりやすくて良いと思いました。「カバーを閉じてから挿入する」という大事な情報が、注意を喚起する make sure... と共に簡潔に伝わると感じます (既にお気づきかもしれませんが、may be が may by になっていました)。

前後の文脈や手順などによっては、Make sure to close... before... の代わりに Make sure that ... is closed before... とすることもあるかと思われますが、注意/警告の箇条書き等であればシンプルな方が良いでしょうね。

これからも翻訳のお仕事を頑張ってください。またブログを読みに来ます。


(余談)
↓「無理に」を無理に入れた訳を私なりに考えてみました。が、やはり苦しいです。
Avoid forcibly inserting the rechargeable battery pack with the microSD card slot cover open, as it may damage the microSD card slot.
Google先生曰く、avoid + forcibly + ~ing の使用例も少ないようです。
Commented by ladysatin at 2017-01-21 14:04
とぅみぃさん

コメントをありがとうございます。またスペルミスに気付いてくださりありがとうございました。お恥ずかしいです。修正しました。

Facebook で直近の記事が紹介されていたとは存じませんでした。興味をもってくださった方いらっしゃったのでしょうか。ありがたいことです。

Make sure to close … と Make sure that … is closed は、ニュアンスは異なりますが、両方ともよく使われますね。その時々での使い分けになりますでしょうね。

またお越しください。
宜しくお願いいたします。
by ladysatin | 2013-06-24 22:08 | 日英 Translation | Comments(22)